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無敵超人ザンボット3

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

無敵超人ザンボット3
ジャンル ロボットアニメ
テレビアニメ
監督 富野喜幸
アニメーション制作 日本サンライズ
製作 名古屋テレビ
創通エージェンシー
日本サンライズ
放送局 名古屋テレビ
放送期間 1977年10月8日 - 1978年3月25日
話数 全23話
テンプレート使用方法 ノート

無敵超人ザンボット3』(むてきちょうじんザンボットスリー)は、1977年(昭和52年)10月8日から1978年(昭和53年)3月25日まで毎週土曜日17:30 - 18:00に全26回(23話+再放送3回)にわたり名古屋テレビをキー局として放映された、サンライズ製作のロボットアニメ


注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。


目次

[編集] あらすじ

謎の宇宙人ガイゾックに母星を滅ぼされ、地球に移住したビアル星人の生き残りである神(じん)ファミリー。ついに地球へとその魔の手を伸ばしてきたガイゾックに対し、彼らは先祖伝来のキングビアルやザンボット3で立ち向かう。それは勝平にとって、果てしなく苦難に満ちた戦いの始まりであった。大切な人々を失い、ついにたどり着いたガイゾック首領の驚くべき正体とは!?

[編集] 概要

機動戦士ガンダム』で有名なサンライズ(製作当時は日本サンライズ)が、その前身である創映社より改組・独立後のオリジナル作品第1作目。

ジャンルとしてはスーパーロボット物に分けられるが、ザンボット3の操縦者とそれに関わる者の存在が英雄視されることはなく、人間爆弾が登場したり(主人公たちにはこれらの犠牲者を救う事ができない)、従来の作品では無視される事が多かった周囲への被害を具体的に描写し、何ら関係のない戦闘に巻き込まれて被害を受けたと考える民衆から非難の的になる、等の現実的な設定と演出によって『ガンダムシリーズ』をはじめとするリアルロボット物への橋渡し的な作品になった。

幼い視聴者に与えたショック度は歴史的な大きさがあると言える。あまりに残酷なため視聴率は伸びず、子供を持つ親からは「子供に見せたくないアニメ」として目に映った。後のガンダムシリーズで名を馳せる富野式残酷オーラが徹底的に描かれた作品。目の前で友人が爆発して死亡したり、ラストでは仲間の2人が特攻で死亡する。特にラストの特攻では爆発する瞬間の機体が描かれ、人間が死亡する瞬間の残酷さを幼い子供にまざまざと見せ付けた。

とりわけ問題なのが、敵役として登場するブッチャーである。容姿と声だけなら従来のアニメの枠に収まるキャラクターなのだが、爆発して死亡する人間爆弾に対し笑いながら感想を述べたりする。このアニメチックと恐ろしい残酷さの融合は大人から見ればおおよそ子供には見せられない類のものである。

主人公の勝平が直面する残酷な出来事の数々。これは富野作品に見られる「大人になるための試練」ではあるが、老若男女関係なくキャラクターを殺しまくるという世界観の幕開けでもあった。主人公の勝平は母親以外の家族全員と身内の大半を失う。目の前で友人やガールフレンドが死亡して涙した事もある。

本作品においては、主人公=ヒーローではない。むしろ宇宙人(ガイゾック)を連れてきた厄介物として扱われ、善意を断られ、救助物資は捨てられ、挙句の果てには文字通り石もて追われる有様。こんな主人公がそれまでのアニメ作品には存在せず(全く存在しなかったわけでもないが、ここまで徹底したものはなかった)、エポックメイキングな作品として専門家やマニア受けはしたが、一般には受け入れられなかった。

主役メカであるザンボット3も必ずしも唯一無二の存在ではなく、劇中登場こそしないものの、移動要塞キングビアルと共に地球でも量産計画が進行中であるという言及がされた(第20話)。同エピソードにおいてザンボットが軍に接収され、主人公ではなく一般の兵士から選抜されたメンバーがザンボットを駆るシーンもあり、後の機動戦士ガンダムと同様にロボット=兵器という認識であることが分かる(但し、後述する理由により選抜メンバーによる操縦は失敗し、勝平たち3人に交替するのだが)。また、これは後から追加された設定ではあるが、キングビアルは元々ビアル星の量産型の移動式移民基地であり、ザンボット3はその護衛用兵器である。決して「平和を守るために悪と戦う」存在ではなく、運用を誤ればガイゾックの危惧の通りに平和を脅かす存在ともなりかねないのである。

