IruCa
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IruCa(イルカ)は、高松琴平電気鉄道(ことでん)が運用する非接触方式ICカードを利用したストアードフェアシステムカードである。名称は、同社のマスコットキャラクター「イルカのことちゃん」と「ICカード」(iruka+IC)から由来する。
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[編集] 概要
2005年2月2日から四国の鉄道・バスでは初の非接触式ICカードシステムとしてサービスを開始した。 ソニーが開発した非接触方式ICカードFeliCaを採用しており、「IruCa」と「IruCa定期券」の2種類がある。 キャッチフレーズは「電車もバスもスィ~ッとピッ!」2006年7月現在の発行枚数は、77,000枚。
ことでん全線・ことでんバス全車(受託運行路線を除く。下記参照)のほか、徳島西部交通の高松駅~塩江~穴吹駅線(ことでんバスとの共同運行路線)でも利用できる。将来的には他の鉄道でも使用できるサイバネ規格を採用している。(JR四国もICカード導入を計画しているが、IruCaには運賃割引制度があるため相互利用は不可能で片乗り入れになる可能性が大きい。原因は同種のNicoPa、Harecaの項を参照のこと)
自動改札機は高松築港・片原町・瓦町の3駅に、それ以外の駅には簡易型改札機を設置している。
カード(IruCa乗車券)の図案はタイル目模様とカード上部に『IruCa』の文字を、そしてことでん及びIruCaイメージキャラクター「イルカのことちゃん」をカード右下部に配している。
2006年11月から電子マネーの実証実験を高松天満屋と高松市内中心部の4商店街で行い、2007年春から、サービス開始の予定である。
[編集] カード券種
- IruCa定期券(従来の定期券がICカードになったもの。チャージする事もできる。)
- IruCa乗車券(下記の5種類がある。キッズとグリーン以外には回数割引がある。)
- フリーIruCa(青色で、無記名式の持参人有効のプリペイドカード。)
- スクールIruCa(黄色で、琴電が指定した学校の生徒が利用できる。)
- シニアIruCa(紫色で、カード発行時に満65歳以上だった人が利用できる。)
- キッズIruCa(赤色で、小学生が利用できる。回数割引はない。)
- グリーンIruCa(緑色で、身体障害者が利用できる。常に半額で、回数割引はない。)
この他、正規の旅客用ではないが、IruCa職務乗車証(従事者カード)が存在する。デザインはタイル目に黒と茶色で通称は"黒イルカ"。ことでん、ことでんバスの社員に支給される。
[編集] サービス・割引案内
[編集] 回数割引
利用回数(月間) | 10回以下 | 11~30回 | 31~40回 | 41~50回 | 51回以上 | |
フリーIruCa IruCa定期券(区間外) |
電車 | 5% | 10% | 20% | 25% | 30% |
バス | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | |
スクールIruCa | 電車 | 5% | 15% | 25% | 30% | 35% |
バス | 15% | 25% | 30% | 40% | 50% | |
シニアIruCa | 電車 | 5% | 20% | 30% | 35% | 40% |
バス | 15% | 30% | 35% | 45% | 55% | |
キッズIruCa | 電車 | 0%(子供料金) | ||||
バス | ||||||
グリーンIruCa | 電車 | 50%(大人料金) | ||||
バス |
[編集] 鉄道・バス乗り継ぎ割引
フリーIruCa・スクールIruCa・シニアIruCaの3つに有効。いずれも同日中に乗り継いだ場合、電車又はバスの運賃から20円割引される。
[編集] 再発行サービス
