信長の野望・将星録
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ジャンル | 歴史シミュレーション |
対応機種 | Windows95~Me (定番シリーズ版は2000,XPにも対応) Macintosh プレイステーション セガサターン ドリームキャスト プレイステーションポータブル |
開発元 | コーエー |
発売元 | コーエー |
人数 | 1~8人 |
メディア | CD-ROM |
信長の野望・将星録(のぶながのやぼうしょうせいろく)は1997年、光栄から発売された歴史シミュレーションゲーム『信長の野望シリーズ』の第7作である。「将星禄」は誤り。
Windows版が最初に発売された後にMacintosh、セガサターン、プレイステーション、ドリームキャスト、プレイステーション・ポータブル版も発売された。パソコン版とコンシューマ版では若干の変更点がある。
山下康介がそれまでの菅野よう子に代わって音楽を担当した初のシリーズ作でもある。
Windows版はコーエー定番シリーズでないものは現行OSとの相性が悪い。詳しくは#Windows版に関する注意で記す。
目次 |
[編集] 内容
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 概要
プレイヤーは戦国大名の一人(あるいは複数)を選び、全国統一を目指す。
本作では前々作の覇王伝での同盟統一、征夷大将軍になって他大名と全てと同盟を結んでの統一が復活した。ただし従属大名システムは搭載されなかったので、同盟と言っても対等同盟であり、その点は前々作と異なる。また本作では同盟が期限付きのものとなった。
また勲功システムは前作天翔記のもの、勲功により身分及び兵数が決まるシステムをほぼそのまま引き継いでいる。だが前作では昇進は手動だったのに対し、本作では自動で昇進するようになった。
[編集] 箱庭内政
本作で特徴的なのは箱庭システムとよばれる新たな戦略フェイズの採用である。箱庭型のマップの中での内政はこれまでの信長シリーズのゲームとは異なる。これまでは単に「開墾」や「治水」と言ったコマンドを選ぶだけだったが、今作では日本全国が一枚絵のMAPであり、マス目上になっている。内政をする場合には内政ユニットを目的地のマス目の移動させた上で「開墾」や「治水」コマンドを行う。すると「荒れ地」であったマス目が「水田」や「街」に変更される。マス目の数が限られている上に施設を作成するには地理的制約がある。どこに何を作るか長期的な都市計画を考えて街作りを行う必要がある。領地は城を基点に城規模があがるほど範囲が広くなる。これまでのように一定数値に達したら開発はできないということはなくなった。これは次作である烈風伝にも継承されたシステムであるが、城の改修度に応じて収入範囲が増減する、というシステムは将星録独自のものである。
前作まで存在した、兵士の徴兵という概念がなくなり、開発の中で自然に兵士が増えるようになった。また攻城などを行う軍勢ユニットも、内政と同一マップ上で行動するシステムとなっている。これは次作の「烈風伝」にも引き続いて採用されたシステムであるが、外交や調略、輸送を行う際にもそれぞれ使者ユニット、間者ユニット(職業が忍者の武将は忍者ユニット)、輸送ユニットが登場するのは将星録独自のシステムであり、使者等をとらえるための関所を領内に設置できるのも将星録のみである。支城という施設を設置することも可能であり、ここに配備した軍勢ユニットは兵糧の消費を抑えることができる。
コンシューマ版は、本城の収入範囲は烈風伝と同様に城規模を上げても5×5ヘクス固定である。支城にも3×3ヘクスの収入範囲があり、一つの国内に3つまで築城が可能である。また支城で兵糧の他に軍勢ユニットへの兵士や軍馬・鉄砲の補給が所属する本城から可能であり、また、敵の支城は占拠して自家のものとする事も可能なので、この点ではパソコン版に比べ戦略性が上がったと言える。
[編集] パラメータ
本作での武将の能力パラメータは隠しを含めても「政治」「戦闘」「智謀」「寿命」「義理」「相性」で、前作から比べると減った。その代わり兵科適性や特技の要素は健在で、特技については内政特技は「農業」「商業」「建設」「外交」「登用」、戦闘特技は「三段」「騎突」「焙烙」「騎鉄」「抜穴」がある。ただし一部特殊能力を持つ武将が存在する。裏技・小ネタ参照。
[編集] 合戦について
合戦は攻城戦と野戦(海戦含む)の二つに大別される。
野戦は隣接する部隊数にかかわらず一対一で行われる。一つの軍勢ユニットには基本的に第一部隊(大将)から第五部隊までが存在し、編成時に3×3のスペースで自由に陣形を組むことが可能である。さらに軍勢ユニットには方向というものがあり、側面や背後から攻撃すると有利な条件で戦闘することが可能。さらに武将の身分に応じて率いられる兵士数に上限があるので、真田昌幸のような優秀な武将でも最低の足軽頭の状態なら今川氏真のような能力の低い武将の背面攻撃で倒すことが可能であり、敵城へ進軍する際には迎撃方向に注意しないと攻撃軍がなし崩し的に壊滅させられる、という事態も発生する。支城にいる軍勢ユニットは不意打ちを受けることはない。
攻城戦は15ターン以内に城門を突破し本丸を占拠することが勝利条件である。城への攻撃には城が存在する地形に応じて軍勢ユニット単位で二部隊から四部隊まで参加することが可能。防衛側の城の改修度によっては一度の攻撃で落城させることはほぼ不可能なことが多く、事前の調略などが必要となる。
