PC-8800シリーズ
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PC-8800シリーズは、日本電気 (NEC) が販売していたパーソナルコンピュータのシリーズ名である。富士通のFM-7、シャープのX1と並ぶ8ビット御三家の筆頭格だった。
1981年に発売された初代機 PC-8801 は、同社の8ビットパソコンであるPC-8001 の上位機種であり、同社のパソコンラインナップの最上級シリーズとしてビジネス用途もターゲットとした位置付けであったが、1982年、16ビットパソコンのPC-9800シリーズが発売されると、ホビーユース中心の入門機というポジションにシフトしていった。
目次 |
[編集] アーキテクチャ(8ビット機)
[編集] 400ライン表示可能なビジネス機、PC-8801
- 基本仕様
- 前身となる機種PC-8001の仕様をほぼ全て継承しつつ新しい機能を追加する上位互換を実現していた。搭載メモリ容量は合計184KBであり、Z80Aで直接扱えるメモリ容量 (64KB) を越えていたためバンク切り換えの手法が用いられた。
- CPU Z80A相当(μPD780 4MHz/割り込みモード2)
- 搭載メモリ容量合計184KB
- 画面解像度
- 640ドット×200ライン / 8色
- 640ドット×400ライン / モノクロ
- BASIC N88-BASIC、N-BASIC
- インタフェース
- モノクロCRT
- カラーCRT
- CMT
- セントロニクス
- RS-232C
- フロッピーディスク(オプション)
- 400ライン表示
- 400ラインの表示を可能とするため、これまでのモニターに比べの2倍の走査線の数を持つ高解像度(又は高細精度)タイプの専用ディスプレイがラインアップされた。これにより、漢字をモニターに表示させた場合、縦に2倍の行数文の文字数が表示できるようになった。縦横比のドットピッチ間隔がほぼ同じに成ったため、フォントの表示も縦に粗いフォントから縦横とも精細なフォント表示が出来るようになった。これにより、日本語表示を必要とするビジネスマシンとしても使用できるようになった。
- 200ライン表示
- 青、赤、緑それぞれ0%と100%の二階調を組み合わせて8色(0:黒、1:青、2:赤、3:マゼンダ、4:緑、5:シアン、6:黄、7:白)のカラー表示を行っていた。この方式は後に登場した「アナログRGB」との比較で「デジタルRGB」と呼ばれることもあった。但し現在では「デジタルRGB」とはおおむねDVIの事を指す。カラーパレット切り替え機能により8種類のパレット番号(0-7)を上記の8色から選んだ任意の色に対応させることができた。また、白黒3ページのモードも存在し、例えば1ページ目を表示しながら2ページ目に描画することもできた。
- 文字表示
- PC-8001と同等のANK文字表示用ハードウェアが残されており、高解像度画面の上に合成表示されていた。VRAMへのデータ転送量が軽減されるためANK文字については高速表示が可能であった。このような構成は後のPC-9800シリーズにも継承されている。
- ROMに内蔵されたソフトウェア
- 内蔵のROM-BASICは、N88-BASICを新たに採用し、PC-8001互換のN-BASICとは、本体のモードスイッチか、BASICの拡張命令 (new on) で本体を一旦リセットすることで、切り替えて使用した。機械語モニタには簡易的なアセンブラと逆アセンブラの機能が含まれていたが、Z80ではなくIntel 8080の文法であった。
- キーボード
- 本体はキーボードと本体部分のセパレート型となり、拡張ボードを本体に内蔵できるようになっていた。キーボードはパラレル入力で、同時押しもできたが、SHIFTやCTRLなどを除いてダイナミックスキャンの回り込み防止用のダイオードが入っていない。
- フロッピーディスク
- フロッピーディスクは、インターフェイスボードを介する事で、8インチ2D または5.25インチ1D,2Dの外付けフロッピーディスクドライブが使用できた。またDISK-BASICとしてN88-DISK BASICが用意されていた。
