住友金属工業
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
略称 | 住金(すみきん) |
本社所在地 | (大阪本社)大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 |
設立 | 1949年7月1日 |
業種 | 鉄鋼 |
事業内容 | 鋼管、薄板、厚板、建材、鉄道車両品、チタン、条鋼など |
代表者 | 下妻博(代表取締役会長) 友野宏(代表取締役社長) |
資本金 | 2,621億円 |
売上高 | 1兆5,527億円(2006年3月期連結) 9,549億円(2006年3月期単独) |
関係する人物 | 日向方齊(元会長) 島秀雄(元顧問) |
外部リンク | http://www.sumitomometals.co.jp/ |
住友金属工業株式会社(すみともきんぞくこうぎょう)は、 日本の大手鉄鋼・鉄道部品メーカーである。住友グループの要であり、三井住友銀行、住友化学と共に「住友グループ御三家」と称される。大阪(住友村)と東京(トリトンスクエア)に本社を構える。 略称は「住金」(すみきん)。 英文名:Sumitomo Metal Industries, Ltd.
目次 |
[編集] 概要
主たる事業は鉄鋼業で、鋼管、薄板、厚板、建材、鉄道車両品、チタン、条鋼などを生産する(粗鋼生産量は年間1000万t)。この中でも「パイプの住金」と言われているように、シームレスパイプと呼ばれる原油発掘用の鋼管は世界的にも上位の地位を確保している。ただ、シームレスパイプの価格は原油価格とリンクするため、90年代の原油価格低迷期にはシームレスパイプも赤字部門として住金の経営の足を引っ張っていたが、2000年以降の原油価格の高騰で収益改善している。
主力の製鉄所は鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)と和歌山製鉄所(和歌山県和歌山市・海南市)。鹿島は国内では比較的新しい製鉄所で生産効率が優れている。さらに2004年には鹿島製鉄所内に大型の新高炉を建設して、さらに費用削減を進めている。和歌山は古い製鉄所のため生産効率が劣っていた。そのため、熱間圧延ミルラインの休止および上工程(製銑・製鋼ライン)の台湾・中国鋼鐵との合弁会社への分離など大リストラ策が実施された。今日では、シームレスパイプの生産拠点として重要な役割を果たしており、海南市の海南鋼管所を含め、新たに設備投資が行われた。(詳しくは各製鉄所のページ参照)
また、1970年の新日本製鐵誕生から、鉄鋼業界は長らく大手5社体制で安定していたが、2002年にNKKと川崎製鉄が経営統合して、JFEグループが誕生。これに危機感を抱いた、新日鐵、住金と神戸製鋼も同年、包括的な提携を結んで、JFEへの対抗姿勢を示した。
ほかの鉄鋼会社と同様に事業の多角化の一環で、半導体用シリコンウエハーの生産も手掛けていたが、収益が悪化して、三菱マテリアルとの合弁会社に移管した(現在のSUMCO(サムコ)。その後、株式上場)。橋梁やエネルギー分野、環境関連エンジニアリングの分野でも事業を展開している。
かつては「柔らか頭してますか、住友金属」というフレーズのコマーシャルを流していた。
太平洋戦争中、帝国海軍の零式艦上戦闘機などに使用された新素材、超々ジュラルミンを開発したのもこの住友金属である。
[編集] 沿革
- 1897年 住友伸銅場 創業
- 1901年 住友鋳鋼場 創業
- 1935年 住友伸銅場と住友鋳鋼場を合併、住友金属工業としてスタート
- 1945年 商号を扶桑金属工業に変更
- 1949年 扶桑金属工業を解散し、新たに新扶桑金属工業を設立
- 1952年 商号を改めて住友金属工業に変更
- 1953年 小倉製鋼を合併、小倉製鉄所(現 住友金属小倉)発足、高炉メーカーとなる
- 1959年 伸銅、アルミニウム圧延部門を分離し、住友軽金属工業を設立
- 1961年 航空機器事業部門を分離し、住友精密工業を設立
- 1961年 和歌山製鉄所発足、第1高炉火入れ
- 1963年 磁鋼、電子材料製造部門を分離し、住友特殊金属(現NEOMAX)を設立
- 1968年 鹿島製鉄所発足
- 1971年 鹿島製鉄所第一高炉火入れ
- 1990年 住友海南鋼管を合併(現 和歌山製鉄所海南地区)
- 1991年 キョウエイ製鐵 設立(現、住金スチール)
- 1992年 日本ステンレスと合併
- 2000年 小倉製鉄所を分社し住友金属小倉、直江津製造所を分社し住友金属直江津を設立
