怪奇大作戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『怪奇大作戦』(かいきだいさくせん)は、現代社会に発生する謎の科学犯罪に挑戦するSRI(科学捜査研究所)のメンバーたちの苦闘と活躍を描いた特撮テレビドラマである。
円谷プロダクションが制作し、TBS系で1968年(昭和43年)9月15日から1969年(昭和44年)3月9日まで毎週日曜日19:00 - 19:30に全26話が放送された。また、2007年(平成19年)4月から全3話のリメイク版、『怪奇大作戦 セカンドファイル』がBShiにて放映される事が決定している。プレスリリース(pdf)
目次 |
[編集] 概要
当時「怪獣ブーム」が一段落をみせ「怪奇ブーム」が訪れていたこと。また円谷プロダクションが『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』に続いて作成していた『マイティジャック』の視聴率が低迷していたこともあり、怪獣との戦闘シーンなどの派手な特撮ではなく、特撮でなければ表現できない映像をみせる事を目標として制作された。
物語は純粋な怪奇現象を扱った番組ではなく、怪奇が人間の手によって引き起こされた犯罪の一種であり、これに立ち向かう正義の科学チームという図式で構成されているのが特徴。同時に社会に疑問を投げかかるような重いテーマもあり、その話のクオリティの高さからも、いまだ根強いファンを持つ作品である。
なお、初期はスタッフも方向性を掴みかねていたため、シナリオが用意されたものの撮影には至らなかったエピソードも少なくない。また、放送順では第2話となっている「人喰い蛾」は本来は第1話を想定して作られたものだが、再編集や合成のやり直しをする必要に迫られたため完成が遅れ、第2話として放送されることになった。
脚本と特撮が高水準で融合した作品であるとして、長い間リメイクを希望する声は多かったが、上記の通りリメイク版の製作が決定、中田秀夫や清水崇といった世界的に活躍する映画監督が演出を担当するという事で期待感が高まっている。
[編集] SRI(科学捜査研究所)
SRI(Science Research Institute 、エスアールアイ)とは、警察の捜査では解決不可能になった怪奇事件を、独自に開発した機械等を駆使して科学捜査を行う民間組織である。もっとも劇中では警察の依頼によって行動を起こすか警察との共同捜査が多く、事実上の半官半民組織であるが、あくまでも民間という位置づけのために、警察と同等の権限は持たされていない。メンバーは以下の通り(なお町田警部のみ警視庁の人間であり、メンバーではない)。
- 的矢忠(まとや ただし)
- SRIの所長。元警視庁鑑識課長で、経験を生かしてSRIを興した人物。警視庁捜査一課長の町田警部とは旧知で、お互いを「町やん」「的やん」と呼び合う仲である。
- 三沢京助(みさわ きょうすけ)
- 直情型の熱血漢。防衛大出身で肉体派の異色肌だが、科学知識も豊富で研究室に白衣で立つ姿も多い。情にもろいところが弱点。愛称:助さん。
- 牧史郎(まき しろう)
- 常に冷静沈着な科学の信奉者。SRIの頭脳的存在。一見冷血漢に見えるが、父親を科学犯罪で失った過去を持つため、実は誰よりも強く犯罪を憎んでいる。当時、父親の事件を担当した警視庁時代の的矢の誘いでSRIに入所した。幼い頃に、姉を戦時中の敵機銃掃射で亡くしている。
- 野村洋(のむら ひろし)
- SRIの若手メンバー。少々おっちょこちょいだが、フットワークの軽さが売りのムードメーカー。愛称:ノム。
- 小川さおり(おがわ さおり)
- 基本的には事務所詰めだが、現場でも活躍するSRIの紅一点。愛称:サー坊。
- 町田大蔵(まちだ たいぞう)
