シャープ
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 |
設立 | 1935年5月2日 |
業種 | 電気機器 |
事業内容 | エレクトロニクス、電子部品 |
代表者 | 町田勝彦(代表取締役会長) 片山幹雄(代表取締役社長) |
資本金 | 2,046億75百万円 |
売上高 | 単体:2兆2,831億円(2006年3月期) 連結:2兆7,971億円(2006年3月期) |
従業員数 | 22,949名(2006年4月1日現在) |
関係する人物 | 早川徳次 |
外部リンク | http://www.sharp.co.jp/ |
シャープ株式会社(Sharp Corporation、旧社名 早川電機工業)は、液晶で有名な総合家電メーカー。商標SHARP。中国では「夏普電器有限公司」(「夏普」Xiàpǔ は音訳)と表記される。
経営信条は「誠意と創意」。
同じ大阪に本社を置く松下電器産業・三洋電機と並ぶ大阪家電メーカー老舗の一つ。
目次 |
[編集] 歴史
1912年、早川徳次が東京で創業。徳尾錠というベルトのバックルの発明がはじめ。1915年、金属製繰出鉛筆(早川式繰出鉛筆)を発明。販売開始後、商品名をエバー・レディ・シャープ・ペンシルに変えた。米国で爆発的にヒット。現在の社名はそこから取られている。
1923年には関東大震災によりシャープペンシル工場を焼失、家族もすべて失い、大阪へ移り再起を図った。1925年に鉱石ラジオをシャープの名前で発売。
戦後、総合家電では松下電器産業やソニーが台頭し、営業・販売力において松下やソニーに圧倒的な差をつけられていた上、静岡県ではシャープ製のテレビから突然出火して大火事になった事件などもあり低迷の時代が続いた。しかし、1962年には日本の家電企業で初めて電子レンジを発売(当初は業務用)し、1966年には世界初のターンテーブル方式の電子レンジを開発する。さらに、1964年オールトランジスタダイオードによる電子式卓上計算機(世界初)を開発。その後、カシオ計算機などとの電卓戦争の中で、表示部品としての液晶技術の開発を始め、1973年液晶を表示装置に使ったCMOS化電卓(世界初)を開発する。この間、1963年に太陽電池の量産を開始している。
また、独創的な商品開発で知られ、1978年のパーソナルコンピューターMZ-80Kや、1979年のステレオダブルカセットレコーダー等のダブルカセットデッキ(後に、二台並列だけではなく、同軸型のもシャープが発売した)を発売したのをはじめ、1982年のパソコンテレビX1、1987年のパーソナルワークステーションX68000、1992年の液晶ビューカム、1993年のザウルス、1999年のMPEG-4カメラ(世界初)、2000年の初のデジタルカメラ内蔵携帯電話J-SH04、2002年のSDカード対応機J-SH51(J-フォン・現ソフトバンクモバイル向け)、2004年の世界初光学ズーム対応V602SH(Vodafone・現ソフトバンクモバイル向け)、2005年の世界初G2モーションコントロールセンサー対応機であるV603SH(Vodafone・現ソフトバンクモバイル向け)、QWERTY配列キーボードを搭載したスマートフォンであるW-ZERO3(ウィルコム向け)、2006年の携帯電話で世界初VGA対応の904SH(Vodafone(→SoftBank)向け)、1ビットデジタルアンプ、クラスターイオンによる空気浄化技術(世界初)、そしてデジタルチューナーを搭載したDVDレコーダーなど、業界初や世界初の商品を数多く送り出している。現在は、電卓戦争の頃からの業界を牽引してきた液晶ディスプレイ技術に強みを持つ。
現社名は1970年1月1日に制定。早川電機時代のシンボルマーク(楕円形にSharp)は現在でも正式な社章となっている。
[編集] 特徴
現在まで、シャープは「先進的な部品を開発しその部品を元に特徴的な商品を生み出す」流れと、「商品に使われることによって部品の目標が明確になり性能が向上する」という流れの循環で成長してきており、シャープではこれを「スパイラル戦略」と呼んでいる。近年では、スパイラル戦略に加え、他社にない部品や商品を作り出す「オンリーワン戦略」を掲げている。
