ダイハツ・ハイゼット
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ハイゼット | |
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派生車種 | フェロー アトレー アトレー7 ミゼットII |
排気量違い | ニューライン ニューラインキャブ ハイゼットグランカーゴ |
初代 | |
画像なし | |
製造期間 | 1960年 – 1967年 |
ボディタイプ | ライトバン(3ドア) トラック |
エンジン | ZM型 |
駆動方式 | FR |
その他 | 後継はフェロー(L37) 派生車種は ニューライン(L50) |
2代目 | |
画像なし | |
製造期間 | 1964年 – 1968年 |
ボディタイプ | トラック 4ドアキャブオーバーバン |
エンジン | ZM型 |
駆動方式 | FR |
その他 | 名称はハイゼットキャブ 派生車種は ニューラインキャブ(S50) |
3代目 | |
画像なし | |
製造期間 | 1968年 – 1972年 |
ボディタイプ | トラック 4ドアバン |
エンジン | ZM型 |
駆動方式 | FR |
その他 | 電気自動車 |
4代目 | |
製造期間 | 1972年 – 1981年 |
ボディタイプ | 5ドア バン トラック |
エンジン | ZM型 AB型 |
駆動方式 | FR |
その他 | 360cc仕様は1981年まで継続生産。 550cc仕様は5代目と併売 |
5代目 | |
画像なし | |
製造期間 | 1977年 – 1981年 |
ボディタイプ | 5ドア バンロールーフ 5ドア バンハイルーフ トラック |
エンジン | AB型 |
駆動方式 | FR |
その他 | 4代目と併売 |
6代目 | |
製造期間 | 1981年 – 1986年 |
ボディタイプ | 5ドア バンロールーフ 5ドア バンハイルーフ トラック |
エンジン | AB型 |
駆動方式 | FR パートタイム4WD |
その他 | 4代目S38と併売 |
7代目 | |
製造期間 | 1986年 – 1994年 |
ボディタイプ | 5ドア バンロールーフ 5ドア バンハイルーフ トラック 4ドアトラック |
エンジン | EB型 EF型 |
駆動方式 | FR パートタイム4WD |
その他 | |
8代目 | |
製造期間 | 1994年 – 1999年 |
ボディタイプ | 5ドア バンロールーフ 5ドア バンハイルーフ トラック 4ドアトラック |
エンジン | EF型 |
駆動方式 | FR パートタイム4WD |
その他 | |
9代目 | |
製造期間 | カーゴ:1999年 – 2004年 トラック:1999年 – 生産中 |
ボディタイプ | 5ドア バンロールーフ 5ドア バンハイルーフ トラック 4ドアトラック |
エンジン | EF型 |
駆動方式 | FR パートタイム4WD |
その他 | カーゴはセミキャブ トラックはフルキャブ |
10代目 | |
製造期間 | カーゴ:2005年 – 製造中 |
ボディタイプ | 5ドア バンハイルーフ 5ドア ワゴンハイルーフ 4ドアトラック |
エンジン | EF型 |
駆動方式 | FF パートタイム4WD |
その他 | カーゴのみフルモデルチェンジ、トラックは9代目を継続生産 |
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ハイゼット(HIJET)はダイハツ工業で生産されている軽自動車である。
目次 |
[編集] 概要
1960年に発売され、現在販売されているダイハツ車の中ではもちろんのこと、軽自動車全体でも最も古い歴史(10代46年)を持つ。初代モデルはボンネットタイプのライトバンとトラックであったが、2代目モデルからキャブオーバータイプのバンとトラックに変更(ただし初代のボンネットタイプも併売)、更に9代目モデルのバン改めカーゴからセミキャブタイプに変更され現在に至る。
ハイゼットと言えば電気自動車としても有名でありその歴史は1968年からである。現在は電気自動車の生産は行ってないが、トヨタ自動車のハイブリッドシステムを一部使用したハイゼットカーゴ・ハイブリッドを販売している。
