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宇都宮線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Disambiguationこの項目では東日本旅客鉄道の宇都宮線(東北本線の一部区間に付された愛称)について説明しています。東武鉄道の宇都宮線については東武宇都宮線をご覧ください。

宇都宮線(うつのみやせん)は東日本旅客鉄道(JR東日本)東北本線のうち、東京都台東区上野駅から栃木県那須塩原市黒磯駅間の愛称である。

目次

[編集] 概要

宇都宮線上野駅東京都台東区)をターミナルとし、首都東京と北関東埼玉県北東部、茨城県古河周辺、栃木県小山宇都宮那須周辺)を縦貫する首都圏地域間輸送の動脈として、また各地域内沿線住民の生活路線として機能している(経由地の詳細は停車駅表の所在地欄を参照)。途中、湘南新宿ラインが分岐し、池袋新宿渋谷横浜鎌倉の周辺各地とも結ばれている。

旅客列車はほぼ宇都宮駅を境に運行が南北で分けられているが、一部南北間を直通する列車があり、上野駅黒磯駅間は乗り換え無しで結ばれている。宇都宮の南側ではグリーン車を組み込んだ長編成の近郊型E231系電車(4ドア車)を中心に、また北側ではグリーン車無しの短い211系電車(3ドア車)を中心に運転されている。

東北北海道地方への定期貨物列車、北海道地方への定期旅客列車(夜行寝台特急)も運行されている。

「宇都宮線」と呼ばれる区間は、東北本線の直流電化区間と一致する。また、東京近郊区間内でもある。

埼玉県さいたま市~埼玉県栗橋町間で埼玉県道3号さいたま栗橋線、栗橋町以北で国道4号の主要な各道路とが並走し、東京都内、埼玉県南部の一部区間を除き各道路と同じ自治体を経由している。特に栃木県内では国道4号と至近距離で並走する区間も存在する。

[編集] 愛称命名の経緯

宇都宮線の名称は、当線沿線自治体の一つである栃木県の県庁所在地・宇都宮市に由来する。

なお、宇都宮の名称は式内社名神大社に列せられた二荒山神社の別称とされ、その歴史は1600年余と謂われる。

1988年、本来の東北本線の機能が東北新幹線に移され、上野駅~黒磯駅区間が首都東京埼玉県北東部~栃木県間の輸送に特化されつつある状況を鑑み、当時の渡辺文雄栃木県知事が同県の県庁所在地である宇都宮市のアピールも絡めて、上野駅~黒磯駅間の名称を「宇都宮線」とすることをJRに提案、沿線自治体である東京都・埼玉県・茨城県の各知事の了承のもと実現され、1990年3月10日から公式の愛称となった。

これに福島県は「東北蔑視に取れる」と撤回をJRに申し込み、地元マスコミも大々的に反対キャンペーンをしたが取り下げられることは無かった。

[編集] 「宇都宮線」と「東北線」の呼称

宇都宮~黒磯の211系LED表示(2006年6月)
宇都宮~黒磯の211系LED表示(2006年6月)

経緯にもある通り、地元自治体が働きかけて「宇都宮線」の呼び名が決まったため、関東地方では「宇都宮線」の呼称が使用され、「東北線」(「東北本線」)の呼び名は黒磯以北に直通する列車に使用されることが多い。

関東地方のJRや私鉄では、日常的に「宇都宮線」の呼称を用いている。JR東日本の運行情報案内でも、この区間については「宇都宮線」(正式路線愛称名)を用いており、黒磯以北区間については「東北本線」(正式路線名)を用いている。駅構内の時刻表やのりば案内の一部で「宇都宮線(東北線)」と括弧書きで二重表示しているほか、東北地方(新潟県を含む)を走る新幹線の車内放送では「東北線」と案内することがある。また、市販されている雑誌型の時刻表では「東北本線(宇都宮線)」などと表記されている。なお、宇都宮線の呼称制定前の国鉄時代に登場した211系電車の正面方向幕は通常は「普通」を使用するが、稀に「東北線」を表示させることがある(写真参照)。一方、JR化後に登場したE231系電車の行先表示器は「宇都宮線」である(211系の場合でも湘南新宿ライン運用時の表示には「宇都宮線直通」で設定されていた)。

日常的なJR東日本(東京地域)利用者の間では、各鉄道事業者等が車内放送や駅構内案内等で「宇都宮線(あるいはJR宇都宮線)」を日常的、恒常的に用いるため、「宇都宮線」の呼称が定着している。

なお関東地方では、他の東海道線常磐線などの鉄道路線名、東北自動車道などの各種高速道路名に、「正式名称」が影を潜めるほどの「愛称」が定着しているものが少ない。よって、東北地方だけではなく関東地方においても、「宇都宮線」は東北蔑視の愛称だとする意見が少数ではあるが存在する。