ザンボット3の名の由来は「3+ロボット」であり、濁点を振ると語感が力強くなる、という当時の命名思想をストレートに反映している。企画時のタイトルは「無敵ザンボット」。斬馬刀から来ているという俗説は誤りである。

ザンバードからザンボ・エースへ変形、即ち「合体ロボの一機体が小型のロボットに変形する」という体裁は、後のスーパー戦隊シリーズのロボット(一例:主役機だけでなく合体する五台全部が小型ロボに変形するカーレンジャーのVRVロボ)に、またザンボエースのギミックは、タツノコプロ製作の「タイムボカンシリーズ ヤットデタマン」に登場した大巨神(巨神号)や後に同じサンライズ製作の勇者シリーズなどにも影響を与えていると言われる。

ロボットのデザインとして初めて、戦国時代武者をモチーフとして取り入れた(それまでは西洋の甲冑をデザインイメージとするケースが多かった)。頭の三日月は(デザインは異なるが)伊達政宗の意匠から、胴体は陣羽織風、武器もと和風である(本作は当初、戦国時代を舞台としたロボットアニメとして企画されたという)。これに対して、ザンボ・エースの武器はであり、いわばチャンバラとガン・アクションの両立が試みられている(なお、ロボットに本格的なガン・アクションを取り入れたのも本作が最初である)。

主人公たちは地球人ではなくガイゾックの攻撃を恐れて地球に逃げてきたビアル星人(同じくガイゾックにより滅ぼされている)の末裔であり、さらに主人公たちが敵であるガイゾックと戦闘する際に、住宅や避難民などへの被害が出たりするため、主人公たちは地球にガイゾックを「連れてきた」として、一般の地球人から激しく非難される、という描写が物語前半では繰り返し行われている。さらには最終回では、ガイゾックはガイゾック星人(同様にガイゾックに滅ぼされている)により作られたコンピュータで平和を求めるあまり「悪意に満ちた」生物(自種の繁栄の為に、他の種を滅ぼし続ける存在)を滅ぼすことを目的としてしまった、「行過ぎた正義」の存在であったことが明らかにされ、主人公は正義の味方であり、敵は悪の存在であるという従来の単純な勧善懲悪の公式に疑問を投げかけた衝撃的な結末となっている。最終回の放映後、プロダクション、スポンサー、広告代理店が真っ青になったと富野は語っており[1]、スポンサーなどの関係者が全てを了解していたわけではないと考えられる。

[編集] 本作品にまつわるエピソード

主演をつとめた大山のぶ代は、元々ロボットアニメ系は、自身がメカ音痴であることを理由に出演を避けてきたが、本作に限ってはストーリー性の高さが気に入り、仕事を引き受けたという。最終回のクライマックスでのセリフ「俺達は、つまらない事なんかしなかったよな」が、収録時の勢いで出たアドリブだった、と後に語っていたことからも本作品への思い入れがうかがえる。事実、とあるラジオ番組でゲスト出演した際に「好きだった番組の一つ」としてザンボット3を挙げている。しかしある雑誌のインタビューでは、「『ハリスの旋風』(正確には第二作である『国松さまのお通りだい』であろう)の石田国松役以来、声優はやっていない」などと、神勝平役をやっていたことを隠しているともとれる発言もしており(単なる勘違いの可能性もあるが)、真意は不明。富野自身は「第一話での、奔放な(ある意味、石田国松に通じるような)勝平の姿を表現したかったから」と、大山を起用した理由を後に説明している。

最終話への展開は、富野監督の出世作『海のトリトン』の終盤と良く似ており、「敵=絶対悪」ではないという点も共通である。

また、この物語の終盤にみられる、主要キャラクターが次々と死んでいく展開は、後に、富野由悠季の異名である「皆殺しの富野」の原点の一つとして語られる事にもなった。

俗に「富野カットイン」と呼ばれるコックピット描写の画面乱入が用いられたのも本作より。これは安定した作画が期待できない制作状況下で、ドラマ性と作品のテンポを維持するべく考案された物である。

本作第20話は、最終話製作終了後に追加発注を受け、急遽製作されたエピソードである。放送済のエピソードからセル画を流用(バンク)して最小限の作画でつなぎ合わせ、見事に新作として仕上げる手法は「富野マジック」と呼ばれた。

