今日からマ王!
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『今日から㋮王!』(きょうからまおう)はNHKBS2(衛星アニメ劇場)及びNHK教育テレビ(再放送)で放送されている異世界ファンタジーアニメ作品。愛称/略称は「㋮ニメ」(原作者の喬林知による)。
原作は喬林知によるライトノベル作品、まるマシリーズ(角川ビーンズ文庫刊)。原作のイラストも手がける松本テマリによる漫画版が、月刊「Asuka」(角川書店)にて連載されている(2005年6月号より)。2005年12月26日にまるマシリーズの1巻と同じ「今日から㋮のつく自由業!」のタイトルでコミック1巻が発売された。また、2007年にOVA化が決定している。
今日からマ王! | |
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テレビアニメ : 今日からマ王!第1シリーズ | |
監督 | 西村純二 |
アニメーション制作 | スタジオディーン |
製作 | NHK |
放送局 | NHK衛星第2テレビ |
放送期間 | 2004年4月3日 - 2005年3月 |
話数 | 全39話 |
コピーライト表記 | ©喬林知・角川書店/NHK・総合ビジョン |
テレビアニメ : 今日からマ王!第2シリーズ | |
監督 | 西村純二 |
アニメーション制作 | スタジオディーン |
製作 | NHK |
放送局 | NHK衛星第2テレビ |
放送期間 | 2005年4月2日 - 2006年2月 |
話数 | 全39話 |
コピーライト表記 | ©喬林知・角川書店/NHK・総合ビジョン |
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目次 |
[編集] ストーリー
平凡な高校生・渋谷有利は、カツアゲにあっている中学時代の同級生、村田健を助けようとしたが返り討ちにあい、無国籍風高校生たち(彼らも同じく同級生)に公衆トイレで便器に顔を突っ込まれそうになったところ、異世界に流されてしまう。そして自分が王の魂を持って生まれ、「眞魔国」を治める魔王であること、魔族の長として人間達と戦わなければならないことを告げられる。文化や価値観の隔りに戸惑いながらも、有利は持ち前の正義感と現代日本仕込みの平和主義を発揮、新米魔王として成長して行く。明るいコメディタッチながら、異文化・差別・民族紛争等のテーマが全編に織り込まれている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主な登場人物
ここに取り上げない登場人物についてはまるマシリーズの登場人物を参照のこと。
[編集] 主人公とその親友
- 渋谷有利(しぶや ゆーり)(声:櫻井孝宏、幼少時代:かないみか)
- 主人公。眞魔国ではユーリと呼ばれる。ユーリ(Juli)とはドイツ語で『7月』のこと(このように、魔族の名前のほとんどはドイツ系である)。お人好しで正義感が強く、いささか無鉄砲な高校一年生。熱血野球少年で少々短気なところがある。あだ名は「渋谷有利原宿不利」(本人は不名誉だとして嫌っている。ただしおしのびの際、偽名として「原宿不利」を使用したことはある)。眞魔国27代目(伊東勤元捕手の背番号と同じ)魔王。怒りと悲しみに我を忘れると本来の魔力が目覚め、時代劇口調で成敗を下す。この状態を「上様モード」という。このネーミングは、有利の時代劇好きに由来するようだ。アニメでは「上様モード」になると髪が肩まで伸びる。原作では西武ライオンズファン。特に元正捕手で現監督の伊東勤(アニメでは「師匠」という名前で少し出てきた)を尊敬している様だが、アニメではいわゆる大人の事情というやつか、微妙にぼかしがかかっている。世にも珍しい双黒の王。眞魔国にいる間は学ラン(厳密には学ランに似せた服)姿。コンラッドによって運ばれたスザナ・ジュリアの魂を受け継いでおり、蓄積言語が引き出された際にジュリアと同じく、触れただけで刻まれた文字(共通語のみ)の意味を理解できるようになるが、ジュリアが盲目であっため、読み書きの能力は身に付いていない。しかし、蓄積言語を引き出された影響らしく、幼児期の記憶がよみがえったり、英語のネイティブスピーカーになったり(乳幼児期のアメリカ滞在経験のおかげ)と奇妙な症状が出たり、最近不定期に、有利らしからぬ発言が有利の口から勝手に出てきたり、失明したりなど、謎が出てきた。
