名門!第三野球部
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名門!第三野球部(めいもん - だいさんやきゅうぶ)は、週刊少年マガジンに連載されていたむつ利之原作の漫画作品、もしくはそれを原作としたテレビアニメ。
この漫画の実質的な続編として「上を向いて歩こう」がある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
名門・桜高校野球部の三軍、通称・第三野球部の檜あすなろとその仲間たちの挑戦と成長を描いた野球漫画。
[編集] あらすじ
檜あすなろたち三軍こと第三野球部は、ある日監督から解散命令をされる。しかし野球部に入ったのなら最後に試合をさせてほしいという要望から勝ったら一軍に上がるという条件で一軍と試合をすることになる。 飛翔編では、セ・リーグの架空の球団で万年最下位の千葉マリンズに、檜あすなろと桑本聡が入団する。そのマリンズは、今シーズンで球団身売りという噂が・・・。オーナーの度重なる嫌がらせに、マリンズ一同はどう立ち向かうのか?
[編集] 登場人物
[編集] 桜高校
甲子園常連の名門校。野球部は3軍まであり、3軍は実質戦力外とされている。1軍の伝家の宝刀・プッシュバント攻撃は、全国でも恐れられている。。
- 檜あすなろ(ひのき -)(声:菊池英博)
- 第三野球部所属の投手で、後に桜高校のエース。右投右打。「努力の天才」タイプで、無意識に身についた「弾丸ボール」と、しぶといバッティングに加え、試合中の怪我で偶然身についた一本足打法により、投打において中核となる。スタミナでは他の投手を圧倒しており、9回投げてもスタミナが切れないどころか、回を追うごとに球威が増していく。変化球はパームとカーブがあるが、どちらも一流には程遠い。
- 飛翔編では、千葉大学進学を決めるも、千葉マリンズ・小暮スカウトの弾痕ボールのお守りがきっかけで千葉マリンズ入団を決める。背番号は55。当初は控え選手であったが、スカウトであった小暮監督が就任してからは先発・抑えに活躍の舞台を見いだす。桑本が永久追放されて以降は、志願して桑本のローテーションまで投げる無理をし、疲労性骨折が疑われる。桑本が球界復帰するコミッショナー会議の当日、最終回に登板し(先発かどうかは不明)、駆けつけた桑本にウィニングボールを投げようとしたところで再起不能となる。シーズン最終戦では、最終イニング2アウトで一塁の守備につき、ウィニングボールを受け、誰よりも最初に胴上げされる。防御率は2.13であった。
- わずか1シーズンで引退後、アマ規定の制限を待って、桜高校野球部の監督となった模様。
- 村下夕子(むらした ゆうこ)(声:鶴ひろみ)
- 元陸上部のホープで、野球部のマネージャー。ソフトボールの経験があり、当初は第三野球部の選手として出場していた。
- 数年後は桜高の校医となる。
- 海堂タケシ(かいどう たけし)(声:玄田哲章)
- 第三野球部所属の捕手で、元1軍の4番打者。右投右打。独特のフォームからライト方向への流し打ちを得意とする、超高校級スラッガー。別名「桜校の落合」。高校通算打率は5割7分。
- 卒業後は東京六大学の早稲田大学へ進学を決めたが、スランプに陥り打撃不振に苦しんだ。あすなろの言葉をきっかけに復活。数年後、マリンズに入団した。
- 白石兄(しらいし -)(声:鈴木みえ)
- 第三野球部の1番打者で、遊撃手。右投右打。バントが得意で、俊足。小西とは犬猿の仲。
- 卒業後は社会人野球に進んだ模様。
- 白石弟(しらいし -)(声:小粥ようこ)
- 第三野球部の2番打者で、二塁手。左投左打。バントが得意で、俊足。兄とどちらが速いかは不明。やはり小西とは犬猿の仲。
- 卒業後は社会人野球に進んだ模様。
- 小西カズオ(こにし かずお)(声:塩屋浩三)
- 第三野球部の右翼手。多くは6番を打つ。右投右打。超のつく鈍足でチームの三振王だが悪球には強く、長打力は海堂にひけをとらない。強肩で、鈍足を補って余りある活躍を見せる。白石兄弟曰く、「女で身を滅ぼすタイプ」。
