戯言シリーズ
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戯言シリーズ(ざれごと-)は、西尾維新/著、竹/イラストのライトノベル。講談社ノベルス刊。「新青春エンタ」を標榜している。全6タイトル9冊。
主人公である「ぼく」の独特な口回しとインパクトの強いキャラクターが人気を博し、宝島社「このライトノベルがすごい! 2006」では堂々の1位にランクインした。また、最終話である「ネコソギラジカル」では、三ヶ月連続刊行を予告していたが、実際には1年以上掛かってしまったと言う逸話がある。
また、作品内に登場する殺人鬼集団「零崎一賊」を中心とする『戯言シリーズ以前の話』、「零崎シリーズ(人間シリーズ)」が講談社刊行のファウストで連載中である。
目次 |
[編集] 既刊一覧(完結済)
- クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い ISBN 4-06-182233-0
- クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 ISBN 4-06-182250-0
- クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 ISBN 4-06-182267-5
- サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し ISBN 4-06-182283-7
- サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄 ISBN 4-06-182284-5
- ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 ISBN 4-06-182323-X
- ネコソギラジカル(上) 十三階段 ISBN 4-06-182393-0
- ネコソギラジカル(中) 赤き征裁 vs. 橙なる種 ISBN 4-06-182399-X
- ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い ISBN 4-06-182400-7
[編集] 関連書籍
- 西尾維新クロニクル ISBN 4-7966-5092-X
- 戯言シリーズ完結記念に発行されたファンブック。宝島社刊。
- 戯言キャラクター大図鑑・戯言プログラムの進級試験・西尾維新ロングインタビュー・荒木飛呂彦・北山猛邦との対談・四国巡礼の旅・書き下ろし小説『ある果実』(イラスト・日本橋ヨヲコ)等を収録。
- ザレゴトディクショナル ISBN 4-06-182489-9
- 約15万字収録の「戯言シリーズ」専門の辞典。辞典というより裏話集に近い。全ページ袋綴じになっている。巻末には竹氏による四コマ漫画「戯言一番」が収録されている。
[編集] 関連作品
- 零崎双識の人間試験 ISBN 4-06-182359-0
- 講談社のウェブサイト上で連載された短編が単行本化されたもの。
- 本の裏表紙にスペシャル・ファンディスクとしてCD-ROMがついており、壁紙やアイコンが収録されている。
- 零崎軋識の人間ノック ISBN 4-06-182509-7
- 「ファウスト」誌上で連載されたものが単行本化されたもの。
- でっち上げカードゲーム「零崎一賊の人間コロシアム」六枚が付属。
- 零崎曲識の人間人間
- 「メフィスト」誌上で2007年4月から連載予定。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
「ぼく」は19歳、大学生。あるとき、友人である玖渚友の付き添いとして、日本海に浮かぶ孤島、『鴉の濡れ羽島』にやってきた。そこで出会う天才達。そして起こる密室殺人事件……。
孤島から帰ってきて数日後、「ぼく」は一人の女性に会う。彼女は『人類最強の請負人』哀川潤。彼女との出会いが、「ぼく」の生活を変化させていく。
[編集] 作品内の世界
作品内の人物、玖渚友の説明によれば作品内の世界は大きく四つに分けられる。
- 表世界(平和で戦争な世界)…一般的な日常世界。
- 暴力の世界…異形・異端・異能こそが支配する無秩序の世界。
- 政治力の世界…一種の結社みたいなものでその力は横向きに広い。
- 財力の世界…表世界に一番近い世界。
以下、この区分けによって登場人物を説明する。
[編集] 表世界の登場人物
[編集] 「ぼく」と関係者
- ぼく(語り部)
- 『戯言遣い』・『欠陥製品』・『無為式』・『詐欺師』・《人類最弱》。主人公。あだ名は「いーちゃん」等、多数。語り部。3月生まれ。本名不明。「ネコソギラジカル」で名前を名乗るシーンがあったが、「×××××」と伏せ字にされていた。萩原子荻(後述)曰く、変わった名前らしく、作者西尾維新曰く、良い名前らしい。19歳。神戸出身。血液型はAB型のRhマイナス。
- 中学2年から5年間ER3システム(後述)に在籍していたが、親友・想影真心の死をきっかけとして中退。現在は骨董アパートの2階の部屋を借り、京都の鹿鳴館大学に通っている。記憶力がとても弱い、日本地理に詳しくない、意外と惚れっぽい、メイドマニア、華奢で女装が似合う、アホ毛がある等の特徴を持つ。他人を落ち着かせない才能の持ち主である。騒がしいのは嫌いだが、ER3在籍中、三好心視(後述)が同機関を辞めた記念に開かれたパーティだけは積極的に参加した。その席でウォッカを一気飲みしたことで急性アルコール中毒になって以来、アルコールを自主的に避けている。運転免許はAT限定のみ所持。無免許でいいなら何でも運転できる。元は左利きだったが、矯正して右利きになり、ある時嫌いな教師が「箸を持つのは右手だ」と言った事に反発して左利きに戻し、後に両利きになった(ただし、本人曰くこれは嘘)という、ややこしい利き腕の持ち主であり、正確な利き腕が判断できないことから左右の判断が苦手。本来の利き腕の左の方が力が強い。4年後の最終章では請負人となる。ちなみに、「このライトノべルがすごい!2005」、「このライトノベルがすごい!2006」では、2年連続、男性人気キャラクターランキング1位、「このライトノベルがすごい!2007」では、男性人気キャラクターランキング2位となった。物語の中で、一番謎が多いキャラクター。
- クビツリハイスクールで萩原子荻と名前当てクイズをするが、様々な回答があるため、正確な名前は判別不能。
- 想影真心(おもかげ まごころ)
- 《人類最終》・『橙なる種』。ERシステム時代の「ぼく」のルームメイト。「MS‐2」が、非人道的な数多くの人体実験を繰り返し、奇跡的に作り上げた、『死色の真紅』を越える人類の最終存在。
- 「ぼく」を本名で呼んだ事のある数少ない人物の一人でもある。意志の強そうな太い眉、挑戦的な吊り目、輝くオレンジ色の髪と瞳、荒縄のような三つ編み、子供のような体躯、アホ毛が外見的特徴である。一人称は「俺様」。"万能"とされており、1回見た技ならば全て使うことが可能である。実験で体中をいじくり回されたあげく、「ぼく」の目の前で紅蓮の業火に焼かれ死んだとされていたが、「ネコソギラジカル」で「ぼく」との再会を果たした。零崎一賊を(ほぼ)全滅させた。哀川潤と壮絶な死闘を繰り広げた末、敗北。4年後は石丸小唄の仕事を手伝わされている。
- 井伊遥奈(いい はるかな)
- 「ぼく」の妹。しかし幼くして玖渚機関に誘拐された為、「ぼく」は玖渚友に会うまで彼女の存在を知らなかった。また「ぼく」は長い間、妹だということは知らずに彼女と近くで暮らしていたという不思議な逸話がある。「ぼく」を本名で呼んだ事のある数少ない人物の一人。飛行機同士の正面衝突事故で死亡した。
[編集] 骨董アパートの住人
骨董アパート…三階建てのアパートで、「ぼく」が住んでいる。想影真心により一度破壊されたが、再建され塔のようなマンションになった。
- 浅野みいこ(あさの みいこ)
- 「ぼく」の隣人。22歳。フリーター。剣道家で剣術家。侍のようなポニーテールをしている。
