マインドコントロール
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マインドコントロール(英 mindcontrol)とは、強制によらず、さも自分の意思で選択したかのように、あらかじめ決められた結論へと誘導する技術、またその行為のこと。
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[編集] 概略
日本では、1992年の統一教会の合同結婚式に参加した山崎浩子が、翌1993年に婚約の解消と統一教会から脱会を表明した記者会見で、「マインドコントロールされていました。」と発言したことと、同日、発売された、元統一教会員のスティーヴン・ハッサン の『マインド・コントロールの恐怖』という本がベストセラーとなったことから、“マインドコントロール”という言葉が広く認知されるようになった。また、 サリンを使った無差別テロである地下鉄サリン事件は、オウム真理教という宗教団体の教祖の指示で行われたということが自体が衝撃であったが、その団体に多くの高学歴の青年たちが出家して所属していたこと、事件が明らかになってからも教団を離れない多くの信者の姿などが「マインドコントロール」というものの威力を印象づけるものとなった。
「マインドコントロール」は教祖を絶対視し、反社会的な行動をするカルト的な宗教が、信者勧誘や信者管理のために、駆使する心理的手法として、その是非や有無を巡って議論を呼んでいる。日本では1994年に、社会心理学者の西田公昭が「マインドコントロール」に関する学術論文を発表したが、「マインドコントロール」が実在するかどうかは、現在心理学的にも医学的にも論争の対象となっている。
[編集] マインドコントロール理論の起源
元々は1970年代のアメリカで、既成宗教とは違う、カルト的教団が出現し始めていた中で、人民寺院という教団が、脱会者らの訴えにより調査に入った議員一行を銃殺し、900人もの信者らが集団自殺を図るという悲劇的事件が起きた。 それを期に、心理学者らが、入信のプロセスを調べてゆくうちに、本人の自由な意思で入ったのではなく、外部からの影響力で強引に入信させられたのではないかという仮説が生まれ、それが、「マインドコントロール理論」が生まれるきっかけとなったという。
[編集] マインドコントロールに利用される心理
悪徳商法では経験則によって培われた様々な心理誘導テクニックが用いられるが、この心理誘導が一種のマインドコントロールである。悪徳商法に限らず、カルトや自己啓発グループといった団体においても同種の手法を導入しており、これらはマニュアル化されている場合もある。
- 好意の返報性
- 人から好意を受けると、その好意に応えたくなる心理のこと。この心理を利用して、勧誘側から讃美の言葉や手書きの手紙などによって、被勧誘者へ向けて好意が繰り返し示される(「この乱れた風潮の中で人生を真剣に考えているなんて、すごい! 貴方は素晴らしいです!」など)。
- ローボール(低い球)
- いきなり「○○会に入りませんか?」「××が教祖です」と言われても、一般に人は心理的抵抗を感じるが、「お時間あります?」「手相の勉強をしています」「ちょっとだけ時間ください、ここでいいですから」「お金はかかりません」「そこの喫茶店で30分だけ話を聞いてください」「やってみなければ、わからない」という誘い方をされると、心理的抵抗感が薄れやすくなる。このような心理を利用した勧誘テクニックのことを、まず受け取りやすい低いボールを投げることからローボールテクニックと呼ぶ。投げられるボールは適当な期間を置いて、少しずつ高くなっていく。最初は無料チケットで絵画展やコンサートに誘い、次の誘いに応えやすい心理が作り出される(団体への勧誘する目的などは、当初、意図的に伏せられる場合が多い)。
- 権威性
- 著名人との関係を強調されることで、人間は心理的に人や団体を信用しやすくなる。団体の代表とその著名人との接触が、たとえ過去の数時間であったとしても、その対談・握手写真などが、その後、長期間にわたり被勧誘者や支持者に対して繰り返し利用されることがある。また、その団体が関連性を隠して、別の団体名でイメージ戦略等で行っている社会的に受け入れられやすい活動(福祉活動、平和活動、家庭再建、青少年教育など)に賛同を示した著名人が、あたかもその団体の理念や活動に賛同しているかのように宣伝されることもある。を著名芸能人がその団体のメンバーであることなども利用される(広告塔効果)。
