三國志VI
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
三國志VI(さんごくし・シックス)は、光栄(現コーエー)が発売した歴史シミュレーションゲームで、三國志シリーズの第6作。
中国の三国時代の群雄の一人となり、古代中国の主要都市の完全制覇を目指すという基本的な枠組は前作までと同様。シリーズの他の作品では「君主」と呼ばれるが、本作のみ「群雄」と呼ぶ。
目次 |
[編集] 概要
数多くのイベントや皇帝の詔勅などの「天の時」、多くの地形が存在し、兵科の有利不利が問われる「地の利」、武将にはそれぞれ夢があり、また派閥の発生、特技などを用いた「人の和」を三本柱としている。
群雄には『三國志II』の「信用度」とほぼ同様のパラメータである「人徳」があり、人徳が低いと、全ての戦略面で不利になる。人事・外交の成功率が落ちるほか、直接利害関係のない遠方の群雄まで、目の仇にして謀略を仕掛けてくるようになる。「後漢皇帝の要求を断る」「略奪をする」「捕らえた武将の首を斬る」などの行動をすると、信義に反すると見なされ人徳が下がる。逆に、「後漢皇帝の要求に応じる」「捕らえた武将を勧誘せず、即座に解放する」「他国の使者の通過を許す」などで上がって行く。なお、後漢皇帝にも人徳の設定があり、要求を断られると同時に下がる。
群雄は官爵を持ち、無位無冠ならば配下武将の率いる兵士数は一律5000だが、高い官爵を得るにつれ、配下により多くの兵士数(最大20000)を率いさせることのできる将軍位を与えることができるようになる。
外交・謀略の使者がメイン画面を目に見える形で移動するのも『三國志II』と同様の特徴で、不利な使者の足止めに成功した場合、追い返すこともできる。
また、戦闘システムは同時プロット制という、敵の動きなどを予測して予め進軍、攻撃方法を設定する方法が取られ、また、一騎打ちが細かく指示できるようになった。
後に発売されたパワーアップキットでは、戦術シミュレーションという、曹操、劉備、孫権の三人の中から一人武将を選んで、ストーリーごとに戦闘を行うシステムが搭載された。
[編集] シナリオ
シナリオは今までどおりのシナリオと、ショートシナリオと呼ばれる短期決戦型のシナリオが用意されている。
[編集] 通常シナリオ
[編集] ショートシナリオ
- 義勇軍初陣 184年 (担当武将:劉備)
- 呂布討伐戦 196年 (担当武将:曹操)
- 河北の統一 197年 (担当武将:袁紹)
- 皇帝袁術 197年 (担当武将:袁術)
- 赤壁の戦い 208年 (担当武将:孫権)
- 復讐の馬超 211年 (担当武将:馬超)
- 出師の表 227年 (担当武将:諸葛亮)
[編集] パワーアップキット版追加シナリオ
- 董太師誅殺 192年
- 入蜀 210年
- 昭烈帝崩御 223年
[編集] パワーアップキット版追加ショートシナリオ
- 白馬長史 191年 (担当武将:公孫瓚)
- 小覇王急襲 200年 (担当武将:孫策)
- 袁家駆逐 202年 (担当武将:曹操)
- 北伐強行 249年 (担当武将:姜維)
- 諸葛誕決起 257年 (担当武将:諸葛誕)
[編集] 内容
[編集] 武将
登場数は520名。シリーズで初めて、『三国志演義』に登場しない、歴史書の『三國志』のみに言及のある人物が、本格的に登場するようになった。ゲーム中で武将の略歴を参照できる「列伝」機能には、「正史に登場する」の但し書きが付けられている。陳到、賀斉などがその例である。
本作では、年齢によって能力が変化する。一般的な「通常」タイプは、10代のうちは能力が低く、40代でピークに達し、以降はなだらかに老衰して行く。それ以外の成長パターンは以下の通りである。
- 20代でピークに達し、老衰も遅い「神童」。最も長く活躍できるタイプで、諸葛亮が代表例。
- 30代でピークに達し、神童ほどではないが老衰も遅い「麒麟児」。龐統が代表例。
- 20代でピークに達するが、40代から老衰が進む「早熟」。周瑜が代表例。
