平面交差
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平面交差(へいめんこうさ)とは、2つの異なる鉄道路線・道路などが同一平面状で交じり合った地点をいう。鉄道においてはダイヤを組む際に支障となるほか、交差部分におかれるクロッシングレールは高速で通過する事が不可能なため、昨今ではなるべく立体交差を採用して避ける傾向が見られる。
なお、かつては京都市電など路面電車(市電)と郊外へ伸びる私鉄線が平面交差する地点がいくつか存在したが、私鉄線の地下化ないしは高架化、それに路面電車の廃止で激減し、現在では伊予鉄道の2箇所に残るのみとなっている。国鉄線においては前述のような理由で古くから平面交差を忌み嫌う傾向があった。
また、かつて多く存在した路面電車路線同士の平面交差も、事業者の規模が小さくなるに連れて減少し、現在は土佐電気鉄道と阪堺電気軌道に1箇所ずつしか残っていない。
道路においても、交通量の多いもの同士の交差点では、信号機によって交通が遮断される時間分渋滞がひどくなるため、立体交差に改造した例が見られる。
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[編集] 日本における主な鉄道路線の平面交差
[編集] ほぼ90度で交差する路線
- 伊予鉄道高浜線と大手町線 - 大手町駅
- 名古屋鉄道築港線と名古屋臨海鉄道東築線 - 名電築港駅
- 土佐電気鉄道 - はりまや橋駅(南北方向は桟橋線であるが、東西方向はここを境にごめん線と伊野線に分かれている)
[編集] 90度未満の角度で交差する路線
[編集] かつて存在した著名な鉄道の平面交差
- 阪急電鉄神戸線と今津線 - 西宮北口駅
- 京阪電鉄京阪本線と京都市電 - 四条駅構内(市電四条線・1972年廃止)および七条駅構内(市電七条線・1978年廃止)・伏見稲荷駅南側(市電稲荷線・1970年廃止)
- 山陽電鉄本線と神戸市電 - 電鉄長田駅(1968年に神戸高速鉄道東西線開通により廃止)
- 直流1500V電化の山陽電鉄と直流600V電化の神戸市電が平面交差するため、デッドセクションが用いられていた。そのため特に神戸市電の車両は、交差地点を通過する際に立往生しない様、十分に加速させてから通過していた。このような異電圧路線同士をデッドセクションを用いて平面交差させた例は、他にも大阪市電と国鉄貨物線の間などで見られた。
[編集] 高速道路の平面交差
- 韓国においては、建設費を抑える目的から1973年に開通した湖南高速道路(全州IC-順天IC)と南海高速道路の一部の出入り口でT字や+字形の平面交差路が設置された。1975年に開通した嶺東高速国道(セマルIC-江陵出入口)、東海高速道路、1977年に開通した邱馬高速道路、1984年に開通した88オリンピック高速道路の一部あるいはほとんどの出入口で平面交差が採用された(すべて2車線)。しかし、4車線に拡張される過程で、これらの平面交差路は立体交差化あるいは閉鎖された(88オリンピック高速国道の場合は車線拡張ではなく、料金徴収方法の変更による)。現在は88オリンピック高速道路の南長水出入口に残っているのみである。
[編集] 滑走路の平面交差
- 複数の滑走路を持つ空港では、滑走路どうしの、あるいは滑走路と誘導路などとの平面交差は珍しくない。
- イギリス領ジブラルタルのジブラルタル空港では、滑走路と一般道路が平面交差していて、踏切で分離されている。一般道なので、歩行者なども滑走路を横切ることができる。ジブラルタル空港の発着数は数便/日だが、道路は陸路でジブラルタルに入れる唯一の道路で、唯一の幹線道路である。
[編集] 関連項目
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