- NECのシリーズでは、320KB (2D) までの5インチFDDは、「インテリジェントタイプ」と呼ばれるインタフェースで、本体CPUとは別のFDD制御用のCPU(Z80系列)を搭載し、本体とFDDとの間でパラレルインターフェース(i8255互換)によりデータ転送を行っていた。またこのFDD制御用のCPUは、プログラムをサブシステム側に送り込むことで、FDD操作以外の計算処理をさせることもできた。
- なお、8インチFDDは、本体CPUからDMAによる直接制御となり、より高速な転送が可能である。I/F形式はPC-9801と同じであるため、PC-9801用の5.25インチ2HDドライブや、3.5インチ2HDドライブを接続し、使用することももちろん可能である。
- ちなみに、後年のPC-8801mkIIMR等に搭載されている2D/2DD/2HD切り替えドライブは2Dの物と同じ「インテリジェントタイプ」であり、これ用の専用I/FもDMA転送は用いていない。
- 8801mkIIにおいては同様に内蔵FDDのためにサブCPUとしてZ80(μPD780/クロック4MHz)が搭載されており、メインCPUを止めずに(BGM再生などをしたまま)FDDの転送が可能。
- 拡張スロット
- PC-8801のもう一つの特徴は拡張ボードである。インターフェースの仕様が公開されていたたため、個人でも拡張ボードの自作が可能であった。しかし、実際これを多用したのは工作機械や制御機器を製造していたメーカーである。専用インターフェースの拡張ボードをメーカー個々にて作成し、ロボット、機器などの制御用に利用されていく事になる。後に、これらの分野を視野に入れた物がFC-98シリーズでRS-232Cで制御可能な物がPC-8200シリーズへと受け継がれていくことになる。
- 後継機種
- 1983年に登場した後継機、PC-8801mkII では、FDDを2基本体に内蔵または内蔵可能とし、縦置きも可能な新しい筐体を採用した。また、キーボードは人間工学に基づいたステップスカルプチャー方式が採用された。
- 漢字ROMは内蔵され、ブザーをスピーカーに置換することで、ソフトウェア的に周波数を生成しI/Oポートを叩くことで、BEEP音のほかに単音の音源(BASICからCMD SINGで利用可能)として使用する機能が追加された。
- ただ、この最初の2つの機種(後にPC-8800シリーズの旧機種に分類される)は、テキスト画面の描画サイクルのDMA動作でメインCPUの処理が一時停止する、などのハード仕様のため、動作速度やグラフィックの描画などが遅かった。これは、テキスト画面の表示を無効にすると速くなった。表示タイミングを無視して書き込む「高速モード」もあったものの、ちらつきが生じて実用的ではなかった。ちなみにこのPC-8801mkIIから、CMキャラクターに武田鉄矢が起用され、PC-8801mkIIFR/MRまで起用された。
[編集] ホビー志向となったPC-8801mkIISR以降
ホビーマシンとしてのPC-8800シリーズの地位を確立したのが、1985年に登場したPC-8801mkIISR である。
グラフィック機能では、640ドット×200ライン/512色中8色のアナログRGB(コネクタはD-Sub15ピン)へと発色数が強化された。GVRAMは48KBのままで、従来のデジタルRGB端子も引き続き使用できた。
また、テキストVRAM4KBをメインメモリから独立させ、GVRAMにサイクルスチールを採用してCPUの負担を軽くしたほか、CPUの演算ユニットALUを拡張してグラフイックVRAMのRGBプレーンへのリードライトの同時アクセスや論理演算を可能にするなど、仕様を改良し、処理速度の高速化が図られていた。ALUの拡張機能を利用するとソフト的に全画面を1バイト(横8ドット)、1ライン単位でスクロールさせることも出来た。
この拡張グラフィックはV2モード、以前のものをV1モードと呼んで区別し、本体のモードスイッチでN-BASIC/V1S/V1H/V2の4つのモードを切り替えて使うようになった(V1S:互換、V1H:高速)。もっとも両モード対応のソフトを書くことも可能で、V2でそのまま動作するV1用ソフトもあった。
