レイジー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レイジー(LAZY)
レイジー (LAZY) |
|
---|---|
出身地 | 日本 |
活動期間 | 1973~ |
ジャンル | ハードロック |
レーベル | RCA (1977~1981) エアーズ (1998~1999) ランティス (2001~) |
メンバー | 影山ヒロノブ Vo. 高崎晃 G. 田中宏幸 B. 井上俊次 Key. 樋口宗孝 Dr. |
レイジー(1973年 - )は日本のロックバンド。
目次 |
[編集] メンバー
- 通称「Michell(ミッシェル)」
- 通称「Suzy(スージー)」
- 田中宏幸(ベース)
- 通称「Pocky(ポッキー)」
- 通称「Davy(デイビー)」
[編集] 活動
[編集] 結成~初のヒット
1973年、景山・高崎・田中が組んでいたバンドに井上と樋口が加わる形で結成。1977年2月、ABCテレビの『ハロー・ヤング』に出演、ディープ・パープルの「BURN」を演奏。これがかまやつひろしに認められ、デビューの誘いを受ける。
同年6月、デビューのため上京。7月、RCA(現:BMG JAPAN)よりデビューシングル『Hey! I Love You!』を発売。本来はハードロック志向のバンドだったにもかかわらず、制作サイド(プロデューサーは、その後角松敏生やオメガトライブ等を手掛けた藤田浩一)の意向によりベイ・シティ・ローラーズのようなイメージを要求されることになり、ニックネームとお揃いのコスチュームを与えられた。 この方針に、メンバーは戸惑ったようだ。しかもデビュー曲の売り上げは思わしくなく、2ndシングル『カムフラージュ』は松任谷由実作詞・都倉俊一作曲という強力な布陣ながら、またしてもオリコン100位以内へのランクインは叶わなかった。
初のヒットとなったのは、3rdシングル『赤頭巾ちゃん御用心』で、オリコン32位を獲得した。
[編集] 音楽性の追求
シングルではポップなアイドル路線を歩む彼等だったが、ライブでは洋楽のロックナンバーも演奏する等、自分達の原点であるロックへのこだわりを見せていた。特に高崎のギタープレイは同世代のギタリストからも注目され、1979年には遠藤賢司が会長となって「レイジー男だけのファンクラブ」が結成された(デビュー曲を作詞した森雪之丞も参加している)。その後、シングルでもアルバムでもハードロック調の楽曲を発表していき、4thアルバム『Rock Diamond』では全10曲中8曲をメンバー自身が作曲している。
しかし、その一方で依然としてアイドル路線の曲の発表も続いており、彼等は「やりたい音楽」と「求められる音楽」のギャップを感じ続けていた。
[編集] ヘヴィー・メタル宣言~解散
1980年7月から始まったツアー「DOMESTIC TOUR IN SUMMER」で「ヘヴィー・メタル宣言」が行われた。これは彼等が「本当にやりたい音楽」をやるための、宣戦布告とも呼べるものだった。その後、シングル『感じてナイト』を経て発売されたアルバム『宇宙船地球号』はハードロック調の曲で統一され、それまでのアイドルバンドとしての彼等のイメージを根底から覆した。
本来ハードロック志向だった彼等が本当の姿を見せ付けたのが『宇宙船地球号』であり、これが本当のスタートになるかと思われたが、その結果としてメンバー間の音楽性の違いが浮き彫りになっていった。そのため、1981年2月18日(景山の20歳の誕生日)に調布グリーンホールで行われたライブで解散宣言が行われ、同年5月31日、正式に解散。その活動に終止符が打たれてしまう。
[編集] 解散後
景山は「影山ヒロノブ」の芸名でソロデビュー。1985年、「KAGE」名義で『電撃戦隊チェンジマン』の主題歌を歌い、以後多くのアニメや特撮ヒーロー作品の主題歌・挿入歌を歌うことになる。
高崎と樋口は、ハードロックバンド「LOUDNESS」を結成、世界進出を果たす。樋口は1993年に一度LOUDNESSを脱退し、自身のバンド「SLY」を結成した(2000年からLOUDNESSに復帰)。
田中と井上は、ポップ路線のバンド「ネバーランド」を結成。ネバーランドの解散後は「HUMAN NATURE」を経て、影山をボーカルに迎えたバンド「AIRBLANCA」を結成した。AIRBLANCAの解散後、井上は音楽プロデューサーに転身。その後レコード会社「エアーズ」のディレクターになり、その事が後の再結成に繋がる。
[編集] 再結成
1997年、当時放送中だった『ウルトラマンダイナ』のエンディングテーマにレイジーを起用する案が浮上。翌年3月からの使用に向けてメンバーが再集結した。
そして1998年3月21日、復活第1弾シングル『ULTRA HIGH』がエアーズから発売される。当初は田中が復帰しておらず、ベースは代役(高崎)が弾いていたが、3月30日放送分の『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』への出演と同時に田中が復帰、完全復活を遂げた。
