新特急
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新特急(しんとっきゅう)とは、国鉄が運転をはじめたエル特急の内、上野駅を始発とする東北本線・高崎線を中心とした線区で、1985年3月のダイヤ改正以前より走っていた急行列車を格上げする形で185系電車を運用上用いたものを指していた呼称。2002年以降、「特急」に呼称が統一されたため「新特急」の呼び名は使用されなくなった。
それ以前の特急列車とは異なり、自由席を中心にし、定期券に特別急行券を追加することにより乗車することが出来た。また、50km以内の特急料金についても自由席については当時の急行券並みの価格として、東北新幹線・上越新幹線との差別化を図った。また、沿線自治体から「特急を停車させて欲しい」との要望が多かったため、これに応える存在でもあった。車両水準・停車駅とも急行に近いが、呼称だけは「特急」であるため、国鉄・地方自治体の両者にメリットがあったといえる。
宇都宮線で運行されていた「なすの」の場合には停車駅が重複した快速「ラビット」との差別化が図れず利用客が伸び悩んだことから通勤ライナーと形態が近い形で運行形態を変更し、同時に東北新幹線における近距離列車「なすの」運行開始の布石ともなった。また、「なすの」運行開始により、「おはようとちぎ」・「ホームタウンとちぎ」に名称を変更した。
1997年に長野新幹線開業後は、高崎線を経由していたエル特急「あさま」が新幹線に格上げされる形で廃止されたことから、「草津」・「水上」が同線内を経由する唯一の昼行優等列車となった。
しかし、短距離利用・自由席主体のため車内検札が間に合わないことから、それを見越して特急券を持たずに乗車する者が多く、不正利用も少なくない(1990年代に行われたJR東日本の調査でも特急券を持っていない乗客が多かったことが確かめられている)。
共に2002年12月のダイヤ改正の際に新特急の名称を廃止したが、2005年現在でも運行内容はほぼ踏襲されている。
[編集] 列車名
- 高崎線・上越線方面
- 「草津」 (上野駅~万座・鹿沢口駅間)
- 「谷川」→「水上」 (上野駅~水上駅間)
- 「あかぎ」 (上野駅~前橋駅・渋川駅間)
- 「ウイークエンドあかぎ」 (新宿駅~前橋駅間)
- 東北本線(宇都宮線)方面
- 「なすの」 (上野駅~黒磯駅間)→「おはようとちぎ」・「ホームタウンとちぎ」 (新宿駅~黒磯駅間)