根岸駅 (神奈川県)
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根岸駅(ねぎしえき)は、神奈川県横浜市磯子区東町にある東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)・神奈川臨海鉄道の駅である。
目次 |
[編集] 利用可能な鉄道路線
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
[編集] 貨物専用路線
[編集] 駅構造
- のりば
1 | ■根岸線 | 磯子・大船方面 |
2 | ■京浜東北線・根岸線 | 横浜・川崎・品川・東京・上野・大宮方面 |
■横浜線・根岸線 | 横浜・新横浜・町田・八王子方面 |
直営駅。みどりの窓口設置駅、自動券売機・自動改札設置駅となっている。売店としては、改札外、改札を出て左手(南側)すぐのNEWDAYS根岸店、改札内、改札を入って左手(北側)すぐのレッツキヨスク根岸1号店がある。かつてはホーム上横浜方でレッツキヨスク根岸2号店が営業を行っていたが、2006年5月31日をもって閉店、2007年1月に店舗が撤去された。
[編集] 利用状況
- 2005年度の1日平均乗車人員は19,828人であった。
[編集] 貨物取扱
当駅の南側には国内最大規模の製油所である、新日本石油精製根岸製油所が存在する。この製油所へ専用線(荷役線・仕分線)と、それに繋がる着発線・授受線が敷設されており、構内は同製油所にて精製され出荷される石油類輸送タンク車で溢れている。車扱貨物の取扱量は全国第1位を誇り(2003年度)、タンク車については多い時は1日500両近く裁いている。それらを短時間で手際よく裁くため、旅客ホームに隣接する着発線・授受線と新日本石油専用線の仕分線・荷役線との間で頻繁にタンク車の入換が行われている。専用線の総数は34本、最大収容車両数は375両。
また、空車として到着し、積車となって発送されていくまでの回転がとてもはやく、例えばダイヤ乱れ等で発送先で取り降ろした空車の到着が遅れたりすると、1日で根岸駅構内・新日本石油専用線共にタンク車がすぐになくなってしまうことさえあり、到着する空車待ちのためしばし発送が遅れることさえある。特に最近では、運用効率が向上したタキ1000形貨車の集中配置により回転率が上がったため、遅れた際はこの現象が顕著になってきている。
授受線(一部は着発線直接授受)~専用線内では日新の操車係と同社所有のスイッチャー(NDD5600形・D500形計4機)により入換・タンク車の編成組成が行われている。また、奥の専用線内では今では珍しいスイッチャーを用いた突放作業が行われている。1機のスイッチャーだけでは大量のタンク車を裁くのに時間がかかるため、取扱の多い時間帯は2機のスイッチャーが入換に従事する。なお、日新の操車係はグレーの作業着にオレンジのヘルメットを着用しているのが特徴である。
着発線・授受線内での入換は神奈川臨海鉄道がJR貨物より受託しており、JRの機関車を誘導・操車して根岸発着の列車の組成や入換作業を行っている。また、ここから本牧線へ直通する列車については、同社横浜機関区所属ののDD55形ディーゼル機関車が牽引する。神奈川臨海鉄道の操車係は青い作業着に黄色もしくは白のヘルメットを着用し、さらに視認性をよくするため蛍光帯を上から着用しているのが特徴である。また、神奈川臨海鉄道は入換業務以外にもJR貨物より根岸駅の貨物業務を受託しており、入換のほかでは根岸駅の貨物フロント業務なども行っている。その日その日で輸送量や貨車の手配などを根岸駅併設のJR東日本の根岸駅貨物分室の担当者と話し合い、運転の計画などを立てている。
構内は機関車、スイッチャー、貨車の入換の往来が大変激しく、各操車係ともポイント切替や構内の安全確認のため指差し点呼を厳しく励行し細心の注意をはらっている様子を伺うことができる。
当駅のタンク車は主に次の駅へと出荷している。当駅から直接着駅へ運ぶ列車のほか、中継駅を経て別列車に継承されて着駅へ運ばれる列車も存在するため、貨物時刻表に記載されている石油列車の行先の限りではない。
- 中央本線 - 八王子駅、竜王駅、辰野駅
- 篠ノ井線 - 村井駅、南松本駅
- しなの鉄道 - 坂城駅
- 信越本線 - 長野駅
- 高崎線 - 倉賀野駅(一部川崎貨物駅経由)、岡部駅(一部梶ヶ谷貨物ターミナル駅で別列車より継走)
- 東北本線 - 宇都宮貨物ターミナル駅
- 東海道線 - 三島駅
- 東海道貨物線 - 川崎貨物駅(交番検査を行う空車の貨車のみ)