- 希少性
- 「限定○○個!」「期間限定!」「あなただけにプレゼント!」など、数量や期間・対象を限られることによって惹きつけられる心理のこと。カルトなどの勧誘では「転換期って知っていますか?」、「今ならもっと偉い先生に見てもらえます!」、「貴方は選ばれた人なのです」といった言葉で希少性の心理に訴えかける。
- コミットメント(関与)の一貫性
- 「つじつまの合う自分でいたい」という人間心理。日常的な場面では「せっかく名前や住所を書いて入会無料で作った会員カードなのだから、使ってみよう」と考えること。宗教の導入部分では「ここまで時間をかけて話を聞いてしまったのだから、試しにやってみよう」と思うこと。マインドコントロールの最終的な局面では、「ここまで、この教えで歩んで来たのだから、○○に参加しよう」「全身全霊をかけて信仰すると誓ったから、全財産を献金して献身生活に入ろう」など、「何のために今まで…」という考えかたにあらわれる。
- 知覚のコントラスト(対比)
- 心理的に対照的な刺激を受けると、人間の知覚や認識に対比効果が出ることを「知覚のコントラスト」という。「原爆展などの戦争写真展を見た後では、何気ない普段どおりの公園の風景でも光り輝いて見える」という心理のこと。日常的には「高級店で高価な値札を見た後で安価な店に立ち寄った際に、普段は手が出ない商品でも安く感じられる」という人間心理にあらわれる。一部宗教団体や思想団体での勧誘では、「戦争・飢え・差別・殺人・自殺・不倫・離婚」など、世の中の暗い面を過剰に強調した映画やビデオ等で被勧誘者に対して叩き込まれ、被勧誘者は一時的に絶望的な心理に追い込まれる。被勧誘者は、その暗く八方ふさがりな心理にある中で、明るい出口としてその団体の理想や行動が示されたり、その流れで教祖の名前や写真が明かされたりするため、それらが実際以上に光り輝いて見えてしまう。
- 恐怖心
- 一部の宗教団体では「脱会すると不幸になる」と教えられる。教義として教えられなくとも、脱会して不幸になった事例が、まことしやかに繰り返し示され、恐怖心が喚起される。「不幸になる」と言われる対象はその宗教によって異なり、「霊界の先祖」「本人」「親・兄弟・親戚」「子孫」など様々である。「教えを聞く前ならともかく、教えを知ってから脱会すると絶対に救われない」というレトリックも利用される。また、脱会の場合だけではなく、仮にその団体から一時的に距離を取りたいと申し出ても、「悪魔が入る」「地獄に行く」などと言われ、カルトによってその表現は様々であるものの、刷り込まれた恐怖心によって、団体から距離と時間を置くことが出来なくなる。
[編集] マインド・コントロールの手法
この技法は、ある特定の目的に向かうよう、そのように思い、考え、行動するべく誘導するものである。本来、自由であるべき個人の行動原則を誘導・操作するため、道義的な問題をはらむ部分があり、カルト宗教の問題とも関わって、これに対する批判が多々あるが、この技法を利用して社会規範意識の刷り込みによる犯罪者の矯正や、心理的に手を出してしまいやすい薬物依存に悩む人の意識改革を目指すグループも存在する。
しつけ的な手法(入信後)
- マインドコントロールの手法として特に顕著なのは、様々な局面に対しての膨大な規則を与えて、それらに従うように仕向け、時にはその理由を知る事や考える事を禁止し、その通りに行動すれば非常に賞賛し、僅かでも外れれば厳しく罰して、次第にその規則に無意識に従うように「躾る(犬に芸を教えるように仕込む)」事である。
- この「躾」が繰り返されると、常識や個人的価値観、果ては良心や善悪感までもが失われてしまうことがある。そのためコントロールされている者は非常識な振る舞いをしても、当の本人はそれに何の疑問も感じないことにもなる。ただし、怨念、依存、執着といった一般には歓迎されない感情・精神的状態を抑制するために、マインドコントロールが有効であるとの見解もある。
(参考)洗脳的手法
- マインドコントロールをより効果的とするために、「孤独・極度の不眠や疲労・薬物・栄養失調等」によって、一時的な精神機能や思考能力の低下状態を引き起こさせ、その際にある特定の行動規範や思想を、文字通り「叩き込む」事も行われる。
- 更に、それらの思想には、幾つかの条件付けを行い、繰り返し強化させる事で、当人の思想そのものになるようにしてしまうことがある。この結果としてマインドコントロールされている者は指示者のいいなりとなり、反社会的活動でさえも平然と行うことになる。