- 卒業後は大学に進学、桜高の教師になっている。
- 石井幸司(いしい こうじ)(声:金丸淳一)
- 第三野球部の三塁手で、多くは8番を打つ。右投右打。堅守が特徴。バッティングセンスがないことが悩みだったが、黒潮商業の土屋に教わった天秤打法で一転、以降は安打製造機として欠かせない存在となる。
- 卒業後は大学進学し、野球も続ける模様。
- 高橋ひろし(たかはし -)(声:龍田直樹)
- 第三野球部の中堅手で、多くは7番を打つ。右投右打。小柄な体で野球センスも平凡、でも根性は一流。口癖も「根性」。通称「ガッツマン高橋」。
- 卒業後は地元の信用組合に就職した模様。
- 斉藤輪大(さいとう りんだい)(声:二又一成)
- 第三野球部の一塁手で、恐怖の9番打者。左投左打。住職の息子で穏やかな気質だが、ひとたび怒らせると驚くべき力を発揮する(「恐怖の」の所以はこれにある)。
- 卒業後は家業のお寺を継いだ。
- 田村達郎(たむら たつろう)(声:井上和彦)
- 第三野球部の左翼手で、あすなろから譲られた3番を打つ。左投両打。夕子の従兄弟で、銚子工業との練習試合から第三野球部に加わる。クールでユニフォームが汚れるプレイを嫌がったが、徐々にあすなろ達の影響を受けていく。スイッチヒッターだが、左打席でも右打席と握りが同じテニス打法で安打を量産していく。
- 京本直哉(きょうもと なおや)(声:山寺宏一)
- 元1軍のエースで、後に第三野球部の控え投手となる。右投右打。第三野球部に敗れ、高校を辞めるつもりでいたが、京本も元第三野球部であったことを知ったあすなろ達に引き止められる形で残留。スライダーが武器で、コントロールは正確無比。1軍時代の対第三野球部戦では、そのコントロールの良さが仇となった。
- 卒業後は東京六大学の1つ、早稲田大学へ進学を決めた。
- 桜井哲也(さくらい てつや)
- 元1軍の捕手(海堂が監督との確執でいなくなり正捕手に)。右投右打。第三野球部に敗れた後は、京本と共に控えとして第三野球部を支えることに。層の薄い第三野球部を支えるために、本職の捕手以外のポジションもこなせるよう猛練習した。
- 卒業後は東京六大学の1つ、早稲田大学へ進学を決めた。
- 岩田理事長(いわた -)
- 甲子園優勝に拘り、手段を選ばず野球部を強くしようとした。しかしそれは、家庭に進学する余裕がなく、高校野球の夢を諦めざるを得なかったことにあった。
- 鬼頭監督(きとう -)(声:田中秀幸)
- 桜高校を何度も甲子園に導いた名監督。海堂には「金のことしか頭にない冷徹な監督」と思われ一時確執もあった。1軍が第三野球部に敗れた後、金の必要な理由を知った海堂らに続投を要請される。
- 鬼頭さゆり(きとう -)(声:高橋美紀)
- 鬼頭監督の娘。病気で入院しているところにあすなろ達が遭遇、鬼頭監督が金を必要とする理由を間接的に海堂らに教える。
- 奈保子(なおこ)
- 小西の彼女。
- 熊田(くまだ)
- 一軍の4番。海堂と同じく、1年時から1軍でクリーンナップを打ち、公式戦本塁打を30本打っている。
- 工藤(くどう)
- 元1軍のエース、夏の甲子園での連投が原因で肩を壊し、高校も辞めている。鬼頭監督と海堂の確執の原因となった選手。
- 所沢部長(ところざわ -)
- 桜高の古文教師。普段は存在感がないが、時に重みのある言葉を発する。
- 中尾康一(なかお こういち)
- 海堂卒業後の1年生捕手。全国大会で優勝した帝教中学で、4番を打っていた。興新高校に進学した先輩達にいじめを受け、高校では野球をやらないつもりでいたが、あすなろから海堂のキャッチャーミットを貰ったことで決心し、第三野球部に入部する。ちなみに酒乱である。
- 堀江隆一(ほりえ りゅういち)
- 何をやってもだめな1年生選手。努力で少しずつ成長していく。口癖は「努力」。甲子園でのあすなろ投球を見て、猛勉強して桜高に合格した。試合では、何かと捕手をすることが多い。進学校に通う兄がいる。
- 嵐三郎(あらし さぶろう)