出荷先は新日本石油及び日本オイルターミナルの内陸油槽所が中心で、その他の需要家への出荷として三島駅で取り扱う東レ三島工場へ送る重油、辰野駅で取り扱う豊島屋辰野油槽所へ送る軽油や灯油・ガソリン、長野駅で取り扱う新潟燃商長野油槽所へ送る灯油・重油などがある。但し、東レ三島工場へ発送する重油については、2007年度内に東レが使用燃料を重油よりLNGへと転換することを発表しており、2007年度内に廃止されることが見込まれる。
また、かつては現在よりも多くの駅へ出荷していた。1990年代以降に廃止されたものは下記の通り。
- 東北本線 - 郡山駅(1999年12月廃止、日本オイルターミナル向け石油輸送、仙台北港駅発に変更)
- 常磐線 - 神立駅(1998年10月廃止、新日本石油向け石油類輸送)
- 鹿島鉄道線 - 榎本駅(2001年8月廃止、航空自衛隊向け航空燃料輸送)
- 高崎線 - 吹上駅(2002年3月廃止、新日本石油向け石油類輸送)
- 上越線 - 渋川駅(2005年8月廃止、関東電化工業渋川工場向け石油類輸送)
- 信越本線 - 二本木駅(2000年頃廃止、日本曹達二本木工場向け液体硫黄輸送)、沼垂駅(2006年廃止、新日本石油加工新潟工場向け潤滑油輸送)
コンテナ貨車については、すべての列車が神奈川臨海鉄道本牧線の横浜本牧駅または本牧埠頭駅発着の列車で、当駅は中継駅となっている。このため、直接の荷役等は行わない。
一部列車ではタキ1000形式貨車のみで編成組成された最高速度95km/hの高速石油列車も設定されており、EH200形電気機関車を主に用いて石油の速達に一役買っている。現在、根岸駅を発着する貨物列車の編成は石油列車で最大28両、コンテナ列車で最大20両となっており、28両編成の石油列車は冬季の石油繁忙期に特に灯油需要が急増する宇都宮貨物ターミナル駅発着の列車で見られる。(勿論、天候等によって組成量数は左右される。)
[編集] 駅周辺
海側には工業地帯、山側には住宅地が広がる。駅前広場にはバスなどが発着し、それを囲むようにしてマンションなどが林立しているが、1980年頃までは空き地が目立っていた。
- 新日本石油精製根岸製油所
- 東急ストア
- 根岸森林公園(旧横濱競馬場)
- 横浜プールセンター(通称「マンモスプール」)
- 衛生看護専門学校(駅前校舎は閉鎖され、当駅より山手駅側に歩いてすぐの旧日赤病院隣に移転)
- 根岸中学校
- 根岸小学校
- 根岸駅前郵便局
- 首都高速道路湾岸線
- 米軍根岸住宅
[編集] 路線バス
- 1番乗り場
- 2番乗り場
- <21> 桜木町駅前(旭台・元町経由)
- <103> 横浜駅前(旭台・石川町5丁目経由)
- 4番乗り場
- <21> 市電保存館前
- <78> 磯子駅前(浜小学校前経由)
- <133> 上大岡駅前
- <深夜> 浜小学校前(岡村町・給水塔前経由) ※平日・土曜のみ
- <135> 根岸駅前(馬場町経由脳血管医療センター循環)
- 5番乗り場
- <58,99> 磯子車庫前(磯子駅前経由)
- 7番乗り場
- <97> (急行) 北通り ※平日土曜朝のみ
- <97> 根岸駅前(北通り経由外回り循環・内回り循環)
- 9番乗り場
- <54> D突堤入口(本牧市民公園前経由)
- <54> 桜木町駅前(本牧市民公園前・小港経由)
- <91> (急行) 三菱本牧工場前 ※朝のみ
- 10番乗り場
- <54> (急行) 日産工場前・本牧車庫(日産工場前経由) ※平日朝のみ
- <54> (急行) 根岸駅 ※平日朝のみ
[編集] 歴史
- 1964年(昭和39年)5月19日 - 国鉄根岸線の駅として開業。
- 1964年(昭和39年)6月1日 - 高島線鶴見~桜木町間全通に伴い貨物取扱を開始。
- 1968年(昭和43年) - 横浜市電の三景園~八幡橋間廃止に伴い、根岸駅前駅も廃止。
- 1969年(昭和44年)10月1日 - 神奈川臨海鉄道本牧線が開業し当駅に接続。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道・日本貨物鉄道の駅となる。
[編集] 整備計画
2000年、運輸省(当時)内の運輸政策審議会答申第18号で、2015年までに横浜環状鉄道の整備に着手する事が答申された。
このうち、元町・中華街駅から中区の本牧地区を経由して根岸駅まで横浜高速鉄道みなとみらい線の延伸が計画されているが、採算性への疑問などから凍結状態である。また、根岸駅から上大岡・二俣川方面へは、中山-日吉間で2008年3月末の開業を目指している横浜市営地下鉄グリーンライン(4号線)の延伸も含め、路線の整備方式や経営主体が未決定で、こちらも完成時期は目処が立っていない。
[編集] 隣の駅
- 神奈川臨海鉄道
- 本牧線
- 根岸駅 - 横浜本牧駅