サウンド機能では、それまでのBEEP音のみから、ヤマハの音源チップYM2203の搭載によりFM音源 3音 + PSG 3音のサウンド機能を新たに備えた。FM音源の1チャンネルを使って、音声合成(再生)をすることも一応できた(N88-BASICでは未対応)。このFM音源は旧機種用にも拡張カード (PC-8801-11) で用意された(但し、SR以降の機種と旧機種PC-8801・PC-8801mkIIでの完全な互換性はない)。
これらの機能を活用して、PC-8801最大ヒット作「ハイドライド」からSR発売当初に登場した「テグザー」へ、その後に登場した「ザナドゥ」「イース」「ソーサリアン」「シルフィード」「ジーザス」「スナッチャー」など、主にV2モード向けにロールプレイングゲーム・アドベンチャーゲームを中心とした傑作ゲームが数多く登場した。また同人ゲームソフトやCG・サウンド集も数多く作られ、後年のその一部には市販ソフトを凌駕したものもあった。
一方でV1モードの方は、「ハイドライド」「テグザー」「ザナドゥ」のようにV2モード用と併売されたソフトや、V2用のものにパッチを当てると動作するソフトがあったものの、市場からは早々と衰退した。
1985年、PC-8801mkIITRではSRと同等の本体の横に300bpsのモデムおよび電話機を装備した。ただし、このモデムの通信速度は300bpsと低く、当時この機械をレビューした雑誌ログインにおいてさえも「将来を考えると、通信速度が遅すぎるのではないか?」と指摘されるなど、実験的な要素が目立つ機種であった。
同年暮れには SR をマイナーチェンジしたPC-8801mkIIFR/MRが発売された。しかし、マイナーチェンジとはいえ、PC-8801mkIIMRは、当時上位機種であったPC-9800シリーズでも未搭載の機種が存在した 2HD 読み書きに対応した FDD、JIS第2水準の字まで含んだ漢字ROM、128KBの拡張メモリ(バンク切り換え式)を搭載するなど、当時としては非常に先進的な部分もあった。ただし、2HD/2D兼用ドライブで書き込んだ 2D ディスクは、2D専用のドライブで読めなくなること(2Dと2HDでは、ドライブ・ヘッドの幅に物理的な相違点があった)があったり、コピープロテクト対策が行われたり、極限ともいえる容量までディスクを使用することが多かったゲームソフトの中には動作しないものがあるなど、互換性に若干問題があった。また、このFR/MRあたりの機種からコストダウンの為の機能削除が目立つようになった。
なお,FR/MR 以降は,2HD対応で128KBの拡張メモリ(バンク切り換え式)搭載の「Mシリーズ」と2Dのみ対応の「Fシリーズ」が併売されるようになった。また、N-BASICモードが製品仕様から外れたこと(コストダウン)によりモードスイッチから削除され、切り替えはV1Sモード時にBASICで「NEW ON 1」するのみとなった(本体に細工してN-BASICの直接起動を可能にする方法もあった)。
1986年、PC-8801FH/MH が登場。CPUはZ80H相当のμPD70008で、駆動周波数が 4MHz / 8MHz(メインメモリのウエイトのため実質6MHz程度)の切り替え可能となり、処理速度の向上が図られた。従来機の設定用のディップスイッチは消えてメモリスイッチとなり、付属キーボードは設定メニューの表示用にPCキーや日本語入力用の変換キーがつくなど大幅に更新された。FHは黒色のモデルも発売された。
また、65536色(B:5ビット、R:5ビット、G:6ビット) 同時表示が可能な「ビデオアートボード (PC-8801-17)」も、オプションで用意された。N-BASICモードはV1Sモードの4MHz設定でキーボードから「N80」を押してリセットすることで起動できるようになった。これはGVRAMの内容が残るため、市販ソフトの画面を取り込むツールに利用された。なお、従来通りの「NEW ON 1」による起動もできる。
この頃からPC-8800シリーズは次第に8ビットパソコン市場で一人勝ちの様相を呈するようになり、ゲームソフトが優先的に発売されるほか、PC-8801mkIISR以降用だけで発売されたタイトルも少なからず存在するようになった。FH/MHからFE/MA2/VA2/VA3までは斉藤由貴が広告に起用された。