- 殺人や強行犯罪を扱う警視庁捜査第一課の課長。階級は警部。的矢の元同僚で、警察とSRIの橋渡し的存在であり、事件捜査依頼や協力を求めるのも彼を通して行うことが多い。警視庁警察官を拝命したのは太平洋戦争が始まった当日の昭和16年12月8日。
- ※次郎(じろう)
- 番組開始当初、SRIに出入りしてメンバーの助手を務めていた少年。設定が浅いため詳細が不明だが、主に野村について行動していた。ウルトラマンのホシノ少年のリメイク的存在を目指したともとれるが、犯罪ドラマの本作では物語に絡みにくかったのか、僅か数話で姿を消す。彼のマスコット的立場は小川さおりが引き継いでいった。
[編集] SRI専用車両
- トータス号
- スバル・サンバー360をベースにボディを新造し、各種特殊装備を搭載した小型車両。野村が使用することが多い。
- 「トータス(陸亀)」の名の通り強固なボディを持つが、小型であるため定員はわずか2名。また、居住性はあまり良くないようで、放映直前のプレスシートではガルウイング式の窓が付いていたが、劇中では撤去されオープンになっている。[1]
- SRI専用車
- トヨタ・クラウンに通信装置などを取り付けたもの。トータスとは対照的に居住性を優先し、大掛かりな特殊装備は搭載されていない。外観もSRIのマークが描かれている以外は普通の乗用車と変わらず、決まった名前も設定されていない。三沢や的矢が通勤の際に使用したこともある。
この他、第22話では運転席に緊急用の脱出装置を搭載した車両が登場、神経ガスの採集に使用された。また、地方への出張時は現地で用意されたと思われる車両を使用している。
[編集] SRIの装備
- SRIジャケット
- 三沢、牧、野村が携行する防護服。通常はコンパクトに折りたたまれて携帯ケースに収納されており、必要に応じて取り出す。ジッパーが斜め向きに付いているのが特徴。
- 発信機
- ベルトのバックルに内蔵されており、緊急時に所在地を本部に知らせる。
- ケミカルメース
- 拳銃型のスプレー。各種薬品を使用することが可能。当時の少年雑誌などで紹介され、制作第1話の劇中にも使用シーンが登場(スプレーというよりも光線銃のような描写)したが、放送版からはカットされ、以後全編を通じて使用されることはなかった(第8話では「ケミカルスプレー」という、同様の役割を果たす別の装備を使用)ことから、実質的には設定のみの存在となっている。
これらの他、必要に応じて様々な特殊装備が随時投入される。
[編集] スタッフ
- プロデューサー:守田康司、野口光一、淡豊昭、熊谷健、橋本洋二
- 監修:円谷英二
- 音楽監督:山本直純
- 音楽:玉木宏樹
- 脚本:上原正三、金城哲夫、佐々木守、若槻文三、市川森一、福田純、高橋辰雄、藤川桂介、田辺虎男、石堂淑朗、山浦弘靖
- 監督:飯島敏宏、円谷一、実相寺昭雄、鈴木俊継、小林恒夫、安藤達己、長野卓、仲木繁夫、福田純、満田かずほ
[編集] 主題歌・挿入歌
[編集] 主題歌
- 「恐怖の町」
- 作詞:金城哲夫/作曲:山本直純/歌:サニートーンズ
- 本作は30分番組としては珍しく、主題歌がエンディングに流れる構成になっていた。テナーサックスの音が印象的に挿入され、当時全盛期だったグループ・サウンズのイメージが強い。歌詞の内容が作品自体の内容と微妙にかみ合っていないのは、作品の方向性が決定するまでの紆余曲折を窺わせる。
[編集] 挿入歌
- 「怪奇ソング」
- 作詞:今戸悠/作曲:山本直純/歌:サニートーンズ
- シングル盤のB面に収録された歌。
- 「暗闇のバラード」
- 作詞:今戸悠/作曲:山本直純/歌:サニートーンズ
- 主題歌の候補として作られた歌。放送当時は発売されず、1986年に初めて商品化された。
- 「死神の子守唄」
- 作詞:佐々木守/作曲:玉木宏樹/歌:深山エミ
- 第5話「死神の子守唄」のために作られた歌。歌手・高木京子(演:深山ユリ)のヒット曲という設定で、劇中で起こる連続殺人事件はこの歌の歌詞になぞらえたものだった。