また、7代目モデルからバンをベースにリヤの荷室部分をオープンデッキ化したハイゼット・デッキバンを追加、現行モデルにも設定されている隠れたベストセラー車となっている。
特装車のバリエーションも多く、キャビンを広く取ったトラックのハイゼットジャンボ、4人乗りトラックのハイゼットデッキバンは歴代ハイゼットに設定されたオリジナルグレードで人気が高い。
介護用のスローパー、リアシートリフト、省エネ仕様の電気自動車、ハイブリッド、CNG仕様、パネルバン、ダンプ、冷凍車、消防車、霊柩車など80種類以上になる。
海外でもライセンス生産されており、イタリアのピアジオ社では「ポーター」という名称で生産されている他、韓国でも亜細亜自動車(現:起亜自動車)により「タウナー」という名称で生産されていた。中国向けでは6代目ハイゼットがノックダウン生産され最近まで生産されていた。また、海外にはリッター仕様もあり、東南アジア向けは「ゼブラ」の名称で7代目ハイゼットのストレッチ版が販売されていた。海外では日本では販売されていない7代目ハイゼット後継のキャブオーバータイプハイゼットが登場するなどしている。
[編集] 歴史
[編集] 初代(1960-1967年 L35系、L36系)
- 1960年10月 新発売。当初トラックのみの販売。
- 1961年5月 ライトバン、パネルバン販売。
- 1962年11月 エンジン改良。
- 1965年11月 一部改良
- 800ccエンジンを搭載したニューラインが登場
- 1966年10月 空冷エンジン(L35系)から全車水冷2サイクル2気筒エンジンZM型(L36系)に
[編集] 2代目(1964-1968年 S35系、S36系)
- 1964年4月 フルモデルチェンジ。キャブオーバータイプに変更。名称はハイゼットキャブとなる。但しボンネットタイプの初代モデルも併売。
- 基本ボディはトラックとバンの2種類。トラックは3方開きと一方開きで荷台高さが異なる。3方開きは平床で、一方開きは低床を採用しリアタイヤ部分が一段高い形状だった。
- 800ccエンジンを搭載したニューラインキャブ登場
- 1966年10月 空冷エンジン(S35系)から全車水冷エンジン(S36系)に。
[編集] 3代目(1968-1972年 S37系)
- 1968年4月 フルモデルチェンジ。ハイゼット電気自動車発表。
- 軽キャブオーバー車初の角型ヘッドライト採用。
- 基本ボディはトラックとバンの2種類。トラックは3方開きと一方開きで荷台高さが異るが、一方開きは2段フロアからタイヤカバー部のみが出っ張った形状に改善された。
- マイナーチェンジによりフロントドアのヒンジを後ろから前へ変更。
[編集] 4代目(1972-1981年 S38系、S40系)
- 1972年2月 フルモデルチェンジ(S38系)。
- バンのリヤドアは軽自動車初のスライドドアとなる。リアドアは両側に設定され左右どちらからでも荷物の載せ降ろしが可能であった。トラックの荷台は全て平床となった。
- 1976年4月 550cc4サイクル2気筒エンジンAB型搭載車(S40系)追加。
- 550ccエンジン車はバンパーが延長され全長がバンで100mm、トラックで50mm延長されている。
- 1980年4月 550cc(S40系)生産中止。360cc(S38系)は1981年8月まで継続生産
[編集] 5代目(1977-1981年 S60系)
- 1977年 4代目モデルのボディサイズアップ版として登場。
- 1979年 乗用用途のカスタムEX登場
- マイナーチェンジ実施、フロントスタイル、インパネを含めた内装を大幅変更
- 1980年 バンにハイルーフ追加
[編集] 6代目(1981-1986年 S65系)
- 1981年4月 フルモデルチェンジ。バンのボディはハイルーフを前提としたデザインとなり、乗用(ナンバーは4ナンバー)のハイゼット・アトレーが派生。
- バンはロールーフとハイルーフが存在し、既存の低床だけでなく平床仕様が新規に登場した。ハイルーフと低床を組み合わせると1200mmの荷室高があった。
- トラックは悪路対応としてローギアードオプション(4WD登場と同時に消滅)があった。トラックの低床仕様としてローデッキが存在しエンジン搭載位置をバンと同じ位置とし通常より荷台を低くしたモデルがある。
- 1982年3月 4WD追加。
- 1983年10月 マイナーチェンジ
- ハイゼットジャンボ追加、オプションにクーラー追加。4WDにフリーホイールハブを設定