組織の特徴としては、「緊急開発プロジェクト制度(緊プロ)」という1977年に作られた制度がある。この制度では社長直轄で複数の部署から人材が集まり、技術や開発に当たるチームが作られる。この制度によって部門にとらわれない自由な発想の商品を生み出すことができると言われている。
キャッチコピーは「目の付けどころが、シャープでしょ。」である(1990年に登場)。1998年から一時期は「液晶でトキメキのある生活」に変更していたが「液晶のシャープ」の印象が定着しキャッチコピーの役割を十分に果たしたことから、2002年になって知名度・好感度ともに高かった以前のキャッチコピー「目の付けどころが、シャープでしょ。」を復活させた。他のキャッチコピーに「確かに、シャープだ。」(携帯電話)、「はじまりはいつも、シャープから。」、「エコロジークラスでいきましょう。シャープ。」、「New Life Now」(業務用製品では「New Business Now」)、「New Life SHARP」もある。
名阪国道および伊勢自動車道沿いに天理研究所、多気工場があり、亀山工場とあわせて、液晶関連の主要拠点をなしている。近年では液晶テレビ工場であるシャープ亀山工場の所在地、三重県亀山市にちなんで「亀山産」の表記をしたところ安心感が買われ、爆発的に販売数を伸ばすなど地域名を生かした販売戦略でも名を馳せている。亀山工場誘致にあたり、三重県90億円・亀山市45億円を15年分割で補助することになり、地方自治体による工場誘致政策に大きな影響を与えた(参考、クリスタルバレー構想)。また、液晶関連の需要の拡大に対応するため、姫路市の臨海部にある出光興産の製油所の跡地(130ヘクタール)に、亀山第二工場を上回る世界最大規模の液晶パネルの工場を新設する。[1]
液晶の技術を活かしてノートパソコンの生産等も行っている。パソコン黎明期において日本のパソコン業界大手の一社であった。また、ブラジルの現地法人「シャープ・ド・ブラジル」ではMSX規格のパソコンも製造していたこともあった (日本未発売)。
太陽電池・太陽光発電のモジュール生産量は世界一。また、国内では唯一の宇宙開発事業団認定企業である。現在では、環境先進企業を目指し、太陽電池事業を強化している他、工場でも排水を100%再利用するなどの取り組みを行っている。
一方、博覧会への出展は消極的で、国際博覧会に出展したのは1990年の国際花と緑の博覧会(花の万博、本社所在地の大阪市で開催)が唯一である。地方博を含めても1987年に同じく大阪市で開催された天王寺博覧会のケースがあるのみ。 大阪府吹田市で1970年に開かれた日本万国博覧会にも出展していない。これは奈良県天理市の総合開発センター立ち上げを優先させたもので、「千里より天理」というフレーズで語られている。 地球環境問題が主なテーマとなった2005年日本国際博覧会(愛知万博)への出展も無かった。(太陽発電モジュールが設置された可能性はあるが発表されていない)
また、最近ではシャープの30秒CMの殆んどが、シャープの環境への取り組みを伝えたCMになっている。(但し、AQUOS等の商品は、同時に宣伝している)
MM総研の発表では、2005年度(2005年4月~2006年3月)の国内携帯電話出荷台数シェアで、16.3%を確保して首位に立った。NTTドコモとソフトバンクモバイルのみの供給であるにも関わらず首位に立ったことは、現在の主流であるカメラ付き携帯電話のパイオニアであるからであろう。勢いで2005年にはウィルコムにスマートフォンW-ZERO3で参入し、爆発的ヒットとなった。さらに2006年9月にはauにもW41SHで参入した。
他の家電メーカーが相次いで石油ファンヒーター事業から撤退する中、唯一家電メーカーで石油ファンヒーター(除菌イオン付)の販売を継続していたが、2007年度春に撤退予定を発表した。
[編集] 主要商品
下記に製品カテゴリー別に記述する
- 映像音響機器