- 歌入りの完成版音源は現存せず、現在は歌詞3番から始まる仮歌のみが残されている。
- 劇中で使用された完成版音源を歌ったのは高木京子を演じた深山ユリだが、仮歌は深山エミの歌唱とされている。両者の声が酷似していることからどちらかが誤記とも考えられるが、詳細は不明。
このほか、第20話ではピンキーとキラーズの「恋の季節」、第24話では同じく「涙の季節」、第26話ではいしだあゆみの「ブルーライトヨコハマ」が使用されている。
[編集] キャスト
[編集] 放映リスト
カッコ内は演じた俳優。
放送日 | 話数 | サブタイトル | 登場人物・メカ他 | スタッフ |
---|---|---|---|---|
1968/9/15 | 1 | 壁ぬけ男 | 怪盗キングアラジン・一鉄斉春光(田口計) スペクトル破壊器 |
監督-飯島敏宏 脚本-上原正三 |
1968/9/22 | 2 | 人喰い蛾 | 宇野(杉田康) 新田秀実(森山周一郎) 人喰い蛾 |
監督-円谷一 脚本-金城哲夫 |
1968/9/29 | 3 | 白い顔 | 水上幸一郎(森幹太) 水上順子(市川暎子) 高出力レーザー光線銃 |
監督-飯島敏宏 脚本-金城哲夫、上原正三 |
1968/10/6 | 4 | 恐怖の電話 | 滝口令子(桜井浩子) 岡島(武藤英司) 空中放電装置 |
監督-実相寺昭雄 脚本-佐々木守 |
1968/10/13 | 5 | 死神の子守唄 | 高木京子(深山マリ) 吉野貞夫(草野大悟) 麻生博士(戸浦六宏) スペクトルG線発射機 |
監督-実相寺昭雄 脚本-佐々木守 |
1968/10/20 | 6 | 吸血地獄 | 朝倉ニーナ(ローラ・マン) 山本周作(中山克己) |
監督-円谷一 脚本-金城哲夫 |
1968/10/27 | 7 | 青い血の女 | 鬼島竹彦(浜村純) 「あれ」 殺人人形 |
監督-鈴木俊継 脚本-若槻文三 |
1968/11/3 | 8 | 光る通り魔 | 燐光人間・山本(中村孝雄) 林陽子(田村奈美) |
監督-円谷一 脚本-上原正三、市川森一 |
1968/11/10 | 9 | 散歩する首 | 峰村(鶴賀二郎) 浮遊する生首 |
監督-小林恒夫 脚本-若槻文三 |
1968/11/17 | 10 | 死を呼ぶ電波 | 小山内健二(花上晃) 村木剛造(龍崎一郎) 殺人電波発射テレビ |
監督-長野卓 脚本-福田純 |
1968/11/24 | 11 | ジャガーの眼は赤い | 青木(清川新吾) ホログラフィ立体映像装置 |
監督-小林恒夫 脚本-高橋辰雄 |
1968/12/1 | 12 | 霧の童話 | 平八老人(吉田義夫) 健一(高野浩幸) 落武者の亡霊 |
監督-飯島敏宏 脚本-上原正三 |
1968/12/8 | 13 | 氷の死刑台 | 冷凍人間・岡崎(真弓田一夫) 加瀬(西沢利明) サンビーム500 |
監督-安藤達己 脚本-若槻文三 |
1968/12/15 | 14 | オヤスミナサイ | 志村竜夫&竜夫の弟(佐々木功) 杉江ユキ(北島マヤ) |
監督-飯島敏宏 脚本-藤川桂介 |
1968/12/22 | 15 | 24年目の復讐 | 木村一人(天本英世) シリコン皮膜製水棲服 |
監督-鈴木俊継 脚本-上原正三 |
1968/12/29 | 16 | かまいたち | 小野松夫(加藤修) 真空発生装置 |
監督-長野卓 脚本-上原正三 |
1969/1/5 | 17 | 幻の死神 | 谷崎特別捜査官(三田村元) 特殊X線照射装置 光源体パーフェクトライト |
監督-仲木繁夫 脚本-田辺虎男 |
1969/1/12 | 18 | 死者がささやく | 田原昭夫(景山泉) 田原澄子(牧紀子) |
監督-仲木繁夫 脚本-若槻文三 |
1969/1/19 | 19 | こうもり男 | こうもり男・岩井(伊藤惣一) 電子コウモリ |