- 普段は甚平を着ているが、人と出かける時は気を遣い普通の服を着る。世話好きでお人よしなのが長所であり、また短所でもある。鈴無音々と仲が良い。いつも朴訥とした表情をしており、あまり感情を顔に出さない。一度記憶した情報をなかなか修正できないらしく、未だに「ぼく」の嘘を信じてシェイクスピアの事をマックシェイクの一種だと思っている。愛車はフィアット 500(ナンバーは「京都20 に 40-14」と"京都の二十歳、西尾維新"の語呂合わせになっている)であり、「ぼく」もよく借りている。甘い物が好き。
- イラストでは、常に猫(名前不明)とともに出てきている。煙草が苦手だが、なぜか煙管を銜えているイラストがある(作者曰く「伊達煙管」)。趣味は病的なまでの骨董品集め。バイトでお金を貯めて買うのであるが、よくバイトを首になる。近所の子供や近くの学校の剣道部などに剣道を教えていたりもする。
- 闇口崩子(やみぐち ほうこ)
- 骨董アパート3階に兄(異母兄妹)・石凪萌太と住んでいる美少女。「ぼく」の推定では、身長138cm、体重32kg。4月16日生まれ。13歳。血液型はO型のRhマイナス。10歳まで、北海道に住んでいたが、家業(殺し名「闇口」)に反発して家出してきた。闇口憑依(後述)の娘。
- 何事にも容赦がない。肉を食べないベジタリアン。煙草の煙をなにより嫌う。中学校には通っておらず、図書館に通う日々。乗り物に乗るとよく寝る。趣味は小動物の殺害。好きな場所は鴨川公園(もちろん狙いは鴨と鳩)。丁寧語を話す冷静沈着な美少女。「ぼく」には、ネコソギラジカルで絶対服従を誓っている。「ぼく」の抱きまくら。最終章では、「ぼく」の仕事を手伝いながら養われている。
- 石凪萌太(いしなぎ もえた)
- 『死神』。骨董アパート3階に妹(異母兄妹)・闇口崩子と住んでいる長髪の美少年。15歳。身体中に傷跡がある。口調は常に丁寧語。ヤバ系の地獄主義者。
- 妹同様、家業(殺し名「石凪」)に反発して家出してきた。未成年だが煙草を吸い、アルバイトもしている。「死神」なだけあって、人間の魂の居場所を感知できる。武器には水玉模様の大鎌(デスサイズ)を使用していた。下着まで水玉柄かもしれない人。子供時代には、「闇口」と手を組み、闇口崩子のかわりに働いていた。その際に零崎軋識と対面したことがある。
- 闇口濡衣に殺されかけた「ぼく」をかばった崩子をかばい死亡した。
- 七々見奈波(ななななみ ななみ)
- 骨董アパート1階に住む、『最悪の魔女』。浪士社大学に通っている。よく人を騙す。が、アパートの皆からは信頼されている。最終章では、大学を中退し漫画家になっている。
- 隼荒唐丸(はやぶさ こうとうまる)
- 骨董アパート3階に住む、筋肉質の伴天連(ばてれん)じいさん。DJ兼ラッパーで、見ているだけで楽しめるファンキーな老人。だが、危険なので、決して近づいてはいけない。浅野みいことよく喧嘩していたが、4年後には少し和解している。
[編集] 鹿鳴館大学クラスメイト
- 葵井巫女子(あおいい みここ)
- 4月20日生まれ。「ぼく」の推定だが、身長155cm前後、体重50kg前後、血液型はB型。
- 常に気持ちはハイテンション。特に感情が高ぶると、付近にあるものを殴る癖がある。愛車はベスパ(白のヴィンテージモデル)。ただし彼女は"ラッタッタ"と呼んでいる。口癖は、「≪~、ただし~≫みたいなっ!」(超比喩)(例「《素人探偵浅黄蝉丸、密室首切り殺人事件を即座に解決、ただし犯人現行犯》みたいなっ!」)。酔うと脱ぎだすらしい。「ぼく」に恋心を寄せていた。巫女子が自分の首に紐を巻きつけている「クビシメロマンチスト」の表紙は、さりげなくネタバレになっている。
- 江本智恵(えもと ともえ)
- 5月14日生まれ。20歳。髪型はツインテールで、大人しそうな印象を持つ女の子。光物が好き。
- 京都・西大路丸太町あたりのマンションに一人暮らしをしている。中学時に長期入院のため、1年、留年している。貴宮むいみ曰く、かなりヤバイ病気だったらしい。巫女子とは、高校からの付き合いで、彼女は巫女子を"憧れの存在"と言っている。酔うとキス魔になるらしい。「ぼく」は彼女に少なからず興味をもっていた。葵井巫女子に殺された。
- 貴宮むいみ(あてみや むいみ)
- ヤンキーで、茶髪のソバージュにジーンズと男前なファッション。
- 「無理」と言う名前の妹がいる。小学生のころから煙草を吸っているのに、長身。葵井巫女子とは小学校からの付き合い。煙草は、吸わない人の前では吸わない主義。
- 宇佐美秋春(うさみ あきはる)
- 葵井巫女子とは高校からの付き合い。茶髪。
- あまりにも普通すぎるせいか、「ぼく」になかなか顔を覚えてもらえない。普段は軽佻浮薄だが、貴宮むいみ曰く「かなりエグい性格」との事。貴宮むいみに殺された。
[編集] 一般人
- 石丸小唄(いしまる こうた)
- 大泥棒。根尾古新(後述)曰く、かつては『七本槍』という異名で呼ばれていたらしい。
- 長い三つ編みが特徴。デニムを穿いている。「十全ですわ」と「お友達(ディアフレンド)」が口癖。性格は悪くないが、性悪。斜道研究施設の根尾古新とはビジネスライクな関係。哀川潤にライバル意識を燃やしている。「ぼく」があちら側の世界へ働きかける際大いに頼りにしている。
- 鈴無音々(すずなし ねおん)
- 浅野みいこの親友。25歳で、血液型はA型。身長は189cm以上の長身。
- 比叡山の延暦寺でバイトしている『破戒僧』。その筋では『ブラックアウト鈴無』、『バイオレンス音々』などと呼ばれる、脳神経のぶち切れたイカスお姉ちゃん。嫌われ役をさせたら右に出る者はいない。小学校を中退している。都道府県が全部言えない。美少女好き。斜道卿一郎研究施設訪問時には「ぼく」と玖渚友の保護者として同行した。寝るときは何故かチャイナドレスを着用。若いのに説教好き。「ネコソギラジカル」では、唯一登場人物紹介に名前が載せられなかった(作者の誤植)。
- 形梨らぶみ(かたなし らぶみ)
- 「ぼく」が頻繁に入院する病院の看護師(看護婦と呼ぶと怒る)。ミニスカートのナース服(服務規程違反)に眼鏡が特徴。いつも異常にテンションが高い。隠れ名探偵。密室萌え。メイドラブ。今まで読んだ密室の数を覚えているという。
- 木賀峰約(きがみね やく)
- 国立高都大学人類生物学科助教授。人類博士及び、生物博士。
- かつて師事していた西東天の「死なない研究」を自主的に引継ぎ、現在もなお、円朽葉を実験体に「死なない研究」を取り組んでいる。口癖は「~であろうことをこの私はあらかじめ予測していました」。 運命論者。匂宮出夢に殺された。
- 円朽葉(まどか くちは)
- 『死なない少女』。木賀峰助教授の「死なない研究」の実験体。かつて西東天が研究の為に買い取った。
- 見た目は高校生ぐらいだが、実年齢は約800歳相当とされる。西東天に買われるまでは、金持ちのペットだった。口の悪い、さばけた性格。おすすめのあだ名は「ちっぱー」。匂宮出夢に殺された。
- 浮雲(うきぐも)
- 骨董アパートの1階に住んでいた人物。歌手の卵であったが、メジャーデビューが決まり上京した。
- 本名朝日(ほんな あさひ)(偽名)
- 本名不明。女子高生で、「ネコソギラジカル」最終章だけに出てくる。桜葉高校2年生。
- ネットで「ぼく」の存在を知り、請負人である彼に依頼しに訪れた。ちなみに、西尾維新の別作品である「きみとぼくの壊れた世界」の主人公、櫃内様刻の妹「櫃内(ひつうち)夜月」の名前と対になっている。
- 柘植慈恩(つげ じおん)
- 無桐伊織(後述)のクラスメイト。伊織に好意を持っていた。髪の毛を薄く脱色しており、耳や手首や指に派手派手しく銀色のアクセサリーをつけている。人識によって殺害される。人間試験は合格。
- 夏河靖道(かがわ やすみち)
- 伊織のクラスメイト。活発でテンション系。あだ名は「やすちー」。慈恩曰く「スポーツマンぶった、むかつく男」。空操人形として操られてた。伊織が初めて殺した人物。人間試験は不合格。
- 沢岸徳彦(さわぎし とくひこ)
