ファウスト
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『ファウスト』(Faust)は、18-19世紀ドイツの文人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの代表作とされる長編の戯曲。全編を通して韻文で書かれている。
戯曲『ファウスト』は、15-16世紀頃のドイツに実在したと言われる“ドクトル・ファウストゥス”の伝説を下敷きにして、ゲーテがほぼその一生をかけて完成した畢生の大作である。このファウスト博士は、錬金術や占星術を使う黒魔術師であるという噂に包まれ、悪魔と契約して最後には魂を奪われたという奇怪な伝説、風聞がささやかれていた。ゲーテは、若い頃からこの伝承に並々ならぬ興味を抱き、こうした様々な伝説に取材して、彼を主人公とする長大な戯曲を仕立て上げた。(なお、主人公の名前は「幸福な、祝福された」を意味するラテン語 faustus に由来する。ドイツ語で「拳骨」を意味する Faust と一致するが、偶然の一致にすぎない。)
『ファウスト』は二部構成で、第一部は1808年、第二部はゲーテの死の翌年1833年に発表された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
[編集] プロローグ
[編集] 献辞と前戯
戯曲『ファウスト』はまず、1797年になって初稿『原ファウスト』(Urfaust)から20年ののちにこの作品を再び世に送るにあたり、ゲーテがその心境を告白した「献ぐる詞」から始まる。次に、インドの詩人カーリダーサ(5世紀)作の戯曲『シャクンタラ』に影響を受けたゲーテによって、その体裁に倣って同年に書き加えられた「劇場での前戯」(Vorspiel des Theaters)が続き、「天上の序曲」(Prolog im Himmel)に至っていよいよ悲劇の本筋に入る。
[編集] 天上の序曲
天使たちの合唱とともに壮麗に幕開けられた舞台に、誘惑の悪魔メフィストーフェレス(以下メフィスト)が滑稽な台詞回しでひょっこりと現れ、主(神)に対してひとつの賭けを持ちかける。メフィストは「人間どもは、あなたから与えられた理性をろくな事に使っていやしないじゃないですか」と揶揄し、主はそれに対して「常に向上の努力を成す者」の代表としてファウスト博士を挙げ、「今はまだ混乱した状態で生きているが、いずれは正しい道へと導いてやるつもりである」と述べる。メフィストはそれを面白がり、ファウストの魂を悪の道へと引きずり込めるかどうかの賭けを持ちかける。主は、「人間は努力するかぎり迷うもの」と答えてその賭けを容認し、かくしてメフィストはファウストを誘惑すべく、地上に下ってゆくのであった。
[編集] 第一部
[編集] ファウスト博士と悪魔メフィストーフェレスの契約
ファウスト博士は、中世ヨーロッパにおける最高学位、ドクトルを取得した学者であった。彼はあらゆる知識をきわめ尽くしたいと願い、当時大学を構成していた哲学、法学、医学、神学の四学部すべてにおいて学問を究める。が、「自分はそれを学ぶ以前と比べて、これっぽっちも利口になっていない」と、どうしてもその無限の知識欲求を満たしきれずに歎き、人間の有限性に失望していた。
そこに悪魔メフィストが、黒い犬に変身してファウスト博士の書斎に忍び込む。学問に人生の充実を見出せず、その代わりに今度は生きることの充実感を得るため、全人生を体験したいと望んでいるファウストに対し、メフィストは言葉巧みに語りかけ、自分と契約を結べば、この世の日の限りは伴侶、召使、あるいは奴隷のようにファウストに仕えて、自らの術でかつて誰も得る事のなかったほどの享楽を提供しよう、しかしあの世で再び会った時には、ファウストに同じように仕えてもらいたいと提議する。もとよりあの世に関心のなかったファウストはその提議を二つ返事で承諾し、「瞬間よ止まれ、汝はいかにも美しい!」("Verweile doch! Du bist so schön.")という言葉を口にしたならば、メフィストに魂を捧げると約束をする。
