きんぎょ注意報!
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『きんぎょ注意報!』(きんぎょちゅういほう)は、猫部ねこによる少女漫画で、少女漫画雑誌「なかよし」(講談社)で1989年から1993年にかけて連載された。通称「きん注」。
後にアニメ化され、1991年1月12日から1992年2月29日にかけてテレビ朝日系列で土曜日の19:00-19:30に放送されていた。全54回(全108話)。
2005年には読み切りの『きんぎょ注意報! リターンズ』がなかよしに掲載された。また、原作コミックが新装版として発売されたり、アニメ版のDVD-BOXが発売されるなど、この年は再び色々と話題になった。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 漫画(原作)
都会育ちの学園に通っていたお嬢様と田舎育ちの中学校に通う中学生達の文化的落差から生ずる様々な軋轢を極端なまでに誇張し描いている。場面によって登場人物がめまぐるしく頭身を変えたり、駆け足が「渦巻き模様」になったりするなどのギャグ漫画に於ける古典的な演出を踏襲していることが特徴的。人だけではなく、動物のキャラクターも多数登場する。人と共に授業を受ける牛や豚・鶏が存在したり、ピンク色の空飛ぶ金魚が存在したりするなどの非現実的な部分と、スーパーの特売、貧民パンなどの現実的な庶民的世界観が混在している。漫画は前半は少女漫画とギャグ漫画のギャップで笑いをとるという話が多く、後半になるにつれ絵、内容ともにギャグ漫画となっている。性別に関係無く楽しめる作品。ただしギャグ漫画の懐の広さを持って適度に少女漫画的な描写を盛りこんでおり、それが良いスパイスになっていた事が少女漫画としての成功に繋がった感は有る。ちなみに、ポテトチップスが広く「ポテチ」と略して呼ばれるようになった経緯にも一役買っている。余談だが田舎ノ中は劇中では静岡県に所在している(作者は静岡県出身)らしく、近隣地域に他の猫部作品の舞台が点在している。
[編集] アニメ
原作に比べ、アニメ版は若干ギャグが強くなっている。ただそれ以外はほぼ原作に忠実(K女学園関連や民子の恋愛など数少ない少女漫画的な描写が描かれず、スポイルされたようにも見える、それは後のセーラームーンでも同様)で、アニメで初めて『きんぎょ注意報!』という作品を知り、好きになったという女性ファンや男性ファンも少なくない。演出面ではキャラが困った時などに頭から巨大なしずくマークを出して困っている様子を表現するという手法をアニメで初めて使用した作品とされており、後のアニメ作品にも少なからず影響を与えた。また原作と異なり『Dr.スランプ』で見られるような記号化された田舎の表現が過大でもある。なお、この作品の後を受け継いで放映された、同じなかよしの『美少女戦士セーラームーン』は、原作に比べてギャグ要素が強く押し出され、人気を博す事となる。
[編集] ストーリー
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
藤ノ宮千歳は都会の学園に通うお嬢様だったが、父親の死により財産を失い、唯一家宝であり幸運を呼ぶピンクの空飛ぶ金魚のぎょぴちゃんだけをつれて田舎ノ中学に転入することとなる。 その田舎ノ中学は廃校寸前の貧乏中学で、牛や鶏などの家畜を飼育しているほどの田舎の中学とその中学に通う奇妙にエネルギッシュな生徒達という環境に、これまでの生活との激しいギャップを感じる千歳。 しかし、ひょんなことから弁護士である田中山が父親の遺産をくすねていた事が発覚し、千歳は田中山から遺産を取り戻す事に成功する。 短い期間ながら田舎ノ中学とその生徒とに情が移っていた彼女は、財産を取り戻しても都会ノ学園に戻ることなく私財を投じて田舎ノ中学を建て直して新・田舎ノ中学とし、その理事長兼生徒会長となった。 新・田舎ノ中学を都会ノ学園にまけないハイソサエティな学校にしたい千歳だったが、田舎ノ中学の生徒は相変わらずで、手を焼く毎日を送るのだった。
[編集] キャラクター
- わぴこ(声:かないみか)