キャラクターデザインの安彦良和は、これに先立って『ろぼっ子ビートン』などの製作に参加しており、その影響で最初のキャラクター原案は2~3頭身で起こされ、富野監督にリテイクを食らったという。

[編集] 主要登場人物

[編集] 神ファミリー

[編集] ザンボット3搭乗者

神家の次男。12歳。スポーツ万能で、中学生にしてバイクを乗り回す不良少年。ガキ大将というよりむしろ一匹狼タイプ。曲がった事が大嫌いで、困った人を放っておけない。愛犬の千代錦と共にザンバード/ザンボ・エースに乗り込む。
  • 神江宇宙太(かみえ うちゅうた) (声:森功至、10~14話は古川登志夫が代役。ゲーム『スーパーロボット大戦IMPACT』では神奈延年
神江家の長男。15歳。父から古武術を習っている。一見斜に構えた風も見せるが、実際には理知的で温かみもある性格。ザンブルを操る。
  • 神北恵子(かみきた けいこ) (声:松尾佳子
神北家の長女。14歳。乗馬と洋弓が得意。信州の自然の中で育った、大らかだがやや気の強い少女。ザンベースに乗り、ザンボエースの支援、並びに索敵などをこなす。

ビアル星人の末裔である事が明示されているのは勝平たち孫の世代のみで、親の世代のどちらが(あるいは両方が)そうであるのかについては劇中でも、資料でも一切語られていない。3家族以外にビアル星人の末裔が存在するか否かについても同様である。劇中、「いとこたちを見殺しにするのか」と勝平を諭す台詞があるが、彼らの血縁関係について明記した公式資料は存在せず、製作スタッフの誤解または思い込みが反映された可能性もある(製作スタッフの誤解については神北兵左ェ門の項も参照)。花江が梅江の、源五郎が兵左ェ門の実子であるという事も考えられるが、根拠は何も無く、推測の域を出るものではない。

[編集] 神家

  • 神梅江 (声:武知杜代子)
勝平の祖母(源五郎と花江、どちらの母かは不明。ただし、名前が似ている花江ではないかとの説もある)。68歳。副総理の野崎は初恋の相手。また、かつては兵左ェ門と好きあっていたかの様な描写もある。浪花節よりロックが好き。気が若く、第10話ではガイゾックの罠に陥った野崎を救う為に単身出撃したりもした。勝平らの良き理解者。
神家の長男で勝平の兄。17歳。知性派で慎重、努力家と、弟とは180度異なる性格の持ち主。戦闘の際はビアルI世のブリッジで指揮を取る。
勝平の父。48歳。神水産を経営する網元である。厳格さと包容力とを兼ね備えた海の漢(おとこ)である。
勝平の母。35歳。見た目通りに太っ腹な網元の女房。いわゆる肝っ玉母さんである。

[編集] 神江家

宇宙太の父。48歳。東京で開業医を営む。性格的にはやや気弱で、妻の尻に敷かれている。描写は無いがビアルII世の発掘は、医師である彼が一手に引き受けていたものと思われる。
宇宙太の母。43歳。戦いに馴染むことができず、自らの家と家族を優先する利己的な行動をとってしまった事もある。
  • 神江和行 (声:川島千代子)
神江家の次男で宇宙太の弟。10歳。海洋少年団にいた為、行動力がある。きいろと公子を連れて小型潜水艇で出撃し、ガイゾックの捕虜にされた事もある(16話)。
  • 神江きいろ (声:松尾佳子)
神江家の長女で宇宙太の妹。8歳。

[編集] 神北家

  • 神北兵左ェ門(かみきた ひょうざえもん) (声:永井一郎
神ファミリーの長老で、恵子の祖父。75歳。誤解される事が多いが、勝平の祖父ではなく、梅江とは夫婦ではない(この点は製作スタッフの間でも誤解があったようで、後述のジェイムス提督は勝平を「兵左ェ門の孫」と呼んでいる)。網元として留守がちな源五郎の代わりにビアルI世の発掘を手がけており、後にはキングビアルの総指揮官となる。友人に国連大学の同窓生で国連艦隊の司令官、ジェイムス提督がいる。
サブタイトルのコールと予告ナレーションは永井一郎が担当した(予告は兵左ェ門として語っている)。
恵子の父。50歳。信州で牧場を経営している。豪放磊落な性格。
  • 神北由美子 (声:浦山紀子)
恵子の母。45歳。温和そうな見た目とは裏腹に、迷いを見せた娘の自立を促す強い意思も見せる。
  • 神北公子 (声:加川三紀)
神北家の次女で恵子の妹。9歳。やや内気な性格。神ファミリーで唯一メガネを着用している。