- 伊織の通う高校の傍を走っている路線の電車内で死亡していた男。27歳。死体は鋭利な刃物でこれでもかというくらいズタズタに切り裂かれていた。伊織とは何も接点は無いが、伊織はこの男に共感に近いものを憶えた。空操人形として操られてた。人間試験は不合格。
- 有浜夜子(ありはま よるこ)
- 北田倉彦(きただ くらひこ)
- 梶埜窓花(かじの まどか)
- 雅口紘章(まさぐち ひろあき)
- 上月真弓(こうづき まゆみ)
- 池橋陸雪(いけばし りくゆき)
- 双識が伊織の家に投げ込んだ6つの生首。背の低い小学生くらいの少女、壮年の男、若いOL、金髪の若者、主婦のような中年女性、スポーツマン風の青年。空操人形にされた。人間試験は不合格。
- 無桐博文(むとう ひろふみ)
- 伊織の父親。早蕨薙真の手によって殺害。詳細不明。人間試験は合格。
- 無桐美春(むとう みはる)
- 伊織の母親。早蕨薙真の手によって殺害。詳細不明。人間試験は合格。
- 無桐羽燕(むとう はつばめ)
- 伊織の姉。早蕨薙真の手によって殺害。詳細不明。人間試験は合格。
- 無桐剣午(むとう けんご)
- 伊織の兄。早蕨薙真の手によって殺害。詳細不明。人間試験は合格。
[編集] 斜道卿壱郎研究施設研究局員
斜道卿壱郎研究施設…愛知県某市に存在する研究所。正式名称「斜道卿壱郎数理論理学術置換ALS研究機関」。昔は、北海道にあった。
- 斜道卿壱郎(しゃどう きょういちろう)
- 斜道卿壱郎数理論理学術置換ALS研究機関・機関長。『堕落三昧(マッドデモン)』。63歳。
- マルチな科学者で、その専門分野は多岐にわたる。マッドサイエンティスト。玖渚機関のバックアップの元、「特異性人間構造研究(ウルトラヒューマノイドドグマ)」…兎吊木垓輔(後述)を使用した天才製造企画を実行していた。傲慢でプライドが高く、玖渚友を憎々しく思っている。研究施設崩壊後の詳細は不明。
- 宇瀬美幸(うぜ みさち)
- 斜道卿壱郎の秘書。小柄で、眼鏡をかけている。普段は冷静沈着で物静かな女性だが、石丸小唄(哀川潤)の挑発に簡単に乗るなど、熱い一面も持つ。拳銃(ジェリコ941)を持っていたが、後に「ぼく」の手へ渡る。大垣志人とは恋人関係。
- 大垣志人(おおがき しと)
- 斜道卿壱郎の助手。16歳。童顔だが、目つきは悪い。視神経の異常により視力疾患を患い、視力が悪く眼鏡をかけている。ノリツッコミが上手い。宇瀬美幸とは恋人関係。
- 春日井春日(かすがい かすが)
- 斜道卿壱郎研究施設の研究局員。何の理由も何の信念もなく行動できる人間。神出鬼没で、サイコロを振ったような性格。動物全般を専門とする生物学者。研究者としても一流で、七愚人の候補になったこともあるが、性格で落とされる。抑揚のない、読点がないしゃべり方をする。何故かメイド服をもっている。黒い大型犬の犬を、3頭飼っている(1匹は「ぼく」の手によって殺害)。
- 斜道研究施設崩壊後、「ぼく」の所に行くが、その後鴉の濡れ羽島に行く。更にその後、木を切り倒してイカダを作るなどして島から脱出・逃走を繰り返すなど意外とアウトドア派。ちなみに大垣志人にノリツッコミを仕込んだ張本人。
- 三好心視(みよし こころみ)
- 斜道卿壱郎研究施設の準機関長。小学校高学年で、動物解剖学の博士号を取った天才肌の学者。関西出身で、31歳。専門及び趣味・嗜好は解剖。
- かつてER3システム計画プログラム部門で教鞭を振るっており、「ぼく」がER3に在籍していたときの恩師。ER3システムの若き才能達を次々と中退に追いやった事から『青田狩り』と呼ばれていた(そして彼女が辞めるまでその下に付き続けた「ぼく」に付いたあだ名は『切腹(ハラキリ)マゾ』)。ER3システムの「MS-2」という機関で《橙なる種》の開発計画において重要な役割を果たしており、想影真心の「真心」という名は彼女の名に由来している。斜道研究施設崩壊後、ER3に復帰。
- 根尾古新(ねお ふるあら)
- 斜道卿壱郎研究施設の研究局員。髪型はさっぱりしているが、かなりの肥満。だが見た目は貴族のような感じ。饒舌で、芝居がかった道化性質。甘党。
- しかしその実体はスパイ。大きなサーキットから派遣された全権大使。自称『内部告発の達人! 裏切りの有段者! 秘密工作の専門家! 背徳の体現者!』。石丸小唄とはビジネスライクな関係。
- 神足雛善(こうたり ひなよし)
- 斜道卿壱郎研究施設の研究局員。前髪が顔を隠すほど髪がとても長いが、手入れをしている様子は無く、ただ伸ばしている状態。兎吊木垓輔によって殺された。
[編集] 警察関係者
- 佐々沙咲(ささ ささき)
- 刑事。斑鳩とコンビを組んでおり、哀川潤とはビジネスライクな関係。京都府警捜査第一課所属。髪型は黒のストレート。頭脳明晰。クール。
- 斑鳩数一(いかるが かずひと)
- 刑事。佐々とコンビを組んでおり、哀川潤とはビジネスライクな関係。京都府警捜査第一課所属。黒のスーツにサングラス、髪型は黒のオールバック。高身長で足も長い。
[編集] ER3システム・七愚人(ななぐじん)
ER3システム…邦名「大統合全一学研究所」。世界中の頭脳という頭脳が集結し、ありとあらゆる分野にわたり、研究・学問と名のつくもの全てに手を出している《学術のさい果て》と呼ばれる場所。完全な非営利組織で、三大欲より知識欲の方が強い、一種・二重の意味で頭の切れた非人間達の巣窟。
七愚人…ER3のトップ7「フール・オブ・ザ・シーズ」の邦訳。《天才の中の天才》達。人間は本来7までしか数を認識できないという逸話が由来。
- ヒューレット助教授
- 「七愚人」の一人及び「七愚人」の最上位に当る人物。一桁の年齢で世界の全ての学問を”極め終わった”空前絶後の男。20世紀及び、21世紀最大の才能を誇る。大統領並みの免罪特権が与えられており、その頭脳は国をあげて保護されている。「ぼく」曰く、”宇宙の仕組みそのもの”。
- 西東天(後述)の師。
- フロイライン・ラヴ
- 「七愚人」の一人。園山赤音(名前の無い彼女)が、世界で二番目に頭がいいと言った人物(ザレゴトディクショナルでは自分の次に頭がいいと言ったと書いている)。
- 園山赤音(そのやま あかね)
- 「七愚人」の一人。日本人で初めて、しかも二十代の若さで七愚人に上り詰め、日本人女性で最も高い地位にいる。空手は全国優勝の腕前。
- 鴉の濡れ羽島に招待された人々(後述)を参照。
- サイトウ
- 園山赤音の引退後、「七愚人」の一人となった日本人。詳細不明。
[編集] 暴力の世界の登場人物
- 殺し名(ころしな)…「匂宮(におうのみや)」、「闇口(やみぐち)」、「零崎(ぜろざき)」、「薄野(すすきの)」、「墓森(はかもり)」、「天吹(てんぶき)」、「石凪(いしなぎ)」。
- まとめて「殺し名七名」と言うことがある。序列順に第一位、第二位……となる。
- 暴力の世界において、圧倒的な殺人能力を誇る。
- 呪い名(まじないな)…「時宮(ときのみや)」、「罪口(つみぐち)」、「奇野(きの)」、「拭森(ぬくもり)」、「死吹(しぶき)」、「咎凪(とがなぎ)」。
- まとめて「呪い名六名」と言うことがある。序列順に第一位、第二位……となる。
- あらゆる戦闘を拒絶する非戦闘集団。しかし、殺さないというのは、直接手を下さないという意味でしかなく、実際には敵どころか味方を含めて欺き通す忌むべき呪われた存在。それぞれが「殺し名」の対極の対極の対極に位置するが「零崎」に対応する呪い名だけがない
[編集] 匂宮
《匂宮雑技団》。殺し名第一位。相手が誰であっても頼まれれば殺す。殺戮奇術の『殺し屋』集団。分家筋も多く、「早蕨」「澪標」等、五十三家が存在する。ちなみに名字は源氏物語の各帖の名に由来。分家を含めれば最大の組織力を誇り、しかも本家「匂宮」だけでも残る全ての殺し名と呪い名を相手にしても引けを取らない強大な戦力を持つ。対極の「時宮」を見たら薙ぎ払うように仕込まれている。主に兄弟姉妹で仕事をする。(ただし匂宮出夢のみ二重人格故に例外として認識されていた。) 彼らの前ではどのような常識も偏見も無意味。対極の対極の対極は『時宮』。
- 匂宮理澄(におうのみや りずむ)
- 匂宮出夢の妹で、出夢の片割れ。黒マントに拘束衣。職業は「名探偵」。16歳(肉体年齢は22歳)。