[編集] ファウストの恋とその顛末
悪魔メフィストはまずファウスト博士を魔女の厨(くりや=台所のこと)へと連れて行き、魔女のこしらえた若返りの薬をファウストに与える。若返ったと同時に旺盛な欲を身に付けたファウストは、様々な享楽にふけり、また生命の諸相を垣間見ながら、「最も美しい瞬間」を追い求めることになる。彼が最初に挑んだ享楽は恋愛の情熱であった。魔女の厨(くりや)で見かけた魔の鏡に、究極の美を備えた女性が映るのを見たことから、ファウストはひたすらその面影を追い求め、街路で出会った素朴で敬虔な少女マルガレーテ(通称グレートヒェン)を一目見て恋に落ちる。
彼はメフィストに、グレートヒェンに高価な宝石を贈らせるなどして仲を取り持たせ、ついには床を共にする。しかしある夜、風の噂に妹が男性と通じている事を聞きつけたグレートヒェンの兄ヴァレンティンとファウスト・メフィストの二人連れが鉢合わせし、決闘となる。そうしてファウストはヴァレンティンを手に掛ける。
[編集] ヴァルプルギスの夜
一時の気晴らしに悪魔メフィストはファウスト博士を魑魅魍魎(ちみもうりょう)達の饗宴ヴァルプルギスの夜へと連れて行く。(余談ではあるが、この乱痴気騒ぎの描写には、作者ゲーテの豊富な知識と筆の力量が垣間見られる。)ファウストはメフィストによってあらゆる魔女や妖怪達の中を引き回されるが、そこで首に”赤い筋”をつけたマルガレーテ(グレートヒェン)の幻影を見て彼女に死刑(斬首刑)の危機が迫っていることを知り、メフィストがそのことを隠し立てしていたと激怒する。実はグレートヒェンはファウストとの情事により身籠っており、彼の不在のうちに産まれた赤ん坊を持て余した末、沼に沈めて殺してしまっていた。そうして、婚前交渉と嬰児殺しの罪を問われて牢獄に投じられたのであった。
[編集] 悲劇の結末
ファウストはメフィストと共に獄中のグレートヒェンを助けに駆けつける。しかし、気が狂ってもなお敬虔な彼女は、ファウストの背後に悪魔(メフィスト)の影を見出して脱獄を断固として拒否する。ファウストは罪の意識にさいなまれて絶望し、„O, wär’ ich nie geboren!“(おお、私など生まれてこなければ良かった!)と嘆く。メフィストは、「彼女は裁かれた!」と叫ぶが、このとき天上から「救われたのだ」という(天使の)声が響く。ファウストはマルガレーテをひとり牢獄に残し、メフィストに引っ張られるままにその場を去ってゆく。
[編集] 第二部
[編集] 第一幕
「ファウスト」第二部の第一幕は、最愛の女性マルガレーテ(グレートヒェン)が自分との過ちのために処刑された悲しみを豊かな自然の中で癒すファウスト博士の描写から始まる。風の精霊アーリエルをはじめとするエルフ(精霊)達に囲まれ、ひとときの安息と”過去の忘却”を得たファウストは精力を取り戻し、まずは皇帝の家臣としての人生を送る事となる。皇帝の居城における玉座の間にて宰相、兵部卿、大蔵卿、宮内卿らが皇帝を取り囲み、国は乱れ国庫は底を突いていると歎いているところに悪魔メフィストーフェレスが道化として言葉巧みに皇帝に取り入る。そうして、開催された仮面舞踏会において、「富貴」を象徴する神プルートゥスに扮したファウストを皇帝に紹介する。