- モルギフ(声:櫻井孝宏)
- 有利の所有する魔剣。某絵画や某映画のキャラクターのような顔を持つ。元は初代魔王の所有物で、有利が手にするまで洞窟に封印されていた。おでこに宝石が埋め込まれており、生物の命を吸収して力にする(現在は取り除かれている、アニメ版では再び取り付けられた)。「ア~」や「ウ~」としかしゃべらない(唸り声?)。実は真の姿があるらしい。
- 村田健(むらた けん)(声:宮田幸季)
- 通称ムラケン。香港生まれ。有利と中2中3とクラスが一緒の同級生で、現在は進学校に通う優等生だが、実は魔王を助ける使命を持つ伝説の大賢者。眞王の右腕軍師であった双黒の大賢者だった4000年前から今までの全ての記憶を持つ。が、いくら大賢者の生まれ変わりといえど、彼は彼、自分は自分、であるらしい。日本人の彼も当然双黒である。有利が向こうの世界に行く要因をつくった。原本の次回予告では有利とタッグを組んで“ムラケンズ”として活躍。親は仕事で忙しく(父親はIT関係で母親が弁護士をしている)、会話の少ない、一見冷たい家庭だが、「自分がなんの問題も無く育ってしまい少し油断しているだけ」や「自分が合法ドラッグなどをはじめたら血相変えて更正させる」「その前に父親は倒れるかもしれない」等とも本人が語っている様子から単に完全放任主義なだけである。そのため家では一人が多く、有利の家のような家庭を羨ましく思っているのか、よくカレーなどを食べに来るらしい。
[編集] 魔族意外と似ている3兄弟
- ウェラー卿コンラート(声:森川智之)
- 前王の次男。有利や友人の一部には英語読みでコンラッドと呼ばれる。有利曰く、「(グウェンダル、ヴォルフラムと合わせて)魔族意外と似ている3兄弟」の一人。爽やかな好青年で有利の名付け親。有利が眞魔国に来てからは主に彼の護衛を務める。外見、性格等すべてにおいて完璧なのに何故かギャグだけはめちゃくちゃ寒いのが欠点か。兄弟中で一人だけ父親が人間。剣豪で知られた父・ダンヒーリーの資質を受け継ぎ、先の大戦での活躍から「ルッテンベルクの獅子」と呼ばれている。異界の事情に通じており、有利の良き相談相手。ある意味、3兄弟で母ツェリに一番似ている。かつて、ウィンコット家で剣術指南をしていたため、スザナ・ジュリアとは既知であり、また理解者。戦地へと赴く前に、彼女からウィンコット家の家紋入りの青い魔石のペンダントを贈られた(後にコンラッドから有利へと渡される)。次期魔王の魂を地球へ運ぶ役目を負い、アメリカへ。その後、有利を身ごもっていた美子とタクシーの中で会い、名付け親になる。茶色の髪、薄茶に銀の星を散らした瞳の持ち主で(ウェラー家の遺伝)、茶色の軍服を纏っている。彼の左腕は禁忌の箱の1つ「風の終わり」の鍵。自身の左腕は一度切り落とされたが、現在は先祖の腕(本物の鍵)に挿げ替えられている。父方の血筋は大陸(現シマロン)の三王家のひとつ「ベラール」(原作では「後ウェラーに改姓」とあり、アニメでは元々ウェラーである、という扱いになっている)であり、一時期、大シマロンに身を寄せていた。
- フォンビーレフェルト卿ヴォルフラム(声:斎賀みつき)
- 前王の三男。愛称ヴォルフ。「魔族意外と似ている3兄弟」の一人。口癖は「へなちょこ」。黙っていれば天使のような美少年。有利による第一印象は、ウィーン少年合唱団OB。周囲から「わがままプー(プーはプリンスのこと)」と呼ばれるが、男らしく頼もしい一面もある(作者曰く「3兄弟の中では一番男前」らしい)。3兄弟の中で唯一母親譲りの金髪にエメラルドグリーンの瞳で、炎術が得意なのも母方の遺伝らしいが、わがままな性格は父親ゆずり。飾りの多い、青い軍服を纏っている。ちょっとした行き違いから、有利と婚約関係になってしまった(※)。最初は新任魔王の実力を認めないという反感と、突然の求婚への戸惑いなどから決闘(ナイフを故意に落とすのは決闘の申し込み。拾えば受諾)を挑んだが、上様モードの有利に負けて惚れてしまったらしい。今では本気で結婚するつもりで婚姻届を常備している。瞳の色が蒼であったなら初代魔王「眞王」の生き写しである。アニメ版では彼の心臓は禁忌の箱のひとつ「凍土の劫火」の鍵。
