嶋基宏
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嶋基宏(しま もとひろ、1984年12月13日 - )は、東北楽天ゴールデンイーグルスに所属するプロ野球選手である。
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[編集] 経歴
- 海津市立吉里小学校一年から「吉里少年団」で野球を始める。当時のポジションは投手。海津市立日新中学校では内野手に取り組み、全国中学校軟式野球大会にも出場した。その後名門中京大学附属中京高等学校に入学。一年秋からベンチ入り。新チームのキャプテンとなった二年秋に東海大会優勝。三年春には二塁手として甲子園出場を果たしたが、夏は県大会準優勝に終わる。
- 2003年、当時東都大学野球リーグ二部の國學院大學に入学。強肩を見込まれ捕手にコンバートされる。一年春からベンチ入りし、ブルペンキャッチャーを務める。二年春にリーグ戦デビューし、これ以降レギュラーとなる。三年春には東都二部首位打者を獲得。三年秋から主将となり、四年春に二部リーグ優勝。自身はMVPに選出された。入れ替え戦の死闘を制して1993年春以来となる念願の一部昇格を果たす。四年秋の東都一部リーグ戦では優勝争いを演じた國學院大學の原動力となり(最終的には3位)、ベストナインを受賞した。
- 2006年大学生・社会人ドラフトにて東北楽天ゴールデンイーグルスより3巡目指名を受けて入団。
- 2007年3月28日、対福岡ソフトバンクホークス戦にて、藤井彰人の後を継いで6回の裏から出場。これが一軍公式戦デビューとなった。8回の表には杉内俊哉から内野安打での初打席初安打も記録した。
- 2007年4月1日、対オリックス・バファローズ戦にてスタメン初出場。先発の青山浩二を8回1失点、二番手の永井怜を1回無失点と好リードし、初めてのスタメンマスクをチームの勝利で飾った。
[編集] 人物・エピソード
- 特技は書道。六段の腕前である。
- 趣味は読書。好物は肉じゃが。
- 座右の銘 「愛情」「真心」
- 頭脳面に特に秀で、キャッチングやフットワークにも穴のない専守防衛型の捕手。絶対的な地肩を持つ選手ではないが、無駄のないフォームからの二塁への送球はコンスタントに2秒を切り、時には1.7秒台を記録する。ポジション柄あまり目立たない長所であるが脚力もかなりものである。一方で、捕手にありがちな要素であるが打撃に課題を残す。東都二部リーグで首位打者を獲得し、一部リーグでも2割8分程度の打率を残す等ミートセンスには光るものがあるが、スイングの弱さ等が指摘されている。また、プロレベルのボールの捕球となると、ややキャッチングのミスも見られる。
- 頭脳面と人間性の優秀さが評価されている選手。それは中学生の時から表れており、野球部の主将から生徒会の執行部、体育祭の応援団長までをこなしながら、9教科でオール5をもらうほどであった。その人間性を認め、中京高の大藤敏行監督が國學院大の竹田利秋監督に直接嶋を推薦。そして27回もの甲子園出場経験を持つ竹田利秋監督に、嶋ほど人間性やコミュニケーションに優れた学生や、頭脳、心、洞察力を持った選手は見たことがないと絶賛された。
- 「大学時代の一番の思い出」と語る主将として臨んだ四年秋の一部リーグ戦では、3試合目に左足首を負傷し、座るのも厳しい状態でありながら、「後輩のためにも、絶対に降格は出来ない」と痛み止めも飲まずにテーピングのみで出場。格上のチーム相手に優勝争いを演じ、キャプテンとして部員をけん引した。
- 非常に研究熱心の努力家で、大学時代は捕手歴の短さを補うために休日返上でリーグ戦を観戦し、研究ノートをまとめていた。また、雑誌の取材の折に自分の打撃フォームを見せられた瞬間、どの試合の何打席目、どのような相手で、何の球を投げた後の何球目の何の球で、どんな特徴だったかまで当てたというエピソードがある。
- 現楽天監督の野村克也が「監督好みの選手だ」と紹介され想像したのが「頭の良い選手」であることから、正に嶋は野村好みの選手と言っていいだろう。一方で嶋本人が求める厳しい育成環境も野村の育成方針と一致している。
- 指名の挨拶に際して嶋は野村克也の現役時代の番号、背番号19番が欲しいという発言をした。しかし現在は野村克也が楽天監督として付けている番号なので入団の際に譲られることは無く、いずれは、という可能性を残すに留まった。結局、入団時の背番号については野村監督が縁起を担いでいる「足して10になる数字」にあやかって、当時空き番号であった37番に決まった。