余談ではあるが、2007年1月に発売されたニンテンドーDS向けゲームソフト「世界樹の迷宮」ではこのPC-8801FHからサンプリングした音色をメインに据えた楽曲となっている(ドラムパートなどにはPCM音が使われている)。担当したのはイースやソーサリアン、アクトレイザー等で有名な古代祐三。
1987年のPC-88VA(後述)の発表後に発売された PC-8801FA/MAでは、音源チップをYM2608に変更し、ステレオFM音源6音 + リズム6音 + SSG3音 + ADPCM音源1音(波形メモリ256KB)と、サウンド機能が大幅に強化された。これは「サウンドボード2」と呼ばれ、VA、FH/MHとそれ以外の旧機種向けにもそれぞれ用の拡張カードが用意された。メインメモリのウエイトはOFFに設定出来るようになった。
1988年、PC-8801FEで家庭用テレビに接続可能なモデルが用意された。このFEシリーズはコストダウン(販売価格を抑える為)によって、BASICは添付されず、汎用の拡張スロットもなかった(サウンドボード2は専用スロットに装着する専用品で対応)。一方で、これまでの流れを汲むPC-8801MA2も用意された。これらの機種では,モニタの種類を選択するスイッチは起動時にキーボードを押して選択するようになり、V1/V2のモード切替スイッチはメモリスイッチに取り込まれた。このメニューにより画面がクリアされるため、MA2/FEでは、V1SモードからのN80リセットは可能だが、これを利用したV2モード時の画面取り込みは出来ない。このため同機では「N80リセットが出来ない」とされることもあった。
1989年にPC-98DO(後述)を挟んで登場した PC-8801MC では、システムの起動も可能なCD-ROMドライブが装備された。このドライブは、PCエンジンのCD-ROM²としても使用可能なものであった。旧機種向けにCD-ROMインターフェースも用意された。同時期にPC-8801FE2も発売された。MC/FE2ではさらにV2Hモード(メインメモリのノーウエイトアクセスによる高速V2モード)が追加された。また、N80リセットがV2モードから実行でき、画面取り込みが復活した。広告には松下進のキャラクターが起用された。
しかし、純粋な88シリーズはこのMCで打ち止めとなり、CD-ROM対応ソフトはあまり出なかった。
[編集] アーキテクチャ(16ビット機)
[編集] Z80互換モードを持つハイブリッドV30マシン、PC-88VA
PC-8800シリーズは、他社に先駆けてCPUクロックの高速化などを行っていたものの、8ビットCPUを使用する以上、基本性能の向上はほぼ限界に達しつつあった。
1987年3月に登場した PC-88VA は、16ビットCPUを採用することで、大幅な性能向上を図った上位機種である。外観ではフロッピーディスクドライブは横並びからPC-9800同様の縦並びとなり、筐体も大きくなった。
CPUには、NEC独自の16ビットCPU、μPD9002 (8MHz) を採用。このCPUはV30としての動作に加え、8ビットCPUZ80の高速エミュレーションが可能で、従来の8ビットPC-8800シリーズのV1/V2モードのソフトウェアの大部分が互換モードで動作が可能だった(動作しないものもあった)。
VDPの搭載により640ドット×400ライン/256色 や 640ドット×200ライン/65536色、スクロール機能・複数画面の合成 といった強力なグラフィック機能、スプライト機能などを備えた。PC-88VAの後継機PC-88VA2/VA3ではステレオFM音源(PC-8801FA/MAと同等)の採用など、サウンド機能も強化された。V1/V2モード機との互換性も少し向上した。
OSとしては、MS-DOSVer.2と、システムコールが概ね互換である独自のOS、PC-Engineを搭載していた。そのため、同社の16ビットパソコンであるPC-9800シリーズとのソフトウェア互換性は、MS-DOSの基本的なアプリケーションに限られ、大多数のユーザーにとっては、互換性は無いのも同然であった。このOSではN88-日本語BASICV3が動作し、N88-DISK BASICのディスクもフォーマットを自動判別して読み込めた。