監督-安藤達己 脚本-上原正三 |
1969/1/26 | 20 | 殺人回路 | 神谷清一郎(平田昭彦) 伊藤大助(神田隆) ダイアナ(キャシー・ホーラン) 神谷清五郎(宇佐美淳) CRTディスプレイ |
監督-福田純 脚本-市川森一、福田純 |
1969/2/2 | 21 | 美女と花粉 | 大山伸子(演:田島和子) | 監督-長野卓 脚本-石堂淑朗 |
1969/2/9 | 22 | 果てしなき暴走 | 眉村ユミ(久万里由香) 中村(近藤宏) Gガス(精神錯乱ガス) |
監督-鈴木俊継 脚本-市川森一 |
1969/2/16 | 23 | 呪いの壷 | 日野統三(花ノ本寿) 日野統吉(浮田左武郎) 市井統吉(北村英三) リュート物質 |
監督-実相寺昭雄 脚本-石堂淑朗 |
1969/2/23 | 24 | 狂鬼人間 | 美川冴子(姫ゆり子) 脳波変調機 |
監督-満田かずほ 脚本-山浦弘靖 |
1969/3/2 | 25 | 京都買います | 藤森教授(岩田直二) 須藤美弥子(斎藤チヤ子) カドニウム光線発振機 |
監督-実相寺昭雄 脚本-佐々木守 |
1969/3/9 | 26 | ゆきおんな | 角田彦次郎(小松方正) 井上秋子(松木路子) 雪女(岡崎夏子) |
監督-飯島敏宏 脚本-藤川桂介 |
24話は現在、欠番。理由については下記を参照の事。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場するガジェット
- スペクトル破壊器(「壁ぬけ男」に登場)
- チラス菌(「人喰い蛾」に登場)
- レーザーガン(「白い顔」に登場)
- 空中放電装置(「恐怖の電話」に登場)
- スペクトルG線発射銃(「死神の子守唄」に登場)
- 殺人人形(「青い血の女」に登場)
- ジキトキシン(「散歩する首」に登場)
- ホログラフィ立体映像装置(「ジャガーの眼は赤い」)
- 睡眠学習装置(「オヤスミナサイ」に登場)
- 水棲人間(「24年目の復讐」に登場)
- 燐光人間(「光る通り魔」に登場)
- サンビーム500(「氷の死刑台」に登場)
- 真空発生装置(「かまいたち」に登場)
- 光源体パーフェクトライト(「幻の死神」に登場)
- CRTディスプレイ (「殺人回路」に登場)
- Gガス(「果てしなき暴走」に登場)
- リュート物質(「呪いの壺」に登場)
- 脳波変調機(「狂鬼人間」に登場)
- カドニウム光線発振器(「京都買います」に登場)
[編集] 第24話『狂鬼人間』の欠番について
第24話『狂鬼人間』は、「殺人事件の犯人が精神異常者と判断され、釈放されるという事件が続発。SRIの捜査でそれら殺人犯は、"狂わせ屋"が開発した脳波変調機によって一時的な心神喪失状態にされたものだったと判明した」という内容である。
1968年(昭和43年)当時の刑法第39条第1項「心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セス」(現行の刑法では「心神喪失者の行為は、罰しない。」)、つまり「心神喪失者は殺人を犯しても罰せられない」(現実には不起訴となるか、起訴されても無罪判決が出ることがあるが、劇中では「不起訴」か「無罪」のどちらになったか、明確な描写がない)ことを逆手にとった"狂わせ屋"こと美川冴子(演:姫ゆり子)とSRIとのやりとりが描かれる。
その美川は「夫と子を精神異常者に殺害されたが、犯人は無罪となった」という過去を持ち、脳波変調機は夫の開発したものであった(彼女はそれを改造して今回の犯罪に利用していた)。牧は囮捜査を行うが、美川にそれを見抜かれてしまい、脳波変調機にかけられる。精神が錯乱した牧は往来で拳銃を乱射、危うく殺人犯になりそうになる。SRIは美川を追い詰めるが、美川は自らに最大出力にした脳波変調機をかけ精神的自殺をして果てた。
