長良川球場
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岐阜県長良川球場 | |
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Nagaragawa Baseball Stadium | |
施設統計 | |
所在地 | 岐阜県岐阜市長良福光2675-28(岐阜メモリアルセンター内) |
開場 | 1991年4月1日 |
所有者 | 岐阜県 |
管理・運用者 | 岐阜県イベント・スポーツ振興事業団 |
グラウンド | 内野:クレー舗装 外野:天然芝 |
照明 | 照明塔:6基 最大照度:投捕間2500Lx 内 野2000Lx 外 野1200Lx |
建設費 | 3,977,000千円 |
設計者 | 日建設計 |
使用チーム、大会 | |
収容能力 | |
30,000人 | |
規模 | |
グラウンド面積:13,233m² 両翼:97.6 m 中堅:122m |
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フェンスの高さ | |
4m |
長良川球場(ながらがわきゅうじょう)は、岐阜県岐阜市の岐阜メモリアルセンター内にある野球場。施設は岐阜県が所有し、岐阜県イベント・スポーツ振興事業団が運営管理を行っている。
目次 |
[編集] 歴史
現在、岐阜メモリアルセンターがある岐阜市長良福光には、1965年開催の岐阜国体にあわせて前年の1964年に開場した岐阜県営野球場などのスポーツ施設があり、また約200m離れたところには岐阜刑務所があった。しかし、いずれも老朽化などにより閉鎖され、刑務所も市内則松に移転。これらの跡地は総合運動公園「岐阜メモリアルセンター」として再整備される事になった。敷地は1988年に開催された「ぎふ中部未来博」のメイン会場として使用され、未来博終了後からメモリアルセンターの整備事業が本格的に始まり、このうち長良川球場は1991年春に完成、4月1日に開場した。同年以降高校野球、社会人野球などアマチュア野球公式戦が行われている他、プロ野球公式戦も開催されている。
このうち、隣県の愛知県名古屋市に本拠地を置く中日ドラゴンズが毎年、主催公式戦とオープン戦をそれぞれ1試合ずつ開催している。うち公式戦については、かつてはナゴヤドーム3連戦の初日もしくは最終日の試合を長良川で開催する形式を執っていたが、2000年からは福井県営球場との2連戦で開催されるようになった。これは以前、同球団が毎年開催する「北陸シリーズ」が、福井と石川県立野球場、富山市民球場アルペンスタジアムとの3連戦で組まれていたものの、この北陸シリーズは平日のナイター開催である上、試合終了直後に次開催地の宿舎へ直接バスで向かうため移動による負担が大きかったことから、選手会からの提案を受けて分割し、石川県立とアルペン、福井と長良川とのそれぞれ2連戦に再編したのに伴う措置である。現在プロ野球ではこの他、読売ジャイアンツ(巨人)が毎年オープン戦とイースタン・リーグ(二軍)公式戦を開催している。
また1991年から1997年の間、広島東洋カープ主催による公式戦が年2~3試合開催されていた。特筆すべきは、この広島戦のビジター球団が7シーズンの間、全て中日ドラゴンズだったことである。中日の地域権が愛知県内だけで認められていることを突いた格好だが、まさしくドラゴンズのお膝元で相手ファン目当ての観客動員を当て込んだ広島の営業手法には、毎年のように賛否両論が巻き起こっていた。なお、ダッグアウトは通常の主催試合同様、広島が一塁側、中日が三塁側を使用した。これについてはホーム・アンド・アウェーの項も参照。
この他近鉄バファローズはかつて、ナゴヤ球場で年間8試合(概ね3連戦が3カード)前後の主催公式戦を開催していたが、1991年から1996年までの間、このナゴヤシリーズ3連戦のうち年1試合を長良川球場で開催していた。