- 自信過剰で、強肩強打の1年生。海堂卒業後の正捕手として期待されたが、中尾の登場とチーム事情により複数ポジションを守った。ニックネームは「サブちゃん」。小西とは名コンビ。父親は大工。
[編集] 銚子工業高校
桜高校と共に甲子園の座を争う名門校。過去にプロ野球選手を輩出している。通称「逆転の銚子工業」。
- 桑本聡(くわもと さとし)(声:千葉繁)
- 銚子工業高校のエースピッチャー。左投右打。190センチ以上ある高身長から繰り出すカーブ「三階カーブ」が得意技。あすなろと同い年である。初めは野球をなめており、あすなろのことも「チビ」と馬鹿にしていたが、直向な姿勢に心を打たれ改心し、あすなろを「永遠のライバル」として親交を深め、鍛えぬいた体から150km/hを超える速球を武器とする本格派投手へと変貌を遂げた。ハワイ遠征以降は160km/hを超える球速も垣間見せ、12連続三振を達成する。打者としても非凡で、スタンドまで軽々運ぶパワーも備える。
- 飛翔編では、ドラフトで9球団からの指名の末、万年最下位球団・千葉マリンズが指名権を獲得してしまう。入団を嫌がった桑本だったが、オーナーの卑怯な契約金交渉で契約してしまう。背番号30。即戦力ルーキーとして開幕戦投手にも選ばれるが、捕手の前田の打者の得意なコースをわざと投げさせるリードによって敗戦投手になる。野球賭博疑惑で永久追放されるも、シーズン最終戦直前のコミッショナー会議で疑惑が晴れ、球界復帰を許される。チームメイトから与えられた最終戦のマウンドに登り、完投勝利。なお、奪三振158で奪三振王に輝く。続く日本シリーズも、自分の為に再起不能となったあすなろの分までと4連投し、胴上げ投手となる。
- 指宿健二(いぶすき けんじ)(声:沢木郁也)
- 銚子工業高校のキャプテンで4番(桑本が4番の時は3番)、三塁手。桑本の秘密特訓中は投手も務めた。海堂と同い年でライバルである。チャンスに滅法強く、熱血漢である。
- 志野塚政志(しのづか まさし)
- ニヤリと笑って左右に打ち分ける広角打法の持ち主。銚子工業の安打製造機。練習試合では3番、甲子園予選では2番、遊撃手。
- 久田(ひさだ)
- 1塁手。甲子園予選準決勝で得点に繋がる失策をした。
- 大原(おおはら)
- 捕手。桑本の三階カーブや150km/hの速球を難なく受けていることから、捕手としてそれなりに優秀だと思われる。
- 杉本コウジ(すぎもと -)
- 指宿らが卒業した後入部した捕手。相撲部から桑本がスカウトした選手で、桑本の球を受けることが出来る数少ない人物。ハワイ遠征で戦ったヘイグ並のスナップスローを見せる。下半身の安定が素晴らしく、低めの球でもものともしない。
[編集] 黒潮商業高校
通称「悲運の黒潮商業」。所以は、甲子園に届きそうで届かない、惜しいところでエラーが起きるというものだが、単に選手が意識しすぎてプレッシャーに弱いだけであった。ちなみに、全員が鉄下駄を着用している。
- 五十嵐幸夫(いがらし ゆきお)
- エースで4番のキャプテン。黒潮商業4番の伝統、木のバットを使用している。シュートが得意で切れ味も鋭い。勝つためには手段を選ばないタイプ。両親は事故で他界しており、姉と2人暮らし。
- 土屋秀夫(つちや ひでお)
- 3番で一塁手。天秤打法という変わった打法を使い、公式戦の三振は0。タイミングを重視する打法で、船を漕ぐのとよく似ているという。3年時はキャプテンで、三塁を守った。
- 板垣監督(いたがき -)
- 黒潮商業の監督を長く続けているものと思われる老人。それなりに老齢だと思われる。観察力が優れているようで、桜高の弱点を見抜いた。
[編集] 陸奥高校
青森代表。派手さはないが、堅実で粘り強い野球が身上。陸奥高の選手は、一部場面で顔・名前・ポジションが一致しなくなっているが、決勝戦のものを掲載する。
- 小比類巻一郎(こひるいまき いちろう)
- 陸奥高校のエース。右投右打。一見打てそうに見える、同じように見えて少しずつ異なるカーブ(達郎曰く「七色のションベンカーブ」)で桜高を苦しめた。ハワイ遠征の代表にも選べばれたが、登板機会はなかった。
- 飛翔編では、死のロードで苦戦を強いられたマリンズに差し入れをした。