- いつも元気いっぱいで、そこらじゅうを走り回っている中学2年生の女の子。新田舎ノ中学校に制服はないはずなのだが(ただし、途中から裸の王様ルックが制服となった)、学校へ来る時は常にセーラー服を着ている。ピンク色の髪の毛を正面向かって右側でちょこんと結っており、容姿は中学2年生とは思えない位幼い。しかし走れば自動車よりも速く、記憶力は抜群、さらには動物達と会話をする事も出来るという凄い能力の持ち主なのである。性格は極めて純粋で、失敗をしても決してくじけない前向きさと明るさ、人・動物関係なく誰とでも仲良くなれる人懐っこさを持ち合わせているが、特に同性の千歳に懐いておりバレンタインデーのチョコレートケーキも最終的に千歳にあげた(原作)。「はよ~ん」や「ばいび~」「~だよん」といった独特の口調で喋り、ぽてち・キャルメラといったお菓子類や焼きそばパンが大好き。誕生日は3月3日、将来の夢は「郵便屋さんのペンギンになる事」である。なお生徒会では書記を務めている。
- ぎょぴ(声:松島みのり)
- 藤ノ宮家に先祖代々伝わる時価数億円の金魚。名前はピンクのきんぎょだから。空も飛べるし、淡水魚なのに海でも泳げる、まさにスーパーきんぎょなのである。飼い主は一応千歳だが、普段はわぴこと一緒にいる方が多い。ぽてちが大好物。
- 藤ノ宮千歳(声:高田由美)
- 新田舎ノ中学校の理事長兼生徒会長。かつては都会ノ学園に通っていたが、金持ちでなくなったという理由で追い出される。その後、都会ノ学園に対抗するため、廃校となるはずだった田舎ノ中学を数百億円もの父の遺産で再興した。わがままなお嬢様で気に入らないことがあるとすぐに理事長命令という名目で生徒たちに圧力をかけるが、いつも最後にはわぴこたちに説得され容認する羽目に。しかし自ら販売を禁止した焼きそばパンを食べて「美味しい」と評するなど、それ程庶民的なものが嫌いな訳でもなさそうである。愛称は「ちーちゃん」。
- 北田秀一(声:塩屋翼)
- 校内一の成績。医者の息子である。生徒会の予算にいつも頭を悩ませている。いつも穏やかで冷静沈着だが、一度だけぶち切れたことがある。
- 葵(声:飛田展男)
- 校内一の不良少年。学校をしょっちゅうサボり、バーゲンにいく。バーゲンには目がない。これを不良の基礎としている。わぴこの幼なじみらしく、非常に親しくわぴこの事を良く知っている。良く見るとハンサムなので千歳と梨香に想われてしまう。
- 校長先生(声:宮内幸平)
- 新田舎ノ中学校校長。頭に謎の触覚を持っていて、それにより(?)カタツムリと言葉を交わすことができる。あだ名の生徒名簿を作ったり、全校集会での「校長先生の話」でウケを狙って芸を披露してみたり、遠足で都会ノ中学校の敷地内に勝手に入り率先して缶蹴りを始めたりとユニークな行動が目立つ人物。しかし、校長らしく真面目に教育について考えている面も時々見せる。ドクター大橋と警ちゃんとは仲の良い友達で、2人には「校ちゃん」と呼ばれている。猫部ねこの短編に同一人物と見られるキャラとその孫が出る話がある。得意技は「ぎょーざ!」(耳を折り曲げた格好が餃子に似ている)。
- 菅平由梨香(声:潘恵子)
- 都会ノ学園の生徒会長で千歳のライバル。葵に惚れている。千歳に負けず劣らずのうぬぼれやである。
- 田中山(声:掛川裕彦)
- 常に田舎ノ中を陥れる為に暗躍しているが、あまり役に立たない。ぎょぴちゃんをねらう悪徳弁護士。
- タカピー(声:松野太紀)
- 都会ノ学園風紀委員長。わぴこに恋している。一度、退学して新田舎ノ中学に転入したが、すぐに戻った。
- ドクター大橋(声:平野正人)
- 校長、警ちゃんと幼馴染。謎の触覚トリオの一。
- 文太(声:浦和めぐみ)
- 生徒の一。坊主頭である。
- 三太(声:中友子)
- 生徒の一。
- 朱子(声:國府田マリ子)
- 生徒の一。数学がいつも0点(自称)。
- 溝口先生(声:小林俊夫)
- 先生とは思えないほど背が低い。千歳のママに初めて声をかけられたときには、「ねぇ、ぼく~」といわれている。泣き虫。
- 海野民子(声:三浦雅子)
- ポニーテールが似合う少女。北田秀一に想いを寄せている。かなり賢いほうで、学校でもトップクラスの成績。好きな料理かつ得意な料理は冷ややっこ。
- 千歳のママ(声:吉田理保子)
- 病弱。と自分で言っている割には、しょっちゅう新田舎ノ中学を訪問し、悪さばかりする。
- ミーコ(声:瀬戸真由美)
- 猫の一。
- イナちゃん(声:中友子)
- 豚の一。
- ウシ子(声:瀬戸真由美)
- 牛の一。
- 不良牛(声:掛川裕彦)
- 牛の一。
- ウシ美(声:原えりこ)
- 不良牛たちのアイドル。秀一に片想いしている。民子とはライバル関係にあたるが、バレンタインデーにはチョコレートを合作して一緒に渡そうとしたりと仲が良い。
- マイケル(声:菊池正美)
- 巨大な顔で無駄に目立つ。無駄に目立って殴られて吐血する事が多い。
- 警ちゃん(声:茶風林)
- 警察の一。謎の触覚トリオの一。
[編集] テレビアニメ
[編集] スタッフ
