フォワード (サッカー)
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フォワード(forward、striker)は、相手ゴールに一番近いところにポジションをとる選手のこと。得点を取ることを主な役割としている。
現在のサッカーのフォーメーションにおいて、フォワードは1人から3人置かれる。最も一般的なのは2人(2トップ)で、その場合、コンビを組む2人のフォワードには、それぞれタイプが異なる選手を置くことが一般的である(同じタイプの選手を並べることもある)。
チームの最前線、相手ゴールに一番近い場所に位置するため、より多くゴールする責任が伴う。そのため、フォワードの選手は年俸が高いことが多い。
現代のサッカーでは、得点を上げるだけでなく、前線での守備なども求められている。
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[編集] センターフォワード
得点することを求められているポジション。役割やタイプによって、いくつかに分類される。
[編集] ターゲットマン
ポストプレーヤーとも呼ぶ。前線でロングボールやパスを受け、体を張ってそのボールをキープしたり、後方から上がってくる味方にパスを返したりするプレーを得意とする選手、あるいはその役割を与えられた選手のこと。身長が高くフィジカルが強い選手が多い。
代表選手はヤン・コレル(ASモナコ、チェコ)、フェルナンド・モリエンテス(バレンシア、スペイン)、ヤン・フェネホール・オフ・ヘッセリンク(セルティック、オランダ)、ルカ・トーニ(フィオレンティーナ、イタリア)、ディディエ・ドログバ(チェルシー、コートジボワール)、ピーター・クラウチ(リバプール、イングランド)、巻誠一郎(ジェフユナイテッド千葉、日本)など。
[編集] インボックス
ペナルティーボックスの内外で動き、味方からのパスをゴールするフォワード。ポジショニングに優れた選手、反射神経の優れた選手が多い。
代表選手はゲルト・ミュラー(引退、ドイツ)、パオロ・ロッシ(引退、イタリア)、フィリッポ・インザーギ(ACミラン、イタリア)、マイケル・オーウェン(ニューカッスル・ユナイテッド、イングランド)、ペドロ・パウレタ(パリ・サンジェルマン、ポルトガル)、ミロスラフ・クローゼ(ヴェルダー・ブレーメン、ドイツ)、佐藤寿人(サンフレッチェ広島、日本)など。
[編集] マルチ
ドリブル、パスなど、シュートなど、あらゆる技術を持つ万能なフォワード。自ら持ち込み、シュートできるフォワードを指す。数が少なく、貴重な存在である。
代表選手はマルコ・ファン・バステン(引退、オランダ)、ティエリ・アンリ(アーセナル、フランス)、サミュエル・エトオ(バルセロナ、カメルーン)、エルナン・クレスポ(インテル、アルゼンチン)、アンドリー・シェフチェンコ(チェルシー、ウクライナ)、ロナウド(ACミラン、ブラジル)など。
[編集] セカンドトップ
セカンドストライカー、リンクマン、1.5列目、イタリアではトレクアルティスタと呼ぶ。2トップの役割分担の一つで、センターフォワードとコンビを組む形で起用される。ゴール前に張ってフォワードの軸となるセンターフォワードに対し、常に動き回って相手のディフェンスをかき回す。優れたパスで味方の得点を演出(チャンスメイク)したり、自らゴールを狙う。チャンスメイクに優れたミッドフィールダー(トップ下)の選手が務めることもある。
代表選手はロベルト・バッジョ(引退、イタリア)、デニス・ベルカンプ(引退、オランダ)、アレサンドロ・デルピエロ(ユベントス、イタリア)、フランチェスコ・トッティ(ASローマ、イタリア)、ウェイン・ルーニー(マンチェスター・ユナイテッド、イングランド)、ロビン・ファン・ペルシ(アーセナル、オランダ)、リバウド(オリンピアコス、ブラジル)など。