二人は様々な幻術で国王を愉しませた後、国の窮状の打開策として、国土に埋蔵されているとされる、ありもしない無数の財貨を担保に兌換紙幣の発行を提案し、皇帝はそれを内外に放出する。国王は次に男女の理想の姿を持つとされるギリシア神話上の人物、パーリスとヘーレナを見たいとファウストに申し付ける。古代ギリシアの霊はキリスト教に属する自分のような悪魔の能力では呼び出せないと主張するメフィストにたいし、何としても国王の要求に応じなくてはならないとファウストは迫る。するとメフィストは、神秘に満ちた虚無の世界「母たちの国」から二人の霊を現世へと連れ出せば良い、とファウストに明かす。
一連の冒険の末、居城の騎士の間へと二人の神を呼び出したファウストは、ヘーレナーの美しさに魅せられ再び恋に落ちる。彼が彼女の姿に触れた途端、爆発と共に霊どもは霧となって立ちどころに消え、騒動となる。ファウストは爆発に巻き込まれ気を失い、幕が閉じる。
[編集] 第二幕
舞台はかつてのファウスト博士の書斎へと転じる。未だ気を失ったままのファウスト博士を尻目に、メフィストは実験室へと赴く。そこではファウストのかつての弟子であったヴァーグナーが、自らの学識でもってホムンクルス(人造人間)の創造を試み、ついに瓶の中に肉体を持たない純粋生命体ホムンクルスが産まれる。その神通力によって失神しているファウストの夢を読み取ったホムンクルスは、自らもまた人生を体験したいと思い立ち、ヴァーグネルの元を離れてファウストに随行することを決心する。目を覚ましたファウストはヘーレナーを探すため、時空を超えてギリシアの古典的ヴァルプルギスの夜へと飛び発つ。そうしてめいめいがファルサロスの野、ペネイオス川の上流、下流、エーゲウス海の岩の入り江など、ギリシア神話上のあらゆる神々が現れる土地を旅して回る様子が描かれ、精霊達の、地、水、風、火の四大元素への賛歌のうちに幕は閉じる。
[編集] 第三幕
スパルタにおけるメネラスの宮殿の前に、女神ヘーレナーが捕われたトロイアの女達(合唱隊)と共に姿を現す。(ギリシア神話上ヘーレナはトロイアの王子パーリスに誘拐され、後にギリシアが発した大軍によって奪還されたとされており、場面は奪還されたヘーレナーが再び祖国の土を踏むところである。)彼女はトロイア戦争の総大将アガメムノンの弟たる夫メネラオスが、自分が無事に帰郷した事をオリュンポスの神に謝すための祭典の準備を命ぜられたが、捧げるべき生贄については何も語られなかったこと、加えて自分がどのような扱いで祖国へと帰されたのかを訝る。
そこに、ギリシア神話の醜い妖怪フォルキュアスに変装した悪魔メフィストが現れ、メネラオスはヘーレナーとその侍女たち(合唱隊)を神への生贄に捧げるつもりである。また、唯一の助かる手段としては、遠くの山の谷間に砦を設けた騎士であり頭領であるファウスト博士の元へ逃げる他ない、とそそのかす。ヘーレナは命を惜しんで泣きくずれる侍女たちのためにそれを渋々承諾し、ファウストはメネラオスの軍勢と対決し、勝利する。かくて、ファウストのヘーレナーと添い遂げたいという願いはついに叶えられる。二人は「詩」の形象であるオイフォーリンをもうけ、しばし幸福な生活を送る。しかし、「常に向上の努力を成す者」としてのファウストの気性を受け継ぐオイフォーリンは、より高みを目指そうとして崖の高みから飛び立ち、神話のイカロスのように墜落死する。彼は冥府から母親であるヘーレナーを呼び、ヘーレナーはファウストの胸の中で雲散霧消し、合唱隊が歎きの歌を唱和する中、ファウストは再び新たな人生へと旅立つことを余儀なくされる。
[編集] 第四幕