- (※)この世界では相手の左頬を右手で打つ行為は求婚で、打たれた相手が右頬も差し出したら婚約成立。なお打たれた相手が打った相手に打ち返すのは求婚返し。そんなことはもちろん有利は知らず、怒りに任せてビンタしてしまった。
- フォンヴォルテール卿グウェンダル(声:大塚明夫)
- 前王の長男。愛称グウェン。「魔族意外と似ている3兄弟」の一人。迫力のある美丈夫で皮肉屋。有利による第一印象は、ゴッドファザー・愛のテーマが似合う男。眉間の皺がチャームポイント。常に不機嫌(そうにみえる)。黒に近い濃灰色の髪に青色の瞳の持ち主。外見に似合わず手芸好き(趣味:あみぐるみ)で可愛い物に目がない。幼馴染(兼編み物の師匠)のアニシナに頭が上がらず、アニシナの実験台第1号。国政を一手に取り仕切り、事実上、有利の摂政である。魔王と王佐がアレなため、苦労が絶えない。ツェリがまだ小娘と呼ばれる年齢の時に生まれる。口数の少ない男性ではあるが、眞魔国のこと、家族のことを誰よりも愛している。また、部下や領民にも慕われている。アニメ版では、彼の左目は禁忌の箱のひとつ「地の果て」の鍵。
[編集] 眞魔国三大魔女
- フォンシュピッツヴェーグ卿ツェツィーリエ(声:勝生真沙子)
- 眞魔国の前王で、現在は上王陛下と呼ばれるセクシークイーンにして3兄弟・グウェンダル、コンラッド、ヴォルフラムの実の母。3度、夫との死別を経験。口癖は「ツェリって呼んで。」である。眞魔国三大魔女のうちの一人で、「黄金(きん)のツェリ」と呼ばれている。グラマラスな美女で、恋多き女性。現在は自由恋愛旅行中で、女としてあと5花は咲かせるつもりだという。だが、ひとりの女性である前に1人の母親である。時折ムチを持って、美熟女戦士・ツェツィーリエとして愛ある限り戦う。息子たちの頑固なところは母譲りらしい。
- フォンカーベルニコフ卿アニシナ(声:高山みなみ)
- 「赤い悪魔」「眞魔国三大悪夢」「歩く実験狂」などと恐れられて様々な肩書きを持つ小柄な女性にして稀代のマッド・マジカリスト。自称・他称共に「毒女(どくおんな)」。眞魔国三大魔女のうちの「赤のアニシナ」でもある。眞魔国の繁栄に一生を捧げているため、常に「魔動装置○○」(魔力で動く機械)の発明をし、グウェンダルを実験台にしている(最近ではギュンターも標的にし始めている)。女性の地位向上のための活動もしているらしいが、「男女平等」というより「女尊男卑」を目指す偏り気味な思想を持つ。女性には優しく男性には厳しく接し、魔王である有利にも敬意は払っているものの例外ではない。みずからを「毒女」というだけあってとても強い。見かけによらず怪力で、体躯の大きいグウェンダルをやすやすと引っ張っていく。人の話を聞かない。グウェンダルの編み物の師匠。カーベルニコフ領主である実兄デンシャムとは赤い髪に青い瞳、奇妙な「おはははは」という笑い声のほか共通点がまるでなく、お金や鶏に対する嗜好、性格はまるで正反対。グレタが尊敬している女性であり、子供に大人気の「毒女アニシナ」を執筆している(しかし字はあまり上手くないらしい)。「毒女アニシナ」シリーズは、現在「患者の意思」「秘密の研究室」「あるカバンの修理」「煩悩のコルセット」「不死身の交響楽団」「今月のプリン」が出ているらしい。題名のとおり、ハリー・ポッターのパロディである。また、「不死身の交響楽団」は同じ角川書店から出ている「富士見二丁目交響楽団シリーズ」(著・秋月こお)のパロディでもある。また、「罠女」シリーズも執筆している。ツェツィーリエに依頼された「美熟女戦士」も執筆予定。
- フォンウィンコット卿スザナ・ジュリア(声:水野理紗)