- 桃井(ももい)
- 陸奥高野球部の唯一の3年生でキャプテン。右投右打。本来のポジションは二塁だが、アキレス腱を痛めて控えに回っている。ここぞという場面で活躍する、頼れる存在。
- 横田(よこた)
- 中堅手。右投右打。フェンス際への大飛球を、フェンスに激突しながらも捕球した。
- 成田(なりた)
- 二塁手。右投右打。元は控えだったが、桃井が怪我をしたことでレギュラーとなった。陽蘭学園高校戦では、反撃の口火となる本塁打を打つ。
- 飛翔編では、死のロードで苦戦を強いられたマリンズに差し入れをした。
- 木造(きづくり)
- 遊撃手。右投右打。陽蘭学園高校戦では、サヨナラヒットを打つ。決勝戦再試合では、7回表に倒れる。
- 田中一郎(たなか いちろう)
- 一塁手。左投左打。決勝戦再試合では、桃井に一塁を譲るが、木造に代わって7回からショートの守備に付く。生き別れの父と再会したことをきっかけに同点打、さらに宿屋の女将の言葉をヒントに逆転打を打つ。
[編集] その他
- 坂口力也(さかぐち りきや)
- 桜高の甲子園予選4回戦の相手、浅加学院のエースで、一番打順が回ってくるという理由で1番を打つ。右投右打。フォークが得意。殆どが俊足で鉄壁の守備を誇る小柄な選手で構成される浅加学園において、唯一長身で長打力のある選手。坂口の本塁打で点を取り、ボールを低めに集めて鉄壁の守備で捌くことで勝つのが浅加学院の戦術。
- 佐藤(さとう)
- 浅加学院の捕手で8番。右投右打。変化に対応できない坂口のフォークを足で止める、ボール玉にわざと当たるというガッツを見せる。
- 小池カズヤ(こいけ -)
- 桜高の甲子園1回戦の相手、東東京代表・聖誓高校のエースで4番。右投右打。速球がウリだったが、さらに速い桑本で慣れた桜高の選手たちには通用せず、敗退した。ちなみに、甲子園前の人気投票では、達郎を1人上回り1位。それに怒った達郎に、顔面を狙ったピッチャー返しを打たれた。
- 伊良部(いらぶ)
- 桜高の甲子園2回戦の相手、岐阜代表・道三高校のキャプテン。右投右打。恐らく左翼手。
- 木杉(きすぎ)
- 道三高校の俊足の1番で中堅手。試合中の自分の判断でチャンスを作ったが、監督の怒りを買う。
- 浜田監督(はまだ -)
- 道三高校の監督。試合策士で名将として名高いが、日本刀を使った危険な練習方法や、体罰で選手をコントロールする等、指導者としては優秀とは言い難い。
- 川口(かわぐち)
- 陸奥高の2回戦の相手、西東京代表・陽蘭学園高校のエース。勝利を確証し、渡辺にマウンドを譲るも、粘られ再登板。しかし、渡辺より遅い速球と、小比類巻きよりキレのないカーブは、既に陸奥高には通用せず、敗退した。
- 渡辺(わたなべ)
- 陽蘭学園高校の控え投手。次期エースとして最終回にリリーフしたが、陸奥高の粘りによりマウンドを引き摺り下ろされる。現エースの川口より速い球を投げる。
- 安部松健(あべまつ けん)
- 桜高の準々決勝の相手、鹿児島代表・西郷高校のエースで4番。左投左打。MAX150km/hの剛速球を投げ、打者としても軽々スタンドまで運ぶパワーを持つ。桜高は、タイプの似た桑本の協力で練習した。
- 江口(えぐち)
- 桜高の準決勝の相手、徳島代表・鳴門水産高のキャプテンで捕手。悪口で相手を苛立たせて打ち取る、「ささやき作戦」を使うが、元3軍の第三野球部相手には通用しなかった。最後の打者として京本に三振に打って取られた。
- 青葉金八(あおば きんぱち)
- 桜高の2年目の甲子園予選1回戦の相手、興新高の双子エースの兄。右投。握力が人並みはずれており、変化の大きいカーブが武器。銀八が投げる時は捕手を務める。
- 青葉銀八(あおば ぎんぱち)
- 興新高の双子エースの兄。左投。兄同様、変化の大きいカーブが武器。金八が投げる時は捕手を務める。
[編集] アメリカ選抜
アメリカ学生選抜チーム。桜高、陸奥高のメンバーに、桑本を加えた日本選抜チームと、ハワイで3戦した。ここでは、ハワイで出会った選抜チーム以外の人物もまとめて掲載する。
- ラフ・エバート