7月には復活第1弾アルバム『Happy Time』を発売。以後、その活動はライブを中心としたものになって行く。
[編集] 新会社への移籍、その後・・・
1999年の渋谷公会堂でのライブ「ROCK COMMUNICATION SHIBUYA」を最後に、井上が伊藤善之・伊藤真澄夫妻らと共に立ち上げたレコード会社「ランティス」に移籍。2枚のシングルを経て、2002年に『宇宙船地球号』の続編と呼べるアルバム『宇宙船地球号II』を発売した。
再結成後は、メンバー個々の活動との掛け持ちであるため、新曲の発表は大幅にペースダウンした。また、近年は表立った動きが途絶えたまま2006年9月1日、田中が死去。今後の活動は不明。
[編集] 余談
- 景山の負傷
- 1979年5月22日、シングル『ベイビー・アイ・メイク・ア・モーション』のプロモーション用フィルムの撮影中に景山が右足首を複雑骨折、入院するというアクシデントが発生。それから景山が復帰するまでの約1ヶ月間、ライブは4人で行われた。田中がメインボーカルを務め、他のメンバーも自分の持ち歌を歌ったりしてサポートした。
- 封印
- 再結成の条件にバンドの初ヒット曲である「『赤頭巾ちゃん御用心』をライブで一切演奏しないこと」という項目がある。これは、高崎にとって一番嫌いな曲だそうで、再結成当時の音楽雑誌のインタビューで「あんな曲やるくらいなら再結成なんかせんわ!」と発言しているほどである。
- 1998年の赤坂BLITZでのライブでは、井上が別の曲の間奏に「赤頭巾ちゃん」のイントロのフレーズを紛れ込ませ、影山が突っ込むという一幕があった。代わりに、『Happy Time』にて「黒頭巾」なるブラックサバスを彷彿させるヘヴィな曲が収録された。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] シングル
- Hey! I Love You!(作詞:森雪之丞、作曲・編曲:馬飼野康二、1977年7月25日発売、RCA)
- B面:OK!(作詞・作曲:森雪之丞、編曲:馬飼野康二)
- カムフラージュ(作詞:松任谷由実、作曲・編曲:都倉俊一、1977年10月25日発売、RCA)
- B面:クィーンにふさわしい(作詞:松任谷由実、作曲・編曲:都倉俊一)
- 赤頭巾ちゃん御用心(作詞:杉山政美、作曲・編曲:都倉俊一、1978年2月5日発売、RCA)
- B面:恋のピエロ(作詞:杉山政美、作曲・編曲:都倉俊一)
- 燃えろロックン・ロール・ファイアー(作詞:杉山政美、作曲・編曲:都倉俊一、1978年5月5日発売、RCA)
- B面:二人の宝島(作詞:杉山政美、作曲・編曲:都倉俊一)
- 地獄の天使(作詞:なかにし礼、作曲・編曲:都倉俊一、1978年7月25日発売、RCA)
- B面:レイジーのテーマ(作詞・作曲:都倉俊一、編曲:井上鑑)
- ハローハローハロー(作詞:なかにし礼、作曲・編曲:都倉俊一、1978年10月25日発売、RCA)
- B面:青春の1ページ(作詞:なかにし礼、作曲・編曲:都倉俊一)
- 愛には愛を(作詞:三浦徳子、作曲・編曲:馬飼野康二、1979年2月5日発売、RCA)
- B面:失われた伝説(作詞:森雪之丞、作曲・編曲:馬飼野康二)
- ベイビー・アイ・メイク・ア・モーション(作詞:岩沢律、作曲:加瀬邦彦、編曲:渡辺茂樹、1979年6月5日発売、RCA)
- B面:好きさ、好きさ、好きさ(作詞:小林和子、作曲:浜田金吾、編曲:井上鑑)
- Midnight Boxer(作詞:小林和子、作曲:浜田金吾、編曲:馬飼野康二、1980年1月5日発売、RCA)
- B面:Bye Bye Baby(作詞:小林和子、作曲:浜田金吾、編曲:井上鑑)
- 悲しみをぶっとばせ(作詞:森雪之丞、作曲:浜田金吾、編曲:佐藤準、1980年5月21日発売、RCA)
- B面:ゴールデン・ゲート(作詞:小林和子、作曲:浜田金吾、編曲:井上鑑)
- 感じてナイト(作詞:伊達歩、作曲・編曲:水谷公生、1980年8月21日発売、RCA)
- B面:ドリーミーエクスプレストリップ(vo:Suzy)(作詞:伊達歩、作曲:水谷公生、編曲:高崎晃、水谷公生)
- ガラスのハート(vo:Funny)(作詞:伊達歩、作曲・編曲:水谷公生、1981年4月5日発売、RCA)
- c/w(両A面):星のハーティー・ロード(vo:Pocky)(作詞:伊達歩、作曲・編曲:水谷公生)
- ULTRA HIGH(作詞・作曲・編曲:LAZY、1997年3月21日発売、エアーズ)
- c/w:Everybody Wants Love(作詞・作曲・編曲:LAZY)
- Pray(作詞:牧穂エミ、作曲・編曲:LAZY、1998年12月16日発売、エアーズ)
- c/w:My Rest Pose(作詞:牧穂エミ、作曲・編曲:LAZY)