[編集] 7代目(1986-1994年 S80系、S82系)
- 1986年5月 フルモデルチェンジ。エンジンは2気筒AB型から3気筒EB型に変更
- スタイル重視のデザインを採用し、フラッシュサーフェイス化されたボディにスライドドアに世界初採用された下降窓、縦方向に大きな窓ガラスが特徴である。若者に人気であったがスタイル重視が弱点となり660cc後は後発ライバルに広さで劣勢に立たされる事となった。
- バンにはバックドアのガラスを開閉可能なダブルハッチが設定された。ダブルハッチは同世代である2代目ミラにも採用されている。実用性に乏しく660cc化された際にオプション化されフルモデルチェンジと同時に姿を消した。
- 10インチタイヤ装着車両は最小回転半径3.5mとなり550cc移行の軽自動車で最小の回転半径である。12インチタイヤ仕様は3.6m、参考ながら6代目は3.7m、8代目は3.8mである。10インチタイヤは2WD、12インチタイヤは4WDで採用されている。
- 1987年 トラックにスーパーチャージャー車追加。
- スーパーチャージャー仕様はエアコンコンプレッサー部に加給機を装備する為、エアコンを装備出来ない。
- 1988年10月 マイナーチェンジ。バンの後ろを切り取り4人乗りトラックとしたデッキバンを追加。
- 1990年4月 マイナーチェンジ。新規格化。スーパーチャージャーは廃止。660ccEF型エンジンへ変更された。
- 1992年3月 バンの4WDにAT車追加
- 排気ガス規制の為、マフラーに触媒が装備されスペックは同等だがパワーダウンしている。外観はフロントセンターにシルバーのプラスチックガーニッシュが装備され、大半のグレードは5MTへ変更された。また2WD車は10インチタイヤから12インチタイヤへサイズアップが図られた。
[編集] 8代目(1994-1999年 S100系)
- 1994年1月 フルモデルチェンジ。トラックにもATが設定される。MTは全車5MTが標準設定となる。
- バンの低床仕様は消滅し全て平床仕様となった。メーカーオプションでリアシート装着車両はELRシートベルトを装備可能となった。
- ホイールベースが10cm延長され安定性がアップしている。
- 1995年 限定車に天晴 追加
- 1996年1月 一部グレードのエンジンがDOHC化
- ハイゼットのパーツを流用してミゼットIIが登場した。
- 1997年10月 トラックの最上級グレードにis(イズ)追加、特装車にスーパージャンボ追加
- 日本テレビのバラエティ番組ザ!鉄腕!DASH!!にてソーラーカーに改造されたハイゼットが日本一周の旅をしている。
[編集] 9代目(カーゴ:1999年-2004年、トラック:1999年- S200系)
- 1999年 フルモデルチェンジ。車体デザインをジウジアーロ率いるイタルデザインが手懸けた。この型からバンの名称をカーゴに変更しセミキャブ化したが、トラックはフルキャブのままであった。
- 2000年 全グレードにカラードバンパーを採用
- 2001年 小型自動車登録のハイゼットグランカーゴを発売。2004年11月に製造終了。
- 2002年 カーゴにターボエンジン搭載のデラックスターボ追加。ターボ車と4WD車に4AT仕様が追加。
- アトレーのバンモデル消滅に伴いアトレーCL後継のクルーズが追加
- 2004年12月 トラックをビッグマイナーチェンジ。
- ダイハツ九州株式会社に生産拠点を移動した。
- フロントフェイス、インパネ、リアテールなどが大幅に変更された。最小回転半径が3.7mと現在生産中の軽トラックで最小となった。
[編集] 10代目(カーゴ:2004年- S320系)
- 2004年12月 カーゴのみフルモデルチェンジ。トラックは先代モデルを継続販売。
- グレードはスペシャル、デラックス、クルーズ、クルーズターボを設定。
- クルーズターボは乗用グレード的な扱いで200kg積となっている。他は350g積み。リアサスペンションは従来はリーフ式であったが、アトレーと同じ3リンクコイルを採用している。その為形式はS320系となっている。(本来はS300系であるが、リアコイルサスは形式番号に+20加算される為)
- 2005年8月 ハイゼットカーゴ・ハイブリッド追加。
なお、この10代目(トラックは9代目の2004年マイナーチェンジ後)から、大分県中津市に移転したダイハツ車体株式会社(現・ダイハツ九州株式会社)が生産担当している。