北大阪急行電鉄8000形電車
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北大阪急行電鉄8000形電車 | |
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西中島南方駅より(2006年3月8日撮影) | |
両数 | 10両 |
起動加速度 | 3.0km/h/s |
営業最高速度 | 70km/h |
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大)
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編成定員 | 1,280 (438) 人 |
全長 | 187,400mm |
全幅 | 2,890mm |
全高 | 3,745mm |
編成重量 | 308.5t |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 | 直流750V第三軌条方式 |
歯車比 | 103:14 |
駆動装置 | 平行可とう式歯車継手方式 |
制御装置 | VVVFインバータ制御 (東芝製GTOサイリスタ素子 |
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用全電気指令式電磁直通ブレーキ (HRDA-1) |
保安装置 | 自動列車制御装置 (WS-ATC) |
メーカ | アルナ工機 |
備考 | 定員の括弧内は着席定員 |
8000形電車(8000がたでんしゃ)は、北大阪急行電鉄の通勤形電車。北極星を意味するポールスター('''POLESTAR''') の愛称がある。1987年(昭和62年)に鉄道友の会ローレル賞を受賞した。
[編集] 概要
北大阪急行電鉄南北線と相互乗り入れ先の大阪市交通局(大阪市営地下鉄)御堂筋線で運用される。
主回路制御装置には東芝製のGTOサイリスタ素子使用のVVVFインバータ制御を採用した。回生ブレーキを装備するが、回生失効速度が高いため減速時の磁励音が殆どしないのが特徴である。起動時の磁励音と減速時の磁励音は大阪市新20系に近い。
主電動機は三相誘導電動機のSEA-312(定格出力140Kw)を搭載し、1台の主制御器でこの電動機を4基制御する、1C4M(1 Controller 4 Motors)方式となっている。
また、当時の車両としては珍しく運転台の速度計や電圧計、電流計などがデジタル表示とされた。
台車は住友金属工業製のSUミンデン式ボルスタレス台車を装着する。
1986年(昭和61年)から車両冷房化と開業当初からの2000形置き換えのために製造され、1987年(昭和62年)に8100形を新造・組み込みし、9両編成化された。また、この年以降に製造された編成は最初から9両編成で落成した。
1993年(平成5年)4月までに9両編成7本(63両、車両番号・編成は千里中央側から8000形、8100形、8200形の順で8900形まで。8500形はなし)が揃って2000形の置き換えが完了した。同時に自社線内でもカセットテープによる車内自動放送(その後ICレコーダーに交換)が実施されることになり、再生装置が設置された。
1995年(平成7年)~1996年(平成8年)にかけて、相互乗り入れ先である御堂筋線の10両化に伴い、8600形7両が新規製造され、従来の8600形は8500形に改番された。
2007年(平成19年)現在、10両編成7本(70両)が在籍している。
[編集] 外観・内装
本形式は窓配置や寸法などは乗り入れ先である大阪市交通局の仕様に準じているが、それ以外は親会社である阪急電鉄の車両に準じた仕様で、同じく阪急の子会社であったアルナ工機(現・アルナ車両)で設計・製造された。このため、アルミ製鎧戸を日よけとする一枚下降窓を採用しているほか、アルミ車体に塗装を施すという点でも阪急車両と共通する。
車体塗装は、阪急6300系電車の上部に塗られていたアイボリーをベースに、御堂筋線のラインカラーである赤と、阪急のシンボルであるマルーンの2色の帯を上下に巻いている。
内装は、木目印刷を施した化粧板、ゴールデンオリーブ色の座席となっており、こちらも阪急電鉄の車両と同仕様である。そして車両間の貫通扉は通勤形車両としては珍しく自動ドア(押ボタン式)を採用したことが特徴となっている[1]。
ドアチャイムは手動で、客用ドアの開閉前に車掌がボタンを押すことにより鳴動する仕組みとなっている。基本的に自社線内のみの使用であるが、まれに御堂筋線内でも使用される場合がある。また、ドアの開く側によってチャイムの鳴動音が違えてある。
落成時点からの変化は、前述したドアチャイムの設置、1993年から1995年にかけて車椅子スペースを設置[2]、座席モケットをオレンジ色からゴールデンオリーブ色への変更、起動加速度を大阪市車両と同等に向上、などである。8006Fからは警笛は電気笛から空気型電気笛に変更され、後に8001F~8005Fも更新された。
2002年(平成14年)11月には8006FにLED式車内案内表示装置の設置、ドアチャイムの自動化[3]改造が行われた。
2006年(平成18年)3月には8006Fの全車両の2番ドアと3番ドアの間の座席にNTTドコモのキャラクター「ドコモダケ」が描かれた座席広告が登場し、同年3月31日までこの仕様で運行された。同年7月1日には営業運転開始から20周年を迎え、同年6月中旬から非常貫通扉上に記念ステッカーが掲出された。
[編集] 脚注
- ^ 阪急電鉄車両での車両間貫通扉への自動ドア採用は2003年(平成15年)に落成した9300系以降となる。
- ^ 8007Fと10両化用8600形は落成時から設置。
- ^ ドア操作と連動してチャイムが鳴動する一般的なもので、御堂筋線内でも鳴動するようになった。従来のボタン式チャイムは存置され自線内で引き続き使用されている。
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