- ある種の権威者とそれへの追随者との間にも同様な関係が見られる(教祖と信者など)。もちろん、これがコントロールされる者の利益となるのならば問題は少ないのだろうが、現実にはコントロールされる側の者が搾取され、経済的・社会的に被害を被る者となっていることが多いところに大きな問題がある(カルト宗教の問題など)。
[編集] 洗脳との相違
途中までは、所謂洗脳と非常に似通ったプロセスを経て行われるマインドコントロールではあるが、洗脳の場合はしばしば対決的な状況で強制力を伴い、人格の変更や記憶の改竄が行われるのに対し、マインドコントロールの場合にはそれらは伴わないものの、反復して処置が成されるために、より強固に操作される。また洗脳の場合には過去や現実と対面させる事で元の当人に立ち返る事も在るが、マインドコントロールの場合には、それらは効果が無いか、むしろ逆効果である。
マインドコントロールでは、記憶や意識の上で、本人が本人で無くなってしまう事はない。しかし価値観や性格の上で、大きく歪められてしまう事も多く、コントロール以前の状態を回復するのは非常に困難である。そのため救出カウンセリングなどによる慎重な対処が必要となる。
[編集] 宗教以外のカルト
なお日本では、オウム真理教の様々な事件により、宗教(特に新興宗教)とマインドコントロールが関連付けられて考えられる事が多いが、これらの破壊的なカルトの中には、宗教的な概念を含まない物も存在している。一部ではビジネスセミナー等と称して、これらのマインドコントロール手法(エンカウンターグループ、Tグループ、自己啓発セミナー)を用いる団体の存在も指摘されている。またカルトではないが、連鎖販売取引やマルチまがい商法の中にも、半ば公然とマインドコントロールを行う団体も存在している。
なお、オウム真理教におけるマインドコントロールの中には、実質的にかつての冷戦時代に旧ソ連などで行われていたと報告のあった洗脳の手法を用いたことも確認されている。
[編集] 類似する現象
一般にはマインドコントロールとはみなされないものの、ドメスティックバイオレンスに絡んで、マインドコントロール的な現象も報告されている。
たとえばこれら暴力の被害者は、実質的に軟禁されてはいるものの、完全には監禁されておらず、逃げようと思えば幾らでも逃げられる状況が見られる。しかし実際にはこれら被害者は、公的な保護の手が差し伸べられるまでは、逃げ出すことができない。
これらの被害者は、加害者より絶えず暴行と平行して、逃げ出せば殺すと脅迫されていたり、世間は絶対助けてくれないとするイメージを絶えず与えられ、この精神的な暴行により精神活動を、ひいては実質的な行動を制限されてしまっている事情が伺える。
このような虐待行為による精神支配では、その本質においてマインドコントロールに類似する事例も見られ、過去の児童虐待事件や誘拐監禁事件においても、PTSDにも関連して、「より支配されやすくなっていた」状態の見られる事例が報告されている。
[編集] マインドコントロール状態からの解放に関して
マインドコントロール状態を維持するためには多くの場合、その対象となる物に疑問を持たないよう厳しく規制されている場合が多い。カルト団体では、そのような疑問は「悪しき考え」として禁止され、そのような考えに至ったら、その過程を考察したりせず、呪文を唱えるように強要される。無論、当初こそは暴力的な方法ではなく、友好的に語り掛け、思考停止に至るように誘導するのではあるが、それらが続くうちに、条件反射で自発的に呪文を唱えるようになってしまう。また、教団に関する批判的な情報に関しては、「信憑性がない」からとか、「修行や心霊によくない」からなどの理由で、触れないように強調される。
この段階に入ると、外部からの否定的な干渉があっても、逆にマインドコントロールを強化する結果になる事があるため、対処法は行動をコントロールする団体から引き離して、与えられた条件付け行動を規制し、日常生活を通して徐々に自分で考えさせるように仕向ける方法が有効とされている。また、コントロールされた人間が、過剰な拒絶行動を示さないような当り障りのない話題を選んで与え、それらを基盤に信頼関係を築いて、そこから徐々に「コントロールしようとしていた団体は、実は常識的に見て、おかしかったんじゃないか?」と本人に気付かせる方法がある。
真っ向から否定するのではなく、当人に気付かせ、問題行動や自己規制を止めさせていくためにも、信頼関係の回復は重要である。