- 眞魔国三大魔女の内の一人「白のジュリア」。戦いを憂い、同じ思いを共有するコンラッドと親しくなる。生まれつき盲目だったが、強大な魔力を持ち、治癒系魔術に長けていた。しかし、戦時中、その優れた治癒魔術で、人間、魔族の隔たりなく多くの人々を救うが、人間の土地で魔力を使いすぎたため、命を落とす。アーダルベルトの婚約者だった。有利の魂の前所有者で、転生の際に自らの意思で自身の魂をコンラッドに託す。小説では、がさつ、おてんば、負けず嫌いといった性格らしいが、アニメ版では非の打ち所のない完璧な女性として描かれている。美形の多い魔族の中でも特に際立って美しい女性で、多くの人に好かれていた。小説では、ヴォルフラムとはあまり関わりがなかったが、アニメ版では教育係を任されていた。禁忌の箱のひとつ「鏡の水底」の鍵は「清らかな水」=血であるため(小説外伝「お嬢様とは仮の姿!」より)、特殊な血を受け継ぐウィンコットの血筋が、鍵を受け継ぐ血族であると考えられる。実際にアニメ版では彼女が鍵であった。
[編集] その他眞魔国の人物
- フォンシュピッツヴェーグ卿シュトッフェル (声:石塚運昇)
- ツェリの兄で、ツェリが魔王在位中は摂政として政治の実権を握っていた。人間嫌いでやたらと人間の国との間に戦争を起こし、ヒューブの讒言に乗ってコンラッドをアルノルドへ送った張本人。ユーリにも取り入ろうとしたが失敗、失脚する。原作ではそれきり姿を現さない(ヴォルフらの戦時中についての回想に名前は出てくる)が、アニメ版では政権奪取を狙い甥のレイブンと共に何度も策動を練るがうまく行かず、回を重ねるたびにギャグキャラ化していった。
- フォンクライスト卿ギュンター(声:井上和彦)
- 眞魔国王佐(国王の補佐役)兼有利の教育係。アニシナの実験台第2号。「雪ギュンター」や、「おキクギュンター」になったときもあった。伝説の大賢者と同じ双黒の有利に、盲目的に心酔しており、熱烈忠誠親衛隊(ぞっこんラブ)として巷で有名。湖畔族の出身で、スミレ色の瞳に一族の特徴が見られ、御当地訛り(例「やってられないっトサーぁ」『閣下とマのつくトサ日記!?』より引用)が出ることもある。また、興奮すると謎の液体「ギュン汁」(鼻血etc.)を出すことで知られている。眞魔国の中でもかなりの美形で、本当は剣も教育も政治も魔術もできるすごい人物だが、有利の前になるとほとんどその優秀ぶりを発揮できていない。ときには、「ギュン汁」を出すこともある。酒を飲むとすぐ脱いで下着を頭に被って踊り狂うらしい(ギーゼラ談)。軍属の教官を務めた時期もあり、コンラッドのかつての師でもある。
- グリーセラ卿ゲーゲンヒューバー(声:平田広明)
- グリエ・ヨザック(声:竹田雅則)
- 眞魔国諜報部員。魔族と人間のハーフで大シマロン生まれ。「アルノルド帰り」のひとり。コンラッドの幼馴染で、戦友。そのときの名残で、彼をよく「(うちの)隊長」と呼んでいる。コンラッドが第一線に戻らないためグウェンダルの元で働いている。任務と称して女装もたしなむが、ほとんど趣味の域。女装だけではなく、男や老人にもなるらしい。有利の「魔王らしくない」ところが好きらしい。血盟城を訪れたときに偶然出会ったアニシナを気に入り、彼女のことを影では「アニシナちゃん」と呼んでいる。アニシナの実験を体験してみたいという変わった人(しかしアニシナ本人、彼に魔力がないからか、興味はないらしい)。父親のほうが魔族。母親は、原作ではヨザックを捨て、アニメでは母子ともに収容所に送られている。魔族の人間蔑視に、ずっとやりきれない思いを抱いていた。すばらしい上腕二頭筋の持ち主。副業もしている。
- (アルノルド帰り)20年前の戦争中、国境沿いの都市・アルノルドは、勝利・生還の絶望的な激戦区であった。そこで奇跡的に敵軍を食い止め、勝利したコンラッド率いるルッテンベルク師団の数少ない生き残りたちがこのように呼ばれている。アルノルド帰りは、眞魔国のみならず各国で尊敬されている。)
- グレタ(声:くまいもとこ)
