国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定
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国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定(こくさいけいじさいばんしょのとっけんおよびめんじょにかんするきょうてい, Agreement on Privileges and Immunities of the Court, 通称:APIC又は特権免除協定)は、国際刑事裁判所(International Criminal Court、通称:ICC)及びその構成員について、特権および免除権を規定する協定である。2002年9月9日の第8回準備委員会会合で採択され、2002年9月10日から、署名および批准受付けのために公開された。この協定は10カ国の批准を受けて2004年7月22日に発効した。現在、45カ国を超える国がこの協定に批准している。
目次 |
[編集] 成立
[編集] 加盟
- 署名 - 62カ国
- 批准 - 45カ国以上
[編集] 日本
- 未加入(加入の予定なし)
[編集] 解説
- 国際刑事裁判所(ICC)は独立した国際条約機構であるため、その関係者は1946年に採択された「国際連合の特権及び免除に関する条約(国連特権免除条約)」の適用対象外となる。そこで、ローマ規程の第48条では、ICC及びその関係者の特権と免除権を規定した。この規定により、ICCの判事(Judge)、検察官(Prosecutor)及び裁判所書記(Registrar)は、「外交使節の長に与えられるのと同等の特権および免除を享受する権利」が与えられることになる。これをICCの締約国ならびに非締約国に保証させる補完協定がAPICである。
- APICは、第2条~第12条でICCの法的地位に関する特権と免除の条件を定め、ICC職員についての特権及び免除条件を第13条~第22条で定めている。第22条~第38条には、この協定によって付与される権限及び免除権に関連して生じる問題を想定した規定が盛り込まれている。このうち、特権及び免除権の規定はICCの法的地位に関するものが多く、APICの第2条及び第3条に規定されるICCの機能に関連している。
- 仮にローマ規程の締約国でなくとも、APICの締約国であれば、APICの規定に則りICC関係者の特権及び免除を保証しなければならないため、ローマ規程には批准できなくてもAPICを批准するという動きが高まっている。最近の例としては、ICCの締約国ではないがICCに対する協力の意思を表すためにウクライナ議会がAPICへの批准を決め、2007年1月29日付けで批准書を寄託。47カ国目としての加入を果たした。
[編集] 締約国
総数:48カ国(国際刑事裁判所を求めるNGO連合(CICC)調べ)加盟の歴史
- 2002年09月10日、
ノルウェーが締約国になった。
- 2003年02月06日、
トリニダード・トバゴが締約国になった。
- 2003年12月01日、
アイスランドが締約国になった。
- 2003年12月13日、
オーストリアが締約国になった。
- 2004年01月29日、
ナミビアが締約国になった。
- 2004年02月17日、
フランスが締約国になった。
- 2004年04月14日、
ニュージーランドが締約国になった。
- 2004年05月07日、
セルビア(旧セルビアモンテネグロ)が締約国になった。
- 2004年05月26日、
スロバキアが締約国になった。
- 2004年06月22日、
カナダが締約国になった。
- 2004年07月08日、
マリが締約国になった。
- 2004年08月19日、
パナマが締約国になった。
- 2004年09月02日、
ドイツが締約国になった。
- 2004年09月13日、
エストニアが締約国になった。
- 2004年09月20日、
スロベニアが締約国になった。
- 2004年09月21日、
リヒテンシュタインが締約国になった。
- 2004年12月08日、
フィンランドが締約国になった。
- 2004年12月17日、
クロアチアが締約国になった。
- 2004年12月23日、
ラトビアが締約国になった。
- 2004年12月30日、
リトアニアが締約国になった。
- 2005年01月13日、
スペインが締約国になった。
- 2005年02月11日、
アンドラが締約国になった。
- 2005年03月28日、
ベルギーが締約国になった。
- 2005年06月13日、
デンマークが締約国になった。
- 2005年07月19日、
パラグアイが締約国になった。
- 2005年08月18日、
キプロスが締約国になった。
- 2005年09月14日、
ベリーズが締約国になった。
- 2005年09月16日、
レソトが締約国になった。
- 2005年09月16日、
リベリアが締約国になった。
- 2005年10月10日、
ブルキナファソが締約国になった。
- 2005年10月19日、
マケドニア(旧ユーゴスラヴィア)が締約国になった。
- 2005年11月16日、
ガイアナが締約国になった。
- 2005年11月17日、
ルーマニアが締約国になった。
- 2006年01月20日、
ボリビアが締約国になった。
- 2006年01月20日、
ルクセンブルグが締約国になった。
- 2006年01月24日、
ベナンが締約国になった。
- 2006年03月22日、
ハンガリーが締約国になった。
- 2006年04月19日、
エクアドルが締約国になった。
- 2006年07月28日、
ブルガリアが締約国になった。
- 2006年08月02日、
アルバニアが締約国になった。
- 2006年10月06日、
中央アフリカが締約国になった。
- 2006年10月18日、
韓国が締約国になった。
- 2006年10月23日、
モンテネグロ(旧セルビアモンテネグロ)が締約国になった。
- 2006年11月03日、
ウルグアイが締約国になった。
- 2006年11月20日、
アイルランドが締約国になった。
- 2006年11月20日、
イタリアが締約国になった。
- 2007年01月29日、
ウクライナが締約国になった。
- 2007年02月01日、
アルゼンチンが締約国になった。