ポカリスエット
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ポカリスエット(POCARI SWEAT)とは大塚製薬から発売されている清涼飲料水。日本におけるスポーツドリンク普及の起爆剤になった存在としても知られている。略称:「ポカリ」。
開発における商品コンセプトは「飲む点滴」で、ヒトの体液に含まれる7種類のイオンを含有する。カロリーは100ml当たり27kcal。
また、リトルリーグなどの統括団体日本少年野球連盟の公認スポーツドリンクである。
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[編集] 概要
1980年に245ml缶(価格は当時120円。この時点のコカ・コーラ社製品の250ml缶は100円だった)で発売されたのが始まり。当初は缶の構造も一般の缶飲料とは異なり、上下の平面部分に独特の窪みが付けられていた。ちなみに、このポカリスウェットはアルカリ性の飲料水というイメージが強いが、実際は体内に入る前は「酸性」である。
大塚製薬は元々、病院などで使用される点滴用の生理食塩水を手がけていたため、それを元にして開発が進められた。各種イオン濃度は綿密に調整され、ヒトの体液に極めて近い組成及び浸透圧になっている(「アイソトニック飲料」という用語もここから生まれた)。
「味覚感がない」という理由から飲料水パッケージにはほとんど採用されてこなかった青色を、缶デザインに初めて大々的に取り入れる斬新なデザインで清涼感を強く打ち出し、後のスポーツ飲料のイメージを決定付けた。
現在、東南アジアをはじめ、多くの国で発売されている。アメリカなど英語圏の国々では商品名が「スウェット=汗」を連想させることが指摘されることがある。
[編集] コマーシャル
ポカリスエットを語る上で、忘れてはならないのがコマーシャルであり、斬新な広告デザイン、広告手法を選択することで知られる。近年のCMはポカリスエットブランドマネージャーの大塚太郎の企画による。
[編集] テレビCM
1986年に、「ポカリスエット・イメージガール・コンテスト」で優勝した森高千里は、糸井重里と共演したCMが話題となった。森高千里主演のポカリスエット・ムービーキャラバン第1作「あいつに恋して」は興行的に成功しなかった。1990年代から、多くのビーインググループと提携してヒット曲を連発した。
当初から夏期はイメージを、冬期は機能を全面に押し出すCM戦略をとっている。
男性: マット・ビオンディ、糸井重里、舘ひろし、江川芳文、菅谷栄一、池内博之、浅里昌吾、三谷幸喜、ローリング・ストーンズ、勝地涼、ジャン・レノ、金城武、森且行、草刈正雄、福山雅治、鮎川誠、ヒロミ、玉木宏、JURI、中村竜、平岡祐太、香取慎吾
因みに1998年に森且行が出演、2007年に森以外、つまり現行のSMAPメンバーが順次出演するので、九年間の間を挟みつつも「森脱退後に森を含むSMAP六人が同じ商品(=ポカリスエット)のCMに出た」ことになるはずだったのだが、木村が他社の清涼飲料水のCMに出演しているため、実現しなかった。
女性: マーゴ・ヘミングウェイ、シンディ・クロフォード、石原真理子、森高千里、斉藤慶子、宮沢りえ、一色紗英、中山エミリ、おくはらあい、坂上みき、鈴木杏、後藤理沙、上村時恵、高沢れい子、YUKI (JUDY AND MARY)、松井真朝子、加藤夏希、MIMI、綾瀬はるか
2001年10月には国際宇宙ステーション内でCMを撮影。2002年の年始からキャンペーン「PLANET BLUE」として放映した。
[編集] 広告媒体
1997年12月に日本エアシステムのジェット旅客機A300-600Rの機体に「POCARI SWEAT」のロゴをデザイン。定期空路に用いる旅客機では日本初の機体広告となった[1]。これより以前に東亜国内航空時代の1982年には機内広告を掲出していた。
1989年と2005年の夏期に軽飛行機による飛行機雲で文字を作り広告を行うスカイメッセージを実施した。
[編集] 関連商品
- ポカリスエットイオンウォーター
- ポカリスエットステビア
- ホットポー
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- 粉末をお湯で割って飲む、「ホットポカリスエット」。冬に大々的に売り出された。
- ビーンスターク・ポカリスエット
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- 乳児用に濃度を薄めたもの。果汁入り。
[編集] エピソード
- ポカリスエットの製品化の話が持ち上がった際、会議で一部役員から商品として弱い、売れないなどの否定的な意見が出る中、サンプルを見た大塚明彦社長(当時)の「これは売れる」という鶴の一声で一気に話が進んだという。
[編集] 歴代タイアップ曲
- 1989年:CO-COLO上天気(ミック・ブロズナン Mich Bronsnan)
- 1990年:君が降りてきた夏(MOJO CLUB)
- 1991年:Shiny Day(川島だりあ)
- 1992年:いつまでも変わらぬ愛を(織田哲郎)
- 1993年:揺れる想い (ZARD)
- 1994年:瞳そらさないで (DEEN)
- 1995年:突然 (FIELD OF VIEW)
- 1995年:200倍の夢 (Let it go)
- 1996年:心を開いて (ZARD)
- 1997年:エスケープ(Dr.StrangeLove)
- 1998年:さまよえる蒼い弾丸 (B'z)
- 1998年:夏の魔法(ペパーランド・オレンジ)
- 1999年:Going to the Moon (TRICERATOPS)
- 1999年:Sunny Day Sunday(センチメンタルバス)
- 2000年:Brand New Wave Upper Ground (JUDY AND MARY)
- 2000年:ミュージック・アワー(ポルノグラフィティ)
- 2000年:サウダージ(ポルノグラフィティ)
- 2001年:あたしをみつけて (JUDY AND MARY)
- 2001年:スカート (CHARA)
- 2001年:Free World (LOVE PSYCHEDELICO)
- 2001年:travellin' man(玲葉奈)
- 2002年:SONS OF THE SUN(麻波25)
- 2003年:それがすべてさ(福山雅治)
- 2004年:RED×BLUE(福山雅治)
- 2005年:未来 (Mr.Children)
- 2006年:ハネウマライダー(ポルノグラフィティ)
[編集] 備考
- ポカリスエット15周年記念キャンペーンで「みんなの夢航海」が実施された。
- ポカリスエットのCMは、韓国、台湾、中国、香港、インドネシア、中東でも放送されている。台湾、中国と香港では、日本と同じスポットが放送されている。音声は差し替え。
- ポカリスエットは2006年12月にカタール・ドーハで行われたアジア競技大会(アジア大会)の公式飲料となっていた。大塚製薬はアジア大会では、1998年のバンコク大会、2002年のプサン大会に続いて3度目のスポンサーとなった。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
- スポーツドリンク
- POCARI SWEAT Presents SHOGOのオールナイトニッポン(ニッポン放送系)
- ラジアンDX ポカリスエット・ザ☆学校キャラバン(JFNC系)
- 徳島ヴォルティス - ユニフォームスポンサー
- 徳島県鳴門総合運動公園陸上競技場(2007年5月に同公園の命名権が大塚製薬と結ばれ、メインスタジアムの名称が「ポカリスェットスタジアム」となる)
- ローリング・ストーンズ - 1990年に来日公演を行った時のスポンサー。
- POCARI SWEAT BLUE WAVE THE ROCK ODYSSEY 2004 - ロック・フェスティバル
- レーション
- アクエリアス - コカコーラ社のスポーツドリンク、最大のライバル飲料。ポカリスエットのほうが甘いというのが定説である。