- 原作:猫部ねこ(講談社『なかよし』連載)
- プロデューサー:太田賢司(テレビ朝日)、旗野義文(東映動画)、東伊里弥(東映動画)
- シリーズ構成:まるおけいこ
- 脚本:まるおけいこ、影山由美、松井亜弥、麻尾るみこ、中弘子、渡辺誓子
- 音楽:有澤孝紀
- キャラクターデザイン:入好さとる
- 作画監督:入好さとる、小山知洋、夏目久仁彦、松本勝次、八幡正、藁谷均、安藤正浩、只野和子、松下浩美、青山充、松本清
- 美術デザイン:椋尾篁
- 美術:窪田忠雄
- 背景:ムクオスタジオ
- シリーズディレクター:佐藤順一
- 演出:佐藤順一、梅澤淳稔、山吉康夫、幾原邦彦、遠藤勇二、岡佳広、五十嵐卓哉、小坂春女、宇田鋼之介
- 製作担当:樋口宗久
- 制作:テレビ朝日、東映エージエンシー、東映
[編集] 主題歌
[編集] オープニングテーマ
[編集] エンディングテーマ
- 「スーパーきんぎょ」
- 作詞:岸田るみ子 作曲:矢代恒彦 編曲:三国義貴 歌:内田順子
- 「ぎょっぴーダンス」
- 作詞:小坂明子 作曲:小坂明子 編曲:有澤孝紀 歌:内田順子
[編集] 挿入歌
(あいうえお順)
- 「仰げばきんぎょ」
- 作詞:青木久美子 作曲・編曲:赤坂東児 歌:松島みのり、かないみか、高田由美、飛田展男、塩屋翼
- 「あなたが好き」
- 「遠足に行きた~い!!」
- 作詞:まるおけいこ 作曲・編曲:有澤孝紀 歌:内田順子 コーラス:かないみか、松島みのり、高田由美、飛田展男、塩屋翼
- 「遠足に行きた~い!(ダンス・バージョン)」
- 作詞:まるおけいこ 作曲・編曲:有澤孝紀 歌:内田順子
- 「おいしいピクニック」
- 作詞:青木久美子 作曲・編曲:有澤孝紀 歌:松島みのり、かないみか、高田由美、飛田展男、塩屋翼
- 「オイラはイナ中の超アイドル」
- 作詞:松井亜弥 作曲・編曲:有澤孝紀 歌:内田順子 セリフ:掛川裕彦
- 「頑張れ! バーニー・ブラザーズ」
- 作詞:松井亜弥 作曲・編曲:赤坂東児 歌:掛川裕彦、松野太紀
- 「ぎょぴちゃん十ヶ条」
- 作詞・作曲:小坂明子 編曲:小坂潔 歌:内田順子、松島みのり
- 「サイコー! バケイション」
- 作詞・作曲:小坂明子 編曲:小坂潔 歌:内田順子
- 「さくら・3月・おともだち」
- 作詞・作曲:小坂明子 編曲:小坂潔 歌:内田順子
- 「サンタの贈り物」
- 作詞・作曲:小坂明子 編曲:有澤孝紀 歌:かないみか、松島みのり、高田由美、飛田展男、塩屋翼
- 「たのしい誕生日」
- 作詞・作曲:小坂明子 編曲:有澤孝紀 歌:内田順子
- 「パクきんララバイ」
- 作詞・作曲:小坂明子 編曲:赤坂東児 歌:内田順子
- 「みんなでROCK!」
- 作詞:星野らんちゅう 作曲・編曲:矢代恒彦 歌:かないみか
- 「わぴこの学問のススメ」
- 作詞:松井亜弥、有澤孝紀 作曲:有澤孝紀 歌:かないみか
- 「わぴこちゃん音頭」
- 作詞:そのべかずのり 作曲:赤坂東児 編曲:牧野三朗 歌:かないみか コーラス:SHINES
- 「わぴこメイト行進曲」
- 作詞・作曲:小坂明子 編曲:有澤孝紀 歌:内田順子 コーラス:おさわがせシスターズ
[編集] ネット局
(※印は時差ネット、▲印は途中から同時ネットで放映開始、それ以外はすべて同時ネット)
- テレビ朝日(キー局)―北海道テレビ、青森朝日放送▲、東日本放送、秋田放送※、山形放送※、福島放送、新潟テレビ21、長野朝日放送▲、テレビ山梨※、北陸朝日放送▲、福井テレビ※、静岡県民テレビ(現・静岡朝日テレビ)、名古屋テレビ、朝日放送、瀬戸内海放送、広島ホームテレビ、九州朝日放送、長崎文化放送、熊本朝日放送、テレビ大分※、テレビ宮崎※、鹿児島放送
[編集] アニメ映画
- きんぎょ注意報!
- 主題歌
- ED「わぴこメイト行進曲」(作詞・作曲:小坂明子 編曲:有澤孝紀 歌:内田順子、おさわがせシスターズ)
[編集] 関連商品
[編集] CDアルバム
- きんぎょ注意報! きんぎょ鉢
[編集] ゲーム
- ゲームボーイ版「きんぎょ注意報!」
- ゲームボーイ版「きんぎょ注意報!2 ぎょぴちゃんをさがせ!」
- スーパーファミコン版「きんぎょ注意報! とびだせ!ゲーム学園」1994年3月18日発売
[編集] DVD
- きんぎょ注意報!DVD-BOX 2005年3月25日発売
[編集] 外部リンク
- きんぎょ注意報!(東映アニメーション内)
テレビ朝日 土曜19:00枠 | ||
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