ファウスト博士と悪魔メフィストは峨々(がが)たる岩の頂上に降り立ち、共に「世界の生成について」の議論を行う。議論の中ではファウストの理想の国家像が言及され、やがてファウストは名声を挙げて支配権、所有権を得たい、偉大な事業を成し遂げたいと述べる。彼は海の沖で大波が寄せては返し、岸を痛めつける様子を目にし、海をはるか遠くに封じ、そうした非生産的な活動を止めさせたいと欲求したのであった。メフィストはそれにたいして、「折しも第二部・第一幕において舞台となった国の経済がいよいよ破綻し、正統の皇帝に対して僣帝が擁立され反乱が発生している、皇帝の軍は劣勢であり、彼らが今いる山々へ最後の決戦の為に転進してきているから、ここで再び皇帝に仕え巻き返しを図れば、海岸地帯を褒美として貰えるでしょう」と伝える。
ファウストはその計画に乗り、戦争の凶暴性を象徴する「喧嘩男」、戦争の略奪を象徴する「早取男」、物欲、吝嗇(りんしょく)を象徴する「握り男」というメフィストの三人の手下の悪魔を従えて戦争へ赴く。メフィストの幻術も手伝って、皇帝の軍は見事勝利へと導かれる。戦勝の褒美として皇帝は侯爵達に高官としての地位を与えるが、大司教は勝利する為に皇帝が悪魔の力を借りた事を責め、赦しを得るために教会に膨大な税を納めることを要求する。一連のやり取りの中で皇帝がファウストに海岸地帯の土地を与えた事が明らかにされ、また国家の解体する姿が痛烈に風刺される。
[編集] 第五幕
冒頭における旅人と老夫婦とのやりとりから、ファウストが宮殿を建て、海岸を埋め立て、そこを庭園へと造成し直しており、老夫婦にも新たに開拓された土地と引き換えに立ち退きが求められている事が明らかにされる。ファウストは国政に参画し、新たな「自由の土地」を開拓するという大事業を推進させていくが、その目標は、海を徹底的に埋め立てるという壮大なものであった。宮殿にて、ファウストは海賊行為をはたらき帰ってきたメフィストに対してぼやく。老夫婦の住む丘にある菩提樹の下を住まいとし、自らの営為の全貌を展望したいこと、しかし老夫婦は立ち退きに応ぜず、そこに建つ礼拝堂の鐘の音が彼の心を苦しめていることを述べ、ただ一つその事が自分の意のままに行かないばかりに自身の心が厭わしく圧されているというのだ。メフィストは彼の告白に対し、老夫婦の立ち退きを執行する役を買って出るが、事は穏便には済まず諍(いさか)いの末、訪れていた旅人共々死に至らしめ、あげく家に火を放ってしまった事を伝える。ファウストは自分は交換を望んだのであって強奪せよとは命令していないと激怒し、メフィストと彼が率いる手下共を追放する。
半夜、独り玉座にて物思いにふけるファウストのもとに4人の”灰色の女”が現れ、ファウストと問答を交す。最初ファウストは慄然とするが、やがて自らを制して、己が世の中を駆け抜け、あらゆる快楽を体験してきた事、また最初こそ威勢のよかったものの、今では賢く、思慮深く生きている事などを告白し、地上の事はもう十分に知りぬいたと言う。地上で日々を送っている間は、たとえ「憂愁」のような幽霊が現れるとも構わずに道を行くという決心、進み行くうちには苦も楽もあるだろうが、どの瞬間にも満足したりなどしないだろう、と語る。「憂愁」は、有り余るものの中でも満足などできず、望みはいつになっても成就しないとの謳い文句でファウストを己の内に取り込もうとするが、ファウストは微塵も取り合おうとしない。そのため、憂愁は呪いの言葉を投げ掛け、吐きかけた息によって彼を盲目にして立ち去る。ファウストは今や物を見ることができなくなってしまったのにも歎かず、むしろ心の中は澄み渡り晴れやかであると独白し、手掛けた事業の完成へと邁進することをあらためて決心する。
