山本直純
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
クラシック音楽 |
---|
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ |
ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 |
ルネサンス - バロック |
古典派 - ロマン派 |
近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 |
木管楽器 - 金管楽器 |
打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 |
指揮者 - 演奏家 |
オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 |
宗教音楽 |
メタ |
ポータル - プロジェクト |
カテゴリ |
山本 直純(やまもと なおずみ、男性、1932年12月16日 - 2002年6月18日)は、日本の作曲家、指揮者。妻は作曲家の山本正美、作曲家で千葉大学助教授の山本純ノ介は長男。チェロ奏者の山本祐ノ介は次男。父は作曲家で指揮者の山本直忠。
目次 |
[編集] 略歴
自由学園卒業後、東京芸術大学作曲科に入学し、のちに指揮科へ転じる。指揮は斎藤秀雄に師事。同時期の同門に、小澤征爾・岩城宏之・秋山和慶がいる。指揮者の小澤征爾は「自分は音楽の底辺を広げる。お前は世界を目指せ」と山本から告げられたと語っている。(なお、この時期の山本に関するエピソードを含む著作物として、岩城宏之著「森のうた」があげられる。)
ひげ面と豪快な笑い声がトレード・マークであった山本は、大学在学中からテレビや映画の分野に進出し、管弦楽・吹奏楽などクラシック音楽の分野はもちろん、映画音楽、テレビ・ラジオ番組の主題曲、歌謡曲、童謡、はては政党の党歌に至るまで幅広く作曲・編曲活動を行うと同時に、テレビ・ラジオ番組やCFへの出演もいとわず、クラシック音楽の普及・大衆化に力を注いだ。なかでも最も知られているのは、1973年から10年間放送されたTBSのテレビ番組「オーケストラがやってきた」の企画・音楽監督・出演である。また、1983年に落成した大阪城ホールのこけら落とし事業として、毎日放送の斎藤守慶とともに「サントリー1万人の第九」を企画した。この「1万人の第九」はサントリーの故佐治敬三社長の後押しを得て83年にスタートしたもので、98年の第16回まで連続して構成・総監督・指揮を務めてきた。このほか、NHKのFMラジオ放送「FMシンフォニー・コンサート」(番組そのものは2005年時点継続)の司会を務めたほか、1984年からはNHK教育テレビの幼児向け音楽番組「なかよしリズム」の企画・出演なども行なった。
1972年には小澤征爾とともに新日本フィルハーモニー交響楽団を結成、指揮者団幹事となる。1979年、1980年には2度にわたり、日本人として初めてボストンポップスを指揮している。 その他、1987年3月31日には国鉄分割民営化にあわせた日本テレビの特番で京都の梅小路蒸気機関車館で転車台の上から機関庫内のSLの汽笛を指揮(汽笛で音楽を演奏する企画であり、汽笛を入れた蛍の光が23時55分頃から全国に中継された)したこともある。また、1989年1月には、昭和天皇崩御に伴い放映されたテレビ特番でモーツァルト交響曲第40番を指揮した。
2002年、急性心不全のため死去。
[編集] エピソード
- 口ひげと黒縁メガネがトレードマークとして知られ、その自由奔放なキャラクターからタレントとしての一面もある。森永製菓「エールチョコレート」のCMソング『大きいことはいいことだ!!』、日本船舶振興会(当時)の『火の用心の歌』を手がけた際には、自らCMに出演した。紅い燕尾服を着て指揮する姿が人気となり、紅い燕尾服姿での出演依頼が多かった。自由奔放な言葉遣いはテレビ出演時も変わらず、家族との会食時にケンカになることもあった。
- 人々の心に強く残る明快なメロディーを次々と生みだしているが、いずれもシンプルかつ基礎的技術の高さに裏打ちされたものといえる。代表的な作品として映画『男はつらいよ』のテーマ曲や、TBSラジオの人気長寿番組『小沢昭一の小沢昭一的こころ』のお囃子(劇中音楽)を担当し、テーマ曲と挿入曲を作曲したことでも知られる。
- 音楽関係者の間では「我が国におけるクラシック音楽の普及に最も貢献したひとり」と高く評価する声もある一方、生前は周囲とのトラブルやスキャンダルなども報じられたことなどから、その功績に比して世間からは必ずしも高い評価を得られてはいなかった面がある。少年時代から、父が指揮するオーケストラの団員に向かって「へたくそだよ、練習が足りないよ」などという言葉を吐くほどであった。自動車免許失効時に運転をしていたことが発覚し、謹慎する形で表舞台から消えてしまっていたが、ほとぼりがさめてから復帰し、晩年はFM放送の解説などの仕事をしていた。
[編集] 代表作品
[編集] 劇伴音楽
[編集] 映画音楽
[編集] アニメ
[編集] 特撮
妖精フローレンス
[編集] ドラマ
[編集] テレビ・ラジオ番組用音楽
[編集] バラエティ
[編集] ワイドショー
[編集] ドキュメンタリー
[編集] ラジオ
- 小沢昭一の小沢昭一的こころ(テーマ曲、挿入曲。いわゆる「お囃子」担当)
- 日立ミュージック・イン・ハイフォニック(テーマソング)
[編集] CMソング
- ミユキの歌(御幸毛織=現御幸ホールディングス 同社単独協賛のミユキ野球教室のオープニングに放送された)
- 森永エールチョコレート(「大きいことはいいことだ!!」自らも出演)
- 若さだよ、ヤマちゃん!(サントリー)
- ミュンヘン・札幌・ミルウォーキー(サッポロビール)
- 火の用心のうた(日本船舶振興会/日本防火協会。自らも出演、子供たちや当時の笹川良一会長(故人)に混じって勢い良く纏を振っていた)
[編集] 童謡等
- 一年生になったら
- 歌えバンバン
- こぶたぬきつねこ
- だれもしらない
- さあ太陽を呼んでこい
- われら(自由民主党・党歌)
[編集] 歌謡曲
- さだまさし『親父の一番長い日』編曲
[編集] クラシック
- 和楽器とオーケストラのためのカプリチオ
- シンフォニック・バラード
- オーケストラのための天・地・人(共作。山本担当は「人」部分。国連委嘱作品)
- オーケストラのためのデモンストレーション
- 吹奏楽曲
- 白銀の栄光(札幌冬季五輪入場行進曲)
- 合唱曲
- オーケストラと合唱のための交響詩「四日市」(1986)
- 合唱組曲
- 田園・わが愛(作詞:寺山修司)
- 合唱幻想曲
- 友よ 大阪の夜明けを見よう(作詞:藤本義一)
[編集] ジョーク作品
- 交響曲第45番「宿命」
- ピアノ狂騒曲「ヘンペラー」
- ヴァイオリン狂騒曲「迷混」
- メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のそれぞれ第3楽章の出だしが同じリズムであることから、それらを切り貼りして交互につなげたもの。オチにもう一曲チャイコフスキーの某有名曲が使われている。この曲は後に題名のない音楽会でも放映された。
上記3作品は、コロムビアから 「山本直純フォエヴァー ~歴史的パロディコンサート」という名前で、その初演がCD化されている。しかし、楽譜は散逸しており、再現は難しくなった。
[編集] 書籍
- オーケストラがやってきた(実業之日本社)
- ボクの名曲案内(実業之日本社)