ミッドフィールダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミッドフィールダー(midfielder)は、サッカーにおけるポジションの一つ。略記はMF。日本語では中盤。フィールドの中央、フォワードとディフェンダーの間に位置し、両者をつなぎつつ攻撃と守備の両方に関わるポジション。
以前はハーフバックやインサイドフォワード(インナー)と呼ばれていたが、1960~1970年代から併せてミッドフィールダーと呼ばれるようになった。ディフェンダーからフォワードへのボールのつなぎ役として、リンクマンとも呼ばれていた。中央を受け持つ選手をセンターハーフ、サイドを受け持つ選手をサイドハーフと読んで区別する。
サッカー後進国の日本のサッカー用語は、全体的に節操なく色々な国の言葉を取り入れているため、統一性がない。
目次 |
[編集] センターミッドフィールダー
(英)centre midfielder,central midfielder
中盤の中央に位置する選手。センターハーフとも。ブラジルではボランチ、スペインではピボーテと言い表される。役割ごとに、様々なタイプが存在する。
[編集] 守備的ミッドフィールダー
(英)defensive midfielder
ディフェンダーの前に位置し、ボール奪取することが主な役割。「守り抜く」という意味の“ホールド”という言葉を用い、ホールディング・ミッドフィールダー(holding midfielder)、またアンカー、フォアリベロと呼ばれることがある。ボールを奪った後に、攻撃参加することもある。目立つことは少ないが、現代のサッカーに置いて非常に重要なポジション。
代表選手はクロード・マケレレ。彼の運動量、ポジショニング、ボール奪取は、守備的ミッドフィールダーのお手本とも言われる。他にはジェンナーロ・ガットゥーゾ(ACミラン、イタリア)、オーウェン・ハーグリーブス(バイエルン・ミュンヘン、イングランド)、ダビド・アルベルダ(バレンシアCF、スペイン)、ジウベルト・シウバ(アーセナル、ブラジル)、鈴木啓太(浦和レッズ、日本)など。
[編集] レジスタ
(英)deep-lying playmaker
広い視野と正確なパスを駆使して、中盤から攻撃のタクトを振るう司令塔(playmaker)。
代表選手はアンドレア・ピルロ(ACミラン、イタリア)、シャビ・アロンソ(リバプール、スペイン)、シャビ(FCバルセロナ、スペイン)、マイケル・キャリック(マンチェスター・ユナイテッド、イングランド)、遠藤保仁(ガンバ大阪、日本)、中村憲剛(川崎フロンターレ、日本)など。
[編集] オールアクション・ミッドフィールダー
(英)all action midfielder,"Box-to-box" midfielder
豊富なスタミナを持ち、守備から攻撃、組み立てからフィニッシュまでこなすオールラウンドプレーヤーを指す。
代表選手はパトリック・ヴィエラ(インテル、フランス)、フランク・ランパード(チェルシー、イングランド)、スティーヴン・ジェラード(リバプール、イングランド)、ミヒャエル・バラック(チェルシー、ドイツ)、マニシェ(アトレティコ・マドリード、ポルトガル)、マイケル・エッシェン(チェルシー、ガーナ)など。
[編集] 攻撃的ミッドフィールダー
(英)attacking midfielder
トップ下、ホール(hole)とも言い表される。フォワードの後方、ミッドフィールダーの最前方に位置し、味方へのアシストや、自らゴールを狙う。ドリブル、テクニック、パスなどに優れた選手が任されることが多い。
代表選手はディエゴ・マラドーナ(引退、アルゼンチン)、、ジネディーヌ・ジダン(引退、フランス)、、カカ(ミラン、ブラジル)、、ルイ・コスタ(ベンフィカ、ポルトガル)などリバウド(オリンピアコス、ブラジル)など。
[編集] サイドミッドフィールダー
(英)side midfielders
中盤のサイドに位置する選手。サイドハーフとも。上下動を繰り返すので、豊富なスタミナが必要なポジション。
[編集] ウインガー
(英)winger
サイドの攻撃的ミッドフィールダーを指す。主な役割は、サイドのからドリブルなどにより局面を打開して得点に絡む事で、シュートないしクロスを上げることが求められる。スピードがある選手、ドリブルの上手い選手が使われることが多い。
以前はフォワードと同じ高さに位置したが、ここ30年、戦術の変化に伴ってポジションが下がってきており、現在はミッドフィールダーに分類されることが多い。通常4-4-2または4-5-1のフォーメーション(攻撃時には4-2-4や4-3-3に近いフォーメションになることがある)で使われる。
代表選手はクリスティアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッド、ポルトガル)、ビセンテ・ロドリゲス(バレンシア、スペイン)、アリエン・ロッベン(チェルシー、オランダ)、ダミアン・ダフ(ニューカッスル・ユナイテッド、アイルランド)、ロビーニョ(レアル・マドリード、ブラジル)、ライアン・ギグス(マンチェスター・ユナイテッド、ウェールズ)など。
[編集] ワイド・ミッドフィールダー
(英)wide midfielder
サイドに位置するが、攻撃に特化したウインガーとは違い、積極的に守備も行う。サイドから攻撃の起点になる選手、ウインガーに分類されないサイドの選手に対して使う(ベッカム、フィーゴなど)。
代表選手はデビッド・ベッカム(レアル・マドリード、イングランド)、フレドリック・ユングベリ(アーセナル、スウェーデン)、ルイス・フィーゴ(インテル、ポルトガル)、ロベール・ピレス(ビジャレアル、フランス)など。