春よ、来い (朝ドラ)
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『春よ、来い』(はるよ、こい)は、日本放送協会(NHK)が1994年10月3日から1995年9月30日まで放送した連続テレビ小説で、原作者橋田壽賀子の自伝小説作品。NHK放送開始70周年記念作品で、連続テレビ小説では「君の名は」以来の異例の1年間放送となった。
目次 |
[編集] 概説
主人公・高倉春希(モデルは橋田本人)が両親の反対を押し切り、大阪から東京の女子大へ進学し、戦争やさまざまな苦難を乗り越え、脚本家として成功していくまでを描いた物語。
63歳になった現在の春希が独りで過去(18歳のひな祭りから)を思い出す形になっている。現在の主人公が過去を思い出す(または孫に語りだす)という手法は橋田の得意とする女の一生を描いた話(「おしん」、「ハルとナツ 届かなかった手紙」、「涙そうそう この愛に生きて」)などでも用いられている。
当初は、安田成美が1年間ヒロインを演ずる予定で、1週目に夫の癌に動揺するヒロインを演ずるシーンがあったが、太平洋戦争を描いたシーンの後に突如降板した。(降板に際し、評論家塩田丸男が、「安田はいわゆる"在日2世"で太平洋戦争肯定に抵抗感があったから降板した。」と「おはようナイスデイ」で発言し、波紋を呼んだ。)安田降板後は、中田喜子が主人公となり、戦後の橋田壽賀子と夫・岩崎嘉一との生涯をモデルとして描いた。
主題歌は松任谷由実の「春よ、来い」であるが、第1部では1番、第2部では2番が歌われている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
63歳の高倉春希は名の通った脚本家。夫の肺ガン宣告を受けた春希は失意の中、ひとり伊豆にある別荘へと向かう。海を眺め、このまま死んでしまえば楽になれると海の中を進んでいく春希。そんな春希を叱って止めたのはとある老女だった。春希はその老女に若い頃亡くなって以来思い出す事のなかった母・リュウの面影を見た。その姿は怒っているようにも悲しんでいるようにも見えた。母に背いて生きてきた45年‐どうして自ら命を絶とうとした今になって母の面影を見たのだろうか。春希はその老女の姿が頭から離れなかった。そして自分の人生とは何だったのだろうか、これでよかったのだろうかと、初めて自分で人生を決めた日、昭和18年の雛祭りのことを思い出していた。春希が18歳の時のことだった。
[編集] キャスト
[編集] 第1部・第2部共通
- 春希の女学校時代の友人。
- 赤木英子:市川翔子
- 春希の女学校時代の友人。
- 大田笑子:魏涼子
- 春希の女学校時代の友人。
- 水川コウ:淡島千景
- 春希の母方の伯母。大阪在住。
- 長坂アイ:渡辺美佐子
- 春希の母方の伯母。東京在住。
- 長坂平吉:片岡鶴太郎
- アイの夫。アイより13歳年下。酒屋を営む。
- 長坂伸三:勝村政信
- アイ夫婦の養子。
- 山田サダ:あき竹城
- 伸三の姉。山形で材木店を営む。
- 佐藤かね:渡辺えり子
- 平吉の浮気相手。
- 里村弘子:寺田路恵
- 桜華女子大寮「あけぼの寮」寮監。
- 瀬田元子:清水由貴子
- 「あけぼの寮」栄養士。
- 相沢豊子:山下容莉枝
- 春希の先輩。
- 山根久子:高橋理恵子
- 春希の先輩。
- 川原則子:あまのゆうこ
- 春希の先輩。
- 宗田千加子:中原果南
- 春希の後輩。
- 竹中(神田)由子:中島ひろ子
- 春希の大学の同級生。後に竹中洋介の夫。
- 竹中洋介:赤井英和
- 春希の大学時代の"戦友"・演劇仲間・恋人。
- 竹中智美:西部里菜
- 洋介の妹。大阪出身。後に百瀬竜太の夫。
- 百瀬竜太:椎名桔平
- 大造の部下。春希の見合い相手。
- 君塚良平:前田淳
- 春希の演劇仲間。
- 豊田りき:藤田弓子
- 料亭「とよた」女将。花井くめの妹。
[編集] 第1部のみ
- 高倉リュウ:倍賞美津子
- 春希の母。
- 高倉大造:高橋英樹
- 春希の父。朝鮮で事業をしている。
- 水川道太:長門勇
- コウの夫。
- 長坂民子:香坂みゆき
- 伸三の妻。アイとの軋轢から後に伸三と離婚。
- 野中誠:東根作寿英
- 春希の初恋の相手。特攻隊として戦死。
- 朝子:石村昌子