- 大リーグのドラフト1位指名が確実視される豪腕投手。右投右打。日本人を蔑視しており、空港のトイレで小西と会った際に揉め事を起こしている。右腕には100万$の価値があると言われ、トルネード投法から投げられる速球は160km/hに達する。シュートという決め球も持つが、肘に負担がかかるという理由で封印している。かなりの自信家で、第1戦で完全試合を宣言するが、27人目の斉藤の明鏡止水のヒットをきっかけに逆転負け寸前まで追い込まれ、第2戦・第3戦も志願登板する。打者としても非凡で、アメリカ高校球界本塁打記録の98本を打っているが、第1戦では打順をくじで決めたため1番、以降の試合は4番を打った。第1戦において、あすなろを「Chibi(チビ)」と呼んだことで怒らせ、三振に取られる。その際、逆にあすなろに「お前の頭の中身はアメリカン(うすい)だぜ」と挑発され、次の打席でピッチャー返しを喰らう。第2戦においては、追い込まれた末に封印していたシュートを投げ、桑本に対抗して12連続三振を宣言したが、12人目の高橋に本塁打を打たれ、最後は小西にサヨナラホームランを打たれる。第3戦では、ヘイグの活躍の前に半ばヤケになるが、激怒したヘイグにマウンドを引き摺り下ろされる。その後、全てを斉藤から知らされ、ヘイグに全力で投げさせるため捕手を務める。その年のドラフトで大リーグに指名される。
- ヘイグ・オコーナー
- 第3戦から登場した捕手。「東ヨーロッパの革命の起こった国(R国)」出身で、その革命で両親は他界し、生き残った妹のエレーザと2人でアメリカに渡った。右投右打だが、革命時に左腕に弾丸を受け、自由が利かないため、左打席で打つ。身体能力は常人を圧倒しており、スナップスローで白石兄の盗塁を阻止し、クロスプレーで海堂を跳ね返し、片手でスタンドまで運ぶ。第3戦の試合中、ラフが妹の写真を破り捨てたことで激怒、サインに従わないラフを引き摺り下ろして投手になるが、伸びのある球を捕手が捕球できず、投球を加減して打ち込まれる。全てを知ったラフが捕手になってからは日本チームを完全に抑える。その年のドラフトで大リーグに指名される。
- エミリー
- 桑本のペンフレンドで、ラフとも顔見知り。ラフから好かれており、付きまとわれている。
- ジミー
- エミリーの弟で、野球好きの少年。交通事故で足を悪くし、車椅子生活を余儀なくされている。手術すれば9割9分足は治るが、失敗すると野球が出来なくなるという理由で手術を拒んでいる。桑本と、「10連続三振をとったら手術を受ける」という約束をし、約束を守った桑本を「最高の男」と認め、手術を受けることを決心した。三振を獲る投手が好きで、特にノーラン・ライアンのファン。
- エレーザ
- ヘイグの妹で、エミリーに似ている。
[編集] 千葉マリンズ
飛翔編に登場する架空のプロ野球の球団。実在する千葉ロッテマリーンズとは無関係。あすなろ,桑本が入団することになる。途中、小池オーナーにより球団が何度も窮地に立たされるが、あすなろ達の活躍により日本一となる。
- 神(じん)
- マリンズの4番バッターでポジションはサード。背番号6。チームの頼れるキャプテン的存在だが、初登場時はただの酔っ払い。以前はマリンズ唯一の20勝投手であったが、小池オーナーにより2軍に落とされ20年間ファームで過ごすこととなる。しかし、20年振りに1軍登録されたこととあすなろ達の入団により再び実力を発揮することとなる。弘島戦において、自らの34試合連続安打の記録を捨て、野森の連続30盗塁成功記録を達成させせた。本塁打王をヤスルトのイケヤマと競い、最終的には36本で2位。打点王に輝く。
- 野森(のもり)
- 通称「ノム」。ポジションはファーストで左打だが、入団5年目まではキャッチャーで右打。背番号19。神と同じくファーム時代が長く、15年過ごした。趣味で全球団の投手の配給パターンを記憶しているが、打力が無い。その代わりに鋭い選球眼と足の速さでカバーをしている。走塁の際、ゴーグルをつけるのがトレードマーク。死のロードの弘島戦で連続30盗塁成功記録を達成した。37盗塁で盗塁王に輝く。
- チャーリー・ハーマー
