マレーシアの鉄道
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マレーシアの鉄道(まれーしあのてつどう)では、マレーシアにおける鉄道について記す。
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[編集] 概要
マレーシアの鉄道は、マレー半島を走るマラヤ鉄道(マレー鉄道・KTM)、ボルネオ島サバ州にあるサバ州立鉄道、そして首都クアラルンプール近郊の都市交通に分類できる。
[編集] マラヤ鉄道
[編集] 沿革
1885年に当時ここを植民地にしていたイギリスが軌間1000mm(狭軌・メーターゲージ)の線路を敷設したのが始まりとされ、隣国タイ王国の国有鉄道と合わせてマレー半島横断鉄道を形成し、国際列車も運行されている。またシンガポールにも足を延ばしているが、こちらの方はもともとシンガポールがマレーシアから独立した経緯もあり、シンガポール領内の鉄道もマレー鉄道の管轄となっている。また、1997年にマラヤ鉄道会社(KTMB)として民営化された。2002年に政府が経営権を再取得した。
[編集] 路線と駅
現在、西海岸タイ国境のパダンブサールからバタワース・クアラルンプールを経てシンガポールに至るまでの西海岸線945kmや、同じくタイ国境で東海岸にあるトゥンパットから半島中央部を走って西海岸線にグマスで合流する東海岸線528kmなどがある。東海岸線のターミナル駅であるトゥンパットからタイ国鉄のマレーシア国境駅であるスンガイコーロックまで線路はつながっているが、西海岸線と違って、直通列車は運行されていない。東海岸線は、プランテーションの作物などを輸送することを主目的として敷設されたため、実際には海岸沿いではなく、幹線道路や大きな街と離れた、人口の少ない山間部を走る区間が多い。そのため「ジャングルトレイン」という愛称でも呼ばれている。
なおクアラルンプールでは設備が手狭になったことから、2001年にターミナルがそれまでのクアラルンプール駅からクアラルンプール・セントラル駅へ移動している。
[編集] 現況
現在、鉄道輸送は全体的にバス・航空機など他交通機関に押されている。種別は急行と普通、等級は1~3等があり、寝台車・食堂車も存在する。また、バンコク~シンガポール間では「イースタン・オリエント・エクスプレス」(E&O)という豪華列車も運行されている。
[編集] 運行状況
2007年3月現在の旅客列車運行状況は次の通り。
- KLセントラル~シンガポール 1日3往復(内夜行列車1往復)
- KLセントラル~ハジャイ 1日1往復(夜行のみ)
- シンガポール~トゥンパット 1日1往復(夜行のみ)
- KLセントラル~トゥンパット 1日1往復(夜行のみ)
以上は急行列車などの優等列車だけの運行状況であるが、時刻表上で「mail」と記された各駅停車の列車も一日数便運行されている。「mail」とはいっても郵便車だけではなく、客車も連結されている。気動車編成もある。
[編集] その他
クアラルンプール近郊では郊外電車も運行しており、長距離列車と区別してKTMコミューターと呼ばれる。
鉄道運賃だが、シンガポール発着の場合、上り下りで運賃の値は一緒なのは当然だが、マレーシア発はリンギット建て、シンガポール発はシンガポールドル建てとなり、レートの関係で2倍以上の価格差が発生するのため注意が必要である。
東海岸線では閉塞方式に、いまだにタブレット閉塞方式が使われており、腕木式信号も現役である。
[編集] サバ州営鉄道
- 詳しくは、サバ州営鉄道を参照。
ボルネオ島における鉄道は1896年にイギリスの北ボルネオ会社がタバコ輸送のために敷設し、現在コタキナバルのタンジュン・アル(Tanjung Aru)からテノム(Tenom)に至るまでの134kmの路線で旅客営業を行っている。しかしこちらでも自動車などの進出で収支は芳しくない。2000年から、近隣のリゾートホテル運営会社が同路線を利用して1971年に引退した蒸気機関車の復活運行を北ボルネオ鉄道と称して行っている。
[編集] クアラルンプール近郊
クアラルンプールでは前記のKTMコミューターのほかにもLRT・モノレールが運行されており、また、クアラルンプール国際空港からはKLIAエクスプレスという高速鉄道(最高160km/h)がクアラルンプール・セントラル駅まで常時ノンストップ28分で結んでいる。
[編集] 外部リンク
- KERETAPI TANAH MELAYU(マラヤ鉄道会社)
- North Borneo Railway(北ボルネオ鉄道)
- ERL SDN BHD (KLIA エクスプレス)
- RapidKL Online(クアラルンプールLRT)
- KL Monorail(クアラルンプール・モノレール)
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