戦場のピアニスト
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戦場のピアニスト The Pianist |
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監督 | ロマン・ポランスキー |
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製作総指揮 | ティモシー・バーリル ルー・ライウィン ヘニング・モルフェンター |
製作 | ロマン・ポランスキー ロベール・ベンムッサ アラン・サルド |
脚本 | 原作 ヴワディスワフ・シュピルマン 脚色 ロマン・ポランスキー ロナルド・ハーウッド |
出演者 | エイドリアン・ブロディ トーマス・クレッチマン フランク・フィンレイ モーリーン・リップマン エミリア・フォックス |
音楽 | ヴォイチェフ・キラール |
撮影 | パヴェル・エデルマン |
編集 | エルヴェ・ド・リューズ |
配給 | フォーカス・フィーチャーズ アミューズピクチャーズ |
公開 | 2002年9月25日 2003年2月15日 |
上映時間 | 150分 |
製作国 | ポーランド フランス ドイツ イギリス |
言語 | 英語 ドイツ語 ロシア語 |
制作費 | 3500万$ |
興行収入 | 3200万$ 米国外:8750万$ 全世界:1億2千万$ |
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『戦場のピアニスト』(The Pianist)は2002年公開の映画。フランス・ドイツ・ポーランド・イギリスの合作。監督はロマン・ポランスキー。ナチス・ドイツによるポーランドへの進行以後、強制移住やワルシャワ・ゲットーでの過酷な収容生活を生き延びたユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ヴワディスワフ・シュピルマンの自伝的小説『ある都市の死』をポランスキーとロナルド・ハーウッドが脚色した戦争映画。第55回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品。
自らも幼少期にゲットーから逃れながら両親を亡くした経験を持つポランスキーは本作品でアカデミー監督賞を受賞。しかし、諸問題によりアメリカへ入国し次第逮捕されるため授賞式には参加しなかった。また、シュピルマンを演じたエイドリアン・ブロディが史上最年少でアカデミー主演男優賞を受賞したことやアメリカ人の俳優として初めてセザール賞を受賞したことが話題となった。
目次 |
[編集] ストーリー
1940年、ナチス・ドイツがポーランドへ侵攻した翌年、ユダヤ系ポーランド人で、ピアニストとして活躍していたウワディク・シュピルマンは家族と共にゲットーへ移住する。ゲットー内のカフェでピアニストとしてわずかな生活費を稼ぐも42年にはシュピルマン一家を含む大勢のユダヤ人が収容所へ送られた。だが運命の悪戯か、ウワディク一人が収容所へ連れられる人々の列から外れ、収容所送りを逃れることができた。しかし彼にも、生きるも地獄捕まるも地獄の日々が始まる…。
[編集] スタッフ
- 監督/製作/脚色:ロマン・ポランスキー
- 製作総指揮:ティモシー・バーリル/ルー・ライウィン/ヘニング・モルフェンター
- 製作:アラン・サルド/ロベール・ベンムッサ
- 原作:ヴワディスワフ・シュピルマン 『ある都市の死』
- 脚色:ロナルド・ハーウッド
- 撮影:パヴェル・エデルマン
- 編集:エルヴェ・ド・リューズ
- 音楽:ヴォイチェフ・キラール
- プロダクション・デザイン:アラン・スタルスキ
- 衣装デザイン:アンナ・シェパード
- 美術:ニーナ・ペクール
- キャスティング・ディレクター:セレスティア・フォックス/ヘータ・マンシェフ
- 日本語字幕翻訳:松浦美奈
[編集] キャスト
※日本語名はDVDおよびHD DVDに収録されている日本語吹替を担当した声優である。
- ヴワディスワフ・シュピルマン(Wladyslaw Szpilman):エイドリアン・ブロディ(宮本充)
- ウィルム・ホーゼンフェルト(Wilm Hosenfeld):トーマス・クレッチマン
- シュピルマンの父(Father):フランク・フィンレイ(北村和夫)
- シュピルマンの母(Mother):モーリーン・リップマン(寺田路恵)
- ドロタ(Dorota):エミリア・フォックス(岡寛恵)
- ヤニナ(Janina):ルース・プラット(深見梨加)
- ヘンリク(Henrik):エド・ストッパード(関俊彦)
- レギーナ(Regina):ジュリア・レイナー(唐沢潤)
- ハリーナ(Harina):ジェシカ・ケイト・マイヤー(冨永みーな)
[編集] 原作小説と映画化への経緯
『戦場のピアニスト』の原作であるノンフィクション小説は終戦直後のポーランドで『ある都市の死』の書名で1946年に刊行された。冷戦下の同国では、シュピルマンを救った将校の国籍を史実と等しく旧敵国であるドイツとするのは好ましくないため止むを得ずオーストリアの出身と設定したが刊行直後にスターリン派ポーランドにより絶版処分となった。以降、国内外を問わず再版されることはなく、1960年代におけるポーランド国内での復刊の試みも同国政府による妨害に遭い実現は叶わなかった。
しかし初版発表から50年余り経過した1999年に英語、ドイツ語、フランス語で復刊され、後にポーランド語でも再販がなされた。英題は「The Pianist:The extraordinary story of one man's survival in Warsaw, 1939-1945」。日本語版は2000年に佐藤泰一の翻訳により春秋社より刊行。邦題は当初『ザ・ピアニスト』であったが、2003年の映画公開に付随して『戦場のピアニスト』に改題された。
[編集] 劇中で演奏されたフレデリック・ショパンのピアノ曲
- オープニング・・・『夜想曲第20番嬰ハ短調[遺作]』
- カフェの専属ピアニストとして身銭を稼いでいたシュピルマンが、ドイツ軍の砲撃を受けるラジオ局で演奏。
- クライマックス・・・『バラード第1番ト短調作品23』
- 廃墟のワルシャワでドイツ軍の将校であるホーゼンフェルト大尉の求めに応じ演奏。使用ピアノは「Perzina」。
- エンディング・・・『アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調作品22』
※演奏はいずれもヤーヌシュ・オレイニチャク(ピアノ)、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団(指揮:タデウシュ・ストゥルガラ)
[編集] 受賞/ノミネート
- 第75回 アカデミー賞
- 受賞・・・監督賞/脚色賞/主演男優賞
- ノミネート・・・作品賞/撮影賞/編集賞/衣装デザイン賞
- 第55回 英国アカデミー賞
- 受賞・・・作品賞/監督賞
- ノミネート・・・脚色賞/主演男優賞/作曲賞/撮影賞/音楽賞
- 第28回 セザール賞
- 受賞・・・作品賞/監督賞/主演男優賞/撮影賞/作曲賞/音響賞/美術賞
- ノミネート・・・脚本賞/編集賞/衣装デザイン賞
- 第55回 カンヌ国際映画祭 パルム・ドール
[編集] 外部リンク
カンヌ国際映画祭 パルム・ドール受賞作品 |
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前作 2001年 第54回 ナンニ・モレッティ 『息子の部屋』 |
2002年 第55回 | 次作 2003年 第56回 ガス・ヴァン・サント 『エレファント』 |
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