- 「調査(フィールドワーク)」を専門とする「人喰い(カーニバル)」。偏った「弱さ」を持つ。食事を忘れてよく失神する。殺傷能力は皆無。惚れっぽい。口癖は「大好きっ!」、「~だねっ!」。愛車はカタナ(大型二輪)。十三階段(後述)の元メンバー。
- 匂宮出夢(におうのみや いずむ)
- 匂宮理澄の兄で、理澄の片割れ(人格は男性、肉体が女性)。18歳(肉体年齢は22歳)。
- 「殺戮(キリングフィールド)」を専門とする「人喰い(マンイーター)」。「匂宮雑技団」団員No.18、第十三期イクスパーラメントの功罪の仔(バイプロダクト)。
- 殺し屋の中の殺し屋。偏った「強さ」を持つ。ぶち切れた(壊れた)性格。かなりのキス魔でシスコン。必殺技は両の腕から繰り出される平手打ち、一撃必殺「一喰い(イーティングワン)」。これを両手で相手を挟み込む様に放つのが最終技「暴飲暴食」だが、威力があまりに強力な為、両の腕を拘束し、殺戮は1日1時間と決めている(ただし腰の回転がないため「暴飲暴食」よりも「一喰い」のほうが威力は高い)。戦闘能力だけに限れば人類最強(哀川潤)をも凌ぐ。竹取山での決戦以降、零崎人識に興味を持ち追い回すようになる。十三階段(後述)の元メンバー。
- 早蕨刃渡(さわらび はわたり)
- 早蕨三兄妹の長兄。早蕨薙真の双子の兄。『紫に血塗られた混濁』の異名を持つ。太刀遣い。近距離戦術専門。
- 無口で、紫色のサングラス、髑髏マークの入った野球帽を被っている。身体中につけられた様々なアクセサリーが特徴的。古風な口調で話す。「時宮」に協力を仰ぎ、零崎一賊に仇討ちを挑んだ(とは言っても仇討ちは薙真のみの本懐)。
- 兄妹3人の中でも特に実力が抜きん出ており、西東天からスカウトされたこともある。
- 早蕨薙真(さわらび なぐま)
- 早蕨三兄妹の次男。早蕨刃渡の双子の弟。大薙刀を使う、薙刀遣い。中距離戦術専門。
- 服装は稽古着に袴姿。女性的な顔立ちに、和風な眼鏡、長髪を白いハチマキで結んでいる。兄の刃渡と違って、感情的な一面もある。普段は丁寧口調だが地は乱暴な口調。ナルシスト。
- 早蕨弓矢(さわらび ゆみや)
- 早蕨三兄妹の末っ子。自分の存在価値を求め続ける少女。名前の通り、弓矢を利用した戦術が得意。遠距離戦術専門。
- 兄・刃渡を心から愛している。零崎人識によって殺害されたといわれている。
- 澪標深空(みおつくし みそら)
- 澪標姉妹の一人。十三階段(後述)参照。
- 澪標高海(みおつくし たかみ)
- 澪標姉妹の一人。十三階段(後述)参照。
- 断片集(フラグメント)
- 五つの肉体に一つの精神を宿らせた殺し屋。
[編集] 闇口
《闇口衆》。殺し名第二位。己がこれと決めた主君のためなら、どんな行為にも及ぶ『暗殺者』。そこには計算も計画も限度も限界も無く、異常なまでのの忠誠心で命じられた殺人を実行する。対極の対極の対極は『罪口』。
- 闇口崩子(やみぐち ほうこ)
- 家業に反発し家を出た。骨董アパートの住人(前述)を参照。
- 闇口濡衣(やみぐち ぬれぎぬ)
- 噂に名高い人物だが、その姿を見た者は一人もいない典型的な「闇口」。十三階段(後述)参照。
- 闇口憑依(やみぐち ひょうい)
- 闇口濡衣の実姉。和装の美女。弟とは異なり普通に姿を表し使命を実行する。空蝉の術が使えることから、『空蝉の憑依』の異名を持つ。主人以外の誰からも攻撃を受けた事も、触れられた事も無いのが売り。口癖は「若い」。
- 闇口崩子の母。
[編集] 零崎
《零崎一賊》。殺し名第三位。理由無く人を殺し、一賊に仇なす者は皆殺し。人殺しをする事を普通と考える『殺人鬼』。血の繋がりではなく流血によってのみ繋がる。この世で最も敵に回すのを忌避される醜悪な軍隊にして、この世で最も味方に回すのを忌避される最悪な群体。人数は大体20~25人程度。それぞれが四字熟語のふたつ名を持つ。殺し名で唯一対極となる呪い名をもたない。想影真心に(ほぼ)全滅させられたといわれている。
- 零崎人識(ぜろざき ひとしき)
- 零崎一賊同士(血縁関係は無い)の近親相姦によって生まれた純粋な殺人鬼。零崎の中の零崎。5月13日の金曜日に「ぼく」と出会う。「ぼく」に『人間失格』という異名をつけられる。「ぼく」の対偶的存在。零崎になる前の名前は「汀目俊希(みぎわめ としき)」。顔面(右の頬)に刺青を彫り、右耳に三連ピアス、左耳に携帯ストラップをつけている。身長は150cm弱。アホ毛がある。甘党の胃袋キャラ。自称犬好き。好みのタイプは背の高い(身長170センチメートル以上の)女性。好みのタイプは殺さない。放浪癖がある。
- ダガーナイフ、ドローイングナイフ、サバイバルナイフ、鍵開け用の鋸状ナイフ(アンチロックドブレード)などを所有する。ちなみに、鍵開け用の鋸状ナイフは、150万円相当する。また、数年前に『病蜘蛛(ジグザグ)』と共同戦線を張った時に、曲弦糸をマスターした。射程距離は3m以内。京都連続通り魔殺人の犯人であり、ナイフで素早く殺害した後、死体を解体、金品を奪って逃走を続けていた。被害者は計12人。零崎双識以外は家族とは思わない。通っていた中学校は、その周辺ではかなり名の知れた私立進学校だった。テストの日に零崎双識に連れさられ休んだことがある。中学までは普通に暮らせていた。
- 絵本園樹をとてつもなく怖がっており(正しくは服装と性格に退いている)ある程度は常人と同じ感性を持っているもよう(例・水着にマフラー姿の絵本におびえる。徹底的に破壊された骨董アパートを見て呆然とする)。零崎の唯二の生き残り(もう1人は舞織)。
- ちなみに「このライトノベルがすごい!2006」の男性人気キャラクターランキング6位となる。
- 零崎双識(ぜろざき そうしき)
- 零崎一賊の長兄にして特攻隊長。零崎一賊三天王の1人。異名は『自殺志願(マインドレンデル)』、『二十人目の地獄』。
- 異名と同名の「自殺志願(マインドレンデル)」という大鋏(正確には、半月輪の形をしたハンドルの、鋼と鉄を鍛接させた両刃式の和式ナイフを螺子で稼動するように固定した合わせ刃物。11代目古槍頭巾によって作られた)を使用する事で有名。自身もその名で認識されている(この鋏は後に伊織の手へ渡る)。針金細工のような体つき。手足が不自然なほど長い。特別仕様の3つ揃えの背広(内側に「自殺志願」をしまうところがある)に、銀縁眼鏡(伊達)のいで立ち。どこかから攫われてきて、長い間檻に閉じ込められていたところを、「両親」に救われる。それ以来、零崎を名乗るようになった。哀川潤の大ファン。その影響で大の漫画好き。一賊きっての変わり者で、自称「平和主義者」「白い鳩のような男」。嫌いな言葉ベスト3は、「不誠実、無責任、非人情」。
- 人に会うたびに、「人間試験」をして、「合格」したものを、一賊に招き入れる事がある。家族思いで、弟の零崎人識を心配して日本中を探し回ったことが多々ある。が、当の人識からは「鋏を振り回して喜んでる妹マニアの変態」と陰口を叩かれている。正確には、かなりの人間に変態と認識されている。零崎軋識からは、「レン」と呼ばれている。おそらく由来は名称の『自殺志願(マインドレンデル)』の「レン」。敵味方ともに認めるほど、圧倒的に「自殺志願(マインドレンデル)」を使わない時の方が強いらしい。特技はコサックダンスだがよほど気分が良い時にしか披露しない。竹取山での決戦以降、その正体を知ってか知らずか、萩原子荻に異常なまでのアプローチをかけるようになり、ストーカーよりもなお悪いと言われるほど。初登場となった「人間試験」で早蕨刃渡に殺害される。
- 零崎軋識(ぜろざき きししき)
- 零崎一賊史上、最も荒々しく、最も容赦のない手口で、最も数多くの人を殺し、最も長生きをした殺人鬼。零崎一賊三天王の1人。
- 麦藁帽子に首にかけた白いタオルと、だぼだぼのズボンという牧歌的ないでたちと、首から下げた細い竹状の入れ物がトレードマーク。愛用する武器は、釘バット(鉛を鋳造した完全一体性の凶器。バットと言うより、金属製棍棒に近い)の「愚神礼賛(シームレスバイアス)」。異名も同じく、『愚神礼賛(シームレスバイアス)』。
