天空橋駅
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天空橋駅(てんくうばしえき)は、東京都大田区羽田空港一丁目1番2号にある、京浜急行電鉄・東京モノレールの駅である。
駅の名は、近くの海老取川にかかる人道橋、天空橋に由来する。
目次 |
[編集] 利用可能な鉄道路線
- 京浜急行電鉄
- 東京モノレール
[編集] 駅構造
京浜急行電鉄・東京モノレールとも相対式ホーム2面2線の地下駅。羽田空港敷地内の地下に位置する。両線とも「羽田」を名乗っていたが、京急羽田空港駅の開業に伴い、誤乗を避けるため「天空橋」に変更された。
京急、モノレールともに独立した駅舎を持つが、乗り換え専用改札口が2ヶ所ある。ただし、それぞれの1番線ホーム(ともに羽田空港方面)を結ぶ改札口は、毎朝7時から11時までの営業。
モノレールの天空橋駅は、各航空会社のジェットエンジンをモチーフに設計されている。
[編集] 京浜急行電鉄
- のりば
1 | ■京急空港線 | 羽田空港方面 |
2 | ■京急空港線 | 京急蒲田・品川・新橋・日本橋・押上・ 青砥・印旛日本医大・横浜・横須賀中央方面 |
[編集] 東京モノレール
- のりば
■羽田線下り | 羽田空港第1ビル・羽田空港第2ビル方面 | |
■羽田線上り | 流通センター・天王洲アイル・浜松町方面 |
[編集] 駅周辺
- 駅は東京国際空港敷地内にある。
- 荏原製作所
- 多摩川
- 国道131号
- 東京都道311号環状八号線
[編集] 路線バス
- 天空橋駅
[編集] 利用状況
- 1日あたり乗降客数
- 東京モノレール羽田線...11,762人(2004年度、羽田線10駅中第5位)
- 京急空港線...16,592人(2004年度、空港線5駅中第4位)
[編集] 歴史
[編集] 京浜急行電鉄
天空橋駅は、羽田空港ターミナルビルの沖合移転に伴う空港線の延伸以前に存在した旧羽田空港駅を、空港線の地下延伸路線上に地下化移転した上で改称したものである。移設・名称変更する以前は空港線の終点であった。
1991年に一旦営業休止する以前の当駅(旧羽田空港駅)は、現在の駅から見て約200m蒲田駅方向の穴守稲荷駅~天空橋駅間(海老取川の対岸付近、大田区羽田5丁目)に位置していた(ただし地上駅である)。
特に、1956年~1991年の間の当駅前身である「羽田空港駅」は、羽田空港が沖合に移転する以前の旧空港ターミナルへのアクセス駅とされた。しかし、モノレール線の旧羽田駅と異なり、この駅から旧空港ターミナルビルまでは開業時はバス連絡もなく、また駅前にはタクシーもいなく(ほとんど地元住民の足でしかなかった)、弁天橋のバス通りまで歩いてタクシーを拾うか、蒲田駅発や大森駅発のバスが来るバス停(空港入口バス停 蒲31系統または蒲41系統など)まで歩く羽目になっていた。
これではあまりにも評判が悪いため、羽田空港の沖合移転工事が始まる頃、京急は旧羽田空港駅~旧羽田空港ターミナルまでのバス連絡を始めた。しかし、旧羽田空港駅前が狭隘なため、マイクロバスによる運行であり、本数も少ないため、空港アクセスとしてはほとんど機能していなかった。じっさい、このバスは旅行シーズン以外はガラガラだった。空港線沿線の住民はこの乗り換えを嫌い、蒲田方面から従来からある空港ターミナルへ直接乗り入れる路線バス利用が主流で、事情を知らず「羽田空港」という駅名で「空港に行くのだろう」と思って乗ったはいいが、全く関係がなさそうな場所に下ろされ、挙げ句に小型のバスに乗らされるなど評判は散々で、羽田空港からの帰り利用はさらに少なかった(余談であるが、1978年~1991年の京成電鉄旧成田空港駅(現東成田駅)でも同じように駅から空港ターミナルまでバス移動を余儀なくされた)。
1993年の空港島再乗り入れで、現在の位置に移転し「羽田駅」と改称した。それ以前に比べると空港アクセスの手段として格段に利便性が増したが、当駅からモノレール線に乗り換える必要があったため、運賃・所要時間とも勝負にならず、混雑するモノレールを嫌って乗り換える乗客が少しいる程度であった。横浜方面についても、YCATから発着するリムジンバス(京浜急行バス→現在の羽田京急バス)が主流で、京急を使う者はあまり多くなかった。
その後、1998年の京急(現)羽田空港駅乗り入れに伴い、東京モノレールの駅とともに新しい羽田空港駅と紛らわしいのではないかとの判断があって、「天空橋駅」と改称している。
上記のような事情が分かりにくいため、1993年の移転を「新規開業扱い」としている文献もあるので、注意が必要である。
- 1902年6月28日 穴守駅として開業(1927年12月31日に一時廃止)
- 1928年 再開業し、羽田駅に改称
- 1929年1月 稲荷橋駅に改称
- 1956年4月20日 羽田空港駅に改称
- 1991年1月16日 延伸工事に伴い営業休止
- 1993年4月1日 延伸工事の完成に伴い、現住所に移設。羽田駅に改称
- 1993年9月27日 東京モノレール羽田線の移設に伴い、東京モノレール羽田線と連絡業務を開始
- 1998年11月18日 羽田空港駅開業により、天空橋駅に改称
[編集] 東京モノレール
当駅も京急の天空橋駅と同じく、羽田空港ターミナルビルの沖合移転に伴うモノレール線の延伸以前に存在した旧羽田駅を移設・改称したものである。移設・改称する以前はモノレール線の終点であり、沖合移転前の羽田空港旅客ターミナル内に設置された空港連絡駅であった。
- 1964年9月17日 羽田駅として開業。
- 1993年9月27日 羽田空港駅延伸に伴い現住所に移設。京急空港線と連絡業務を開始。旧ホームは使用停止後埋められる。
- 1998年11月18日 京急空港線羽田空港駅開業により、天空橋駅に改称。
[編集] その他
京浜急行の品川~羽田空港間は運賃400円、横浜~羽田空港間は運賃470円であるが、品川~天空橋間は230円、横浜~天空橋間は270円、天空橋~羽田空港間は150円と、分割購入(実際は天空橋駅の改札を一度出場後、再度入場)したほうが安くなり、首都圏の私鉄としては珍しい。これは、羽田空港駅発着の場合、乗車区間のキロ数による通常運賃に170円を加算されるが、天空橋駅のみ加算が免除されるためである。また、その他の空港線内各駅の場合も、加算運賃が20円~30円割引きになる。
品川・横浜に限らず、他の区間でも当駅での分割購入が割安になる場合がある。ただし、天空橋でいったん下車せず、手持ちの切符でそのまま目的地の改札を抜けると乗り越し精算となり分割購入運賃の適用とはならない。
[編集] 隣の駅
- 天空橋駅~新整備場前駅間に、2009年末に、国際線ターミナルビル駅(仮称)が設置される予定である。