- 液晶テレビ
- ハイビジョンレコーダー「AQUOS」
- DVDプレーヤー
- ビデオテープレコーダー
- ホームシアターシステム
- ブラウン管テレビ - ブラウン管部分はOEM供給を受けている。
- 液晶カラーモニター
- 家庭用カムコーダー「液晶ビューカム」(DVカメラ2機種は生産終了)
- 1ビットデジタルオーディオ「Auvi」
- ミニコンポ
- MDラジカセ
- 1ビットデジタルアンプ(単品)
- スピーカーシステム 他
- ポータブルMD機器「MD-J」「Auvi」
- ボイスレコーダーなどメモリオーディオ
- ヘッドホンやマイク、ケーブルなどの各種オーディオ・ビデオアクセサリー
- 記録メディア
- 情報機器
- 生活家電
- 家庭用テレビゲーム機
- ファミコンテレビC1(現在は生産終了)
- スーパーファミコンテレビSF1(現在は生産終了)
- ツインファミコン(現在は生産終了)
- ファミコンステーション(現在は生産終了)
- ゲームボーイシリーズ液晶画面
- ニンテンドーDS液晶画面
- PSP液晶画面
- プロフェッショナル機器
[編集] 国内主要工場・研究所所在地
[編集] テレビ番組におけるCM放送
[編集] 通常版
- 2006年10月現在レギュラーで提供しているテレビ番組は土曜プレミアム(フジテレビ系)(筆頭スポンサー)報道ステーション(テレビ朝日系)の毎週月曜日のみである。(以前大改造!!劇的ビフォーアフターを提供していたが、ウッドワンの提供枠拡大と交換に一時毎週水曜日にも提供、2006年3月末で水曜日は一時降板している。)一社提供枠消滅後数年間はお正月3が日を中心に吉永小百合をCMタレントで起用した長秒CMだけを流していた時期もあったり、NNNきょうの出来事のスポンサーとして提供していた時期もあった(2002年~2004年頃)。フジテレビ系では、クイズ!ヘキサゴンII、クイズ$ミリオネア、(ともに提クレ自粛)、土曜プレミアム(筆頭スポンサー)などの番組で提供される。フジ系で30秒枠の場合、提供クレジットが表示されないことが多い。現在、テレビ朝日系以外の各キー局系はお正月3が日集中かスポットCMを中心にした広告展開となっている。
- AQUOSシリーズのCMはフルスペックハイビジョンの特性を表すためHD製作となっている。
[編集] 特別版
- 「納得コマーシャル 日本一短いクイズSHOW シャープに答えて!」(「納得コマーシャル シャープに答えて!」)
- 『笑っていいとも!増刊号』(2006年10月?まで)『笑っていいとも!』(2006年11月から金曜日。フジテレビ系)、土曜プレミアムなど一部の番組内において、クイズ番組形式の60秒CM「日本一短いクイズショー シャープに答えて!」が放送中である。司会はラサール石井(ピンク)で、解答者は磯野貴理(赤)、伊集院光(オレンジ)、山口もえ(緑)、さまぁ~ずの三村マサカズ(青)の4名。ちなみに後ろに居る観客席は48名。クイズ形式で自社の家電製品をプレゼンテーションする。内容は1ヶ月ごとに更新される。また、このCMの完全版はUSENが展開するパソコンテレビ『GyaO』のコンテンツのひとつにもなっており、「日本一短いクイズショー シャープに答えて!オリジナル完パケ版」として随時更新されている。
- 「日本一縦に長いクイズSHOW シャープに答えて!」(店頭限定)
[編集] 企業キャラクター(マスコットキャラクター)
「リッキーくん」というキャラクターがいたが、あまり知られることがなかったのか、2003年頃に密かに姿を消した。
[編集] 関連項目
- 電機メーカー
- パソコンサンデー
- シャープ・スターアクション
- SHARPワールドクイズ・カンカンガク学
- まわる!まわる!クッキング
- シャープと共に(沖縄県で放送されたラジオ番組)
- マンチェスター・ユナイテッド - かつてのユニフォームスポンサー。
- ファミリーコンピューター
- ゲームボーイ
- 男女雇用機会均等法
- NEW ERA BOWL(かつて、シャープカップ「平成ボウル」として開催)