- 滅亡したゾラシア皇国の姫で、現在は眞魔国の王女。とある事情で魔王暗殺を企てるが、有利に懐いてしまい、養女となる。故国が滅びる前に、母・イズラにより、母親の母国であるスヴェレラに人質として送られたため、難を逃れた。その後、養父母となった伯父夫婦(スヴェレラ王、王妃)とはうまくいかなかったが、スヴェレラの城の地下牢にとらわれていたヒュ-ブと仲良くなり、彼を脱獄させ、眞魔国の国境まで連れて行ってもらった。人間の女の子だが、血盟城のみんなからは愛されているマスコット的な存在。尊敬している女性はなんとアニシナであり、愛読書も「毒女アニシナ」シリーズと言う事で、周囲(特に男性陣)を不安がらせている。“わな女こうほ生その1”。
- フォングランツ・アーダルベルト(声:寺杣昌紀)
- 婚約者であるジュリアを死なせた眞王、ひいてはジュリアを見殺しにした魔族を恨み、眞魔国を捨てた魔族。十貴族の出身ではあるが、粗野で豪快な、だが誠実で一途な男性。ジュリアを真実愛していた(相愛)。有利は密かに「アメフトマッチョ」 「デンバー・ブロンコス」などと呼んでいる。魔力を捨てて身に付けた法術を使い、有利の魂の記憶のひだ(要はジュリアの記憶)から異世界の言語蓄積を引き出した。人間側にも、魔族側にも属さない人物。(マ)シリーズの中で珍しく常識人。
- フォンクライスト卿ギーゼラ(声:田口宏子)
- ダカスコス(声:松山鷹志)
- 眞魔国の兵士。よくギーゼラにこき使われており、報酬金につられてアニシナの実験台になりかけたこともある苦労人。ささいなことからギュンターの出家に付き合わされる羽目になり、体中の毛をそられてしまったものの意外に気に入ってしまい、現在もスキンヘッドのまま。そのため、有利に「ピカスコス」と名前を間違えられたことも。グウェンダルの有能な秘書である妻のアンブリンには頭が上がらない。フルネームは「リリット・ラッチー・ナナタン・ミコタン・ダカスコス」。
- ちなみに、アニメでもっともアドリブが多い役柄らしい。
- ウルリーケ(声:ゆかな)
- 双黒の大賢者以外で唯一眞王の言葉を聞くことができる言賜巫女。床に流れるほど長い髪をしており、見た目こそ幼いが実年齢は800歳をとうに越えている。魔王にこそ及ばないものの強力な魔力の持ち主。巫女でありながら恋にあこがれたり、ちょっとしたことで泣きそうになったりと、見た目相応の振る舞いをすることもある。有利が眞魔国に来た当初、有利に会いたいという理由で呼び出したことがあった。
[編集] 地球
- 渋谷美子(しぶや みこ)(声:かかずゆみ)
- 有利の母。少女趣味だが、学生時代は「横浜(ハマ)のジェニファー」の通り名で知られたフェンシング選手。フェリス出。ある意味渋谷家最強の人物で、夫も息子二人も彼女にはかなわない。家族を愛する気持ちも最強かと思われる。外見が外見なためか、大学生と高校生の息子を持つ母には見えない。何事にも動じず、勝馬が自分は魔族だと明かしても、「羽は生えてる?」などとズレた質問をしたりしている。
- 渋谷勝馬(しぶや しょうま)(声:辻谷耕史)
- 有利の父。地球産魔族で現魔王・ボブの直属の部下。金融市場の支配をもくろむ怪しげな銀行のグローバル銀行マン、略してグロギンマン。個性が濃い渋谷家の中ではいたって普通な人だが、ハイテンションな美子には逆らわないようにしている。勝利では失敗したものの、有利の野球少年っぷりは彼の英才(?)教育の賜物である。コンラッドがアメリカに来た当初、ボブによって彼と引き合わされ、この世の終わりが来たかのような顔のコンラッドを怒鳴りつけたりもした。コンラッドを野球ファンに仕立て上げたのもこの人である。
- ホセ・ロドリゲス(声:藤原啓治)
[編集] 眞魔国にいる生物
- 骨飛族
- 骸骨にコウモリの羽をつけたような姿。有利には「コッヒー」と呼ばれている。血盟城では運搬などの雑務を行っている。壊れても土に埋めない限り何度でも復活する。眞魔国にはかなりの数が存在する。
- 亜種として「骨地族(こつちぞく)」というものもおり、こちらは空を飛ばずに土に埋もれている。
- エンギワル鳥(声:森川智之・大塚明夫)
- 眞魔国の天然記念物である鳥。見た目はカラスのような風貌であり、その名のとおり「エンギワル~」と鳴く。別名「極楽鳥」。