事件解決後、治療を受けてSRIに復帰した牧は美川が「永遠の狂人」となってしまったことを知る。独り悲しげに窓の外を眺める牧。そして美川が鉄格子ごしに虚空を見つめながら童謡(七つの子)を歌うシーンでこの回は終わる。
このような内容のため、差別的とも言える表現や放送禁止用語が台詞の随所に現れている。また、精神障害者を社会に解放することへの問題提起など、精神病に対する認識不足と思われるものがテーマとして含まれていることなどの理由から、現在は公開されていない。過去にビデオソフトやレーザーディスク (LD) にて発売された事例があるが、再版されることはなかった。また、全話収録のLDセットは発売された後に回収されたため、あまり市場に出回らなかった。近年のDVDセットでも、この第24話のみ収録されておらず、2006年8月にYahoo!動画において配信された際にも外されているが、再放送やソフト化を望む声も多い。この問題に関しては、2004年発行の『封印作品の謎』(安藤健二、太田出版)でも取材が行われたが、その経緯や理由に於ける有力な情報は殆んど得られなかった。また、「ウルトラセブン」の第12話と同様、海賊版ビデオが出回っている。
2006年1月~7月に東京MXテレビの「円谷劇場」枠で本番組の再放送が行われたが、5月中旬に発売された一部のテレビ情報誌において、6月27日の放送予定欄に第24話「狂鬼人間」のサブタイトルが書かれ、また、5月29日に更新された東京MXテレビ公式ウェブサイト内の本番組のページの「今月の放送あらすじ」(6月の放送予定を掲載)において、第24話のあらすじに加えて写真までが掲載された。このため2ちゃんねるの昭和特撮板などは一時騒然となったが、結局同サイトの当該記述は翌日削除され、6月27日には他番組が放送された。このような事態に至った原因は公表されていない。
[編集] ビデオソフト類
- 怪奇大作戦(ビデオカセット)
- 1983年/発売元バンダイビジュアル
- 『怪奇大作戦』初のソフト化。全8巻。順不同だが全話が収録された。欠番の「狂鬼人間」収録の巻には「現在では放送コードの関係で再放送不可能であり、ビデオならではの登場です」等とジャケットに解説が記載されており、1983年当時から「狂鬼人間」は欠番という認識が発売元にあったことが分かるが、同時に『ビデオソフトは放送コードに影響されないもの』であるという見解だったことを伺うことが出来る。
- 怪奇大作戦1(LD)
- 1985年/発売元バンダイビジュアル
- 『怪奇大作戦』初のディスクソフト。選抜で4話収録。「1」と名うっているが、続刊は発売されなかった。
- 怪奇大作戦/実相寺昭雄監督作品集(ビデオカセット)
- 1988年/発売元バンダイビジュアル
- 実相寺昭雄監督作品4本を選抜収録したソフト。
- 怪奇大作戦/実相寺昭雄スペシャル(LD)
- 1990年/発売元バンダイビジュアル
- '88年に発売された実相寺昭雄作品のみのカセットソフトのLD版。この翌年からバンダイビジュアルは「~スペシャル」と名うった単品LD3種を順次発売、順不同で全話を収録し、ディスクソフトで初の完全発売を実現した。
- 怪奇大作戦/恐怖人間スペシャル(LD)
- 1991年/発売元バンダイビジュアル
- 全編から、怪人が主体の物語8話分を選抜収録したLD。欠番の「狂鬼人間」を収録している。ジャケットには「二度と手に入らないかも知れない」の見出しが付けられ、狂鬼人間に関して「今回の収録は円谷プロの勇気ある判断で実現しました」との断り書きがある。なお、「怪奇大作戦○○スペシャル」は好調に売れたため数度にわたって再販が行われたが、4種類のLDのうち「恐怖人間スペシャル」のみ再販されず、さらに93年ころには僅かに各地の店頭に残っていた本品の在庫をバンダイビジュアルが回収していたことが分かっており、「狂鬼人間」の封印は事実上本品から始まったことが伺える。