盗難や紛失等の場合、IruCa取扱窓口にて使用停止手配を行い、再発行する。その際にデポジット500円と再発行手数料100円が必要となる。
[編集] IruCaの利用
[編集] IruCaの購入
下記の駅にあるIruCa取り扱い窓口で購入する。その際、デポジットとして500円を預ける。
- 琴平線:高松築港駅・片原町駅・瓦町駅・栗林公園駅・太田駅・仏生山駅・一宮駅・滝宮駅・琴電琴平駅
- 長尾線:高田駅・長尾駅
- 志度線:瓦町駅・今橋駅・八栗駅・琴電志度駅
- バス:高松築港バス案内所・瓦町バス案内所
上記の他、フリーIruCaに限りバス車内で発売しており、バス運転士に申し出ると購入できる。
[編集] IruCa定期券の購入
下記の駅にあるIruCa定期券取り扱い窓口で購入する。
※バスは従来の紙製定期券を使用する。
なお、IruCa定期券の発売に伴い、定期券発売駅が大幅に削減されたため、非定期券発売駅から最寄の定期券発売駅までことでん電車を利用する場合は無料で乗車できる。詳しくは駅係員か車掌に問い合わせられたい。
[編集] 利用の方法
[編集] 乗る時
ICOCAの様に、残額が最低10円あれば入場可能。自動改札機又は簡易改札機の読み取り部分に軽くタッチする。ピッ又はピピッという音がしたら通れる。もしピピピピピ又はピーと鳴った場合はディスプレイに通れない事が表示される。残金が不足した場合はチャージ(入金)し、処理未了の場合はもう一度タッチし直し、出場記録なしの場合は駅員又は乗務員に知らせる必要がある。
[編集] 降りる時
自動改札機又は簡易改札機の読み取り部分に軽くタッチする。ピッ又はピピッという音がしたら通れる。もしピピピピピ又はピーと鳴った場合はディスプレイに通れない事が表示される。残金が不足した場合はチャージ(入金)し、処理未了の場合はもう一度タッチし直し、入場記録なしの場合は駅員または乗務員に知らせる必要がある。
[編集] チャージ(入金)
- 鉄道の場合:IruCa取扱窓口又は列車内で車掌に申し出てチャージ(入金)する。また、高松築港・片原町・瓦町駅・太田・仏生山の各駅には自動チャージ(入金)機も設置している。
- バスの場合:バス停車時にバス運転手に申し出る。
[編集] 鉄道での改札機タッチ時の音の意味
JR東日本のSuica、JR西日本のICOCAとほぼ同一である。
- 「ピッ」 定期券入出場
- 「ピピッ」 SF入出場
- 「ピピピピピ」 タッチ不良・処理未了(再タッチをする。)自動改札機では、そのまま通過しようとすると扉がしまり、「ピンポン」(改札機通過不可)のサイン音が鳴る。
- 「ピー」 利用不能、残金不足、入場記録無(出場時)、出場記録無(入場時)などのエラー。 自動改札機では、そのまま通過しようとすると扉がしまり、「ピンポン」(改札機通過不可)のサイン音が鳴る。
[編集] バスでのセンサータッチ時の音とその意味
バスでは、ICカード定期券は発売していないため、鉄道とは多少異なる。また、合成音声による案内もおこなわれる。
- 「ピッ」 乗車正常・下車正常 センサー両脇のランプが緑色点灯する。
- 「ピピピピピ」 タッチ不良・処理未了(再タッチをする。)または利用不能。センサー両脇のLEDが赤色点灯する。また、エラーコードがデジタル表示される。
[編集] バスでの積み増し時の操作と案内
- 利用客が、運転士にチャージする旨と金額を申告する。
- 運転士が機器を操作する。
- 「チャージ」ボタンを押す。ピッと操作確認音が鳴る。金額表示欄に「-SEL-」と表示される。
- 「金額」ボタンを押す。「積み増しします。カードをおいてください。」と案内される。
- 利用者自身でIruCaをセンサーにおく。「紙幣を挿入してください。」と案内される。
- 利用客自身で、千円紙幣を、申告した金額分、両替用紙幣挿入口に挿入する。
- 挿入紙幣が申告した金額に達すると「積み増ししました。」と案内され、チャージは終了する。
