後藤象二郎
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後藤 象二郎（ごとう しょうじろう、象次郎、天保9年3月19日（1838年4月13日）- 明治30年（1897年8月4日）は日本の武士･土佐藩士(上士)、政治家。農商務大臣、逓信大臣、大阪府知事。爵位は伯爵。諱は
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[編集] 生涯
[編集] 生い立ち
土佐藩の高知城下にて上士・馬廻格の後藤助右衛門の長男として生まれる。将来共に活躍する板垣退助とは幼い頃からの知り合いであり、後藤の姉の夫で、義理の叔父である吉田東洋の塾で板垣らと共に学んだ。
安政5年より、義叔父・吉田の進言もあって、幡多郡奉行、文久元年(1861年)には御近習目付、その後は普請奉行として土佐藩政で活躍したが、翌2年に吉田東洋が暗殺され、拠り所を失った後藤は失脚する。
1863年（文久3年）に、再び役職を得、また前藩主山内容堂の信頼を得たのもこの頃だといわれる。この年に、江戸の開成所にて蘭学や航海術、また当時はやり始めた英学も習っている 。
1864年（元治元年）に、大監察に昇進し、またこの頃の後藤は公武合体派の急先鋒であり、武市瑞山（半平太）を党首とする土佐勤王党を実質解散に追い込み、武市らを切腹させた。
1867年（慶応3年）、この頃の後藤は公武合体論から意見を変え、長崎にて有名な坂本龍馬との会談を行う。会談後、帰国した後藤は坂本龍馬が最初に提案したと言われている大政奉還論を押し進める船中八策に基づき、前藩主・容堂に対し将軍・徳川慶喜に大政奉還させるよう進言する。この進言後、脱藩罪に問われていた龍馬が特赦されたのも後藤の働きによると言われている。
[編集] 明治時代
明治にはいってからは、参与、大阪府知事などに就任するが、明治6年(1873年)に板垣・ 西郷らと共に征韓論論争に敗れ、公職を離れる。しかし翌年には板垣退助、江藤新平、副島種臣らと愛国公党を組織し、 民選議院設立を申し立てたが成功しなかった。明治14年(1881年)には再び板垣退助を中心に、自由党を設立した。
象二郎のあとを継いだ猛太郎は、日本活動フィルム（日活の前身)初代社長をつとめた。 猛太郎と新潟の芸妓のあいだにできたのが保弥太である。 保弥太の子省三の代で後藤伯爵家は消滅した。
[編集] 評価
明治時代も（下野時代も含めて）政治家として活躍してはいるが、後藤象二郎の名前が覚えられているのは、やはり幕末にて土佐藩や日本国政に関わる仕事をしたことであろう。彼は勤王党断罪に代表される公武合体派としての働きから、坂本龍馬との会見を通して懐柔的な態度に変わった。背景には薩長同盟締結により倒幕勢力が盛り返し、時流が再び倒幕へと傾いた事への土佐藩全体の焦りがあった。さらに江戸幕府を助けたいと思う山内容堂の意見がたぶんに影響しており、容堂を時代を救った英雄にすべく、坂本に泣きついたという見方もできる。結果、後藤は坂本の大政奉還策を容堂に進言し、土佐藩の藩論として慶喜に受け入れさせる事に成功した。また、後年明治にはいってから後藤は（その後勤王派よりの意見を後藤自身が持ったため）武市らを断罪したことを悔いている。しかし結果として長州藩・薩摩藩らが進める武力による倒幕を防げなかったことは、後藤の責任では無いにしろ、彼の働きの評価が分かれるところであろう。
維新後は大臣を歴任するなど政治家としても活躍しているが、自由民権運動に邁進したり、ある時は実業家として活動するなど行動に一貫性がない事もあり、また坂本龍馬という偉大な英雄の影に隠れてしまっているためか、維新の元勲の中では現代人の知名度も低く、評価もさほど高くはない。また大政奉還策を容堂に進言する時に、坂本の案だという事を述べなかった事から坂本の業績を横取りしたという汚名も蒙ってしまっている（もっともこれは、下士である坂本の立案を伝えれば、階級主義で下士嫌いの容堂が、耳を貸さなくなる事も考えられた）。しかし坂本と容堂、そして将軍・慶喜とのパイプ役を担い、それが明治維新への原動力となった事を考えれば、後藤の行動は十分に評価されてしかるべきであろう。
[編集] その他
日本人ではじめてルイヴィトンの製品を愛用した事でも知られている。彼はパリの本店で鞄を購入した。
[編集] 系譜
助右衛門 ━━ 象二郎 ━┳━ 猛太郎 ━┳━ 保弥太 ━━ 省三 ┣━ 早苗 ┣━ ナオ ┣━ 小苗 ┣━ 良輔 ┣━ 六弥 ┣━ 三郎 ┗━ 延子 ┣━ 孝子 ┗━ 紫郎
[編集] 関連項目
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