- ピークは50代と遅いが、老衰は遅い「晩成」。黄忠が代表例。
戦闘、および内政の経験値に応じて、成長を早めたり老衰を遅らせることができる。ただし、設定された上限以上には成長できない。
[編集] 皇帝
皇帝は、群雄の官爵の最上位に位置づけられ、また後漢皇帝をも指す。
後漢皇帝は、通常はどこかの群雄に擁立されており、擁立している群雄のみ会見ができる。会見で後漢皇帝は様々な要求を行う。
- 献金の要求。
- 遷都の要求。
- 他群雄への官爵斡旋。
- 夢が「覇権」の武将の追放。この夢の武将は、帝位簒奪を進言するため。
また、独自に行動することもあり、官爵を代償に群雄同士の同盟などを要求する。
後漢皇帝の人徳が0になり、群雄が王になった状態で夢が「覇権」の武将と会見すると、群雄に評定を開き、簒奪するよう進言してくることがある。しかし、後漢皇帝の人徳を下げるには、その要求を断らなければならず、同時に群雄の人徳も下がってしまう。さらに、夢が「王佐」「大義」「才幹」の武将が反発するため、性急な簒奪はこれらの武将の謀反や憤死を引き起こしてしまう。
[編集] 夢
武将たちは基本目標として「夢」を持っており、それに従った意見を述べる。夢によって仕事の好き嫌いがあり、さらに好き嫌いと能力が釣り合わない武将もいるため、人材の使い方が難しくなった。また、何もさせないでおくと、夢が「隠遁」以外の武将はごくわずかだが不満が溜まって行く。
不満が溜まると、ターン毎に少しずつ忠誠度が下がり、逆に不満のない状態ならば、少しずつ上がって行く。不満が著しく溜まった場合、忠誠度にかかわらず謀反や下野する確率が上がる。さらに、まれに憤死してしまうこともある。
- 礼教主義
- 「ロー(Law)」に近い概念。儒教による礼教を重視し、汚い手段を嫌う。外交や人材登用を好み、謀略を嫌う。後漢王朝への忠誠心が強く、群雄が帝位簒奪を企図すると不満が激しく高まる。要素の強い順に「王佐」「大義」「才幹」に分かれる。劉備が代表格。
- 中庸主義
- 「ニュートラル」に近い概念。現状維持を重視し、積極的な目標を持たない。そのため、内政を好み、戦争を嫌う。要素の強い順に「割拠」「維持」「安全」に分かれる。孫権が代表格。
- 覇権主義
- 「カオス」に近い概念。建前よりも実力を重視し、乱世で勝ち抜くために汚い手段を厭わない。戦争・謀略を好み、外交を嫌う。また、帝位簒奪にも積極的である。要素の強い順に「覇権」「征服」「出世」に分かれる。後漢からの帝位簒奪を進言するのは、「覇権」の武将のみ。曹操が代表格。
- 「礼教」と「覇権」は対立関係にある。特に「王佐」「覇権」双方の配下武将がいる状態でそれぞれが不満を溜めると、それぞれの武将を長とした派閥抗争が勢力内で勃発することがある。和解させないと全ての配下の不満が溜まりやすくなり、抗争の結果負傷する武将が現れたり、謀反や下野を誘発する危険性が高まる。また、中庸主義の武将が、双方の勧誘で転向することもある。
- 武将と会見することで、ある程度不満を解消させることができる。また、評定を開くと、評定に出席した武将の主張を採用した場合、同じ夢の全ての配下武将の不満が下がる。これを利用して、帝位簒奪する場合は、最初に「王佐」など反対する武将を評定に出席させ、何度か進言を聞き入れることで不満を減らして置き、満を持して簒奪を実行すると、配下の離反が最小限で済む。このシステムは、現実の簒奪をシミュレートしていると言える。
- その他
[編集] 外部リンク
|
|
---|---|
本編 | I - II - III - IV - V - VI - VII - VIII - IX - X - 11 |
携帯機用 | GB - GB2 - WS - WS2 - GBA - DS - DS2 |
オンライン | Internet - Battlefield - Online |
携帯電話 | 1 - 2 - Mobile - Mobile2 |
その他 | 無双 - 真・無双(TCG - 麻雀) - 戦記 - 英傑伝 - 孔明伝 - 曹操伝 |