なお、本作では箱庭になったことで、初めてシステム的に兵糧攻めも可能になった(制作側が意図していたかどうかは分からないが)。城のすべての出入り口を軍勢ユニットで封鎖することで可能であり、この場合では城内に兵力が何万人いようとも軍勢ユニットを出すことができない。城によっては水攻めも可能である。
コンシューマ版では、攻城戦は省略され完全委任となったが、パワーアップキット版でパソコン版と同様の攻城戦が可能となった。
[編集] イベント・国数について
前作「天翔記」につづいて歴史イベントが豊富に内蔵されており、一部には実写ムービーも取り入れられており、戦国時代の雰囲気を楽しむことができるようになっている。基本的に一国一城一大名であり、前作までに比べると削られた城や大名も多いが、一部は支城や独立勢力として存在しており、独立勢力は使者ユニットを隣接させてこれを味方にさせることもできる。
パワーアップキット版では選択できるシナリオや歴史イベントが増加しており、新コマンド「早刈」が追加された。
[編集] 職業について
各職業によるゲーム進行への影響は以下の通り。なお、同じ職業を持っている武将同士の場合は登用の成功率が上がる。
- 忍者
- 調略の成功率が上がる。関所で捕らえられなくなる。間者ユニットよりも移動力が大きい。稀に野戦で敵将を討ち取ることがある。
- 僧侶
- 僧侶が城主の場合は稀に兵糧・金銭・兵士のうち最も少ない物資を農民から貰えることがある。大名が僧侶の場合は宣教師来訪のイベントが起きなくなる。
- 剣豪
- 野戦でクリティカルヒット(敵を混乱させる攻撃)の発生する確率が高くなる。デフォルトで剣豪の武将は家宝の鬼丸を持たせると攻城戦で「斬鉄剣」ができる。(剣術書では不可)
- 茶人
- 特になし。台詞が変わる程度。
- 切支丹
- 宣教師来訪のイベントが起こりやすくなる。南蛮物の取引ができるようになる。本願寺との仲が悪くなる。
[編集] Windows版に関する注意
Windows版については最初に発売されたものは、パワーアップキット(PK)も含めてWindowsXP及びWindows2000にはコーエー公式では非対応としている。ファンの間ではこれらのOSで動かすための対策も考え出されたが、あくまで非公式なものである。現在入手の容易な、コーエー定番シリーズとして廉価版で発売されているものはXP発売後に発売されたもので、WinXP及びWin2000への対策もされているが、PKは別途入手しても適用することができない。
もっとも、PKで一番使う機能であろうエディタについては非公式ツールで代用できるのでさほど問題はない。またPK版プレイ経験者の中には、本作のPKは適用したらコンピュータの思考ルーチンがかえって弱くなる、「パワーダウンキット」だったと言う者もいる。本作のPKが発売されないのはその辺りも背景にあるのではないかと思われる。
[編集] 裏技・小ネタ
- 斬鉄剣
- 足利義輝のみが持っている特殊能力。それ以外の武将は、デフォルトで剣豪の武将に一等級の家宝「鬼丸」を持たせることでできるようになる。攻城戦で本陣の部隊が城門に通常攻撃を仕掛けると、防御度に関係なく一撃で破壊することができる。
- 影武者
- 武田信玄・真田幸村のみが持っている特殊能力。野戦で本陣が全滅してもランダムで他の部隊に本陣が移動し、軍勢が壊滅しなくなる。場合によっては発生しないことも。
- 一向一揆
- 本願寺家の当主が持っている特殊能力。ランダムで特定の城に一向一揆を起こすことができる。一向一揆の軍勢の操作は不可。本願寺家が滅亡すると一向一揆は消滅する。
- 雷神剣(仮称)
- 詳細は不明。野戦で稀に敵に混乱&大ダメージを与える攻撃をする(クリティカルヒットとは別)。九等級の家宝「雷切」を持ち、雨のターンに攻撃することが条件か。立花道雪のみの特殊能力の可能性もある。
[編集] PS版の隠しシナリオ
PS版では隠しコマンドを入力することにより、隠しシナリオがプレイできるようになる。SS版、DC版でもボタンを押す順番は同じ。
- 通常版(パワーアップキット版ではないもの)
- 「1582年6月 天下の継承者」
- シナリオ選択画面で右、左、上、下、○、×、△、□と入力
- 「1582年6月 天下の継承者」
- パワーアップキット版
- 「1568年2月 天下布武」
- シナリオ選択画面で△、□、右、左、上、下、×、○と入力
- 「1568年2月 天下布武」
[編集] 評価
箱庭内政システムが賛否両論だったことや前作の天翔記よりも城数や武将数が減らされ、更に思考ルーチンも弱くなったことで前作ほどの評価を得ることはできなかったものの、作品自体は少なくとも平均以上の出来と言える。
次作の烈風伝に関連しては、烈風伝では採用されなかった将星録の要素、城規模と支配範囲の連動、期限付きの同盟、合戦時の方向の概念などが良かったという意見もあり、「烈風伝は将星録の改良版」という人と「将星録の改悪版」という人がいる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 信長の野望・将星録 公式サイト
- 将星録パワーアップキット 公式サイト
- PSP版公式サイト
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