動態保存中の蒸気機関車
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動態保存中の蒸気機関車(どうたいほぞんちゅうのじょうききかんしゃ)とは、動作可能な状態で保存(動態保存)されている蒸気機関車(SL)のこと。
動態保存されている蒸気機関車の一つ「デゴイチ」として親しまれているD51形498号機。(2006年3月 水上駅)
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[編集] 日本
1976年の大井川鐵道での保存運行より始まった。現在も走り続けている蒸気機関車は多くがJRや私鉄によって運行されている。現在でも走行可能な状態の蒸気機関車を代表的な牽引列車と共にまとめた。また静態保存でも、かつて動態保存されていた蒸気機関車も含めてある。
[編集] JR北海道
- C11形171号機 - SL冬の湿原号など多数。
- 平成11年復活。現在の北海道SL列車牽引主力機。
- C11形207号機 - SLニセコ号など多数。
- 北海道仕様の2つ目型ヘッドライトを持つ特有機。171号機の予備機扱い。
- C62形3号機(静態)- C62ニセコ号(平成7年まで)
- C11形復活前の運行車両。諸事情により平成7年をもって保存運転を終了。
[編集] JR東日本
- C57形180号機 - SLばんえつ物語号など多数。
- 新潟県内にもイベント列車として起用。
- D51形498号機 - EL&SL奥利根号など臨時多数。
- ATS-P型及びATS-Ps型搭載。東日本管内の全区域にて運行可能。乗務員新人養成訓練にも使用。
[編集] JR西日本
- C57形1号機 - SLやまぐち号など。
- 現役時代から車籍を消されていない機関車。今年2007年で竣工・動態70周年。
- C56形160号機 - SL北びわこ号、SLやまぐち号(重連運転)など臨時多数。
- 四国にも出張。
- C58形1号機(静態)- SLやまぐち号など。
[編集] JR九州
- 8620形58654号機(休車中)- SLあそBOYなど。
- 主台枠老朽化により、2005年8月28日をもって運行休止。現在、主台枠の新規発注により修復中。平成21年復活予定。
[編集] 大井川鐵道
- C10形8号機 - SLかわね路号(大井川鐵道大井川本線)
- 日本唯一の保存機。(静態保存機は無し)
- C11形190号機 - SLかわね路号
- お召し仕様のまま復活。
- C11形227号機 - SLかわね路号
- 日本最初の営業用動態保存機。
- C11形312号機 - SLかわね路号
- C12形164号機(休車中)- トラストトレイン(日本ナショナルトラスト所有)
- ATS未設置により平成17年より休車。
- C56形44号機(休車中)- SLかわね路号
- ボイラー老朽化により平成15年より休車しているが、現在整備中。平成19年10月復活予定。
[編集] 真岡鐵道
- C11形325号機 - SLもおか号他、SL会津只見号など出張運転多数。
- JR線内乗り入れ対応のATS-SN形装備。
- C12形66号機 - SLもおか号
- JR線内乗り入れ経歴はあまり無い。SLもおか号本来の牽引機。
[編集] 秩父鉄道
[編集] 施設内動態保存の蒸気機関車
テーマパークや博物館で運転されている蒸気機関車については、こちらにまとめる。
[編集] 保存蒸機
かつて、蒸気機関車として営業用鉄道路線、または専用線、工場内などで実用として使用されていたもの。正真正銘の動態保存蒸機。
- 森林公園いこいの森 - 北海道紋別郡遠軽町(旧丸瀬布町) にある。かつて町内に存在した森林鉄道を走っていた「雨宮21号」が整備され、キャンプ場内の周回線を走っている。
- 三笠鉄道村(幌内ゾーン) - 新日本製鐵室蘭工場や鐵原コークス室蘭工場で使用されていた1934年製のC形産業用蒸機S-304が、園内の延長約400mの線路を走行する。(北海道三笠市)
- ウェスタン村 - 一周0.7kmの周回線上を走る。1988年5月から運行を開始し、日本では特殊な914mmゲージを採用している。機関車は1897年製の古典機ワイパウ号と1926年製のバージニア号があり、主に前者が使われる場合が多い。(栃木県日光市)
- 成田ゆめ牧場 - 羅須地人鉄道協会の運営。0.42kmの周回線上を走る。蒸機は不定期運転(千葉県成田市)
- 日本工業大学工業技術博物館 - キャンパス内の120mの軌道を走行。機関車は1892年製の2109で、かつて大井川鉄道で運転されていた日本の動態保存蒸機の草分け。(埼玉県南埼玉郡宮代町)
- 修善寺虹の郷「ロムニー鉄道」 - 381mm軌間の「超」狭軌鉄道。一周2.4kmの周回線だが、ロムニー→ネルソン・ネルソン→ロムニーと系統が分かれる。ほとんどがイギリス製の機関車だが、金沢工業大学製(村田外喜男教授指導による)C11形のスケールモデルもある。(静岡県伊豆市修善寺)
- 博物館明治村 - 『明治村とうきゃう』-『明治村なごや』間0.743kmを往復する。機関車は1912年製の9号と1874年製の12号(愛知県犬山市)。
- 梅小路蒸気機関車館 - 国鉄が開業100年を記念して開設した、日本における蒸気機関車の初の本格的動態保存施設。館内の線路で「スチーム号」を運転。一部は車籍を有する。(京都市)
- C62形2号機 - 展示運転のみ(有車籍)
- C61形2号機 - 同上(有車籍)
- D51形200号機 - 同上(有車籍)
- 8620形8630号機 - 同上(無車籍)
- B20形10号機 - 構内入換等(無車籍)
- 交通科学博物館 - JR西日本の運営する交通博物館。義経号蒸気機関車(鉄道記念物)が館内に動態で保存。(大阪市)
[編集] 新造蒸機
以下は、施設開設時に新造されたもので、動態の蒸気機関車ではあるが、「保存運転」とはいい難い。
- やながわ希望の森公園(福島県伊達市) - 1985年に梁川町が開園した公園。SL列車が開設されたのは2年後の1987年で、阿武隈急行のやながわ希望の森公園前駅近くの西口駅から東口駅までを結ぶ、800mの路線である。機関車は1987年に協三工業で製造されたB62418で3両のボギー客車を牽引する。番号は動軸2軸を示す「B」と列車運転開始日の「昭和62年4月18日」から。
- スカイピアあだたら(福島県二本松市) - 1988年に国の公益法人が建設した大規模リゾート施設(当初はグリーンピア二本松)で、2004年に民間移行した際にスカイピアあだたらに名前を変更した上で再オープンした。軌間は762mmで、一周1.3kmの周回線である。1988年から運行を開始している。機関車は1987年に協三工業で製造されたB621014が4両の客車を牽引する。番号は動軸2軸を示す「B」と列車運転開始日の「昭和62年10月14日」から。
- 東京ディズニーランド(千葉県浦安市) - 「ウエスタンリバー鉄道」 - 同園のアトラクションの一つで、1.61kmの周回線上を協三工業製の4編成が走行する。
- 碓氷峠鉄道文化むら「グリーンブリーズ号」(群馬県安中市) - 軌間610mmの一周0.8kmの周回線上を走行する。機関車は1998年イギリス・ウィルソン社製。愛称は「あぷとくん」。
- 愛知こどもの国「こども汽車」(愛知県幡豆郡幡豆町) - 1974年に県政100周年記念事業の一環として開園した公園。同年に軌間762mmで重油専焼式のテンダ機関車2両(B11,B12)が協三工業で新製された。5両編成の客車を牽引して1.135kmの周回線上を走行する。
[編集] 関連項目
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