- 語尾に「~だっちゃ」をよくつけるが、これは単なるキャラ作りらしい。元「チーム」のメンバー、「式岸軋騎(しきぎし きしき)」という名も持っている。「式岸軋騎」の時は口調が敬語になる(どちらかと言えばそっちが地に近いらしい)。玖渚友に心酔しているが、他の零崎にばれることを恐れており、また、彼女と家族とどちらが大切なのかという事で苦悩している。零崎人識からは「大将」、零崎双識からは「アス」と呼ばれている。「アス」の名の由来はおそらく異名の『愚神礼賛(シームレスバイアス)』の「アス」。
- 零崎曲識(ぜろざき まがしき)
- 零崎一賊三天王の1人。零崎一賊の中で唯一無差別殺人を嫌う。そこからついた異名が『少女趣味(ボルトキープ)』。そして自分にとって嫌な状況になると真っ先に逃げる事から『逃げの曲識』の異名も持つ。口癖は、「悪くない」。ファゴットを持っている。
- 内臓を抉り、小腸を体に巻きつけるのが趣味。究極のベジタリアン。戦争が大嫌い。零崎双識、軋識からは「トキ」と呼ばれている。おそらく由来は異名の『少女趣味(ボルトキープ)』の「トキ」。
- 無桐伊織(むとう いおり)
- 県で1番、進学率の高い私立高校に通う女子高生。17歳。4月23日生まれ。A型。
- 背丈は高め、目方は低め。一年中ニット帽を被っている。普段の仕草からとても想像できないが成績はかなり優秀。部活には所属しておらず、何事にも深入りしない。下級生からは皮肉を込めて「舞姫」とのあだ名をつけられている。好物は豚の腎臓炒め煮。
- ある出来事を境に、殺人鬼の才能が覚めた。その才能を零崎双識に見抜かれ、紆余曲折を経て「一賊」の仲間入りを果たし、零崎双識から「自殺志願」を受け継ぐ。同時に、名前を「零崎舞織(ぜろざき まいおり)」に改名したが、本名(無桐伊織)を捨てていない数少ない零崎。零崎の唯二の生き残り(もう1人は人識)。
- 零崎零識(ぜろざき ぜろしき)
- 究極と呼ばれた殺人鬼。一賊の父にして、零崎人識の実の父親。
- 零崎機織(ぜろざき はたおり)
- 絶対と呼ばれた殺人鬼。一賊の母にして、零崎人識の実の母親。
- 『寸鉄殺人(ぺリルポイント)』
- 詳細不明。零崎の中で最も有名な殺人鬼。
[編集] 薄野
《薄野武隊》。殺し名第四位。正義のために殺す『始末番』。 対極の対極の対極は『奇野』。
[編集] 墓森
《墓森司令塔》。殺し名第五位。みんなのために殺す『虐殺師』。 拷問を得意とする。 対極の対極の対極は『拭森』。『拭森』は恐らく温もりのアナグラム。
[編集] 天吹
《天吹正規庁》。殺し名第六位。綺麗にするために殺す『掃除人』。 対極の対極の対極は『死吹』。『死吹』の由来は飛沫のアナグラム。
[編集] 石凪
《石凪調査室》。殺し名第七位。生きているべきでない者、運命に背く者を殺す『死神』。 『殺し名』の中でも最も特異な例外的存在で、その構成員は文字通り死の神と言われる。 異質の格が違う、最下層にして特権階級。 『殺し名』広しといえど、大鎌(デスサイズ)を使うのは彼らだけ。対極の対極の対極は『咎凪』。
- 石凪萌太(いしなぎ もえた)
- 大鎌(デスサイズ)を武器として使用する。
- 家業に反発し家を出た。骨董アパートの住人(前述)参照。
[編集] 時宮
『操想術師』。呪い名第一位。「恐怖」を司る操想術専門集団。殺し名『匂宮』の対極の対極の対極の存在。
- 時宮時計(ときのみや とけい)
- 呪い名の最上位、「時宮」の老婆。相手に操想術をかけ、自分を他の人間に思い込ませる「擬態」と呼ばれる術を得意とする。これによって哀川潤へと擬態し、一時は零崎双識を追い詰めた。早蕨兄弟と連携を組み、空操人形を提供する。
- 様々に手を尽くし「匂宮」と「零崎」を衝突させようとする(推測)。人間試験は不合格(替え玉受験)。双識に敗れて惨殺される。
- 時宮時刻(ときのみや じこく)
- 個人名であると同時に「時宮」を追放された者に与えられる称号でもある。
- 十三階段(後述)参照。
[編集] 奇野
《感染血統奇野師団》。呪い名第三位。殺し名『薄野』の対極の対極の対極の存在。 既知のものから未知のものまで、ありとあらゆる毒を身体に仕込んで使う『病毒遣い』。あらゆる毒を風邪でも移すように相手に移していく(個人を絞っての感染も可能)、毒の血統。匂宮出夢でさえ「一番やりあいたくない」、「時宮よりもずっとヤバい」と言う。
- 奇野頼知(きの らいち)
- 十三階段(後述)参照。
[編集] 十三階段
西東天が理想を成就するために集めた異能集団。狐さんのカリスマに惹きつけられて集まったともいえる。既存のメンバーが抜けるごとに段位が繰り上がる。メンバーの入れ替わりが激しい。十三階段という名前は匂宮理澄が命名した。能力以外にも、狐さんの個人的な嗜好から、「眼鏡」という重要な入団条件がある(架城明楽・時宮時刻・想影真心は例外、闇口濡衣は人相不明)。
- 一里塚木の実(いちりづか このみ)
- 十三階段の二段目。『空間製作者』。「場所」を作るという、ごく希なタイプの能力者。地の利を生かし、敵を分断、分散させるのも得意とする(但し特殊能力の類ではなく、技術)。
- 図書館で詩集でも読んでそうな外見だが、「空間制作」のために地味な格好をしているだけで、ゴスロリが実は好きらしい。その実、隠された性格はかなりエグい。西東天に心酔し、同時に崇拝し、さらに恋している。
- 澄百合学園出身で、在学中は作戦部に所属していたが、高等部2年次で中退。閉鎖された空間である澄百合学園における空前絶後の中退者。苗字で呼ばれるのを嫌う。玖渚機関傘下の「壱外」とは少なからず縁があるらしい。ER3に古い友人が何人かいるらしい。
- 絵本園樹(えもと そのき)
- 十三階段の三段目。『ドクター』。他人の怪我を治すのが好きという理由で、西東天に就いている。27歳。
- 整った顔立ち、御洒落な眼鏡、医者っぽい清潔な白衣の下に何故か水着(ワンピースでパレオ付き)を、着用している(外では雨合羽に長靴。しかもその下は全裸)。フレンチクルーラーが大好物で、「この世で神様がお創りになられたものは整数とフレンチクルーラーだけだよ」と語る。いじめられるのが怖く先にいじめ始め、仕返しが怖く際限なくいじめ続けたという過去を持つ。
- 超被害妄想で、超疑心暗鬼で、超傷つきやすく、超情緒不安定な上、超涙もろいが精神科医でもある。零崎人識に恐怖を与えている人物。医者なだけあってお金持ちであるようで、彼女の所有する車の中ではベンツが1番安い車らしい。
- 宴九段(うたげ くだん)
- 十三階段の四段目。『架空兵器』。
- 長いトレンチコートに、目に映るものなど、何一つ信じていないような鋭い目つきが特徴的。何を考えているのかわからない、いるのかいないかさえ、よくわからないという意味をこめ、『架空兵器』と呼ばれている。十三階段中最も出入りの激しいメンバーで、裏切っては舞い戻る、ということを計5000回以上していた。
- 元「チーム」のメンバー、「滋賀井統乃(しがいとうの)」という別の名前をもつ。
- 古槍頭巾(ふるやり ずきん)
- 十三階段の五段目。『刀鍛冶』。
- 零崎人識の「鍵開け用の鋸状ナイフ(アンチロックドブレード)」、零崎双識の大鋏・「自殺志願(マインドレンデル)」を手がけ、刀鍛冶として名をはせた祖父である「十一代目古槍頭巾」の亡き後、孫娘が「十二代目古槍頭巾」を襲名した。祖父の遺志を継ぎ、祖父である十一代目の恋人の唯一の傑作で、祖父の遺品となった「無銘(むめい)」を譲ってもらうことを条件に「十三階段」に入った。
- 十二代目は見た目は茶髪の、今時の高校生(「ぼく」曰く、「キャラが立ってない」)だが、西東天曰く、「萩原子荻の次にすげぇ」人物。月並みな人物。西東天や、「ぼく」の周りには滅多にいない「普通」の人物。「ぼく」と接触したために裏切り者とみなされ、澪標姉妹に拷問の末殺された。
- 時宮時刻(ときのみや じこく)
- 十三階段の六段目。『操想術師』。
- 十三階段のメンバーの中で唯一世界の終焉を見たいと節に願っている。「操想術」を用いて、想影真心を精神的に束縛している。しかし、その束縛が解けたときに想影真心が暴走するように後催眠をし想影真心の心臓に術をかけていたが、想影真心は心臓に通電して術を解いた。素人には目を合わしただけで操想術を施すことができる。しかし、強い心を持った者には弱い。
