ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
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『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(ゴジラ モスラ メカゴジラ とうきょうエス・オー・エス)は2003年に公開された日本映画で、ゴジラシリーズの第27作である。併映は『とっとこハム太郎 ハムハムハグランプリン オーロラ谷の奇跡』。前年に公開された『ゴジラ×メカゴジラ』の直接の続編である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
2003年12月13日公開。前作で主役を演じた釈由美子も少し登場するが、今作の主人公は金子昇が演じた3式機龍の整備士。劇中では「メカゴジラ」という言葉は一切出てこない。さらにモスラが卵、幼虫、成虫それぞれ登場する(繭は登場しない)が、今までになく生物的らしさを追求した外観は、ややグロテスクである(動き自体はそうでは無いが)。反面、モスラとゴジラの戦いは旧来然としたもので、出来は良いが新味もないという感じである。なおここで描かれる日本は1961年公開の映画『モスラ』と直接繋がった世界である。
このためモスラの巫女・小美人の衣装も昭和の小美人に近い南方風のものとなっている(ただしセパレート)。また、昭和の作品も含め、これまでの作品で小美人は基本的に「モスラに乗る」「鳥かごなどで登場人物に輸送される」という形でしか遠距離移動しなかった。しかし、本作では人間に輸送されることはなく、モスラの存在と関係なく物理的・空間的な制約を一切無視していつの間にかどこからか現れ、いつの間にかどこかへ消えていく。この結果、今までと一線を画すほどに神秘的な、そしてこれまでの作品で最も(サイズだけではない)妖精らしい妖精となっており、作中では導きの女神ともいうべき重要な働きをする。また、小美人をどちらも東宝シンデレラ出身の大塚ちひろと長澤まさみが演じているのも特徴である。
なお、本作の観客動員数は110万人で、『メカゴジラの逆襲』『ゴジラ対メガロ』に次ぐ歴代ワースト第3位(FINAL WARS公開後にはワースト4位)となり、次作『ゴジラ FINAL WARS』でのゴジラシリーズ再打ち切りが決定した。
ゴジラシリーズで唯一、ゴジラによって東京タワーが破壊されている。ちなみに上記の通り『モスラ』の続編でもあるため、この世界では東京タワーが2回破壊されていることになる。
[編集] あらすじ
かつてインファント島を調査しモスラの日本襲撃の際に活躍した中條信一の元に小美人が現れた。彼女たちは死んだ生物に人間が手を加えてはならないとして3式機龍を海に帰すよう勧告、その代わりにモスラが命をかけてゴジラを食い止めることを約束する。しかし、その場に居合わせた信一の甥・中條一曹にとって、それは受け入れられない要請だった。なぜなら彼は機龍の整備士だったのである。
信一が旧友でもある五十嵐首相に直接この件を請願に行ったことから、事態は問題化することになる。政府にとって機龍は対ゴジラの要であり、モスラは先般日本を襲撃した敵にほかならないからだ。当然ながら政府はこの請願を拒否し、先の対ゴジラ戦で大きく損傷した機龍の整備を急がせるのだった。
そしてついにゴジラが出現。自らの分身を求めるように、まっすぐと八王子の機龍基地を目指してゆく。政府は先の対ゴジラ戦で破壊されたままの品川地区で迎撃することを決定、機龍を出撃させる。さらに信一の孫がモスラを召喚し、ここに三怪獣が東京で激突することとなった。
[編集] スタッフ
[編集] キャスト
- 中條義人:金子昇
- 如月梓:吉岡美穂
- 秋葉恭介:虎牙光揮
- 小美人(ヒオ):大塚ちひろ
- 小美人(マナ):長澤まさみ
- 家城茜:釈由美子
- 神崎:益岡徹
- 富樫:高杉亘
- 五十嵐隼人:中尾彬
- 中條信一:小泉博
- ゴジラ:喜多川務
- メカゴジラ:中川素州