信長の野望・全国版
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ジャンル | 歴史シミュレーション |
対応機種 | PC-88 MSX2 MSX FM-77AV Windows98~XP (25周年パックVol.1及び定番シリーズとして:PC98エミュレータ?) ファミリーコンピュータ スーパーファミコン メガドライブ PCエンジン プレイステーション 携帯電話 |
開発元 | コーエー |
発売元 | コーエー |
人数 | 1~8人 |
信長の野望・全国版(のぶながのやぼう・ぜんこくばん)はゲームメーカーの光栄(現コーエー)から発売された歴史シミュレーションゲーム、信長の野望シリーズの第2作である。1986年にパソコン版として発売し、1988年にファミコンに移植され、人気を博した(これが光栄の家庭用ゲーム機市場への初参入となった)。1993年にはスーパーファミコンにも移植された。タイトルロゴの「全国版」の部分が「全・国・版」ようになっているものもある。
コーエー25周年記念パックのVol.1にも収録され、後コーエー定番シリーズで単品発売もされている。
目次 |
[編集] 内容
[編集] 概要
戦国時代を舞台とした国取り合戦で、戦国大名が他の戦国大名と戦い国を奪っていき全国統一(天下統一ではない。のちにシステムソフトが「天下統一」のタイトルで歴史シミュレーションゲームを発売したため、コーエーはこの用語を避ける)をしていくのが目的である。前作は尾張を中心とした関東から近畿地方までの17カ国の大名しか登場しなかったのが、本作では北の蝦夷から南の薩摩大隅までのほぼ日本全国をカバーする50カ国が舞台となり、織田信長を含む全ての登場大名をプレイヤーが任意にプレイできるようになった(システムからのメッセージが各地の方言となる「方言モード」も導入されている)。
基本的に武将は大名しか登場しない他、能力は自分で決めて行き能力を高めていくというゲームである。このゲームにより信長シリーズの草分けとなっていった。また、歴史イベントとして本能寺の変が用意され、以降の作品にも受け継がれている。
スーパーファミコン版以降は、シナリオが増やされ、一部設定も変更されている(方言モードの復活など)。一部大名も変更されているところもある(紀伊の堀内氏善から雑賀孫市への変更など)。
後のシリーズは部下の武将を導入したり、合戦の仕様が細分化されたりと内容が複雑化しているが、本作のシステムはシミュレーションゲーム初心者にも簡単に理解できるシンプルなものであり、近年では携帯電話コンテンツとしても移植されている。
[編集] 特徴
- 日本全国を網羅
- 前作と同じく17ヶ国を制覇するモードに加え、蝦夷地から薩摩大隅までの日本全国50ヶ国の征服を目指す「50ヶ国モード」が追加された。これが全国版と冠された所以であり、さらに登場する50人の大名の全てがプレイヤー大名として選択可能、同時プレイ人数も8人までと大幅に拡大された。その圧倒的なスケールアップ感とボリュームは、同時期のシミュレーション系ゲームでは群を抜いた存在であり、本作をして「信長の野望」というブランドを不動のものにしたという声が多い。
- 入札制度
- 病気や忍者による暗殺などで大名が死亡すると、その大名の統治していた国はすべて空白国となり、その国に接する大名らによって入札が行われる。プレイヤーがその条件に該当する場合は、入札するかしないかを選択できる。
- 隣接する国を治める大名が1人以下の場合、新たな大名が誕生する。大名の名前はランダムで決められる。
- その他の特徴
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- 複数の領国を持っている大名本人を討ち取ると、その大名が生前統治していた国はすべて戦勝国の領地となる。
- 地方のいわゆる弱小大名に対しては暗殺が成功しやすい傾向にある。ただし、プレイヤー大名より魅力が高い大名にはまず成功しない。
- 商人から借金できる額はその国の町の価値と同額である。また、借金は大名単位ではなく国単位でなされるため、負債を抱えている時点でその国が敵大名に奪われた場合、その大名に借金返済義務が生じることになる。
- 摂津と山城には商人が常駐している。
- 戦争は第1部隊(大将の部隊)を全滅させるか退却させると勝利となる。第1部隊が残っていても、兵糧を切らした方は負けとなる。第1部隊を全滅させて勝利した場合、敵側の残りの兵士数は自国のものになる。
- 合戦ではどの部隊も1コマずつしか移動できない。また、隣接しないと攻撃できない。移動と攻撃を同じターンにはできない。このことと戦場の地形を利用して、攻め手にあっては兵糧攻め、守り手にあっては逃げ切り防衛が可能な場合がある。つまり敵の部隊から逃げ回ることで、相手の兵糧切れまたは戦争の期限切れ(1ヶ月)を待つのである。
- 部隊は「鉄砲・騎馬・足軽」の順に強い。