- 仙台育英高校と東北高校を指揮した経験もある国学院大の竹田利秋監督は「嶋は相手を見抜く洞察力と投手の力を引き出す能力がある。監督が何を考えているかをくみ取ってゲームメークできる。佐々木主浩の天職がクローザーなら、嶋は捕手が天職」と高い評価を与えている。
- 2007年2月26日ロッテ(鹿児島)との練習試合では、バッテリーを組んだ田中将大が先頭の西岡剛をカウント2-1と追い込んだ場面で、直球での勝負を選択。ここで「ショートバウンドでいいよ」とフォークを要求する声を匂わす“ささやき戦術”を披露し、西岡には『お前、うるせえよ!』と怒鳴り返された。その後も福浦和也、ズレータにも偽情報を流し続け三者凡退に打ち取る。それを伝え聞き感心した本家の野村克也監督は「そこで黙ったら、いかん。『言わないと監督に怒られます』と言えばエエ。西岡が怒るのはお前を意識しているってことや。心理で揺さぶるのも戦術。」「ワシは銀座で取材した。他球団の選手に付いた女の子の名前は、みんな覚えとった。」と“ささやき戦術”の継承者として奥義を伝授した。
- 2007年シーズンは新人ながら、ソフトバンクの川崎宗則や、ロッテのTSUYOSHIなど盗塁王候補を次々と刺すフットワークの良さ、思い切りの良いリードを評価されて先発マスクを度々任されている。しかしながら打率は低迷しており、バッティングには苦労している。しかし、リード面では完全に藤井彰人を上回っており、嶋がスタメンマスクをかぶると滅多に投手陣が炎上しない。
[編集] 略歴
- 身長/体重:179㎝/82㎏
- 血液型:A型
- 投打:右投右打
- 出身:岐阜県海津市
- 球歴・入団経緯:中京大中京高 - 國學院大 - 東北楽天(2007年~)
- プロ入り年度・指名巡:2006年(大学生・社会人ドラフト3巡目指名)
- ポジション:捕手
[編集] 背番号
- 37 (2007年~)
[編集] 関連項目
00 森谷昭仁 | 0 佐藤宏志 | 1 塩川達也 | 2 渡辺直人 | 3 吉岡雄二 | 4 高須洋介 | 6 西谷尚徳 | 7 山﨑武司 | 8 礒部公一 | 9 鷹野史寿 | 11 一場靖弘 | 12 草野大輔 | 13 小倉恒 | 14 河本育之 | 15 福盛和男 | 16 山村宏樹 | 17 ホセ・フェルナンデス | 18 田中将大 | 20 谷中真二 | 21 岩隈久志 | 22 愛敬尚史 | 23 関川浩一 | 24 山崎隆広 | 25 横川史学 | 26 有銘兼久 | 27 河田寿司 | 28 片山博視 | 29 林恩宇 | 30 永井怜 | 31 藤井彰人 | 32 沖原佳典 | 33 平石洋介 | 34 渡邉恒樹 | 35 大廣翔治 | 36 朝井秀樹 | 37 嶋基宏 | 38 山下勝充 | 39 井野卓 | 40 吉崎勝 | 41 青山浩二 | 42 ケビン・ウィット | 43 徳元敏 | 44 中谷仁 | 45 川井貴志 | 46 鉄平 | 47 松崎伸吾 | 48 竜太郎 | 49 吉田豊彦 | 51 川岸強 | 52 山本大明 | 53 牧野塁 | 54 木谷寿巳 | 55 リック・ショート | 56 戸部浩 | 57 小山伸一郎 | 58 長坂健冶 | 59 富岡久貴 | 60 藤崎紘範 | 61 憲史 | 62 高波文一 | 63 牧田明久 | 64 中島俊哉 | 65 松本輝 | 66 西村弥 | 67 銀次 | 68 枡田慎太郎 | 91 インチェ | 121(育成選手) 金森久朋 | 126(育成選手) 中村真人
19 監督 野村克也 | 78 橋上秀樹 | 71 紀藤真琴 | 76 杉山賢人 | 77 池山隆寛 | 86 星野おさむ | 80 西俊児 | 75 佐竹学 | 70 山田勝彦 | 87 二軍監督 松井優典 | 74 小野和義 | 85 広橋公寿 | 81 清家政和 | 72 上川誠二 | 90 芹澤裕二 | 84 高村祐 | 89 永池恭男 | 73 野村克則 |
編集 |
東北楽天ゴールデンイーグルス 2006年ドラフト指名選手 |
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大学生・社会人/1巡目:永井怜 / 3巡目:嶋基宏 / 4巡目:横川史学 / 5巡目:渡辺直人 |