- Angelique~永遠の約束~(作詞・作曲・編曲:LAZY、2001年1月24日発売、ランティス)
- c/w:LEGEND OF THE LIGHT(作詞・作曲・編曲:LAZY)
- Zone of the Enders(作詞・作曲・編曲:LAZY、2001年5月23日発売、ランティス)
- c/w:Shadows of War!(作詞・作曲・編曲:LAZY)
[編集] アルバム
- This is the LAZY(1978年3月5日発売、RCA)
- レイジーを追いかけろ(1978年6月5日発売、RCA)
- Dream a Dream(1978年12月5日発売、RCA)
- Rock Diamond(1979年9月5日発売、RCA)
- LAZY V(1980年4月5日発売、RCA)
- 宇宙船地球号(1980年12月16日発売、RCA)
- 燃えつきた青春(1981年4月5日発売、RCA)
- Happy Time(1998年7月21日発売、エアーズ)
- HAPPY TIME TOUR '98~黒頭巾のなすがまま~(1998年10月21日発売、エアーズ)
- 宇宙船地球号II(2002年11月6日発売、ランティス)
[編集] ベストアルバム
すべてRCA在籍時の音源のみを収録
- Collection~情熱の青春(1979年3月21日発売、RCA)
- ベスト・ヒット・レイジー(1980年12月1日発売、RCA)
- ベスト(1981年発売、RCA)
- ベストコレクション 1977~1981(1999年2月21日発売、エアーズ)
- ヒット・コレクション(1999年11月20日発売、BMGファンハウス)
- GOLDEN☆BEST(2004年12月22日発売、BMGファンハウス)
[編集] VHS、DVD
- HAPPY TIME TOUR '98~黒頭巾のなすがまま~(VHS、1998年10月21日発売、エアーズ)
- HAPPY TIME
- 感じてナイト
- Pray
- 黒頭巾
- DREAMER
- Hey! I Love You!
- Good-by My Baby
- Baby I make a motion
- LONELY STAR
- Ultra High
- EARTH ARK
- 今夜、LOVERS LANEで…
- LAZY LIVE 2002 宇宙船地球号II~regenerate of a lasting worth~(DVD、2003年6月4日発売、ランティス)
- Overture
- Earth Ark(宇宙船地球号)
- Rock on Me
- Respect
- Why
- PRAY
- Make me Wonder
- Angelique~永遠の約束~
- Midnight Crusing
- 今夜LOVERS LANEで…
- LONELY STAR
- 感じてナイト
- EVERYBODY WANTS LOVE
- Driving High
- Young & Innocent
- DREAMER
- ULTRA HIGH
- Ending~遥かなるマザーランド
- (映像特典)「Legend of LAZY」/「LAZY 1998~2002」(ミュージッククリップ)
[編集] コンピレーションアルバム
- 魔装機神サイバスター Vocal Edition「EARTH ARK」(1999年発売、エアーズ)
- アニメ『魔装機神サイバスター』のボーカルアルバム。複数のアーティストが、アニメのテーマである地球環境保護をコンセプトに楽曲を提供した。
- レイジーは、オリジナルアルバム『宇宙船地球号』収録曲から「遥かなるマザーランド」「僕らの国でも」の2曲をリメイクして提供。リメイク版はレイジーとしてのCDには収録されていない。
[編集] 未発売オリジナル曲
- 天国の悪魔(1999年の渋谷公会堂ライブで初披露)
[編集] 権利の移動
エアーズ期の音源の権利は、エアーズの解散と共にトライエムに譲渡された。しかし2004年以降に発売されたCDでは、「ULTRA HIGH」の権利をプリズム(コロムビアミュージックエンタテインメント系列の会社)が所有していることになっている。一つの楽曲の権利を二つの会社が共有することは通常考えられず、トライエムからプリズムへの権利の譲渡が行われたと考えるのが妥当なところだが、円谷音楽出版もこの楽曲の権利に関わっているため原盤権の所在は不明確である。
[編集] 関連項目
- JAM Project(影山がリーダーを務めるアニメソンググループ)
- LOUDNESS(高崎と樋口のバンド)
- ネバーランド(田中と井上のバンド)
- AIRBLANCA(影山、井上、田中のバンド)
- ランティス(井上が社長を務め、現在レイジーが在籍しているレコード会社)
[編集] 外部リンク
- NET THE BOBBY SOCKSER(公式サイト)
カテゴリ: 日本のバンド | ハードロック | ヘヴィメタル・バンド