- 呪い名の最上位「時宮」から追放されたという経歴を持つ。
- 右下るれろ(みぎした るれろ)
- 十三階段の七段目。『人形士』。
- 人間を人形のように操る「人形士」。想影真心を物理的に束縛しているが、「調教」の際に負傷し、身体中に包帯を巻いている。やや時間にルーズなところがある。語尾に「~さ」をつけるのが癖。絵本園樹とは意外といいコンビである。
- 闇口濡衣(やみぐち ぬれぎぬ)
- 十三階段の八段目。『暗殺者』。闇口憑依の弟。
- 『隠形の濡衣』、『隠身の濡衣』の異名を持ち、「闇口」の中でも名高い人物。凄腕の暗殺者で、その姿を目にした者は1人残らず殺されているということから、素性を知るものは誰もいない。そのため、小説の挿絵では、黒地に白色の名前のテキストだけという紹介だった。姫菜真姫殺害の犯人。「あるじ」からの命令を受け、闇口崩子暗殺計画を実行した。零崎双識とやりあった事もある。
- ちなみに彼の声を聞いたことがあるのは「あるじ」を除けば「ぼく」のみ。
- 澪標深空(みおつくし みそら)
- 十三階段の九段目。『殺し屋』。匂宮雑技団の下位、「澪標」に属する殺し屋。
- 法衣姿。瓜二つの双子。アホ毛がある。澪標高海と双子ならではのコンビプレーを見せる。狐さん狂信者。絵本園樹曰く、「ぼく」に惚れたらしい。独断で古槍頭巾を裏切り者とみなし、拷問死させた。ちなみに法衣を着ているのは戦闘時のみで、普段は普通の服を着ている。
- 澪標高海(みおつくし たかみ)
- 十三階段の十段目。『殺し屋』。匂宮雑技団の下位、「澪標」に属する殺し屋。
- 法衣姿。瓜二つの双子。アホ毛がある。澪標深空と双子ならではのコンビプレーを見せる。狐さん狂信者。絵本園樹曰く、「ぼく」に惚れたらしい。独断で古槍頭巾を裏切り者とみなし、拷問死させた。ちなみに法衣を着ているのは戦闘時のみで、普段は普通の服を着ている。
- ノイズ
- 十三階段の十一段目。『不協和音』。
- 「ノイズ」という名は、西東天が適当につけた記号。その前は、「アンド」、その前は「グンキ」、その前は「ハリア」、その前は「19号」、そしてその前は、なんとも呼ばれていなかった。つまり、「名前」と呼ばれるものがノイズにはなく、「ぼく」が「名前のついていない人間に弱い」という西東天の推理により、アンチいーちゃんとして十三階段に入れられた。口調に特徴があり、カタカナが混ざる。「名前がないってのは死にたい気分ダ。」と語る。澄百合での戦いの際、案内人として校門の前で待っていたが哀川潤にオープンカー(愛車のコブラではない)で轢かれてリタイヤ。その後絵本園樹により治療済み。
- 奇野頼知(きの らいち)
- 十三階段の十二段目。『病毒遣い』。彼自身は呪い名としてはかなり善良なほうである。
- カチューシャと、ベルト代わりの自転車のチェーンがトレードマーク。また、狐さんの好みに合わせサングラスをかけていた。軽佻浮薄さが目立つ。親しみを込めて「キノラッチ」と呼んでほしいらしい。「ぼく」の前に姿を現した時は狐さんの吹き込みにより、浅野みいこを「いーちゃん」だと勘違いしていた。想影真心の体力を束縛していたが、想影真心に殺される。本人曰く「狐さんを愛しちゃってる」との事。
[編集] 政治力の世界登場人物
[編集] 玖渚機関
- 日本における数少ない財閥家系の一つであり、その最上モデル。関連企業に傘下企業の数は21200以上。
- 世界中に影響力を持ち、「壱外(いちがい)」、「弐栞(にしおり)」、「参榊(さんざか)」、「肆屍(しかばね)」、「伍砦(ごとりで)」、「陸枷(ろくかせ)」、「捌限(はちきり)」(「柒(しち)の名」は存在せず)といった西日本に陣取るこれらの組織を統括し、一世界を築いている。本部は兵庫県南東部の神戸、西宮、芦屋の3市にまたがっている。
- 玖渚友(くなぎさ とも)
- 『青色サヴァン』。青い瞳、青い髪(サヴァン症候群)の劣性遺伝子の持ち主。引きこもりの少女。19歳。「ぼく」がなんらかの方法で「壊した」ことにより体の成長が13歳で止まっているが、最終的には回復し、成長し始めるも普通に考えればそれに体が耐え切れず死に至るのだが死ぬことは無かった。その際の後遺症で右目以外の青い部分はすべて黒に変わった。一人称は「僕様ちゃん」。
- 玖渚機関直系血族の令嬢だが、絶縁状態にある。が、兄、玖渚直の機関長就任を機に、復縁を果たした。
- 京都の高層マンションのツーフロアを占領しており、ジャンクフードを食べて生活している極度の偏食家。好物は熊の缶詰。金を湯水以上に使う。純真で無邪気な性格。白い色が好き。ブルセラっ娘。夜の10時が活動開始時間。一度覚えた事は絶対忘れない。数少ない「ぼく」を本名で呼んだ事のある人物。お風呂が大嫌いで、本当は澄んだ青色の髪であるが、お風呂にずっと入らない為、濁った青色をしている。髪の毛を「ぼく」にくくってもらっている。電子工学・情報工学・機械工学のプロフェッショナル。「ぼく」に抱きついて「充電」する。必殺技は「玖渚ぱんち」。
- かつて日本のサイバー界を地獄に陥れた、「仲間(チーム)」の創立者。《歩く逆鱗》・『死線の蒼(デッドブルー)』(この状態のときだけ、一人称が「私」になる)。「仲間(チーム)」結成の理由は、「ぼく」が自分の元を離れた為。人類最強の構造ロムの持ち主。一度にたくさんのことをするのが得意で、昔、128台のパソコンを同時に操作するという離れ業を見せた。一人では極端な上下運動ができない(例・階段の昇り降りができない)。特定の条件が揃うと性格や目つきが豹変する(作者曰く「蒼モード」)。最後まで謎の多い人物。
- 玖渚直(くなぎさ なお)
- 玖渚友の兄。玖渚機関機関長(以前は父の秘書)。妹とは逆の性格をしており、整合のとれた人格の持ち主。シスコン。秘書時代は世界で3番目に忙しかった。
- 霞丘道児(かすみおか どうじ)
- 玖渚直の親友。「みっちゃん」。かつて玖渚機関の近いところにいた人物。現在の詳細はよく分かっていない。機械工学方面に関しては素人以前。
- 「ぼく」に会うまでの玖渚友は、常に直と霞丘と一緒に行動していた。「ぼく」を最初に『戯言遣い』と呼んだ人であり、読んだ人である。また、サイバーテロ集団「仲間(チーム)」(後述)のメンバーの異名の名付け親でもある。
[編集] 財力の世界登場人物
四神一鏡…「赤神(あかがみ)」、「謂神(いいがみ)」、「氏神(うじがみ)」、「絵鏡(えかがみ)」、「檻神(おりがみ)」の五大財閥。財力の世界ではこの五家がトップに君臨している。
[編集] 四神一鏡関係者
- 赤神イリア(あかがみ いりあ)
- 血統書つきで、生粋の赤神財団の財閥令嬢だが、現在は絶縁状態。殺傷症候群(D.L.L.R症候群)で、双子の妹、オデットを殺したといわれる。その際(赤神家にとっては)少しばかりの手切れ金と、日本海に浮かぶ島を与えられた。21歳。
- 鴉の濡れ羽島及び、その屋敷の所有者。哀川潤をかなり信頼している。というか、心酔している。実は作中では入れ替わっておりこちらは「班田玲」。
- 赤神オデット(あかがみ おでっと)
- 赤神イリアの双子の妹。姉・イリアによって殺されたといわれている。
- 班田玲(はんだ れい)
- 赤神イリアの所有する鴉の濡れ羽島の屋敷のメイド長。きびきびしたキャリーウーマンといった感じ。厳しい性格。実は作中では入れ替わっておりこちらが「赤神イリア」。
- 千賀あかり(ちが あかり)
- 鴉の濡れ羽島の屋敷の三つ子メイドの長女。成人ながら公共機関を半額で利用できそうなタイプ。激しい性格をしている。頭のよい人が好き。27歳。
- 千賀ひかり(ちが ひかり)
- 鴉の濡れ羽島の屋敷の三つ子メイドの次女。温和な性格。見た目は姉のあかりと瓜二つ。潔癖とも言える程のきれい好き。27歳。
- 千賀てる子(ちが てるこ)