一方メフィストは、手下の悪魔どもにファウストの墓穴を掘るように命じる。物見る事叶わぬファウストは、手探りで宮殿から歩み出ながら、その音を、土地の者達が新しい土地を造成する為に働いているたゆまぬ努力の音だと聞き誤り、壮大な独白を展開する。彼は自身が理想とする国家が築き上げられてゆく様子を夢想し、万感の思いで、そこでは人々は生活に関しても自由に関しても、その日ごとに勝ち得てこそそれらを享受するに値する、だからこの「自由の土地」においては老若男女が常に危険の中にあろうとも有意義な年月を送るのである、自分はそうした人々を見、彼らと共に自由な土地の上に住みたい、その瞬間に向かってならば、こう言っても良いであろう、「瞬間よ止まれ、汝はいかにも美しい(Verweile doch! Du bist so schön.)」と。このような高い幸福を予感しつつ、自分はいま最高の瞬間を味わうのだと述べ、ついに絶命する。メフィストは契約通りと判断してその魂を奪おうとするが、合唱しながら天使達が天上より舞い降り、薔薇の花を巻いて悪魔を撃退し、ファウストの魂を昇天させる。山峡にて、天使や聖書上の登場人物が賛歌を唱和する中、かつての最愛の女性マルガレーテ(グレートヒェン)がファウストの魂のために聖母に祈りをささげ、ファウストの魂の救済が成立する。
[編集] 翻訳
『ファウスト』は明治時代、森林太郎(森鴎外)によって初めて日本語に訳された。これは最初の翻訳であるにも関わらず、現在でも評価は高い。岩波文庫版では森林太郎の名のみでゲーテの名はなく、緑帯(現代日本文学)に分類されている。岩波文庫赤帯(海外文学)で出されているのは、独文学者相良守峯の訳である。
それ以外にも多数の和訳があり、高橋義孝訳、手塚富雄訳、山下肇訳、小西悟訳、柴田翔訳、池内紀訳、大山定一訳などがある。その中でも、手塚富雄訳の格調の高さには定評がある。
[編集] 関連作品
『ファウスト』にインスピレーションを得た作品は多数ある。
[編集] 音楽
- シャルル・グノーには第1部をテーマにした同名のオペラ『ファウスト』があり、上演回数も多い。
- フランツ・シューベルトを始めとするドイツ・ロマン派の作曲家は、本作品からテキストを選んで歌曲を作曲している。シューベルトでは『糸を紡ぐグレートヒェン』や『トゥーレの王』が名高い。
- エクトル・ベルリオーズはフランス語訳を読んで感激し、『ファウストの八つの情景』を若くして作曲、後に独唱・合唱・管弦楽のための劇的物語『ファウストの劫罰』に改作した。
- ロベルト・シューマンの『ファウストからの情景』は演奏の機会は少ないがオラトリオ形式の壮麗な曲である。
- アッリーゴ・ボーイトのオペラ『メフィストーフェレ』はワーグナーの影響を強く受けたイタリア・オペラの傑作である。
- フランツ・リストはエクトル・ベルリオーズの勧めでファウストを読んで以来大きな感銘を受け、生涯にわたり本作品に関する曲を多数作曲した。中でも『ファウスト交響曲』と『メフィスト・ワルツ第1番』が特に有名で演奏機会も多い。
- グスタフ・マーラーの「交響曲第8番」は『ファウスト』の第2部最終幕からテキストを採っている。
- キャメロットの『エピカ』『ザ・ブラック・ヘイロー』は本作を下敷きにした2部作の物語になっている。特に後者は音楽的にも高い評価を世界中で受けた。
- 酒場でメフィストフェレスが歌った「ノミの歌」が何人かの作曲家によって歌曲とされているが、ムソルグスキーのものがもっとも有名である。
[編集] 漫画
- 『ファウスト』には、手塚治虫による漫画版が存在する。この作品は1950年に不二書房にて、描き下ろし単行本で刊行された。
- 手塚治虫は大の『ファウスト』フリークで、後に執筆した『百物語』や『ネオ・ファウスト』に、この作品の設定を絡ませている。
- また、ジャンプに連載されていた武井宏之の漫画『シャーマンキング』では、ファウストの子孫という設定のキャラクターが登場している。
- 小田切ほたるの漫画『裏切りは僕の名前を知っている』では、ヴァルプルギスの夜の話がマンガで登場している。