青年会議所
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青年会議所(せいねんかいぎしょ、Junior Chamber、JC)とは、若いリーダーと企業家を対象とした、国際青年会議所(こくさいせいねんかいぎしょ、JCI Junior Chamber International)を中心とする国際団体。
主たる目的は、「明るい豊かな社会」の創造を目標とした、「まちづくり」であり、その為の「ひとづくり」である。 この目的を実現するための手法として、「指導力開発 Leadership Development(LD)」「経営開発 Management Development(MD)」と「社会開発 Community Development(CD)」の活動を行ってきたが、2000年からは、これらを集約した「人間力開発 Human Development(HD)」を活動の柱として推進している。
これらの「明るい豊かな社会」の創造を目的とした活動を行うことを総称してJC運動という。
本項では主として日本の青年会議所について記述する。
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[編集] 概要
日本では、社団法人日本青年会議所(にっぽんせいねんかいぎしょ)が中心となり、20歳から40歳までのリーダーを志す青年で構成されている。企業経営者やその後継者が多いが、会員の職業に関する制限は特に無く、サラリーマンでも入会可能。初代会頭はとらや16代目の黒川光朝。
活動の基本として『修練』『奉仕』『友情』からなる「三信条」、『会員は率先して行動する』ことをうたう「JC宣言文」、『明るい豊かな社会を作り上げよう』とする「綱領」、国際青年会議所の綱領である「JCIクリード」を掲げる。
世界のJCの中でも日本はJC運動が活発な地域であり、OBを国会議員、地方議員、日本商工会議所、経済同友会、経団連など各界に多数輩出し、日本の政財界の一翼を担う人材を共育している。
2007年現在、日本全国の719の地域にLOM(ロム)と呼ばれる青年会議所が存在し、42,000名弱のJAYCEE(ジェイシー)と呼ばれる青年会議所会員が活動している。
弘兼憲史などから「松下政経塾などと並ぶ政治家養成機関」と賞賛されており、実際に会員・OBの政界進出率は高い。改憲案を提示するなど、スタンスは親米保守・新保守主義を支持するタカ派の右派である。[要出典]
小田全宏の「リンカーン・フォーラム」などと同じく、「公開討論会」の開催やマニフェスト選挙の普及にも取り組んでいる。
[編集] 単年度制と卒業
組織の大きな特徴として「単年度制」と「卒業」がある。
すべての組織は年度(1月~12月)単位で会頭以下全ての役職を原則一新している。これを「単年度制」と呼んでいる。会員に多くの経験を積ませ、事業の停滞を防ぐ特徴がある。一方で年度が変わると担当者も変わるため事業の連続性が失われたり、途切れたりすることもしばしば起きるため、「不連続の連続」という表現をする者もいる。
また「卒業」とは40歳を迎えた会員がその年度末に満期退会扱いとなることを指し、卒業した会員は会の活動に直接関与することはできなくなる(卒業年度に理事長を務めた者が次年度に直前理事長として残る場合など、一部に例外はある)。卒業で会員は減少するので、LOMは常に新入会員を募る必要がある。
以上のことが組織の活性化を促しているとされ、JCの特徴のひとつとなっている。
卒業以降は出身LOMのシニア会に所属する他、日本JCのシニア会に入会する者もいる。またロータリークラブやライオンズクラブに入会して活動する者も多く見られる。
[編集] 組織
青年会議所活動の最小かつ基本単位は、都道府県の都市ごとに組織しているLOM(Local Organization Member:ロム)と呼ばれる青年会議所である。
LOMの連携・連絡調整機関として、日本青年会議所(NOM(National Organization Member:ノム))があり、日本青年会議所のLOMに一番近い部門(組織)として 都道府県ごとにブロック協議会が、ブロックの連携・連絡調整機関として、地方ごとに地区協議会が組織されている。 ブロック協議会、地区協議会、日本青年会議所の構成メンバーは各LOMから輩出し、それぞれの組織に所属する。このことを出向と呼んでいる。出向者は出向先だけでなく、LOMの委員会にも所属する。
