千代田区立九段中等教育学校
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千代田区立九段中等教育学校(ちよだくりつくだんちゅうとうきょういくがっこう)は、公立の男女共学の中等教育学校。
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[編集] 概要
2006年(平成18年)4月に開校した東京23区の区立初の中高一貫校である。校風などは東京都立九段高等学校の流れを汲む。
千代田区の威信を賭け創られた学校であり、他の中高一貫校も及ばないほどの非常に潤沢な予算のもと、英語と数学の4段階に分かれた習熟度別授業や、大手予備校と提携した習熟度別土曜講座を実施し、生徒一人ひとりの習熟度に応じた授業編成で非常にきめ細かな指導を実現。顧問には『声に出して読みたい日本語』などの著書で知られる斎藤孝が着任している。
入学試験は、千代田区在住者のA枠80名と、区外のB枠80名がある。A枠で受験するには出願の3ヶ月以上前から千代田区に住民登録し居住している事が条件となっている。九段中等の開校により、それまで低かった千代田区立中学への入学率が急上昇した。
[編集] 教育
[編集] カリキュラム
- 隔週で土曜日授業が実施されている。通常は1コマ50分の6時限授業である。
- 通常授業の最大の特徴は徹底した能力別授業であり、英語と数学では4段階の習熟度別授業が展開される。
- 土曜日には塾や予備校との提携により、習熟度に応じた講座を受ける。
- 朝の「おはようスタディ」では、外国人留学生とのイングリッシュシャワーと朝読書が週替わりで実施されている。脳を活性化させ、授業を効率よく進める狙いがある。
- 「放課後スタディ」を週3回実施。コンピューターを利用した独自のプログラムにより、基礎から発展まで学習することができる。現役大学生もサポートする。
- 外国人講師や留学生により「放課後英語サロン」が開かれている。
- 漢検やTOEICの取得講座が開かれている。
- 長期休業中には夏期講習や冬期講習が実施されるほか、勉強合宿も実施する。
[編集] 九段自立プラン
千代田区には在外公館や大手企業、大学、官公庁が集中しており、その地域性を活かした「九段自立プラン」が実践されている。6年間の一貫したキャリア教育であり、コミュニケーション能力や情報活用能力を養うことを目的とする。学習内容は「都市文化」、「環境」、「福祉」、「伝統文化」、「国際理解」など多種多様で、中等6年次にはその集大成として卒業研究に挑む。
[編集] 学校行事
- 九段キャリア10
- 年10回実施される講演会。各界で活躍する著名人が呼ばれる。
- HR合宿
- 中等1年次に実施。
- 関西合宿
- 中等2年次に実施。班ごとにテーマを持って調査活動を行う。
- 英語合宿
- 中等3年次に実施。3泊4日の間、様々な経験を通して英語漬けの日々を過ごす。
- 至大荘行事
- 中等4年次に実施する遊泳教室。九段最大の伝統行事である。本格的な遠泳を行う学校は、東京では巣鴨中学ぐらいと少なくなってきているなか、伝統を継承し続ける様子はマスコミなどを通して多く報道され、全国的にも著名な行事である。これを経て初めて九段生になるといわれている。
- 海外研修旅行
- 中等5年次に実施。
- 雅楽教室
- 中等2・3年次に実施。宮内庁式部職楽部で管弦や舞楽を学ぶ。
- 九段祭
- 9月に実施される文化祭。
- 体育祭
- 5月に実施される。縦割りホームルームでは上級生の指導による応援や歌の掛け声合わせが行われる。