拡張スロットは8ビットCPU を搭載するPC-8800シリーズとは互換性がなく独自のものだが、 実際にはPC-9800シリーズとほぼ互換性があり、非公式ではあるがPC-9800シリーズ用のRAMボードやSASI、SCSIインタフェースを増設することができ、フリーソフトなどでデバイスドライバ等が公開されていた。
[編集] 歴史
PC-8800シリーズは必ず上位互換を持ち、特に、PC-8801mkII SR以降の機種は、基本仕様は全く変わっておらず、また、機能追加が行われる毎に旧機種にもそれと同等の機能を実現するための拡張ボードが提供される(サウンドボード、サウンドボード2、CD-ROMインターフェースなど)、と言う徹底した互換性対策が行われている。
他には、後の2HD機でデータレコーダ端子を廃止(代わりに拡張カードで用意)した一方で、PC-8000シリーズ互換のN-BASICモードをVAシリーズを除いた全ての機種で持っている。
しかし、SRモードでそれまでのモードと拡張モードをV1とV2に切り分けたことや、CPUクロックの向上などにより、他機種ユーザーからは旧機種を切り捨ててきたようにも見られる。とはいえ、この「CPUのクロックアップに積極的」な姿勢は当時のライバルであったFM-7、X1にあまり見られないもので、ライバル機種がCPUのスピードを据え置きにしたままグラフィックやサウンド機能を強化することで全体の処理速度を落としたのとは対照的である。
発売年 | 機種名 | モデル | 定価(円) | 特徴 |
---|---|---|---|---|
1981年 | PC-8801 | 228,000 | 初代機 | |
1983年 | PC-8801mkII | model10 | 168,000 | FDD・漢字ROM内蔵、単音の音源 (CMD SING) 追加。これ以降、model10はFDドライブなし、model20は2Dドライブ1基、model30は2Dドライブ2基搭載 |
model20 | 225,000 | |||
model30 | 275,000 | |||
1985年 | PC-8801mkII SR | model10 | 168,000 | グラフィック機能を拡張したV2モード、FM音源(YAMAHA YM2203)を搭載、この機種から背面のI/OポートがATARI規格に変更されている |
model20 | 213,000 | |||
model30 | 258,000 | |||
PC-8801mkII TR | 288,000 | SR model30に半2重300bpsのモデム(電話機)を追加。この機種以降縦置き用の脚が削除される | ||
PC-8801mkII FR | model10 | 99,800 | SRの廉価版、モードスイッチからNモード廃止 | |
model20 | 148,000 | |||
model30 | 178,000 | |||
PC-8801mkII MR | 238,000 | モードスイッチからNモード廃止、2HDドライブ搭載、これ以降、2HD搭載のMシリーズには128KBの増設RAM、第二水準漢字ROMが搭載され、データレコーダ端子が削除(増設可) | ||
1986年 | PC-8801 FH | model10 | 98,000 | 4/8MHzの切り替え、ディップスイッチ廃止、キーボード変更 |
model20 | 138,000 | |||
model30 | 168,000 | |||
PC-8801 MH | 208,000 | 4/8MHzの切り替え、ディップスイッチ廃止、キーボード変更、2HDドライブ搭載 | ||
1987年 | PC-88 VA | 298,000 | 16ビット、N-BASIC削除、2HDドライブ搭載 | |
PC-8801 FA | 168,000 | FHにサウンドボード2(YAMAHA YM2608)相当機能追加、メモリウエイトのOFFが可能、Fシリーズでもデータレコーダ端子が削除(増設可)かつドライブ2基搭載モデルのみ発売 | ||
PC-8801 MA | 198,000 | MHにサウンドボード2(YAMAHA YM2608)相当機能追加、メモリウエイトのOFFが可能、2HDドライブ搭載 | ||
