大阪市交通局新20系電車
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大阪市交通局新20系電車 (共通事項) | |
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営業最高速度 | 70km/h |
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大)
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全長 | 112,600mm |
全幅 | (先頭車)2,890mm・(中間車)2,880mm |
全高 | 3,745mm |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 | 直流750V第三軌条方式 |
歯車比 | 103:14 |
駆動装置 | WN平行カルダン駆動方式 |
制御装置 | 日立製GTO素子VVVFインバータ制御 |
ブレーキ方式 | 電気指令式ブレーキ OEC-3 |
保安装置 | ATC・CTC |
新20系電車(しん20けいでんしゃ)は、大阪市交通局の高速電気軌道(大阪市営地下鉄)用の通勤形電車である21系、22系、23系、24系、25系の慣用的な総称。5系列合計で572両が在籍する。
目次 |
[編集] 概要
非冷房車である30系と50系の老朽取り替えを目的に1990年(平成2年)から1998年(平成10年)にかけて製造された。電装品などは従来の20系とほぼ同一であるが、外観などが大幅に変更され、先頭車両の前面は北急8000形とベースになった。車体は軽量ステンレス製で、側面にはビードが入っている。製造メーカーは日本車輌製造・川崎重工業・日立製作所・東急車輛製造・近畿車輛・アルナ工機(現・アルナ車両)である。近車と東急製は側構体と台枠の結合部がインダイレクトスポット溶接されているが、他社製は栓溶接の上カバーが被せられているという相違がある。この新20系では車両番号表記が5桁になり、万の位の「2」は20系を表し、千の位は投入線区の路線番号(御堂筋線は1号線なので1、谷町線は2号線なので2…というように)、百の位は車両の形式、十と一の位は車両番号を表す。起動時の磁励音と減速時の磁励音は北急8000形に近い。
[編集] 各系列の共通部分
- 車体が軽量ステンレス製であること。
- VVVFインバータ制御装置の使用素子がGTOサイリスタであり、1基のインバータ装置で4個の電動機を制御する「1C4M方式」であること。
[編集] サービス向上のための他系列車両との違い
- 車体側面への行先表示器の設置(後に他系列の更新車にも設置)。
- 非常通報装置のインターホン化。
- 側面窓の1枚下降式への変更。
- 客用扉上部に車内案内表示装置の設置(一部編成のみ。21系・24系の全編成、22系のほとんどの編成、23系の第10編成に設置)
[編集] 各系列の概要
[編集] 御堂筋線用21系
大阪市交通局21系電車 | |
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大阪市営地下鉄新20系電車(御堂筋線用21系) | |
両数 | 10両 |
起動加速度 | 3.0km/h/s |
営業最高速度 | 70km/h |
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大)
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車両定員 | (先頭車)130(39)人・(中間車)140(45)人 |
編成定員 | 1380(438)人 |
車両重量 | (Tc車)32.0t・(M車)36.0t・(T車)24.5t |
編成重量 | 317.5t |
モーター出力 | 140kw |
編成出力 | 140kw×4機×5両=2,800kw |
メーカ | 日本車輌製造・東急車輛製造・近畿車輛・川崎重工業 |
御堂筋線用の車両は21系と呼び、1991年(平成3年)から1998年にかけて10両編成18本(180両)が日本車輌製造・東急車輛製造・近畿車輛・川崎重工業の4社で製造された。この21系は10両編成への対応のためと過密運転線区への投入のため起動加速度が他の新20系各系列の2.5km/h/sから3.0km/h/sとされるなど、他の新20系各系列とは異なる部分がある。1991年から1994年(平成6年)にかけて製造された第1編成から第13編成は9両編成で落成し、1996年(平成8年)に10両編成の運転開始に伴い、付随車21500形が川崎重工業・日本車輌製造で落成し、それぞれの編成に組み込まれた。残りの5本は当初から10両編成で落成した。
1998年より開始された10系のリニューアル工事により編成数が1本不足するため、第18編成が日本車輌製造で落成した。また、同年12月より第12編成が連結面の転落防止幌の試験のために使われ、その結果2000年(平成12年)より本格的に採用されることになり、全編成に設置された。
[編集] 谷町線用22系・22系50番台
大阪市交通局22系電車 | |
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谷町線用22系50番台車 | |
両数 | 6両 |
起動加速度 | 2.5km/h/s |
営業最高速度 | 70km/h |
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大)