- 鉄砲隊は、その国の武装度を上げないと、編成を20%より高くすることができない。
- 謀反は兵忠が低いと、一揆は民忠や民財が低いと起きやすい。謀反の場合はその国の兵士が正規軍と謀反軍に分かれて戦うが、一揆の場合は正規軍はその国の兵士がすべて動員され、一揆軍はその国の兵士とは無関係に兵士が動員される。したがって、戦い方によっては一揆によって兵士が逆に増えることもある。
- 新たな領地を得たら、委任してしまう方が国力のアップが圧倒的に早い。ただし、軍事国にすると百姓一揆が、生産国にすると謀反が起きやすい(PC-88版,MSX2版では兵士数を0にすると謀反が起きなかったが、PC-98版,ウィンドウズ版では兵士数0でも謀反が発生する)。
[編集] 歴史イベント「本能寺の変」
- 機種によって異なる場合あり。さらなる情報を求めます。
- 以下の条件を満たす場合に発生
- 通常発生する謀反とは違い、織田方は山城に駐留する兵力がすべて動員されるが、対する明智軍の兵力は倍の兵力となる。また、信長軍は敗色濃厚となっても他国へ退却することはもちろんできない。
- 明智軍の部隊編成は山城の部隊編成と同じものとなっているようである。また、信長が死亡すると、プレイヤーは柴田勝家、羽柴秀吉のどちらかでゲーム続行。選択されなかったもう一方の武将は別の国を1国治める大名となり、残った旧織田領はすべて明智光秀の領地となる。
- 第一部隊に兵力を100%にしておくと、山城のマップは回廊型なので倍の兵力で襲いかかられても逃げ回ることが可能となるが、ウインドウズ版では第一部隊集中型にしておくと、謀反が起きないようである。
[編集] 裏技
- 年貢率1%で国力アップ
- 自国領が増えてきたら、その国の年貢率を1%にする→民忠・民財が上がる
- その国を委任する(「軍事国」以外を選択)
- その後、コンピューターは勝手に年貢率を上げてしまうので、再びその国を直轄地に戻す→年貢率は高くなっているものの、民忠に変化なし
- ※これを何度も繰り返す。その結果、民忠を次第に上げていきながら、高い年貢率も維持し多くの金・兵糧の獲得も可能となる。
- 兵糧攻め
- 兵力1, 兵糧1で他国へ攻め込むと兵糧が減らないので、相手の兵糧が少ない時に限り兵糧攻めが行える(もちろん攻撃を受けたらプレイヤーの負けなので注意が必要である)。
- 「第1部隊1%」の編成で容易に敵国を奪う
- 「編成」で「第1部隊(大将)1%, 第2部隊(騎馬)99%」にして他国を全力で攻め、その国を奪う。
- するとよその国が空き地同然となった自国に攻め込んで占領する。
- すかさずその奪い取られた元自国を攻める。
- 敵部隊の割合はプレイヤーが設定した「大将1%, 騎馬99%」のままなので、第1部隊を集中的に攻撃する。敵がどんなに大兵力を擁していようと、プレイヤーが圧倒的に有利になる(ただし部隊の配置場所に注意する)。
- 第1部隊が全滅もしくは退却すると、生き残った敵軍の兵士はすべてプレイヤーのものになるので、難なく兵士が増やせる(接収した兵士は自軍の兵士にミックスされることになるので、兵忠は下がる)。また敵国はプレイヤーの国に攻め込むことで兵力が分散され、逆にプレイヤーによる敵国攻略が容易になる。
- 一揆が絶対に発生しない
- 以下のいずれかの条件を満たす国は、絶対に一揆が起こらない。
- プレイヤー大名が本願寺氏の国
- この場合、本願寺の統治する国は税率が何%でも一揆は発生しない。(一揆が起こらないかわりに、一部機種では年貢率は最大で30%しか上がらない)
- 税率が50%を超えており、かつ兵士がいない国
- プレイヤー大名が本願寺氏の国
- これを利用して、自国領が増えてきたら、敵国に接していない属領を物資補給の拠点にすることができる。まずその属領の兵士を0、年貢率を100%にして委任する。その国の金や兵糧の蓄えがある程度できてきたら直轄に戻し、物資を前線に輸送する。このとき、コンピューターは年貢率を100%未満にしている(下げている)はずなので、100%にして再び委任生産国にする。これを繰り返す(ウインドウズ版では不可。兵士を0にすると必ず次の季節に謀反や一揆が起きるため)。
- 以下のいずれかの条件を満たす国は、絶対に一揆が起こらない。
[編集] コンシューマー移植版
- ファミリーコンピュータ(1988年3月18日発売)
- スーパーファミコン(1993年8月5日発売)
- 「スーパー信長の野望全国版」というタイトルで発売。
- メガドライブ(1993年9月15日発売)
- PCエンジンSUPER CD-ROM²(1993年12月11日発売)
- プレイステーション(1998年1月22日発売)
[編集] 外部リンク
- 復刻PC98版公式サイト コーエー定番シリーズの1本として発売
- もともとはコーエー25周年パックVol.1に収録
- 携帯版公式サイト
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