[編集] ガイゾック

  • キラー・ザ・ブッチャー (声:島田彰)
ガイゾックの司令官。地球人を殺す事をゲームとして楽しんでいる。全身を機械に置き換えられたサイボーグである事が終盤明らかになる。滑稽さと冷酷さを併せ持ったキャラクター。「ホーッホッホッホッ・・・」というフレーズがお約束。
ネーミングの由来は1977年当時の悪役レスラーキラー・トーア・カマタアブドーラ・ザ・ブッチャーから。命名は高千穂遥
  • ギッザー (声:永井一郎)
ガイゾックの作戦士官。前線で作戦の指揮をとる事が多い。
ガイゾックの武器士官。ブッチャーに攻撃作戦を助言。前線指揮をとる事も。
  • ズブター (声:野島昭生)
ガイゾックの技術士官。メカ・ブーストの製造を担当。

この他、ガイゾックの兵士達が多数登場する。大きな耳と青白い肌色が特徴で、地球人に変装する際は耳隠しとファンデーションを使用する。

  • ガイゾック(コンピュータードール第8号) (声:渡部猛
黒幕として登場し、作戦に失敗したブッチャーに電撃で制裁を加える。最終決戦を前に退場したブッチャーの後を受けて神ファミリーの前に立ち塞がる。勝平との邂逅の中で、その真意は明らかにされる。

[編集] その他

  • 香月真吾(こうづき しんご) (声:古川登志夫)
勝平の同級生で、悪友グループのリーダー格。12歳。勝平のライバルだが、険悪な仲ではなく、勝平を自分の副官に据えたい様子である。両親と、かおるという妹がいるが、ガイゾックの侵攻により家を失って避難民となり、途中で一家は離散(ザンボットとメカ・ブーストの戦闘の余波により、目の前で妹を見失う)。そのことで神ファミリーを憎み、実際に扇動・妨害工作をした事もあったが後に和解。神ファミリーの理解者・協力者となる。最終決戦に臨むキングビアルにも搭乗するが、寝ている隙に、脱出カプセルで地球に送り返された。死んだものと思われていた家族は健在であり、妹が兄(真吾)との再会の願いを託した流れ星こそは、この脱出カプセルであった。
香月の悪友たちで、香月同様勝平を目の仇にするが、やはりガイゾックの侵攻により難民となる。山田は離散後の消息は不明。林は人間爆弾にされ爆死。健太はガイゾックの擬装施設の存在を神ファミリーに伝える殊勲を挙げる。そして、やはり人間爆弾にされた浜本の壮絶な最期(第17話)は、アニメ史上においても語り草となるものである。
  • アキ (声:川島千代子)
「ブスペア」の一人。12歳。ミチと共に勝平の親衛隊を自称していたが、ガイゾック侵攻による生活基盤の喪失と、病の床に伏せった母などの憤懣の矛先を勝平に向けてしまう。後に和解するも、ガイゾックの卑劣な作戦に巻き込まれ、はかない最期を遂げる(第18話)。
  • ミチ (声:加川三紀)
「ブスペア」の一人。12歳。元々勝平の事を憎からず想っていたが、ガイゾックに追い立てられる形で生活基盤を失ったことから、アキ同様に勝平にきつい言葉をぶつけてしまう。後に和解するものの、勝平の関心はアキ中心にあり、彼女の想いは酌まれる事が無かった。後にアキと入れ違いの形でガイゾックに捕らえられるものの、香月の尽力で脱出に成功。またしても先に逝ったアキと入れ違いとなってキングビアルに収容される。そして最終回、彼女の存在は思わぬ形でクローズアップされることとなる。
初期に登場。彼が勝平の名を覚えていることから、勝平が札付きのワルと見做されている事を視聴者に知らしめたり、ザンボエースを道路交通法上でどう見るかなどという事を語ったりしている。現状認識の欠如した小役人であるが、最終話に再登場し、花江らをクライマックスの場へと誘っている。
富野監督は彼を「ラストシーンにとても気をつけて置いた」との事。「戦いもしないくせにちゃっかり生き延び、全てが終わってからヌケヌケと出てくる嫌な奴」とは富野の評(「20年目のザンボット3」より)。