- 小暮監督がセントルイス・カージナルスから呼んだ助っ人外国人。背番号1。大リーグでの成績は散々なものであったが、それはオージー・スミスの控えであったが為で、年俸では一流選手の評価を受けていたが、「日本で野球をする」という祖父の夢を叶えるため来日した。マリンズでは、守備の穴であったショートを守り、明るい人柄でチームのムードメーカーとなった。カンガルー革のスパイクを使用し、チーム1の俊足を誇ったが、打力は無かった。だが、金槌にヒントを得た打法で4打数4安打を達成した。祖父の形見として、弾痕のあるボールを持っている。作中では、「あぁ 人生に涙あり」を歌ったが、音痴らしい。トオルちゃんというアライグマを飼っている。36盗塁で2位。
-
- ポール・浜田(- はまだ)
- (※ マリンズの選手ではないが、チャーリーの補足としてここに掲載する。)
- チャーリーの祖父で、日系二世。故人。戦前はアマチュア野球の選手で、小暮監督とも交流があった。小暮監督と日本で一緒に野球をすることを約束しており、本人もそれを望んでいたが、戦争で手榴弾の爆発に巻き込まれて野球が出来なくなってしまった。数十年後、大リーグ入りを決めたチャーリーに、戦争で自らの命を救ったボールと日本で野球をする夢を託して他界した。
- ジョージ・ベートーベン
- 小池オーナーが、好調のチームの足を引っ張らせるために呼んだポンコツ外国人選手。背番号13。気性が荒く、通称「破壊屋(バスター)ジョー」。ルートヴィヒ・ファン・ベートーベンの子孫らしい。当初は、スイングは鋭いがボールにはかすりもしないという具合だった。片手で打つことでスイングを修正し始めてからは少しずつ当たり始め、両手で構えた初球、月光の音楽と共に月に向かってホームランを打った。実はベートーベンビールの御曹司で、オーナーが飼い殺しを宣言した直後、会社経営に専念する引換えにマリンビールの買収を行い、球団を守ると共に“ベートーベンビールJAPAN”の社長に就任した。その記者会見の当日の試合で代打出場、サヨナラ本塁打を打つ。ちなみに、シーズン三振120の三振王。
- 若見荘次(わかみ そうじ)
- ポジションはショート、後にレフト。背番号7。当初は若手のリーダー的存在であり、チーム内の腐敗の原因となっていた。監督が黒姫から小暮に代わって以降、ベンチを温めることが多く、江口を庇った八百長の件では前田から嫌がらせを受けた。江口引退後は、「江口の分まで」と成績にこだわり、コルク入りバットにも手を出そうとしたが、バット職人に騙された形ではあったが、心の問題だと気づいた。
- 薬師丸(やくしまる)
- 小暮監督に代わった後の正捕手。交通事故でシーズン途中で長期離脱している。
- 江口宏(えぐち ひろし)
- 3番レフトでレギュラーを得ていた若手選手。背番号28、左投左打。前田に金を渡されて、八百長に加担してしまう。若見に庇われ、試合でも疑いを晴らすサヨナラヒットを放ったが、八百長を自白、引退した。在籍8年、生涯打率.265、本塁打97本。引退後は仕出し弁当屋に就職。桑本が永久追放された際は、桑本の面倒を見、いつでも復帰できるよう練習相手もした。
- 前田宗一(まえだ そういち)
- 当初はレギュラーであったが、所詮はオーナーや黒姫監督の犬であり、チームの足を引っ張る存在であったため小暮監督下では控え選手となった。背番号20。正捕手の薬師丸が交通事故に遭い、一時的にマスクをかぶるが、オーナーらの悪巧みに従い八百長をする。八百長が明るみになると失脚した。
- 月の屋二郎(つきのや じろう)
- 小池オーナーの嫌がらせによって、主力と交代で1軍に上がった選手。背番号22。口だけが上手い調子のいいゴマすり野郎だと思われていたが、心理合戦においては驚くべき力を発揮し、前田が八百長で失脚してからは本職のキャッチャーとしてレギュラーに名を連ねる。得意の心理戦とささやき戦術であすなろ達をリードした。肩が弱いのが弱点だが、素手でキャッチする荒業で盗塁を阻止した。シーズン最終戦、先制点で決勝点となる本塁打を放つ。病床の母と、エリートの兄・宏がいる。
- 香川(かがわ)
