南松本駅
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南松本駅(みなみまつもとえき)は、長野県松本市出川町にある東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)篠ノ井線の駅である。
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[編集] 駅構造
島式ホーム1面2線を有する地上駅。業務委託駅だがみどりの窓口があり、留置線、駅舎とホームを結ぶ跨線橋を有する。貨物の扱いがあるため構内は広い。
[編集] 貨物駅
JR貨物の貨物駅は、旅客駅の東側にある。1970年代に、付近の各駅に散在していた石油・セメント会社専用線を合理化のため当駅に集約したことから、多くの専用線が接続したが現存するものはごく僅かである。
- 取扱貨物
- コンテナ貨物 - 12ftコンテナ、20ft大型コンテナを取り扱う。
- 車扱貨物
- 産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の取扱許可を得ている。
- 駅構造
- 2面のコンテナホーム、2線のコンテナ荷役線、その他数本の留置線、着発線、仕分線を有する。本線脇の着発線に到着した貨物列車は、一旦村井駅方に引き上げた後、推進運転でコンテナホームに進入する構造になっている。
- 営業窓口であるJR貨物松本営業所を併設する。
- 専用線・構内側線
- 日本オイルターミナル松本営業所のタンク車用石油荷役設備へ続く側線があり、そこでは京葉地区の北袖駅・浜五井駅や、京浜地区の末広町駅・浮島町駅・根岸駅、中京地区の四日市駅より石油が輸送されてきている。
- ジャパンオイルネットワーク松本油槽所のタンク車用石油荷役設備へ続く専用線では、中京地区の塩浜駅から石油が輸送されてきている。
- 電気化学工業松本サービスステーションや、太平洋セメント松本サービスステーション、住友大阪セメント南松本サービスステーションの貨車用セメント荷役設備へ続く専用線もあり、順に青海駅・東藤原駅・本巣駅よりセメント輸送貨物列車が運行されていたが、2006年3月までにすべて廃止となった。
- 駅西側にある協同乳業松本工場までの専用線もあったが2002年頃に廃止となった。踏切は撤去されたが、今でも面影が残る。
- 隅田川駅・梶ヶ谷貨物ターミナル駅・名古屋貨物ターミナル駅・北長野駅方面へ1日1往復ずつコンテナ車で編成された高速貨物列車が運行されている。
- 千葉貨物駅・川崎貨物駅・根岸駅との間に1日1往復ずつ、塩浜駅との間に1日3往復、タンク車で編成された専用貨物列車が運行されている。四日市駅・塩浜駅との間には、タキ1000形貨車のみで編成された高速貨物列車が1日1往復ずつ運行されている。
- オフレールステーションである岡谷オフレールステーションとの間に1日3往復のトラック便が設定されている。
[編集] 利用状況
- 2005年度の1日平均乗車人員は1,372人であった。
[編集] 駅周辺
松本市の住宅地であり、住宅、商店がある。駅舎に隣接してヤマザキデイリーストアがある。
- 南松本駅前郵便局
- 国道19号
- ジャスコ南松本店
- 信濃むつみ高等学校
- 松本市総合社会福祉センター
- 松本市南部図書館・体育館
- 協同乳業松本工場
- ジャパンオイルネットワーク松本油槽所
- 日本オイルターミナル松本営業所
- 電気化学工業松本サービスステーション
- 宇部三菱セメント松本サービスステーション
- 住友大阪セメント松本サービスステーション
- 太平洋セメント松本サービスステーション
駅南側の宮田前踏切はJR貨物の作業のために日中は開かずの踏切となり、慢性的渋滞の要因を作る。踏み切りの前が信号機の無い交差点となっていることにも危険性が指摘されており、長野県はアンダーパスの整備を計画している。
[編集] バス停留所
- 松本電鉄バス
- 寿台循環線・国道塩尻線・寿台線・松原台線・内田線 - 南出川バス停徒歩約5分
- 朝日線・水代線 - 高宮バス停徒歩約15分
- かつては南市内線という循環線も走っていたが当駅の最寄バス停は上記のみ
[編集] 歴史
戦時中、軍需工場の輸送駅として開業した。松本駅の貨物扱いが廃止され、南松本駅に集約されてからは、貨物輸送ターミナルとして発展した。松本市街地の拡大により、通勤・通学の乗客も増加している。
- 1944年(昭和19年)9月1日 - 国鉄の駅として開業。旅客・貨物の取扱を開始。
- 1968年(昭和43年)6月1日 - 松本駅の貨物取扱業務を移管。
- 1971年(昭和46年)10月12日 - 構内に日本オイルターミナル松本営業所が設置される。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR東日本・JR貨物の駅となる。