- 怪奇大作戦/魔界殺人スペシャル(LD)
- 1991年/発売元バンダイビジュアル
- 全編から、科学犯罪を主体にした物語8話分を選抜収録したLD。
- 怪奇大作戦/妖奇幻想スペシャル(LD)
- 1991年/発売元バンダイビジュアル
- 既発売のLD「~スペシャル」に未収録だった、オカルト性の強い物語8話を収録したLD。特典として未放映版「人喰い蛾」を収録。
- 怪奇大作戦パーフェクト・コレクション(LD)
- 1995年/発売元バンダイビジュアル
- 全話収録+購入特典付きLDボックス。発売当日にバンダイビジュアルが「製品に不具合」という理由で急遽店頭から回収した幻の商品。予約分も回収指示が出ていたが、一部では回収せずに販売されたり、予約客への引き渡しが予定どおり行われたため、僅かな数が世に出た。現在も中古市場で超高額のレートで流通している。回収の真相は専ら「狂鬼人間」収録に関する何らかのトラブルというゴシップが主流だが、バンダイビジュアルは、2年前には既に「狂鬼人間」を収録していた先代LDソフト『怪奇大作戦/恐怖人間スペシャル』を回収して、事実上の封印を開始していたにも関わらず、当LDボックス発売の半年ほど前に別商品付属のアンケートハガキで「もし怪奇大作戦の全話収録LDが出るとしたら買いますか」といった意味深な質問を掲載していたことや、商品製造段階での収録(現在の生産システムは誤って収録するなどと言うことはあり得ない)、そしてリリースに先駆けて“全話収録”を明示した広告を告示していたことから、内情は不明ながらも「狂鬼人間」の再リリースが運んでいたことが分かる。しかしそこまで事を進めた商品が、発売当日のタイミングで突然回収された過程的な不可解さがさまざまな憶測を呼んだものの、結局事実関係の把握には至っていないという、曰く付きの商品。
- 怪奇大作戦/ベストファイル(ビデオカセット)
- 1996年/発売元ビームエンタテイメント
- LDボックス回収騒動の翌年に発売された新版ソフト。全8巻。「狂鬼人間」と最終回「ゆきおんな」が割愛された。
- 怪奇大作戦ベスト・ハーフボックス1(LD)
- 1997年/発売元ビームエンタテイメント
- 全編から10話分+未放映版「人喰い蛾」を収録したLDボックス。
- 怪奇大作戦ベスト・ハーフボックス2(LD)
- 1997年/発売元ビームエンタテイメント
- 全編から、前巻に未収録の10話分+特典映像を収録したLDボックス。
- 怪奇大作戦(DVD)
[編集] 参考文献
- 『怪奇大作戦大全』 ISBN 4-575-29284-2
- 詳細な設定や第24話を除く全話のシナリオも含めての検証、未撮影シナリオのプロット、関係者へのインタビューなどを収録。実は本書には第24話についても「SRI 装備諸元」のぺージ等(P.13~22)に情報量は極めて少量であるが記載されている。どの記載がそれに当るか分かる人は本作のかなりの愛好者といえるだろう。
- 安藤健二 『封印作品の謎』 ISBN 4872338871
- 非特撮ライターの立場から取材した怪奇大作戦第24話封印に関するレポートを収録。
[編集] 関連作品
- ウルトラセブン 狙われた星
- 実相寺昭雄の小説。SRIが登場しているが、民間ではなく警察組織の一部であり、町田がメンバーになっている等、設定が異なっている。
- 怪奇事件特捜チームS・R・I 嗤う火だるま男
- 怪奇大作戦 セカンドファイル
[編集] 外部リンク
[編集] 前後番組
TBS系 タケダアワー | ||
---|---|---|
前番組 | 怪奇大作戦 | 次番組 |
ウルトラセブン | 妖術武芸帳 |
カテゴリ: 円谷プロダクション | TBSの特撮番組 | 1968年のテレビドラマ | 1969年のテレビドラマ | 1960年代の特撮作品 | ホラードラマ