- 2001年 マイクロデバイスの事業を分社し、住友金属マイクロデバイスを設立
- 2002年 シリコンウェハー事業を分社、三菱マテリアルの同部門と合併、三菱住友シリコン(現 SUMCO)設立
- 2002年 住金ケミカルの株式をエア・ウォーターへ譲渡
- 2003年 住友金属システムソリューションズの株式をキヤノン販売へ譲渡
- 2003年 小倉興産の株式をケイ・ピー・ホールディングへ譲渡
- 2003年 関東特殊製鋼を完全子会社化
- 2003年 住友特殊金属の株式の大半を日立金属へ譲渡
- 2003年 ステンレス部門を分社し新日本製鐵の同部門と合併、新日鐵住金ステンレスを設立
- 2003年 和歌山製鉄所から粗鋼生産工程を分離して住金鋼鉄和歌山を設立
- 2004年 鹿島製鉄所新第1高炉火入れ
- 2006年 鹿島製鉄所新溶融亜鉛めっきライン立上げ
- 2006年 大阪高裁で住友男女差別訴訟が会社が3億4000万円を払うことで和解。
[編集] 部門
- 鋼板・建材カンパニー
- 鋼管カンパニー
- 鋼管(石油掘削・パイプライン向け、発電所配管向け)
- 交通産機品カンパニー
- エンジニアリングカンパニー (建設・エネルギー・環境)
- シリコンウエーハ事業 (半導体の基盤材料)
- エレクトロニクス事業 (電子材料・部品等)
[編集] 製造拠点
- 鋼板・建材カンパニー
- 鋼管カンパニー
- 交通産機品カンパニー
[編集] 代表的な子会社
- 住友金属小倉(旧小倉製鉄所)(福岡県北九州市小倉北区)
- 棒鋼、線材を手がける。
- 住友金属直江津(旧直江津製造所)(新潟県上越市)
- 東アジア連合鋼鉄(東京都中央区)
- 住金鋼鉄和歌山(和歌山県和歌山市)
- 住金物産(大阪市)
[編集] その他のグループ企業
- 住友チタニウム(2007年10月から大阪チタニウムテクノロジーズに変更予定。旧:住友シチックス尼崎)
- SUMCO(旧:三菱住友シリコン)
- 住友金属ファインテック(旧:柏原機械製作所)
- 住友鋼管(旧:日本パイプ製造)
- 住友金属建材(旧:イゲタ鋼板+イゲタ建材+住金鋼材工業建材関連部門)→2006年に日鐵住金建材、日鉄住金鋼板へ統合
- 住金鉱業(現在、住金物産傘下)
- 住友金属物流(旧住金物流他計3社が合併)
- 第一中央汽船(旧第一汽船+旧中央汽船)
- 住友軽金属工業
- 住友精密工業
- 鳴海製陶(2006年10月にMBOを発表)
- 新日鐵住金ステンレス(元住友金属ステンレス関連部門(旧日本ステンレス))
- 日本ステンレス商事
- 関東特殊製鋼(略称:カントク)
- 日鐵住金溶接工業
- 住友金属マイクロデバイス
- 住友金属テクノロジー
- 住金興産(旧住金振興+旧住金興産)
- 松下電工SPT(旧住友鋼管電線管部門)
- フソウトラベル
[編集] かつてのグループ企業(住金本体が吸収合併した子会社/関連会社を除外)
- 住友特殊金属 → NEOMAX(日立グループ、日立金属子会社)
- ダイキン工業 → 資本独立するも住友グループに残留
- スミハツ(旧:住金発条工業) → 日本発条子会社
- 小倉興産 →アパマンショップネットワークの子会社
- 三光純薬 → エーザイ子会社
- 住金ケミカル(旧:住金化工)→ エア・ウォーターへ譲渡
- 共同酸素 → エア・ウォーター(住友金属の協力会社、後に住友グループへ復帰)
- 住友金属システムソリューションズ → キヤノン販売へ譲渡(現 キヤノンシステムソリューションズ)
[編集] スポーツ
[編集] 関連項目
- 住友男女差別訴訟
- 鹿島アントラーズ(Jリーグプロサッカーチーム、オフィシャルスポンサー)
- 下妻博(代表取締役会長)
- SMI EDIAN (組版システム)
- ANNニュースレーダー→ANNニュース&スポーツ (ともに日曜日に番組提供していた)
- 湊組グループ(和歌山県和歌山市)
- 住友金属ギラソール(かつてVリーグに所属していた男子バレーボールチーム。現在は廃部になっている。)
- 住友金属工業籠球団(かつて日本バスケットボールリーグに所属していた男子バスケットボールチーム。現在は廃部になっている。岡山恭崇が所属していた。)
[編集] 環境保全
[編集] 備考
- Jリーグ鹿島アントラーズの前身は住友金属工業蹴球団。
- 山瀬まみが出演したCMで「やわらか頭してます」が流行語となった。
- 最近、会社名のフォントがゴシック系に変更となっている(但し、半年後に旧フォントの使用を再開)。