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車両定員 | (先頭車)130(39)人・(中間車)140(45)人 |
編成定員 | 820(258)人 |
車両重量 | (Tc車)32.0t・(M車)36.0t・(T車)24.5t |
編成重量 | 196.5t |
モーター出力 | 140kw |
編成出力 | 140kw×4機×3両=1,680kw |
メーカ | 近畿車輛・東急車輛製造・アルナ工機(現・アルナ車両)・日立製作所・川崎重工業 |
谷町線用の車両は22系と呼び、1990年から1996年にかけて6両編成19本(114両)が近畿車輛・東急車輛製造・アルナ工機・日立製作所・川崎重工業の5社で製造された。1990年に製造された第1編成から第7編成までの42両は四つ橋線用23系の第1編成から第7編成までの35両(23800形を除く)とともに初期車の部類に入り、前面の車両番号表記が他の車両に比べて大きいのが特徴である。いずれの形式も8両編成化に備えている。
また、2006年(平成18年)3月に延長開業した近畿日本鉄道けいはんな線への直通運転に備えて谷町線と中央線の間での大掛かりな車両の転属が2004年(平成16年)から始まり、中央線の24系とOTS系から編入された24系50番台車(後述)の計9編成54両が22系に編入され、50番台の区分に分けられた。この転属に際して谷町線では不要となる抑速ブレーキの機能撤去が八尾車庫にて行われている。詳細は「大阪市交通局20系電車#20系(2代)」の項を参照していただきたい。
車両番号および編成番号の変更を以下に示す。
旧編成 新編成 24605F→22655F 24606F→22656F 24607F→22657F 24608F→22658F 24609F→22659F 24610F→22660F 24611F→22661F 651F→22662F 652F→22663F
[編集] 四つ橋線用23系
大阪市交通局23系電車 | |
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四つ橋線用23系 | |
両数 | 6両 |
起動加速度 | 2.5km/h/s |
営業最高速度 | 70km/h |
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大)
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車両定員 | (先頭車)130(39)人・(中間車)140(45)人 |
編成定員 | 820(258)人 |
車両重量 | (Tc車)32.0t・(M車)36.0t・(T車)24.5t |
編成重量 | 196.5t |
軌間 | 1,435mm |
モーター出力 | 140kw |
編成出力 | 140kw×4機×3両=1,680kw |
メーカ | 日立製作所・川崎重工業・日本車輌製造 |
四つ橋線用の車両は23系と呼び、1990年から1996年にかけて5両編成18本(90両)と6両編成4本(24両)の計114両が日立製作所・川崎重工業・日本車輌製造の3社で製造された。22系の項でも記したが、第1編成から第7編成は初期車の部類に入り、前面の車両番号表記が大きい。そして四つ橋線での6両編成運転開始に伴い1996年から1997年(平成9年)にかけて第1編成から第18編成に連結する23800形18両が川崎重工業にて製造された。2007年(平成19年)現在では6両編成22本(132両)が在籍する。
この23系では住之江競艇開催時の住之江公園駅での混雑時の乗降分離のために1号車(23900形)と2号車(23200形)の片側4か所の客用扉のうち2か所のみを開ける機能がある。
また、2006年には第10編成の客用扉室内側上部に千鳥配置でLED式の車内案内表示器が設置され、今後全編成に設置される予定である。
[編集] 中央線用24系・24系50番台
大阪市営地下鉄24系電車 | |
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大阪市営地下鉄新20系電車(中央線用24系残留車) | |
両数 | 6両 |
起動加速度 | 3.0km/h/s |
営業最高速度 | 95km/h |
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大)
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車両定員 | (先頭車)130(39)人・(中間車)140(45)人 |
編成定員 | 820(258)人 |
車両重量 | (Tc車)32.0t・(M車)36.0t・(T車)24.5t |
編成重量 | 196.5t |
モーター出力 | 140kw |
編成出力 | 140kw×4機×3両=1,680kw |
メーカ | 日本車輌製造・日立製作所・アルナ工機(現・アルナ車両)・東急車輛製造 |
中央線用の車両は24系と呼び、1991年から1995年(平成7年)にかけて6両編成11本(66両)が日本車輌製造・日立製作所・アルナ工機・東急車輛製造の4社で製造された。
また、24系50番台は大阪港トランスポートシステムの第一種鉄道事業が大阪市交通局に編入された2005年(平成17年)7月1日から谷町線に転属される2006年3月3日までの期間に存在した番台区分で、旧OTS系である。24系50番台に編入される際に客室内の左右両側の客用扉上部にあったLED式車内案内表示器が千鳥配置に変更されたり、前面のOTSのシンボルマークが新20系の「VVVF 20 SERIES CAR」マークに変更されたりなどの軽微な変更がなされた。しかし、座席モケットの色はOTS時代のオーシャンブルーのまま存置されており、車内に入れば他の新20系編成との違いが判る。OTS系時代の詳細は後述する。