- また、このガヤにも近いキャラクターでもあるにもかかわらず、声優陣がこの役を取り合ったことでも有名である。取り合ったため、作画で1羽だったところをわざわざ描き足したという話もある(そのため、回によって担当が違うが主に森川智之が担当)。
- Tぞう
- Tゾーンに白く「T」と書いてある羊。高い運動神経を誇り、人間2人を乗せてソリを轢ける。まんじゅうが苦手で食べると凶暴化する。
- こんな男らしい名前ではあるが実はメスである。アニメ版ではカロリア編のあと、フリンの元で暮らしているらしい。原作では鳴き声で仲間の羊たちを意のままに動かす能力を持つ。「ンモシカシテェェ」と鳴く。ちなみに毛の下には666が書かれている
- クマハチ(女王クマハチの声:くじら)
- 眞魔国の天然記念動物。見た目はピンクのテディベアの姿にハチの模様と羽と触覚をくわえた愛らしい姿。女王がいて喋ることが可能で「ノギス」と鳴く。抱っこしながら眠りたい動物ナンバー1。血盟城にある迎賓館の地下が産卵場所となっており、偶然居合わせたユーリとヴォルフラムは彼らの親となってしまう。現在は遠方へ旅立っているが、鮭のように一年後には産卵場所に戻ってくるそうだ。
- 砂熊(声:浪川大輔)
- 見た目は手足の長い可愛いパンダ。家族単位で砂漠の地下深くに住んでいる。魔笛探索に出たユーリたちに襲い掛かった1匹は、その時同行していた兵士の一人・ライアン(声:浪川大輔)と、なんと恋に落ちて共に暮らすようになる。アニメ版ではその後、ライアンとの特訓により、その砂熊は砂だけでなく、土も掘れるようになった。
- 地獄極楽ゴアラ(声:松山鷹志)
- 見た目は巨大なコアラ。しかし、枝から離れると可愛らしい姿とは裏腹に凄まじい形相で襲い掛かってくる。しかし、枝を見るとぶら下がれずにはいられない性分らしい。
- 本来言葉は喋らないのだが、声を担当した松山氏が「待てごらぁ!」と言ったため、共演者は「待てって言った!!」と驚嘆していたという。
[編集] 用語説明
- 異世界
有利が地球から行き来する世界。ここでは便宜上こう呼ぶ。発達レベルは中世ヨーロッパほどであり、住んでいる人たちも全員欧米人風である。黒髪黒眼の人間は双黒と呼ばれ、その扱いかたは人間と魔族の間で全く異なる。また、東洋系の顔だちは大変な美形とされる。
- 眞魔国
異世界に存在する魔族の国。魔王直轄地と十貴族の領地に分かれている。有利による第一印象は「ケタの違うハウステンボス」。正式名称は「偉大なる眞王とその民たる魔族に栄えあれああ世界のすべては我等魔族から始まったのだということを忘れてはならない創主たちをも打ち倒した力と叡智と勇気をもって魔族の繁栄は永遠なるものなり王国」。世襲ではなく眞王言賜によって魔王が決まる。
- 魔族
異世界では眞魔国で暮らす種族、地球では人間に混ざって暮らす種族である。地球に住んでいるものは人間との違いはほとんど無い。異世界に住んでいるものは、強大な力を持っていたがために迫害されて眞魔国に流れてきた人間が進化したものであり、人間の5倍の寿命と、人によっては魔力を持っている。また、美形が多く、美形すぎて魔族だとばれる場合もある。人間からは忌み嫌われる存在である。
- 双黒
黒髪黒眼の人間のこと。世に二つといないといわれるほど珍しい。異世界では魔族である証であり、眞魔国では敬われるが、人間の国では不吉だとされさらに不老不死の秘薬になるという言い伝えまであるので、有利が人間の国に行くときには髪を染めカラーコンタクトレンズを装着する必要がある(が、『上様モード』になると変装がはがれてしまう)。
[編集] 放送時期
- NHK BS2
- 第1シリーズ 2004年4月3日 - 2005年3月(全39話) 土曜日9:00 - 9:25
- 第2シリーズ 2005年4月2日 - 2006年2月(全39話) 土曜日9:00 - 9:25
- (第2シリーズよりアニメオリジナルストーリー)
- NHK教育
- 2005年3月9日 - 水曜日24:00 - 24:25
- 2005年12月末から休止。