なお、チャージはバス停車中に行うよう、車内放送で案内されるほか、下車時の混雑を防止するため、「チャージはお早めに」の旨を記載したポスターが掲出されている。
[編集] IruCaが使用できないバス路線
受託運行路線では使用できない。
- MACHI-BUS(まちバス、高松市丸亀町商店街からの受託運行)
- 綾川町営バス(綾歌郡綾川町からの受託運行)
[編集] IruCa電子マネーの実証実験
2006年11月1日より開始。高松中央商店街の参加商店のほか、高松築港駅・片原町駅・瓦町駅には、IruCa対応の飲料自動販売機も導入された。実証実験開始に伴って、記念ICカードとしては3回目となる電子マネー実証実験記念IruCa(使用者登録可能)も発売された。2007年現在、IruCa対応の自販機はサービス開始時より大幅に増え、IruCaで支払い可能なコインパーキングなども登場したが、コンビニエンスストアや飲食店などの店舗にはまだまだあまり浸透しておらず、上で述べた高松中央商店街以外には全くと言っていいほど対応店舗が無いのが実情であり、ことでん全線の沿線にあるスーパーマーケットや個人商店でIruCaが使えるようになるにはまだまだ時間がかかりそうである。余談ではあるが地元住民の間では「グループ企業のタクシー会社"ことでんタクシー"の運賃の支払いにIruCaカードが使用できれば便利ではないか」と言う声も上がっている。
[編集] IruCa対応の自動販売機
IruCa電子マネーの実証実験の一環として、瓦町駅改札内・改札外、片原町駅改札外、高松築港駅改札外の自動販売機コーナーに、IruCa対応の飲料自動販売機が設置された。使用方法はEdyやSuica対応自動販売機と同じであり、先に商品選択ボタンを押し、IruCaをカードリーダーにタッチさせると飲料が出てくる。また、2007年1月31日まで、IruCaで購入すると10円の値引きが自動的に行われる試みも実施されていた。
[編集] その他
- 鉄道線には駅を指定した途中下車の制度があるが、IruCa利用の場合には適用されない。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
ドコイコ IruCa Maps (IruCa対応店舗の一覧)
JRグループ発行 |
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Suica(JR東日本) ICOCA(JR西日本) TOICA(JR東海) |
北海道・東北地方の私鉄・公営交通発行 |
Doカード(道北バス) バスカード(北海道北見バス) バスICカード(福島交通) |
関東地方の私鉄・公営交通発行 |
PASMO(株式会社パスモ※関東地方中心の私鉄・公営交通) ICバスカード(関東鉄道) IC定期券(埼玉高速鉄道) せたまる (東急世田谷線) トランセカード(東急トランセ) モノレールSuica(東京モノレール) りんかいSuica(東京臨海高速鉄道) バスICカード(山梨交通) |
中部地方の私鉄・公営交通発行 |
passca(富山ライトレール) ICa(北陸鉄道) LuLuCa(静岡鉄道・しずてつジャストライン) 豊田町ユーバスカード(静岡県磐田市自主運行バス) ナイスパス(遠州鉄道) ayuca(岐阜バス) |
近畿地方の私鉄・公営交通発行 |
PiTaPa(スルッとKANSAI協議会※近畿地方・静岡市・岡山県の私鉄・公営交通) バスICカード(近江鉄道(立命館路線)) CI-CA(奈良交通) NicoPa(神姫バス) |
中国・四国地方の私鉄・公営交通発行 |
Hareca(岡山電気軌道・両備バス・下津井電鉄) IC定期券(スカイレールサービス) IruCa(高松琴平電気鉄道・ことでんバス) ICい~カード(伊予鉄道) |
九州・沖縄地方の私鉄・公営交通発行 |
ひまわりバスカード(北九州市交通局) 長崎スマートカード(長崎県交通局) 宮交バスカ(宮崎交通) RapiCa(鹿児島市交通局・南国交通・JR九州バス) いわさきICカード(いわさきコーポレーション※鹿児島県) |