22系の項で前述したが、24系の第5編成から第11編成と24系50番台の2編成は谷町線に転属した。2007年現在、中央線に在籍するのは第1編成から第4編成の4本24両である。新20系の中では編成数が最小の系列になった。この4本についても室内の客用扉上部に千鳥配置でLED式車内案内表示器の設置、近鉄線内での最高95km/h運転・ワンマン運転への対応、起動加速度の向上、機器の高速運転対応化、ワイパーの形状・位置の変更などの改造が行われた。
[編集] 千日前線用25系
大阪市交通局25系電車 | |
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両数 | 4両 |
起動加速度 | 2.5km/h/s |
営業最高速度 | 70km/h |
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大)
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車両定員 | (先頭車)130(39)人・(中間車)140(45)人 |
編成定員 | 540(168)人 |
車両重量 | (Tc車)32.0t・(M車)36.0t |
編成重量 | 136t |
モーター出力 | 140kw |
編成出力 | 140kw×4機×2両=840kw |
メーカ | 近畿車輛・東急車輛製造・アルナ工機(現・アルナ車両) |
千日前線用の車両は25系と呼び、1991年から1995年にかけて4両編成17本(68両)が近畿車輛・東急車輛製造・アルナ工機で製造された。
千日前線では車内信号方式が採用されているため、当系列のATC車上機器はそれにあわせたものとなっている。
[編集] 大阪港トランスポートシステムOTS系
大阪港トランスポートシステムOTS系電車 | |
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両数 | 6両 |
起動加速度 | 2.5km/h/s |
営業最高速度 | 70km/h |
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大)
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車両定員 | (先頭車)130(39)人・(中間車)140(45)人 |
編成定員 | 820(258)人 |
全長 | 112,600mm |
全幅 | (先頭車)2,890mm・(中間車)2,880mm |
全高 | 3,745mm |
車両重量 | (Tc車)32.0t・(M車)36.0t・(T車)24.5t |
編成重量 | 196.5t |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 | 直流750V第三軌条方式 |
モーター出力 | 140kW |
編成出力 | 140kW×4基×3両=1,680kW |
歯車比 | 103:14 |
駆動装置 | WN平行カルダン駆動方式 |
制御装置 | 日立製作所製GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御 |
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ (OEC-3) 抑速ブレーキ |
保安装置 | ATC(地上信号式) |
メーカ | 日立製作所 |
OTS系は、かつて大阪港トランスポートシステムが保有していた通勤形電車で、(四つ橋線をベースに)前述したように中央線用の24系50番台に系列・形式称号変更された後に谷町線用の22系50番台に編入された。
ここではOTS時代のことを記述する。
この車両は1997年(平成9年)12月18日のOTSテクノポート線開業に際し、日立製作所で6両編成2本(12両)が落成した。車体や電装品は乗り入れ先の中央線24系と同一仕様である。前面と帯色のみ濃淡のブルーとされた。車両番号は管理上3桁とされたが、付番の仕方は24系の車両番号の下3桁と同一であり、24系-24950とされていた。OTSテクノポート線開業時には同車両に漫画「少年アシベ」のキャラクターである「ゴマちゃん」のシールが貼付されていた。
[編集] 関連製品
Nゲージ鉄道模型としてマイクロエースより御堂筋線21系(基本6両セット・増結4両セット)・谷町線22系(6両セット)・OTS系(6両セット)が販売されている。
またバンダイより、スルッとKANSAIグッズ名義でBトレインショーティー御堂筋線21系・四つ橋線23系・中央線24系が販売されたことがある。
プレイステーション2用ソフトTrainSimulator 御堂筋線で21系の擬似運転(シミュレーション)が出来る。
大阪市営地下鉄・ニュートラムの車両 |
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現役形式 |
10系・20系・新20系・30系・66系・70系・80系・100A系 |
旧在籍車両 |
100形(初代)・200形(初代)・300形・400形・500形・600形・1000形・1100形・1200形・800形・900形・50系・60系・100系 |
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