- 2006年の4月6日から第2シリーズの第42話より放送開始(木曜日24:00 -)。
(2006年1月から3月15日までは24:25から放送していた無人惑星サヴァイヴが24:00から2話連続で放送されていた。)
本作品は、16:9のハイビジョン制作である(地デジでは16:9のフルサイズでの放送。ただしハイビジョン画質で放送されたことはない)。アナログでの放送の際、BS2では4:3にサイドカット、地上波(教育)ではレターボックスでの放送だった。
[編集] スタッフ
- 原作: 喬林知(角川ビーンズ文庫)
- シリーズ構成: 面出明美
- キャラクター原案: 松本テマリ
- キャラクターデザイン: 工藤裕加
- コンセプトデザイン: 青木智由紀、小坂知
- 美術監督: 小山俊久(プロダクション・アイ)
- 色彩設計: 松本真司
- 撮影監督: 近藤慎与
- 編集: 松村正宏(JAY FILM)
- 音楽: 吉川洋一郎
- 音響監督: なかのとおる、高寺雄
- 音響効果: 倉橋静男(サウンドボックス)
- 録音制作: HALF H・P STUDIO
- アニメーションプロデューサー: 野口和紀、浦崎宣光(スタジオディーン)
- プロデューサー: 柴田裕司
- 制作統括: 柏木敦子、伊原英夫
- 監督: 西村純二
- アニメーション制作: スタジオディーン
- 共同制作: 総合ビジョン
- 制作著作: NHK
- 著作権表記:(C)喬林知・角川書店/NHK・総合ビジョン
[編集] 放送リスト
BS2・主題歌におけるシリーズの区切りと、地上波・DVDにおけるシリーズの区切りが若干異なる。前者では第1・第2シリーズそれぞれ全39話となっているが、後者では41話までを第1章(第1シリーズ)とし、第42話以降、全37話を第2章(第2シリーズ)としている。
[編集] 第一章
- first season
- 第1話 「流されて異世界」
- 第2話 「決闘! 美少年VS野球少年」
- 第3話 「渋谷有利! 俺が㋮王だ」
- 第4話 「今度は最終兵器!?」
- 第5話 「セーラー服ときかん坊」
- 第6話 「人喰い㋮剣・モルギフの恐怖」
- 第7話 「暴走?迷走?㋮剣発動!」
- 第8話 「月下の陰謀」
- 第9話 「盗まれた秘宝」
- 第10話「迫り来る㋮の手!」
- 第11話「次元のむこうで戦争がはじまる」
- second season
- 第12話「愛と宿命の鎖」
- 第13話「花嫁と有利とグウェンダル」
- 第14話「有利、重労働す」
- 第15話「砂漠に降る雨」
- 第16話「㋮王捕物控!」
- 第17話「私、再婚します」
- 第18話「その愛のために」
- 第19話「勇者VS魔王 前編」
- 第20話「勇者VS魔王 後編」
- 第21話「危険な訪問者」
- 第22話「運命の男」
- 第23話「炎のレース」
- 第24話「許されざる者」
- 第25話「過去と未来」
- third season
- 第26話「巡る命の果てで」
- 第27話「コンラッドの腕」
- 第28話「凶悪な再会」
- 第29話「戦慄の序章」
- 第30話「禁じられた箱」
- 第31話「地の果て」
- 第32話「鍵をかけられた記憶」
- 第33話「激走!雪ゾリレース」
- 第34話「熱闘コロシアム!?」
- 第35話「雪降る大地」
- 第36話「さらばコンラッド」
- 第37話「箱の行方」
- 第38話「ギュンターVSコンラッド」
- 第39話「君の名は㋮王」
(ここまでが、BS2、及び主題歌における第1シリーズ。ここから第2シリーズ)
- 第40話「絆のために」
- 第41話「コンラッドの帰還」
[編集] 第二章
(地上波・DVDにおいては、ここからが第2シリーズ)
- first season
- 第42話「遠い約束」
- 第43話「血盟城ベビーパニック!」
- 第44話「幻の少女」
- 第45話「許婚VS婚約者」
- 第46話「森の巫女」
- 第47話「いのちの証」
- 第48話「逆襲、大シマロン!」
- 第49話「獅子と狼」
- 第50話「我が愛しきジュリア」