この他にも、過去に大きな問題となっているような団体では、各々に元信者(脱退者)等から成る脱退グループ(被害者グループとも)も存在しており、それらが救出カウンセリングを行っているケースも多く見られる。
無気力感や情緒不安定など、脱会してからの後遺症の長さは、カルトで生活していた期間分にわたって続くことが平均的である。
[編集] マインドコントロールの可能性
往々にして、人間の精神を蝕み、破壊するかのように考えられているマインドコントロールではあるが、犯罪抑止やタバコやアルコール等を含む薬物依存の治療などに効果的だと考える動きもある。
しかし本来、人心を操作する手法であるため、人間の主権的な部分における倫理面での問題もあるため、慎重論が多いのも、また事実である。
- 性犯罪者への利用
- 一般的に性犯罪者の多くは、衝動的に犯行を重ねるケースが多いが、このマインドコントロール手法を使って、性的興奮を条件反射で押え付ける犯罪抑止の実験が、アメリカなどの刑務所が飽和状態にある国で研究されている。特に児童を対象とした性犯罪者の多くは、自律的な自己抑制が効きにくい事から、当人の了解の上で刑期の短縮や再就職先の斡旋を含め、条件付けを行い、社会復帰を促す臨床実験段階にあるという。そう遠くない未来には、それらの犯罪行為は、治療を必要とする物という認識も出てくるのかもしれない。
- 薬物使用者への利用
- 薬物依存の場合、禁断症状の苦しさもさることながら、薬物使用に対して心理的な敷居が低い代わりに、止めた際の心理的ダメージの大きさが一部から挙げられている。たとえば薬物依存に陥っていたという負い目から、社会的に孤立しやすく再依存しやすいこれらの人々にとって、安易な薬物使用だけが唯一の心の支えになってしまっている場合である。しかし実質的に悪循環であるため、この連鎖を断ち切る上で、マインドコントロール手法を用いられないか?というものである。これらはまだ、理論的な検証段階にあるが、グループセラピーと併用すれば、格段に再使用防止に役立つのではないかという考えである。
[編集] マインド・コントロール理論への批判的見解
ある種の宗教団体が信者に対してマインドコントロールをしているといういわゆる「マインドコントロール理論」は、米国の裁判においては採用されなかった。この理論の主唱者であった心理学者のマーガレット・シンガーは、米国心理学会内の有志によって、彼女の主張は科学的な裏付けが乏しく心理学者の間で一般に認められてはいないことを指摘する法定助言書が提出されたことにより、裁判で専門家として証言することを裁判官から許されなかった。このように、この理論は疑似科学と見なされるべきだとする学者もいる。
ただし、米国心理学会自体はマインドコントロール理論とそれへの批判のどちらも公式には支持していない。
(より詳細な情報は、「外部リンク」にある「宗教社会学者によるマインドコントロール理論への批判」「『マインド・コントロール』論争と裁判-『強制的説得』と『不法行為責任』をめぐって」を参照のこと)
[編集] マインド・コントロールをめぐる裁判
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- 1974年、アメリカで「共生解放軍」によって誘拐され、人質になったパトリシア・ハースト(新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストの娘)が、解放されたにもかかわらず、家族のもとに戻らないと言って、その犯行グループと共に銀行強盗の一味に加わっていたという事件が起こった。 この前年1973年にも、同様の事件があった。ストックホルムの銀行を襲った強盗の人質になった人質たちは、解放された後、犯人をかばい、警察を侮辱するような発言をし、人質の1人であった女性は犯人グループの一人と結婚した。この不思議な現象は心理学的に「ストックホルム症候群」と呼ばれた。パトリシアは家族の努力で、正気を取り戻したた後、裁判で、洗脳や催眠術にかかったということで、無罪を主張したが、受け入れられず、強盗の罪で有罪判決を受けた。
オウム真理教の裁判
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- 死者12人を出した「地下鉄サリン事件」の実行犯、横山真人被告に対し、1999年10月1日、東京地裁は「マインドコントロール下の能力減退は認められない」といして死刑判決を出した。.