[編集] 登場メカ

[編集] ザンボット3

ザンバード、ザンブル、ザンベースの3つのメカが「ザンボット・コンビネーション」で一つになった形態。
ザンボット・グラップサイ:沖縄の武器)、2振りのザンボット・グラップを合わせ、片方の刃を伸長させたザンボット・カッター(日本刀)、同じく柄を伸長させたザンボット・ブロー(槍)、投擲武器ザンボット・バスター手裏剣)など多様な武器を搭載。必殺技は額の三日月型の飾りから放つイオン砲「ザンボット・ムーンアタック」。初登場は第3話で、それまでは後述のザンボエースが決着をつけていた。3機が合体することで完成するイオンエンジンによって動く。
なお、この機体と分離形態の3機の操縦には「若い反射神経」が必要とされ、主役ロボのパイロットが子供(といっても中学生だが)が乗る理由付けとなっている。また3人には半年間に及ぶ睡眠教育によって各マシンの操縦法がレクチャーされていたと同時に、恐怖心が取り除かれていた事が後に明らかになる(こう語る兵左ェ門の語り口には説得力はあったが、この過程自体は、別の視点から見るとある種の洗脳と取れなくも無い)。合体時の「ザンボット・コンビネーション!」の発声は勝平で、「ワン!」はザンバードに同乗する勝平の愛犬・千代錦、「ツー!」を宇宙太、「スリー!」を恵子がコールする(玩具のCMでもこのコールは再現されている)。
潜水の限界深度は約7000m(第18・19話で判明)。ただし、バンドック攻撃の為、限界を遥かに超える9500mまで潜水している。この時は機体が水圧に耐え切れず、コクピット内に浸水するなどしていた。
    • ザンバード
    勝平が搭乗する高速戦闘機。ザンバード時のコクピットは機首、ザンボ・エース時の左足部。右足には千代錦が乗る。第2話でブスペアを乗せた事もある。ザンボット3の頭部、胴体中央部となる。単独でロボット「ザンボ・エース」に変形できる。主な武装はバルカン砲バードガンを2門と、音波兵器トレンブルホーン。「エース・チェンジ」したザンボエース自体に武装はなく、オプションとして「ザンボ・マグナム」を使用する。ビアルI世またはザンベースの射出するユニットをガンベルトよろしく腰に装着し、ホルスターからピストルを引き抜いて射撃する。ベルトには予備の弾装やオプションパーツがセットされており、追加の銃身やストック、スコープを装着して狙撃用のライフルとして使用したり、連射用のドラムマガジン、更には追加装備としてグレネードランチャーも存在する。第1・2話では単独でメカ・ブーストを撃破した。
    ザンボエースはよく「小型」ロボットと表記されるが、実際には全高30mで、他作品のロボットに比べて決して小型というわけではない(ザンボット3の全高は60m)。
    第14話で、ブスペアからザンボエース用のマフラー状の「スカーフ」を贈られた(第2話で約束していたもの)が、変形・合体に支障がある為か、その回限りの装備で、以降登場することはなかった。
    • ザンブル
    宇宙太が搭乗する重戦車。全長20m。飛行も可能(ただしTVゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズに登場するザンブルはゲーム中飛行不可)。ザンボット3の胴体・腕部となる。武器はアームパンチ(合体後も使用可能)、クラッシャードリル、ビッグキャノン、ビッグミサイル…などと分離時の3機の中では一番の重武装だが、ザンボット3への合体を考えると機構上、若干の矛盾が存在している(胴体の中には何も無い、あってもドッキング用の部品程度の筈が、ドリルや大砲や弾薬などが搭載されていたり、ザンブルのコクピットが、合体時にはいつのまにか消えている…等)。
    • ザンベース
    恵子が搭乗する偵察支援メカ。全長30m。ザンボット3の下半身・脚部となり、バックパックが付いている(合体時に外れて移動し、ザンブルのキャタピラを覆う形で背部に装着される)。ベースミサイル、レーザー砲、熱戦砲などを搭載する他、ビアルI世同様にザンボエース用の武器「ザンボマグナム」を搭載・射出する。小型偵察メカ・レゴンを装備。