1988年 | PC-88 VA2 | 298,000 | VAの88互換性の改善、サウンドボード2相当機能追加、2HDドライブ搭載 | |
PC-88 VA3 | 398,000 | VAの88互換性の改善、サウンドボード2相当機能追加、2HDドライブの他に2TDドライブを搭載 | ||
PC-8801 FE | 129,000 | FHの廉価版、TVへの出力が可能、モードスイッチ・拡張スロット廃止、サウンドボード2はオプション | ||
PC-8801 MA2 | 168,000 | MAに辞書ROMを追加、モードスイッチ廃止、2HDドライブ搭載 | ||
1989年 | PC-8801 FE2 | 119,000 | FEの後継機、拡張スロット廃止、サウンドボード2はオプション。V2H(高速)モードを追加 | |
PC-8801 MC | model1 | 169,000 | 88シリーズ唯一のCD-ROM搭載可能(model2は標準搭載)の縦置き筐体、V2Hモードを追加、2HDドライブ搭載 | |
model2 | 199,000 | |||
(参考) | ||||
1989年 | PC-98DO | 298,000 | モードスイッチにより98と88の切り替えが可能。MH並の性能だが88モードでは拡張スロット使用不可。そのため、サウンドボード2相当の機能は実装不可 | |
1990年 | PC-98DO+ | 278,000 | モードスイッチにより98と88の切り替えが可能。MA並の性能だが88モードでは拡張スロット使用不可。ATARI規格のマウスやジョイスティックはオプションのマウス変換コネクタ (PC-98DO/P-11) を装着することで使用可能 |
[編集] 日本のロケットとPC-8801
あまり知られていない事ではあるが、実は、PC-8801は日本のロケットに深く関係している。主に、衛星追跡所などで近年まで使用され、打ち上げのロケット追尾から人工衛星の分離などの監視には欠く事の出来ない存在でもあった。故障率が判りにくい最新のハイテクより、安定期に入ったローテクの方が良しとされたようである。
[編集] PC-8800シリーズの終焉
[編集] 88VAの失敗とPC-98DOから、PC-9800への統合
1980年代の終盤になると、日本国内ではPC-9800シリーズの普及など、ビジネスの分野だけでなくホビーユースでも16ビット機への移行が加速していた。
PC-88VA は、PC-9800シリーズとの互換性を明確に打ち出さなかったこともあって、その性能を発揮する16ビット専用のソフトウェアがあまり出揃わず、また、ホビーユースにおいては、X68000 などの強力なライバルが存在した。
しかし、一方で、NECはPC-9800シリーズはあくまでビジネスユースと位置づけた為、1991年になってPC-98GSからPC-9821シリーズへと移行するまでの間、サウンド機能などでは、PC-8800シリーズより劣っていた。
その為、8ビットパソコンでも能力が充分なロールプレイングゲーム、アクションゲームなどは、PC-8801で発売されるものも多かった。PC-9801と並行発売されるケースもあった。
一方、グラフィックを多用することからデータ容量が膨大となるアドベンチャーゲーム、分けてもアダルトゲームはグラフィックの画質向上の為、PC-9801への移行が進んだ。
88VAの失敗の後、NECは1989年にPC-8800シリーズとPC-9800シリーズの両方のソフトウェアが利用できる PC-98DO を発売し、88シリーズと98シリーズを一本化した。98DOはサウンドボード2が使用できないなどの問題があったが、PC-8801MC/FE2の発売を挟んで、次のPC-98DO+では解決した。市場的には成功しなかったものの、この試みは一応の完成をみて、88シリーズは完結した。
しかしその後は大した混乱もなく、ほとんどのユーザーはそのままPC-9800シリーズに、一部はX68000などに移行していった。
[編集] 外部リンク
PC-8000シリーズ | PC-8800シリーズ | PC-6000シリーズ | PC-8200シリーズ | PC-6600シリーズ | PC-100 | PC-9800シリーズ | PC-H98シリーズ | PC-9821シリーズ | PC98-NXシリーズ