- 2000年 6月6日、「地下鉄サリン事件」など10事件で起訴されたオウム真理教の井上嘉浩被告に対して、東京地裁は、検察の死刑求刑に対し無期懲役との判決を下した。井上弘通裁判長は「死刑を選択することは当然に許されるべきで、むしろそれを選択すべきであるとすらいえる」としながらも、西田公昭の「修行を通してマインドコントロールを受け、松本被告の命令に反することができなかった」との鑑定結果を受け、「有利な情状の一つとして評価できる」として極刑選択を避けた。
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- 元「統一教会」の信者が、教団のマインドコントロールという不当な手段を用いての勧誘、教化の違法性を問う裁判。教団側は、マインドコントロールというものの存在を否定し、入信は自由意思によるものであると主張してきた。訴訟の当初は裁判所は「原告らの主張するいわゆるマインドコントロールは、それ自体多義的であるほか、一定の行為の積み重ねにより一定の思想を植え付けることをいうと捉えたとしても、原告らが主張するような強い効果があるとは認められない」(1998年3月26日 名古屋地裁)などと、元信者側の主張を退けてきたが、1997年4月19日の奈良地裁の「「統一教会」献金勧誘システムは、不公正な方法を用い、教化の過程を経てその批判力を衰退させて献金させるものと言わざるを得ず、違法と評価するのが相当である」とした判決や、 2001年 最高裁において、「統一教会」上告が棄却され、元信者側の勝訴として確定した広島高裁岡山支部判決では不法行為が成立するかどうかの認定判断にマインドコントロールという概念は使えないとしたものの、「教義の実践の名のもとに他人の法益を侵害するものであって、違法なものというべく、故意による一体的な一連の不法行為と評価される」と述べた判決は実質的には「マインドコントロール」を認めたのと同然と評価する向きもある。[1]
イギリスではマインドコントロールが刑法の概念に組み込まれている。 フランスに置いては物議をかもした後、セクト(カルト)団体対策として限定的に取り入れられた。 法律が存在しないが判例のレベルで概念の蓄積が成されている場合もあるが、国によって態度に違いがある。同じ国でも正反対の判決が出る場合もあり未だ微妙な領域といわざる終えない。
[編集] 参考文献
- トーマス・W. カイザー(著)マインド・コントロール問題研究会(訳)
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- 『あやつられる心―破壊的カルトのマインド・コントロール戦略』福村出版 (1995年9月) ISBN:4762822116
- スティーヴン・ハッサン (著) 浅見定雄 訳
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- 『マインド・コントロールの恐怖』 (恒友出版 1993.6) ISBN 4765230716::一度は統一教会に入会し、考え方や感じ方までも変えられてしまった筆者が、周囲の助けを得て脱会し、その後、数多くの脱会者を助けた実例に基づいた内容で、「マインドコントロールとは何か」を知るための本として、幅広く読まれている。
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- 『マインド・コントロールとは何か』 (紀伊國屋書店 1995) ISBN 4314007133
- 裁判の参考資料として提出されたこともある資料を含む書籍で、上記の書籍と共にこの問題について客観的(学術的にも)に知るための極めて重要な参考文献とされる。
- 西田公昭 (著) セレクション 社会心理学 18
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- 『「信じるこころ」の科学 ― マインド・コントロールとビリーフ・システムの社会心理学』(サイエンス社 1998.02) ISBN 4781908705
- 安藤清志・ 西田公昭 編 現代のエスプリ 369
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- 『「マインド・コントロール」と心理学』 (至文堂 1998.4) ISBN 4-7843-5369-0
- 郷路征記(著)
- R.チャルディーニ (著) 社会行動研究会 訳
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- 『影響力の武器――なぜ,人は動かされるのか』 (誠信書房 1991) ISBN 4-414-30269-2
-
- 『河出・現代の名著 服従の心理〔新装版〕』 (河出書房新社 1995) ISBN 4-309-70614-2
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- 『サブリミナル・マインド ― 潜在的人間観のゆくえ (中公新書 1324)』 (中央公論社 1996年) ISBN 4121013247
- 苫米地英人(著)
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- 『洗脳原論』(春秋社 2000年) ISBN 4-393-36116-4
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- カルトに傷ついたあなたへ
- 日本脱カルト研究会(JDCC)
- マインド・コントロール-現代社会を社会心理学で考察するサイト(西田公昭/静岡県立大学)内のページ
- マインドコントロール研究所
- カルト被害を考える会―上記 [2]
- カルト問題、マインドコントロール論 - 櫻井義秀(北海道大学)
- 『マインド・コントロール』論争と裁判-『強制的説得』と『不法行為責任』をめぐって (PDF文書)
- カルト宗教解析倶楽部―カルト ・宗教システムの解析のための お役立ちサイト? です。