多くの青年会議所は公益法人としての社団法人格を有していて、監督官庁の指導のもと運営を行っている。
日本青年会議所の長は会頭と呼ばれ、各地方の青年会議所の長は理事長と呼ばれる。
本来、青年会議所メンバーは上下の隔たり無く皆平等であり、そのために公式の場では敬称として「君」が義務付けられている(実際には年功序列による上下や先輩後輩関係がある)。しかしながら、一部のLOMの理事長や、日本JC会頭などトップ役員人事において有力OBが関与・干渉する例が少なからず見受けられる。一例として、政治評論家三宅久之によると、会頭の改選においては現外務大臣である麻生太郎が認めた人物から選ばれるという。
[編集] 青年会議所と青年団
しばしば青年会議所と青年団は混同されがちだが、両者は全くの別物である。大きな違いは青年会議所は公益法人としての社団法人格を有しているところが多いが、青年団においては法人格を有しているところはほとんどない(ただし近年、一部では特定非営利活動法人(NPO法人)格を取得する動きもある)また、青年会議所では明確に40歳を迎えた会員は「卒業」と決まっているが、青年団ではそれが比較的曖昧で、稀に40歳を超えた「青年団員」も見受けられる。
しかしながら「地域社会の創造」「世界平和の実現」など、謳っている信条が似ている事から地域によっては連携し事業を行う場合もある。
[編集] 青年会議所と商工会議所
青年会議所と商工会議所は、混同される事が多いが、青年会議所は1949年、東京青年商工会議所として発足し(同時期に並行して各地で青年会議所が設立されている)ているのに対して、現在の形態の商工会議所は、1953年8月に制定された”商工会議所法”に基づいて運営されている全くの別物の組織である。(法律の制定にともなって、青年会議所に改称)
さらに、商工会議所青年部(YEG)という組織も商工会議所の一部として立ち上がっている為、さらにややこしくなっている。(設立当初のメンバーにJayceeが多かった為、運営形態が似ている点が多々ある。メンバーも重複している場合が多いと思われる。)
[編集] JC出身・在籍中の著名人
- 愛知治郎(仙台JC、参議院議員)
- 赤池誠章(甲府JC、衆議院議員)
- 麻生太郎(飯塚JC、元会頭、外務大臣)
- 牛尾治朗(東京JC、元会頭、ウシオ電機会長)
- 柿崎順一(科野JC、元理事長、芸術家・彫刻家、園芸家)
- 小泉純一郎(横須賀JC、第87、88、89代内閣総理大臣)
- 塩川正十郎(布施JC(現・東大阪青年会議所)初代理事長、元内閣官房長官)
- 鴻池祥肇(尼崎JC、元会頭、元国務大臣)
- 越本隆志(宗像JC、在籍中の2006年1月に第34代WBC世界フェザー級王者獲得)
- 佐藤栄佐久(郡山JC、元理事長、元副会頭、前福島県知事)
- 千玄室(京都JC、元会頭、裏千家前家元)
- 田中良生(とだわらびJC、元埼玉ブロック会長 衆議院議員)
- 中川俊直(東広島JC、元衆議院議員秘書、中川秀直自民党幹事長の次男・東広島市長選挙候補者)
- 西岡武夫(長崎JC、参議院議員、元文部大臣)
- 丹羽秀樹(春日井JC、衆議院議員)
- 鳩山由紀夫(苫小牧JC、衆議院議員)
- 服部禮次郎(東京JC、元会頭、セイコー名誉会長)
- 鈴木寛(東京JC、参議院議員)
- 平将明(東京JC、衆議院議員)
- 村岡兼幸(秋田JC、元会頭、村岡兼造元官房長官の長男・秋田県知事選挙立候補者)
- 森喜朗(小松JC、第85、86代内閣総理大臣)
- 武部勤(斜里JC、衆議院議員、前自民党幹事長)
- 西川太一郎(東京JC、元衆議院議員、荒川区長)
- 秋元司(東京JC所属、参議院議員)
- 庄野拓也(とだわらびJC、蕨市議会議員・蕨市長候補)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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