高校野球県大会の開会式と準決勝以降の試合は、この長良川で実施される。球場入口には、戦前の選抜中等学校野球大会で優勝投手となった岐阜市立岐阜商業学校(現岐阜県立岐阜商業高等学校)の投手・松井栄造の銅像(ピッチング姿)が建立されている。
また社会人野球では、毎年4月下旬から5月上旬に行われるJABAベーブルース杯争奪大会のメイン開催球場となっている。
最近のプロ野球開催球場では例が少なくなったが、長良川球場ではプロ野球の試合で本塁打が出ると、ホーム・ビジターを問わず場内放送でファンファーレが演奏され、バックスクリーン前に設けられた「オーロラ噴水」が水飛沫を上げる、という演出が行われている。2004年に改修された際にスコアボードがカラー化され、フリーボード部が映像装置に入れ替えられた。
ジェット風船を飛ばすことが出来る。紙ふぶきは禁止されているが、中日ドラゴンズの公式戦・オープン戦では右翼外野で大量に使われている。このことから岐阜での応援はナゴヤドームより盛り上がるという意見も多い。
[編集] 主なエピソード
長良川球場でのプロ野球は年間数試合ではあるものの、時折トラブルやアクシデントに見舞われることから、ファンの間では「長良川では何かが起きる」と言われ続けている。
- 1991年、日韓プロ野球スーパーゲームの第2戦が当地で行われた際、当時ヘテ・タイガースに在籍していた宣銅烈が登板、最速155km/hのストレートと超高速スライダーを投じ、日本のファンにもその名を知らしめた。
- 1997年6月5日に行われた中日ドラゴンズ対横浜ベイスターズ9回戦で、外角球に対するストライクの判定を巡ってクレームを付けた中日・大豊泰昭に対して、球審・マイケル・ディミューロは「暴言を吐いた」とみなして退場を宣告した。ところがその直後、大豊はディミューロに詰め寄って激しく抗議し、更に中日の監督・コーチらもディミューロを取り囲んで執拗に抗議。場内は一時騒然となった。ディミューロは「これまで感じた事のない程の身の危険を感じた」として、翌日セ・リーグ事務局に辞表を提出、12日に帰国した(この一件の詳細はマイケル・ディミューロの項を参照)。
- 2003年6月11日に行われた中日ドラゴンズ対阪神タイガース14回戦は、7-2で阪神が勝利した。試合終了後、外野スタンド右翼側で両チームのファン同士がトラブルを起こし、揉み合いとなった。この際に何者かが黄色っぽい霧状のスプレーを噴射し、近くにいた約50人が眼や鼻、喉の痛みを訴え、岐阜市消防本部は周辺市町村の協力を得て被害者31人を病院へ搬送し、また球場近くに仮設テントを設けて応急手当に当たった。岐阜北警察署は、異臭の原因は催涙スプレーの可能性があるとして噴射した人物の特定など捜査を行ったが、現在も解決していない。
[編集] 施設概要
- グラウンド面積:13,233m²
- 両翼:97.6m、中堅:122m
- 内野:黒土、外野:天然芝、ファウルエリア(一部):人工芝
- 照明設備:6基(最大照度:バッテリー間2500Lx、内野2000Lx、外野1200Lx)
- スコアボード:フルカラーLED式
- イニングスコア表示部下に大型映像装置、球速表示部あり
- 収容人員:30,000人(メインスタンド:3,658人、内野11,756人、外野:14,586人)
- 内外野のスタンド上段に上屋あり
[編集] 交通
- 岐阜駅北口Gバスのりば、名鉄岐阜駅4番バスのりばから岐阜バス「市内循環線」などで「岐阜メモリアルセンター前」下車、徒歩5分
- プロ野球等開催時は、岐阜駅発 名鉄岐阜駅経由の臨時バス運行あり
- 自家用車用の駐車場は施設内及び周辺にわずかしかなく、大きなイベントやプロ野球の開催時は駐車は困難となる。このため県と主催者は岐阜市一日市場地内に臨時駐車場を設け、多客時にはシャトルバスによるパークアンドライドを行っている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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