[編集] キングビアル

ビアルI世、ビアルII世、ビアルIII世が合体した移動要塞兼移民基地で、恒星間航行能力はない。必殺の兵器「イオン砲」ほか、複数の武装を装備する(イオン砲は臨時に、ザンボット3が使ったこともある)。
なお、ビアル星は恒星カペラの惑星であったとされ、神ファミリーの先祖は、ビアル星からキングビアル4機を搭載した移民用大型宇宙船で他の星への移民を実行している最中に、ビアル星がガイゾックによって滅ぼされたため、ガイゾックの追撃を恐れて移民船を放棄したグループで、移民船の航路付近に存在した予定外の地(既に知的生命体の存在が確認されていたので、移民先から外されていた)である地球にキングビアルに乗って約300年前に飛来した。
デザインに当たって富野監督からは、SFとして耐え得る宇宙船を、との指示があったという。合体のパターンは『ゼロテスター』のテスター1号機を参考にしている。
    • ビアルI世
    ザンバードを格納する移動要塞。駿河湾の海底に隠されていたビアル星人の遺産で、神一家が搭乗する。キングビアル時には中枢部であり、コントロールルーム兼補修部品格納庫となる。ザンベースと同様に、ザンボエース用の武器「ザンボマグナム」を搭載・射出する。
    • ビアルII世
    ザンブルを格納する移動要塞。東京湾の海底に隠されていた。神江一家が搭乗する。胴体下面にキャタピラを装備し、3隻のうちで唯一地上に着地できる。キングビアル時には動力部であり、キングビアルのメインエンジンとして機能する。他の2隻が白を基調としたカラーリングであるのに対し、II世のみは黄色が基調。キングビアルに合体する時には左右に機体が分離し、前後に合体した二機を左右から挟むように合体する。なお、キングビアル合体時には、機体下部に部品が数点出っ張る為、地上への着陸は不可能となり、専ら浮遊するか着水するかのどちらかとなる。
    • ビアルIII世
    ザンベースを格納する移動要塞。長野県の諏訪湖の湖底に隠されていた。神北一家が搭乗する。キングビアルの機首部。キングビアル時には砲台であるため、イオン砲を搭載しているが、コントロールシステム(ビアルI世)、エネルギー供給(ビアルII世)がないので、キングビアルに合体しないと使用できない。