- 春希の先輩。
- 令子:ひがし由貴
- 春希の先輩。
- 弘田朱美:鈴木美恵
- 春希の後輩。
- 川口ふみ:杉村春子
- 桜華女子大教授。
- 旗野教授:久米明
- 春希が通う大学の教授。
- 加納宗治:八木光生
- 春希が間借りしていた家の老夫婦。退役軍人。
- 加納ミツ:南風洋子
- 宗治の妻。
- 加納武:中田浩二
- 宗治の弟。敦賀在住。
- 夏目みどり:福家美峰
- 海軍経理統制部の同僚。
- 水沢信吾:矢島健一
- 海軍経理統制部の上司。大尉。元大学教授。
- 水沢伊乃:八木昌子
- 水沢の母。
- 京子:野川由美子
- 春希がアルバイトしたナイトクラブ「アムール」のママ。
- 曽根緑雨:上條恒彦
- 春希たちの行きつけの喫茶店「ミチル」のマスター
- 村山哲:山崎銀之丞
- 春希の演劇仲間。
- 坂上淳:有薗芳記
- 春希の演劇仲間。
- 相川光:林和義
- 春希の演劇仲間。
- 淡野昭:岡安泰樹
- 春希の演劇仲間。
- 原口:草薙幸二郎
- 春希の母・リュウの主治医。
- 井上忠:相島一之
- 京都の映画会社に勤務する脚本家。春希の同僚
- 塚田英之:井田州彦
- 京都の映画会社に勤務する脚本家。春希の同僚
- 村越:北村総一朗
- 春希が弟子入りする大物脚本家。
- 村越君枝:衣道真由美
- 村越の妻。
- 村越ルリ:春木みさよ
- 村越の娘。
- 池田フキ:島村晶子
- 春希が間借りしている家の主人。
- 滝川友枝:春やすこ
- 春希が勤務する映画会社の事務員。
- 曽我公明:三上真一郎
- 東京の映画会社の映画監督。
- 森口道夫:斉藤洋介
- 東京の映画会社の脚本家。
[編集] 第2部のみ
- 花井くめ:宝生あやこ
- 涼子の母。「さくら亭」女将。
- 花井さくら:波乃久里子
- くめの長女。くめと共に「さくら亭」を営む。
- 花井史郎:磯部勉
- さくらの夫。
- 花井涼子:いしだあゆみ
- 春希の友人。テレビプロデューサー。くめの次女。
- 花井温子:谷川清美
- くめの三女。
- 源六:下川辰平
- 「さくら亭」板前。
- 山本庄助:佐藤英夫
- くめの幼馴染。
- 矢野原高志:池田成志
- 春希の夫。テレビ局勤務。
- 野波ヒナ:池内淳子
- 高志の姉。東京在住。
- 野波豪太:綿引勝彦
- ヒナの夫。
- 矢野原一也:岡本信人
- 高志の兄。両親と同居。
- 矢野原智恵子:鷲尾真知子
- 一也の妻。
- 信代:二木てるみ
- 高志の姉。
- 静江:吉宮君子
- 高志の姉。
- 矢野原梅吉:今福將雄
- 高志の父。千葉在住。
- 矢野原とき:赤木春恵
- 高志の母。千葉在住。
- 山名文平:前田吟
- 高志の上司。涼子のパートナー。
- 山名美江:吉野由樹子
- 山名の妻。
- 山路克己:金田明夫
- 高志の部下。
- 郷田昌弘:長谷川初範
- 涼子の婚約者。
- 石川昌也:山本耕史
- 春希夫婦が養子にしようとした大学生。
- 前島いつか:星野真理
- 春希夫婦の隣人。中学生。
- 前島綾:向井薫
- いつかの母。
- 岡村正樹:宇津木誠
- 源六の後の「さくら亭」板前。
- 竹中大輔:大前潤治→国分太一
- 智美の息子。俳優。
- 小泉キリ子:泉ピン子
- 春希と交流のある女優。
- 八田:大林丈史
- 高志の主治医。
- 工藤:近藤芳正
- 証券マン。
- 神谷友子:山岡久乃
- 春希夫婦が何かと世話になった医師。
- 立木定子:清水由貴子
- 春希が住む伊豆の別荘の家政婦。
- 語り:奈良岡朋子
[編集] スタッフ
- 製作:金澤宏次
- 演出:江口浩之、小松隆、竹林淳、後藤高久
- デスク:阿部康彦
- 美術:増田哲、岸聡光
- 技術:宝珠山隆博、八木悟
- 撮影:浪川喜一、佐々木達之助
- 照明:渡辺恒一、中村正則、木村中哉
- 音声:山崎彰、鈴木恒次
- 音響効果:若林宏、米本満
- 映像技術:苗村真一郎、菊池正佳、横山一夫
- 記録・編集:阿部格
- 美術進行:初美光次
- メイク:栗山清
- 特殊メイク:江川悦子
- 衣装:西村明美
- 番組広報:栗田裕
[編集] 主題歌
- 「春よ、来い」(作詞・作曲・歌:松任谷由実、編曲:松任谷正隆)
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