- 鴉の濡れ羽島の屋敷の三つ子メイドの三女。滅多に喋らない。赤神イリアのSPでもあり、格闘術に秀でている(ひかり曰く、ショートレンジでは無敵)。その強さは5年前零崎軋識と戦い勝利した程。その際鉄仮面を付けていたことから、「メイド仮面」と記述されていた。鉄板入りエプロンを着用。普段は黒斑眼鏡をかけているが、眼鏡をとると他の姉妹と区別がつかない。「違ってる子」。27歳。なお、三人の名前を読み替えると「血が明かり」、「血が光り」、「血が照る子」というひとつの文になる。
[編集] 鴉の濡れ羽島に招待された人々
鴉の濡れ羽島…赤神財団保有の島。本家から永久追放された赤神イリアに手切れ金とともに与えられた。ロシア語で「絶望の果て」の意味。現在、何らかの分野における『天才』を招き交流を行うサロン計画が実施されている。玖渚友や春日井春日も招かれた『天才』にあたる。
- 園山赤音(そのやま あかね)
- 天才学者。ER3システムのトップである七愚人の一人。二十代の若さで日本人として初めて七愚人にまで上り詰めた。30歳。
- 外国暮らしが長いため、日本の四字熟語やことわざが苦手。数学と英語だけ得意。黒髪のストレート。女性にしては高身長、スタイリッシュな細身。普通の県立高校に通っていた。家族と絶縁して単身アメリカに渡る。
- 実は島に来る前から、伊吹かなみと入れ替わっていた。つまり、作中では「園山赤音」は「伊吹かなみ」なのである。にもかかわらず、本物の「園山赤音」を殺し、自分は「七愚人の園山赤音」として成り代わる。今までもいろいろと他人に成り代わっていたらしく、名前はない、「誰でもない彼女」。「ぼく」の戯言は名前のない彼女には効かなかった。
- 「ネコソギラジカル」では玖渚の家に突如現れ、「今度は哀川潤に成り代わる宣言」をした。隙あらば、本物の哀川潤を殺しにきている模様。
- 伊吹かなみ(いぶき かなみ)
- 金髪碧眼の天才画家。究極の個人主義者。数年前まで、病気で目が見えなかった。今も体は弱く、また生まれつき脚が悪く、車椅子での生活をしている。絵に特定のスタイルの持たないことから、天才画家と呼ばれる。29歳。
- 深窓の令嬢のような雰囲気だが、清楚そうな外見とは裏腹に、プライドが高い。口癖は「知らないの?」。
- ちなみにいぶきかなみをローマ字で書いて(IbukiKanami)逆さから読むと “イマナキクビ”(IMANAKIKUBI)(今、無き首)となる。園山赤音と入れ替わっていた。
- 逆木深夜(さかき しんや)
- 島では「ぼく」や赤神イリア達と同じ「非天才」で、伊吹かなみの付添人。伊吹かなみに絵を教えた人。32歳。
- 佐代野弥生(さしろの やよい)
- 赤神イリアの所有する、鴉の濡れ羽島の屋敷のシェフ。どんな料理でも、他人より美味しく作る事ができる究極にして至高の天才料理人。髪の短い爽やかな女性。30歳。
- 絶対音感ならぬ、絶対味覚の持ち主。約2万種類の味を20段階の強さに分けて感じ取ることが可能。嗅覚にも優れている。天才には珍しく、普通の感性の持ち主。
- 姫菜真姫(ひめな まき)
- 本名は姫菜詩鳴(ひめな しなり)。子供の頃「姫ちゃん」と呼ばれていた。ひねくれ者しかりお調子者。天才占術師。29歳。
- ESP能力者。他人の心や過去がテレビのように見える(ただし見ることができるのは自分の寿命が来る2年以内の未来までと自称する)。金髪のポニーテール。「ぼく」の苦手な人物。キャッチフレーズは「過去を知り、未来を知り、人を知り、世界を知り、全てを知る超能力者」。
- 自称した寿命が来る前に闇口濡衣に殺された。
[編集] 私立澄百合学園関係者
澄百合学園…超の上に超を三つ重ねてようやく均衡の取れる京都の名門女子進学校にして上流階級専門学校。偏差値と門地門閥が重視される「特権階級養成学校」。だがその実態は四神一鏡専属傭兵養成学校であり、生徒からは「首吊高校」と呼ばれてる。卒業者の多くは上位機関であり日本のER3と言われる「神理楽(ルール)」に進学する。
- 檻神ノア(おりがみ のあ)
- 私立澄百合学園の理事長。39歳で、萩原子荻の母親。四神一鏡の末を司る「檻神家」の傍系血族。
- 母が設立した私立澄百合学園を引き継ぎ、ある「理想」を成し遂げようとしている。人間をただの数字としてしか判断できず、高いところが好き。趣味は、「人に嫌われること、人に忌まれること、人に恨まれること、人に呪われること」。哀川潤とは旧知の中だったが、2年前に決別。紫木一姫に殺された。
- 萩原子荻(はぎはら しおぎ)
- 私立澄百合学園の総代表。『策師』。理事長・檻神ノアの娘。
- 足元にまで届く黒の長髪が特徴。胸が大きいらしい。剣道は、二段の腕前。特定の目的をもたず、常に最善最良の手口を使用する。中等部の時、雀の竹取山で殺戮奇術集「匂宮雑技団」と殺人鬼集団「零崎一賊」を敵に回して対等に渡り合った唯一の存在。零崎の長兄である零崎双識に取り入る事に成功した事もあるが、そのときの経験は自己嫌悪に陥るほどのもの。西東天も彼女を配下に加えたいと思っていた。「ぼく」の出したクイズから「ぼく」の本名を看破した比類なき頭脳の持ち主。「ぼく」の告白(勘違い)で恥らうという女の子らしい一面も持つ。紫木一姫に殺された。
- 作者西尾維新一番のお気に入りキャラである。
- 西条玉藻(さいじょう たまも)
- 私立澄百合学園1年。『闇突(やみつき)』。由来は病みつき。萩原子荻の右腕的存在。
- 髪型は散切りで、ズタズタに切り裂いた黒のセーラー服を着ている。人と会話するのが苦手で、他人と3語以上話すことはめったに無い。常に情緒不安定。自分の名前を言い間違えることもある。言いたいことがあっても話の主導権はすぐ人に譲る。「なんとなく」で人を殺すとんでもない女の子。武器はエリミネーター・00、グリフォン・ハードカスタムのナイフ二刀流。自分に対して重いナイフを使用することで遠心力を生かし、小回りのきく攻撃を可能にした。「ゆらぁりぃ」が口癖で呼吸らしい。
- 竹取山では零崎人識と対決し、結果的に勝利した。その際、ある行動をとったことをきっかけに零崎人識に気に入られた。紫木一姫に殺された。
- 紫木一姫(ゆかりき いちひめ)
- 『戯言遣いの弟子』。私立澄百合学園2年。大きな黄色いリボンが似合う女子高生。17歳だが、小さな体躯と幼い顔立ちで、体重は30Kgもない。「姫ちゃん」という愛称を好む。「ぼく」を「師匠」と呼ぶ。頭が悪く、全教科赤点。だが手先は器用。
- 『病蜘蛛(ジグザグ)』の弟子で、「曲弦糸」の使い手。『危険信号(シグナルイエロー)』としても知られる。 前頭葉の言語野に後天的な障害があり、名詞認識能力に問題を抱える。そのためことわざ・慣用句・熟語等を間違って使用することが多い(例:五月蠅いと言おうとして五月病、棚から牡丹餅→甘辛牡丹餅)。アルトリコーダーを持っている。匂宮出夢に殺された。
- 市井遊馬(しせい ゆま)
- 私立澄百合学園中等部の元教師。『病蜘蛛(ジグザグ)』。「曲弦師」と呼ばれる空想的な技術者(の成り損ない)。
- 紫木一姫の師匠。手足が長く、眼鏡をかけている。周囲に張り巡らされた細い糸によって5km以内の敵の居場所を把握できる。竹取山で萩原子荻に協力した際、山全体に糸をめぐらせ、そこにいる人々の行動を監視するという離れ業を見せた。
- 出身は福岡の博多。5年前、哀川潤と組んで仕事をした際、一姫と知り合った。
[編集] その他の登場人物
[編集] 哀川潤と関係者
- 哀川潤(あいかわ じゅん)
- 《人類最強》。全ての世界を股にかける人類最強の請負人。推定24歳。合法・非合法問わず、お金さえ積まれれば、どんな仕事でも引き受ける。万能家。典型的主人公体質。変装・声帯模写及び声帯同化・ピッキング・読心術の達人。『人類最強の請負人』、『赤き征裁(オーバーキルドレッド)』、『死色の真紅(しいろのしんく)』、『砂漠の鷹(デザート・イーグル)』、『一騎当千』、『疾風怒濤』、『赤笑虎(せきしょうどら)』、『鬼殺し』、『仙人殺し』(仙人を千人倒したことに由来)、『嵐の前の暴風雨』、など多くの異名を持つ。
- 佐々沙咲曰く、「ソウドオフ・ショットガンの零距離射撃を腹筋に喰らって生き残った」、「ライフル弾の嵐の中を平気な顔で歩く」、「炎上するビルの40階から飛び降りて無傷だった」・・・らしい。零崎人識曰く、「リッターバイクで轢いても無傷で追ってきた」・・・らしい。