[編集] メカ・ブースト

キラー・ザ・ブッチャーが送り込む戦闘メカ。状況に応じて様々なものが存在するが、総じて怪物然とした姿をしている。時としてブッチャーが触れた地球の生物や、文明の利器を応用、或いは誤解した形で攻撃手段として搭載されたものもある。
    • ドミラ(第1話)
    偵察と示威が目的であり、戦闘力は低い。
    • ジドビラー(第2話)
    倒された後、ガイゾックの存在を示す狼煙を上げる。
    • ガビタン(第3話)
    鳥のような形態へ変形する。
    • ドヨズラー(第4話)
    高速回転して竜巻を起こし、勝平たちの町を破壊した。1度は敗退するが、ブッチャーがをヒントに触手に吸盤を付加する改良を加え、より強力になって再出現した。
    • ガルンゲ(第5話)
    飛行形態と防御形態に変形し、防御形態時の装甲はザンボットの武器を受けつけない。変形時に生じる翼の付け根の隙間が弱点。この戦闘の巻き添えとなって香月一家は離散した。なお、日本に襲来する以前に世界各地を攻撃しており、パリとロンドンの映像がブッチャーのモニターに映し出されていた。
    • エレギン(第6話)
    源五郎の漁船を襲撃した。
    • クモガニラ(第7話)
    ブスペアの避難先の四日市を襲撃した。
    • ガルチャック(第8話)
    体表面があらゆるエネルギーを反射する特殊物質で覆われており、ムーンアタックさえも反射して逆にザンボットを傷つけた。特殊物質で覆われていない口の中が弱点。
    • アモンスガー(第9話)
    球状のパーツが集まってできている。パーツの一つ一つは時限装置つきの水爆で、強い磁力で目標に付着する。倒されたと見せてキングビアルに付着し、爆発しようとした。
    • トラシッド(第10話)
    数十台の戦車(ベルター・タンク)が合体してメカ・ブーストとなる。東京に降下したバンドックの護衛を務めた。
    • バイブロン(第11話)
    ブッチャーの美容器具にヒントを得た、高速振動するベルトが武器。
    • モグンダー(第12話)
    長野県松本市に出現。あっさり倒されるが、実は・・・。
    • ハリンダー(第12話)
    モグンダーの破片が集合して再生した第2形態。
    • ダボンガー(第13話)
    東北地方を北へ向かう香月ら避難民を襲撃した。
    • カメヅオン(第14話)
    溶解液が武器。避難民を乗せ北海道へ向かう連絡船、札幌避難民キャンプを襲撃した。
    • デスカメル(第15話)
    神ファミリー支援の為、日本へ向かう輸送船団を襲撃した。
    • ブウボン(第16話)
    空母に擬装した巨大メカ・ブースト。内部に人間爆弾の工場を持つ。
    • 名称不明(第17話)
    数体のメカ・ブーストが簡単に倒されている。神ファミリーが戦い慣れしてきた為、メカ・ブーストでは大きな被害を与えることができなくなった事を暗示し、ガイゾックの戦術の転換を説明する指標としている。
    • ヒラヤンガー(第17話)
    下北の避難民キャンプ(実はガイゾックの擬装施設)防衛の為、派遣された、
    • クラーゲン(第18話)
    避難民を乗せた船を襲撃した。実はそれは巧妙な罠だった。不審に思った兵左ェ門は避難民の救助・収容を禁じるが・・・。
    • ゴルガス(第19話)
    コマに似た形状のメカ・ブースト。勝平によって深海のバンドックへの攻撃に利用される。
    • ガイダー(第19話)
    内部で混乱が生じたバンドックが体勢を立て直す時間を稼ぐ為、「出血大サービスで」出撃した。極めて硬い装甲を持つが、逆にバンドック攻撃に利用される。
    • 再生メカ・ブースト(第20話)
      • ドヨズラー
      • ガルチャック
      • アモンスガー
      • トラシッド
    ブッチャーが「ビリヤード玉突き戦法」の為に再生を命じ、同時出撃させた。
    なお、トラシッドに合体する戦車を現地まで運ぶ輸送機「ベルタータンク・カプセル」が追加登場する。
    • ダンガルン(第21話)
    スタジオぬえがデザインを担当。ワイヤー攻撃でザンボットを苦しめた。素粒子レーザーはムーン・アタックを中和する。
    • ゾンダア(第21話)
    4本の腕それぞれに剣を持つ。バンドック退却の時間稼ぎの為に出動。

[編集] 赤騎士デスカイン・青騎士ヘルダイン

第22話に登場する。ガイゾックがブッチャーに切り札として与えた強力な戦闘メカ。「ガイゾックの神の守護騎士」と呼ばれ、他のメカ・ブーストとは一線を画する存在である。馬と一体化した騎士の様な姿(脚の部分はキャタピラ状)。それぞれ剣と槍、盾を持つ。色違いで左右が逆だが2体ともほぼ同じデザインである(頭部の飾りのみ形状が異なる)。ザンボットの武器は通用せず、盾から強烈な光線を発して目をくらませ、その中から剣や槌矛などの武器を投げつける。
赤騎士が倒される直前、顔が崩れる(鉄仮面状の顔が、目を剥き大口を開けて慌てふためく表情を見せる)描写があり、ファンの間では賛否が分かれた。

[編集] その他

  • スネソーダー
カタツムリに似た飛行偵察メカ。多数存在し、世界中に派遣されているらしい。メカ・ブーストとザンボットの戦闘の様子などの映像をブッチャーのモニターに送信してくる。近年になって目撃例が急増したUFOの正体で、これによって神ファミリーはガイゾックの到来を察知し、キングビアルのサルベージを行なって準備に務めていた。
  • メカ鮫(第16話)
メカ・ブースト、ブウボンの護衛用に、周囲の海中に放たれていた鮫型のロボット。

[編集] バンドック

ガイゾックの戦闘要塞。遮光器土偶のような頭部が特徴。ケンタウロスのような半人半馬の姿である。内部にメカ・ブースト製造工場を備え、絶大な破壊力を誇るバンドック砲、スペースミサイル、スペース機雷などの武器と、特殊且つ強力なバリア(余談ではあるが、TVゲーム「第4次スーパーロボット大戦(「第4次S」を含む)」にはバンドックが登場するが、同作品にはビームコート・Iフィールド・オーラバリアの3種類しかバリアが存在しなかったため、バリアの設定を反映するための苦肉の策として、バンドックがIフィールドを装備している。)を装備する。頭部のみが独立して行動する事も可能。限界潜行深度は10000m以上でザンボット3よりも上である(この為、日本海溝の底に潜むバンドックをザンボットは直接攻撃できなかった)。

