ヤイロチョウ
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?ヤイロチョウ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Pitta nympha (Linnaeus, 1766) |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||
ヤイロチョウ(八色鳥) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Fairy Pitta |
ヤイロチョウ(八色鳥、学名:Pitta nympha)は、スズメ目・ヤイロチョウ科に分類される鳥類の一種。南アジアから東アジアにかけての森林に分布する小鳥で、色鮮やかな体色で知られる。
目次 |
[編集] 形態
全長は18cmほどで、スズメより大きい。くちばしと脚はやや長いが、尾羽が短い。
成鳥は雌雄同色だが、体色が鮮やかに色分けされる。頭頂部が茶色、くちばしから目を通って後頭部まで黒、眉斑と喉から腹にかけてクリーム色、腹の中央部から下尾筒まで赤、背中が緑、翼の前面と腰が水色、翼の先端が黒く、中ほどに白斑、脚がピンク色をしている。「八色鳥」の和名はこれらの多彩な体色に由来する。
[編集] 分布
ヒマラヤ地方からインド、東南アジア、インドネシア西部、フィリピン、中国南部、日本まで分布するが、地方によっては季節に応じて渡りを行う。
フィリピン、中国、日本には北半球の夏に繁殖に渡来し、インドには冬に越冬で渡来する。日本では本州中部以南の西日本に夏鳥として渡来するが、東北地方で鳴き声が聞かれた記録もある。
分布域の中でいくつかの亜種が知られる。日本に渡来するのは亜種 P. b. nympha Temminck et Schlegel, 1850 とされている。
[編集] 生態
日本ではおもに低山地の広葉樹林に生息し、鮮やかな体色は暗い森林の中で際立つ。地上で昆虫類やミミズなどの小動物を捕食する。鳴き声は「ピウィー・ピウィー」と二声ずつ聞こえ、朝方によく鳴く。
日本では鮮やかな体色から野鳥観察の対象となっており、1964年には高知県の県鳥にも指定された。しかし20世紀後半頃から開発などで広葉樹林が減少し、それに伴ってヤイロチョウの生息地も減少している。2000年には環境省レッドリストで絶滅危惧IB類(EN)に指定された他、都道府県や市町村での絶滅危惧種指定も数多い。各地の渡来地でさかんに保護活動が行われている。
[編集] 記載
- 絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)