- 月の屋と一緒に1軍に上がった選手。右投右打、投手、背番号0。無口で作中ほとんど話さず、話したのは連投のあすなろのリリーフを志願した試合と、回想シーンのみ。10年前のドラフト1位で、即戦力として貴重なリリーフとして活躍したが、オーナーと黒姫の思惑で弘島戦3連投して3戦目で打たれ、逆恨みの黒姫により2軍に落とされる。その3連戦中、母危篤の知らせを黒姫に握りつぶされていたために死に目に会えず、そのショックで無口になった。入団時は上投げであったが、太りやすい体質であったため腹が邪魔になるほど太り、それが原因でアンダースローに転向した。腹が邪魔でリリースポイントが打者から見えず、タイミングが合わないらしい。斉藤輪大の実家の寺に母の墓がある。
- 柏木(かしわぎ)
- 小池オーナーが先発予告するまでバッティングピッチャーであった。針の穴を通すようなコントロールの持ち主であるが、それまでの成績は22年間で0勝3敗。気が弱くマウンドでは甘い球筋が多かったが、小暮監督の策により秘薬と称した焼酎を飲まされ豹変し、マリンズを勝利へと導いた。以降は、先発中継ぎに欠かせない投手となった。青森出身。
- 小池オーナー(こいけ -)
- マリンビールの社長で、球団オーナー。球団を売り払った金と、球場跡地を利用してレジャーランドを作るため、球団身売りを画策する。そのために良い成績を残してもらっては困るため、球団に度重なる嫌がらせをする。シーズン終盤、自分の思惑に逆らって優勝争いをするマリンズにキレて、「球団身売りをやめて選手を飼い殺しにする」と針路変更。しかし、マリンビールが乗っ取られ、桑本を道連れにと乗り込んだコミッショナー会議ではコミッショナーに一喝される。最終戦の最中、不正経理の商法違反で逮捕される。
- 黒姫達雄(くろひめ たつお)
- 当初のマリンズ監督。小池オーナーの意向を実行する、いわば「最下位請負人」。
- 小暮憲三(こぐれ けんぞう)
- 元々はマリンズのスカウトマンだったが、小池オーナーの「マリンズを負けさせるための策」として、黒姫に代わりシーズン途中でマリンズの監督となる。長くスカウトをしていたせいか選手掌握術に優れていて、マリンズを優勝争いができるまでのチームに仕上げた。戦前はプロ野球の選手で、巨人戦に1度だけ登板した後戦地に赴いた。戦場で、手榴弾の投げすぎで肩を痛めたため、野球の道は閉ざされてしまった。戦地で弾痕を受け止め、命を救ったボールを、大学受験のお守りにとあすなろに贈った。なお、チャーリーの祖父とは戦前に野球を通じて交流が有った。
[編集] その他のプロ球団
飛翔編に登場する、マリンズ以外のプロ球団所属選手。ほとんどが実在選手をモデルにしている。
- 桑田(くわた)
- 拒人の選手。途中から「桑多」となっている。モデルは元巨人の桑田真澄。マリンズとの開幕戦で、桑本と投げ合った。
- 広佐和(ひろさわ)
- ヤスルトの選手。モデルは元ヤクルトの広澤克実。柏木の予告先発試合で4番を打ち、顔面狙いの危険球で乱闘になった。
- 星山仙一(ほしやま せんいち)
- 宙日の監督。モデルは元中日監督の星野仙一。乱闘やラフプレーで相手選手を潰すことを戦術と考えている模様だが、正々堂々とした試合を好む。毎年、病気の子供達を試合に招待している。
- 台野(だいの)
- 弘島の選手。モデルは元弘島の大野豊。「一塁殺しの台野」と呼ばれ、野森の連続盗塁記録のかかった試合に先発登板した。一度は牽制で刺したが、神の援護で記録達成されてしまう。また、ジョージの来日2戦目でリリーフ登板し、月の屋にホームスチールされる。フィールディングが上手く、過去に何度かゴールデングラブ賞を獲得しているらしい。
- 立川(たちかわ)
- 弘島の選手。モデルは元弘島の達川光男だと思われるが、当時の背番号と一致しない。ジョージの来日2戦目に出場した捕手。
- 山元監督(やまもと -)
- 弘島の監督。モデルは元弘島の山本浩二監督。月の屋の小学校以来の1年後輩で、頭が上がらない。
- イケヤマ
- ヤスルトの選手。モデルは元ヤクルトの池山隆寛。神と本塁打王を争った。