- 10年前からスタイル及びプロポーション抜群。100人のうち100人が「美人」だと認める美貌の持ち主。だが、目つきは悪い。性格はワイルドかつ、感情的及び、アンチ癒し系でリバース和み系。自由奔放。豪放磊落。放蕩無頼。粗にして剛。思わせぶりの皇女様。意味深の女帝。仄めかしの女王陛下。本人曰く、「生まれついての女王(クイーン)」。トラブルと人をからかうのが大好き。赤い髪や、ワインレッド色のスーツを含め、赤を好む。愛車は真っ赤なコブラ、バイクはドゥカティを愛用。
- 西東天・架城明楽・藍川純哉ら3人の父親によって、「因果を崩壊させる存在」として作り上げられた人間。西東天とその姉(後述)の娘であり、潤の名前はその姉の名前からとられた。名字で呼ばれることを嫌い(本人曰く、「名字で呼ぶのは敵だけ」らしい)、身内に甘い(弱い)。漫画大好き。王道な話が好き。推理小説は嫌い。「ぼく」のファーストキスの相手でもある。昔は髪をポニーテールにしていた。その頃、式岸軋騎(零崎軋識)の仕事に強制的に協力したことがある。
- かつて『表世界』、『殺し名』と『呪い名』、『玖渚機関』、『四神一鏡』など四大世界の全てという全てを巻き込み、全てという全てを巻き添え、全てという全てに取り返しのつかない甚大なダメージを与えた空前絶後の『狐と鷹の世界大戦』を起こした張本人でもある。
- 西東天(さいとう たかし)
- 《人類最悪》。哀川潤の実の父親。狐の仮面を被っているため「狐さん」と呼ばれる。人類最悪の魂の持ち主にして、『人類最悪の遊び人』。39歳。
- 幼少の頃より英才教育を施され、一日の大半を高都大学の研究室で過ごす。若干5歳にして1冊の学術書を読むことなく頭の中で一から理論を組み立ててしまい、わずか6歳にして、高都大学人類生物学科に入学及び卒業。そして同年、高都大学大学院に進学する。7歳で、高都大学大学院を卒業。以降1年間、高都大学および大学院の学部を転々とし、8歳で、父・西東賢悟の助手となる。11歳で高都大学人類生物学科の助教授に昇進。13歳、高都大学に辞表を提出したのち、アメリカに渡り、ER2システム(現ER3システム)に研究生として入る。18歳の頃、日本に帰国。19歳、高都大学人類生物学科に教授として復職。同時に、西東診療所を設立し、開業医を開始し、木賀峰約、円朽葉らとともに「死なない研究」に取り組む。
- かつて、「チーム」と対立して、ほんの16バイトのプログラムで世界を蹂躙した辣腕の機械師『砂漠の狐(デザートフォックス)』でもある。29歳の頃に因果から追放された以後、表立って行動できない身になった。世界の終焉を望み、そのために手足として「十三階段」のメンバーを集める。「ぼく」を「俺の敵」と認識して以後、世界の終焉に向けて動き始めた。愛車は白のポルシェ。漫画をこよなく愛している。眼鏡フェチ。飽きっぽくて実は何も考えていない。「周囲を狂わす」存在であることは「ぼく」と共通する。全ての事物は代替が可能であるという「ジェイルオルタナティブ」と物語はどうであれ全て同じ場所に行き着くという「バックノズル」の二大理論を掲げる。口癖は「ふん」と、「そんなことはどちらでも同じことだ」。また相手の台詞を反復する癖もある。
- 西東賢悟(さいとう けんご)
- 西東天の父親。高都大学教授。西東賢悟教授の研究テーマは、「集団生命の終焉に向けての過程」だった。西東天が13歳の頃、真実とともに死亡。
- 西東真実(さいとう まさみ)
- 西東天の母親。音楽家。西東天が13歳の頃、賢悟とともに死亡。
- 西東準(さいとう じゅん)
- 西東天の姉。双子。西東天とは10歳、歳が離れている。哀川潤は彼女か順のどちらかの娘。20歳の頃に失踪。
- 西東順(さいとう じゅん)
- 西東天の姉。双子。西東天とは10歳、歳が離れている。哀川潤は彼女か準のどちらかの娘。20歳の頃に失踪。
- 架城明楽(かじょう あきら)
- 西東天の元協力者で、哀川潤の父親の1人。十三階段の一段目。『セカンド』。西東天が「代わりの効かない存在」として唯一認めている存在であり、彼と対等な立場にいる人物。十三階段の永久欠番。10年前、哀川潤によって殺されている。
- 藍川純哉(あいかわ じゅんや)
- 西東天の元協力者で、哀川潤の父親の1人。『サード』。哀川潤に直接的な戦いを教えた人物。『鷹(ホーク)』。10年前、哀川潤によって殺されている。哀川潤の哀川は、藍川純哉からとられている。
[編集] サイバーテロ集団
二十世紀末に、日本で暗躍した集団。玖渚友を筆頭に、電脳上でできるありとあらゆる事を行い、日本のサイバースペース法を55倍に書き直させるとともに、ネットワーク技術全体のレベルを格段に叩き伸ばしたが、「ぼく」が帰国した時期を境に自然解体している。正式な呼称はなく、メンバーそれぞれが好き勝手に名前をつけている。首領である玖渚は「仲間(チーム)」と呼ぶ。玖渚友のための集団であり、全員が玖渚友を崇拝している。玖渚にとって、「ぼく」の代わりのような存在で、本人たちもそのことを理解しているため「ぼく」のことを嫌っている。
- 兎吊木垓輔(うつりぎ がいすけ)
- 元「チーム」のメンバー。《裁く罪人》・『害悪細菌(グリーングリーングリーン)』。「破壊(クラック)」担当。
- 35歳。「チーム」の中では2番目に年長者。白髪。玖渚に「さっちゃん」と呼ばれている(細菌からきているらしい)。大垣志人曰く「徹頭徹尾、究極絶無の変態」。斜道卿一郎研究施設に「特異性人間構造研究」の実験体として幽閉されていた。本人自身は研究施設から出たいとは思っていなかったようだが、何らかの理由により一時的に神足雛善と入れ替わり(同時に本物を殺害)、脱出した。エレベーターが嫌いで、斜道研究施設のエレベーターを道具を使わずに分解(デコンポーズ)した(5年前に玖渚の住む城咲のマンションのエレベーターも分解した事がある)。故郷は挨拶代わりにロリコンと呼び、シスコン行為に及ぶ習慣がある(らしい)。自分達を「一群(クラスタ)」と呼ぶ。
- 日中涼(ひねもす すず)
- 元「チーム」のメンバー。《葬る静寂》・『二重世界(ダブルフリック』。玖渚に「ひーちゃん」と呼ばれている。
- 挑戦意欲と上昇意識の塊であり、自分以上の存在も自分以外の概念も一切合切認めなかった究極のエゴイスト。言葉遊びが大好き。自分達を「領域内部(インサイド)」と呼ぶ。
- 梧轟正誤(ごとどろき せいご)
- 元「チーム」のメンバー。《嘲る同胞》・『罪悪夜行(リバースクルス)』。
- 自分達を「矛盾集合(ラッセル)」と呼ぶ。
- 棟冬六月(むねふゆ むつき)
- 元「チーム」のメンバー。《犇く血眼》・『永久立体(キュービックループ)』。
- 撫桐伯楽(なできり はくらく)
- 元「チーム」のメンバー。《挫ける餞別》・『狂喜乱舞(ダンシングウィズマッドネス)』。
- 綾南豹(あやみなみ ひょう)
- 元「チーム」のメンバー。《回る鈴木》・『凶獣(チーター)』。「探査(シーク)」担当。19歳。玖渚に「ちぃくん」と呼ばれている。
- 国際連合G8のデータベースをクラッキングした罪で現在は刑務所入り(懲役150+8年)。玖渚曰く、銀河系で分からないことはないらしい、超絶辣腕シーカー(探索者)。「クビキリサイクル」や「サイコロジカル(上)」で玖渚の頼みで度々調べ物をし、情報を彼女に提供している。足が速く車に”追突”し賠償を科せられたことがある。自分達を「集団(メイト)」と呼ぶ。
- 式岸軋騎(しきぎし きしき)
- 元「チーム」のメンバー。《蠢く没落》・『街(バッドカインド)』。32歳。玖渚に「ぐっちゃん」と呼ばれている。他のメンバーが無力であるネットワークの繋がっていない場所でも唯一、力を発揮できる。
- 零崎一賊の「零崎軋識」と同一人物。玖渚を『暴君』と呼び、自分達を「同士(パーティ)」と呼ぶ。
- 滋賀井統乃(しがい とうの)
- 元「チーム」のメンバー。《蘇る失墜》・『屍(トリガーハッピーエンド)』。玖渚に「なっちゃん」と呼ばれている。
- ネコソギラジカルで「ぼく」に、玖渚の末期を伝えにきた。「十三階段」の「宴九段」と同一人物。玖渚友を『蒼(ブルー)』と呼び、自分達を「軍団(レギオン)」と呼ぶ。