- 第51話「復讐鬼?マキシーン」
- 第52話「大地立つコンラート」
- 第53話「前略、ユーリ陛下」
- 第54話「聖剣と魔剣・前編」
- 第55話「聖剣と魔剣・後編」
- second season
- 第56話「動き出す影」
- 第57話「闇から来た魔物」
- 第58話「混沌の王」
- 第59話「魔族、地球へ」
- 第60話「お兄ちゃんの悩み」
- 第61話「もう一人の魔王」
- 第62話「託された希望」
- 第63話「対決!㋮王VSコッヒー軍団」
- 第64話「雪ギュンター再び」
- 第65話「白銀を往く者」
- 第66話「想う力」
- third season
- 第67話「明日に架ける橋」
- 第68話「栄光の時代」
- 第69話「守るべきもの」
- 第70話「忘れられた民」
- 第71話「お兄ちゃん大暴走」
- 第72話「封じられしもの」
- 第73話「闇の鼓動」
- 第74話「真実の支配者」
- 第75話「太陽と月」
- 第76話「暗闇の中で」
- 第77話「魔王降臨」
- 第78話「㋮た会う日まで」<終>
[編集] 主題歌・OP・ED
- オープニング 「果てしなく遠い空に」
- 作詞:坂本タカノリ、作曲:太田タケヒロ、歌・演奏:THE STAND UP
- 第一シリーズ(1~39話)エンディング 「ステキな幸せ」
- 作詞:坂本タカノリ、作曲:太田タケヒロ、歌・演奏:THE STAND UP
- 第二シリーズエンディング (40話~)「ありがとう~」
- 作詞:BON'Z、作曲:IKKI、編曲:ha-j、歌:BON'Z
また、区切り同様、OP、EDともに39話以前と40話以降で映像が新しいものに差し替えられている。
[編集] 次回予告
基本的に有利が一人称語りで行われ、その次の話で重要になる人物が絡む程度である。
また、39話まではEDの振返り用の窓をそのまま流用しかつ、次回の映像を流していた。(そのため表示が小さい) そしてEDの主題歌をフェードアウトしながらBGMにしていた。
40話以降は全画面で予告を行い、EDとは違う専用のBGMが用意されている。
[編集] ネットラジオ
- 今日からマ王! 眞魔国放送協会(SHK)[[1]]
[編集] パーソナリティー
[編集] ゲスト
- 第3・4回目:勝生真沙子(ツェリ役)・高山みなみ(アニシナ役)
- 第5・6回目:井上和彦(ギュンター役)・松山鷹志(ダカスコス役)(松山氏は6回目のみに出演)
- 第7・8回目:櫻井孝宏(渋谷有利役)
- 第9・10回目:竹田雅則(ヨザック役)
- 第11・12回目:かかずゆみ(渋谷美子役)
[編集] コーナー
- おたより紹介(ゲストが出演するときは1回目の出演のみゲストトーク)
- SHINMA WALKER(シンマウォーカー)
- 毎回日本の流行を一つ取り上げ、その流行をミッションを通じて上手く紹介できればミッションクリアでクリアポイントを獲得し、失敗したら失敗ポイントが累積されていくゲーム。クリアポイントが5ポイント獲得できればご褒美が貰え、失敗ポイントが5ポイント貯まると恐怖の罰ゲームが行われる。
- ゲストもこのゲームに挑戦するため、ゲストにもクリアポイント、失敗ポイントが加算されていく。
- 今まで紹介された流行。ただし、流行に関係ないゲーム(出演者談)。8回目にしてようやく流行に関係したゲームになった(出演者談)。
- 第1回目:携帯番号ポータビリティ
- 第2回目:名古屋球団優勝。
- 第3回目:流行語大賞。
- 第4回目:次世代ゲーム機。
- 第5回目:紅白歌合戦。
- 第6回目:大学入試センター試験。
- 第7回目は斎賀みつきが5ポイント獲得したので特別編。
- 第8回目:バレンタインデー。
- 第9回目:更新日が2月22日なので猫の日
- 第10回目:卒業式。
- 第11回目:愛知県の好景気。
- 第12回目:入学式。
[編集] 外部リンク
NHKBS2 衛星アニメ劇場土曜09:00枠 | ||
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