- 野林監督(のばやし -)
- ヤスルトの監督。モデルは元ヤクルトの野村克也監督。インタビューで捕手力の重要さを解き、試合で月の屋の弱点を突いた。飛翔編序盤で登場では、ノムラ監督が登場するが、同一人物と思われる。
- 落相(おちあい)
- 宙日の選手。モデルは元中日の落合博満。連投で疲弊したあすなろを苦心させるが、桑本の言葉をヒントに心理戦に持ち込んだあすなろ相手に三振する。
- 盛(もり)
- 西部の監督。モデルは元西武の森祇晶監督。日本シリーズ直前のニュース番組に白江コーチ(モデル:黒江透修)と共に出演し、自信満々の発言をするが、桑本の4連投の前に敗れ去る。
[編集] 球界以外
- 別所(べっしょ)
- マリンズ戦の中継で、よく解説者として出ている。試合中にマリンズ選手に対してマイナスな予想をしては、ことごとく外れている。その結果、自ら宣言した髪型・格好などで解説することとなっている。
- おばちゃん
- 江口と桑本が働いた弁当屋の古株のおばちゃん。持病で心臓が悪い。タカ夫という孫がおり、桑本のファン。
- 小池(こいけ)
- 竹上総理(モデル:竹下登元総理大臣)の第一秘書。ただし、それは名目上で、実質的には政界を牛耳っている人物。政治資金調達の為、野球賭博に加担しており、その為にオーナーに協力した。瀬川献金事件にも加担しており、収賄罪で逮捕される。かつてはリスルート事件にも関係していた。実は末期癌であり、取調べ中に吐血して入院し、そのまま亡くなった。「桑本君はシロだ!」と遺言を残した。
- 石井(いしい)
- 東京地検の検事。瀬川献金事件で逮捕された小池秘書を担当した。かつてリスルート事件の捜査をしている際、小池秘書により地方に飛ばされた。桑本の球界復帰を願う1人であり、小池秘書の遺言をコミッショナーに報告し、桑本の球界復帰を後押しした。コミッショナー会議にも同席している。
[編集] 漫画版
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- 22巻からタイトルに『飛翔編』とつき、話数もアラビア数字に変更された。ここでは統一のために和数字にしています。
- 百十二話タイトルは本来は囲み文字。
[編集] アニメ版
1988年10月20日から1989年9月29日までフジテレビ系で放送された。全40話。
[編集] スタッフ
- 企画:清水賢治
- プロデューサー:堀内孝、茂垣弘道
- 脚本:山田隆司、柳川茂
- チーフディレクター:福富博
- 演出:湖山禎崇、三沢伸、高林久弥、藤川茂ほか
- キャラクターデザイン・総作画監督:金沢比呂司
- 作画監督:金沢比呂司、音無竜之介、一川孝久、興村忠美
- 美術監督:河野次郎
- 撮影監督:森下成一
- 音響監督:山崎宏
- 音楽:本間勇輔
- 制作協力:スタジオコメット
- 制作:フジテレビ、NAS
[編集] 主題歌
- 第一期OP「誓書-バイブル-」(作詞・作曲・編曲:SHO-TA 歌:PEARL)
- 第二期OP「輝きの描写」(作詞:森雪之丞 作曲・編曲:後藤次利 歌:河田純子)
- 第三期OP「青春のさがしもの」(作詞:森雪之丞 作曲:後藤次利 編曲:難波正司 歌:河田純子)
- 第一期ED「小さな決心」(作詞:森雪之丞 作曲:後藤次利 編曲:佐藤準 歌:中山忍)
- 第二期ED「夢を追いかけて」(作詞:川村真澄 作曲・編曲:武部聡志 歌:吉田真里子)
- 第三期ED「君の夢のために」(作詞:森雪之丞 作曲:後藤次利 編曲:難波正司 歌:河田純子)
- 第四期ED「青春のEVERGREEN」(作詞:麻生圭子 作曲:井上ヨシマサ 編曲:井上鑑 歌:田山真美子)
[編集] 主題歌についての付記
第一期OPはユニコーンの『デーゲーム』との競作であり、結果上記の物が採用された。
[編集] 放映リスト
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フジテレビ系 土曜19時台後半 | ||
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