[編集] スタッフ

ザンボットに乗る3人、及びキングビアル乗員が着る戦闘服のデザインは、やはり安彦が挿絵を手がけたクラッシャージョウシリーズでの万能服「クラッシュジャケット」のデザインに流用されている(安彦自身がムックなどで明言している)。
ザンボット3の変形合体パターンは大河原邦男原案、武器類やキングビアルなどの設定はスタジオぬえの宮武一貴らが担当だったようである。なお、デザインに当たって高千穂遥が私蔵の武器を持ち出して使い方を演じて見せ、参考としたと言う(DVD-BOXブックレット掲載のインタビューより)。
  • 音楽:渡辺岳夫、松山祐士
  • 主題歌:
    • 「行け!ザンボット3」(作詩:日本サンライズ企画室、作曲:渡辺岳夫、編曲:松山祐士、歌:堀 光一路、ブレッスン・フォー、ザ・チャープス)
    • 「宇宙の星よ永遠に」(作詩:日本サンライズ企画室、作曲:渡辺岳夫、編曲:松山祐士、歌:堀 光一路、ブレッスン・フォー、ザ・チャープス)
主題歌の作詞は富野由悠季の手によるものであるとされていたが、DVD-BOXのブックレットに掲載されているインタビューで富野本人が否定している。本作の主題歌の歌詞は女性スタッフによって書かれている、との事である。後番組である『無敵鋼人ダイターン3』では富野が作詞をしており、本作の歌詞とニュアンスが似ている事について、「(必要があると思ったので)言葉を受け継いだ」と答えている。この事と、「日本サンライズ企画室=富野由悠季」というのが当然の様に思われていた事で、これまで誤解されてきたのだろうと思われる。

[編集] 放送時間帯

[編集] 放送リスト

再放送は除く(本放送時に第5話・第6話がそれぞれ1回ずつ再放送されている)。
話数 サブタイトル 脚本 演出 絵コンテ
1 ザンボ・エース登場 五武冬史 斧谷稔
2 燃える死神の花 荒木芳久
3 ザンボット3出現! 行田進 秦泉寺博
4 集結!キング・ビアル 吉川惣司 四辻たかお 斧谷稔
5 海が怒りに染まる時 五武冬史 貞光紳也
6 父が帰ってきた日 荒木芳久 斧谷稔,行田進
7 さらば! 我が友よ 四辻たかお
8 廃虚に誓う戦士 吉川惣司 石崎すすむ 磯浜太郎
9 危うし! キング・ビアル 荒木芳久 行田進 落合正宗
10 バンドック現わる! 田口章一 貞光紳也
11 決死の爆破作戦 吉川惣司 四辻たかお 八尋旭
12 誕生日の死闘 田口章一 広川和之
13 果てしなき戦いの道 荒木芳久 菊池一仁 斧谷稔
14 スカーフよ永遠なれ 星山博之 行田進 小林三男
15 海に消えた老将 吉川惣司 広川和之 八尋旭
16 人間爆弾の恐怖 田口章一 貞光紳也
17 星が輝く時 荒木芳久 行田進,菊池一仁 斧谷稔
18 アキと勝平 星山博之 山崎和男
19 明日への脱出 吉川惣司 広川和之
20 決戦前夜 荒木芳久 斧谷稔
21 決戦! 神ファミリー 星山博之 菊池一仁 斧谷稔
22 ブッチャー最後の日 五武冬史 貞光紳也
23 燃える宇宙 広川和之 斧谷稔

[編集] 脚注

  1. ^ 「アニメ大国の肖像 (53)」東京新聞 2006年12月14日夕刊、中日新聞東京本社、2006年。

[編集] 参考文献


名古屋テレビ 土曜17時台後半
前番組 無敵超人ザンボット3 次番組
17:30- 魔法のマコちゃん(再放送)
17:45- 天気予報
17:50- ニュース
無敵鋼人ダイターン3
テレビ朝日 金曜18時台前半
恐竜探検隊ボーンフリー(再放送)
※月曜~金曜 → 月曜~木曜
無敵超人ザンボット3 無敵鋼人ダイターン3
他の言語
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