東海道線や常磐線の場合、神奈川県東京都という旧令制国時代に五畿七道の一つである東海道に所属していた地域を通過する東海道線、茨城県という旧令制国時代に「常」つまり常陸国と呼ばれていた地域を通過する常磐線であるが、一方の東北本線の場合、関東の主要通過地域である埼玉県栃木県を含まない名称であるから、時代の移ろいの中にあっては正式名称そのものが埼玉や栃木を「無視」・「軽視」・「蔑視」した感を生じているのも否めない。なお、東北新幹線や東北自動車道については、現在も東京と東北地方を結ぶ大動脈であり、これを一部区間であれ、例えば「宇都宮新幹線」や「宇都宮自動車道」などという愛称で呼ぶ動きは無い。

現在、東京・埼玉を走る東北線普通列車は臨時列車を除くすべてが関東地方である栃木県内止まり(小金井行・宇都宮行・黒磯行)で、東北地方に直通するそれがなく、現在では名実ともに宇都宮線と言えるだろう。

[編集] 沿革

現在、宇都宮線区間を経て東北地方に至る定期昼行長距離列車は皆無であり、定期夜行寝台特急「北斗星」と「カシオペア」が唯一設定されている長距離列車となっている。将に当路線が東北本線の一部として東北地方各地~関東地方栃木県各地~首都を結ぶ広域都市間輸送機能を主体としていた時代には、最盛期で毎時2~3本の長距離特急・急行列車、及び1日数本の長距離普通列車が往来し、長編成の貨物列車も定期運行されていたが、1982年の東北新幹線開業にともなってその数(規模)を減らし、東北新幹線の上野・東京乗り入れや山形新幹線の開業に至っては、わずかに残っていた山形・秋田方面を結ぶ定期昼行特急「つばさ」などが廃止され、その後の1993年12月ダイヤ改正で廃止された「あいづ」を最後に、黒磯以北へ直通する定期昼行長距離列車は全廃された。また、宇都宮線区間内のみを走る昼行優等列車として30分~1時間間隔で運行されていた「新特急なすの」は、その後近距離新幹線(当時の「あおば」、現在の「なすの」)への格上げと在来線快速列車への格下げによって大幅に減便され、運行体系も新宿発着の通勤用特急「ホームタウンとちぎ」・「おはようとちぎ」(毎日上り2本、下り1本)に変更された。現在はこれらの定期特急に加え、2006年3月18日から運転開始した東武鉄道直通特急「きぬがわ」・「日光」・「スペーシアきぬがわ」(毎日4往復)が運行されている。

こうして広域輸送を目的とする東北本線の機能は完全に東北新幹線へと委ねられ、首都と東北地方を結ぶ長距離列車・優等列車が無くなった運行枠には代わりに大規模需要が見込まれていた中距離電車(中電)の設定が可能となったため、当時東北本線黒磯以南の中電の主力であった115系が全国から集められ、上野駅~黒磯駅間の普通快速列車が増発・長編成化され、結果的に上野駅~黒磯駅間の東北本線区間の機能はほぼ完全に首都圏内輸送に特化された。これを象徴するように、上野~黒磯間には全国的にも類を見ない115系普通車のみによる15両長編成・最大輸送力を持たせた普通列車が数多く往来するようになった(東海道線の15両編成は当時からグリーン車2両を挟んでおり、編成あたり輸送力は宇都宮線(高崎線常磐線も同様)が上回っていた)。増発本数は、上野駅~宇都宮駅間で毎時2~3往復程度(従前:毎時2~3往復、現行:毎時4~5往復)、宇都宮駅~黒磯駅間で毎時1~2往復程度(従前:毎時1~2往復、現行:毎時3往復)である。さらに快速列車も30分~1時間毎で運行されるようになり、中距離旅客の利便性は格段に向上し、時刻表を気にせず列車を利用できるようになった。

かくして1990年、当区間の新たな役割(首都圏内輸送)を象徴すべく、公式に宇都宮線の愛称で呼ばれるようになった。

中距離輸送力増強の流れと並行して運行合理化が進み、複数行先列車(上野発黒磯・日光行きなど)と上野~日光線直通列車の廃止、上野口出発ダイヤと宇都宮~黒磯間ダイヤのパターン化とそれに伴う烏山線宇都宮駅~宝積寺駅間の乗り入れ削減、池袋駅新宿駅発着列車の新設と増発、池袋駅・新宿駅発着宇都宮線行き列車と同東海道線横須賀線行き列車の相互乗り入れ化(湘南新宿ライン)などを経て、2004年10月16日に現在の運行形態(上野駅~宇都宮駅と宇都宮駅~黒磯駅の運転系統分離、湘南新宿ラインの増発・パターンダイヤ化、普通列車へのグリーン車連結、編成組成のパターン化など)に至っている。2006年7月8日のダイヤ改正では、15両編成普通列車の大増発および宇都宮までの運行区間延長(従前は小金井まで)が実施された他、上野~黒磯間を直通するE231系基本編成(グリーン車連結編成)の増発が実施された。

なお、運輸省(現国土交通省)が2000年に実施した都道府県間鉄道流動統計データによると、東京都から鉄道で栃木県に移動した年間旅客数は静岡県大阪府愛知県への旅客数に次いで多く307.5万人であった。これに神奈川県埼玉県千葉県からの年間旅客数を合わせた数字は481.8万人であり、茨城県の277.6万人や群馬県の287.5万人を遥かに上回る鉄道需要があることを示しており、宇都宮線は東京圏内あるいは栃木県内の一通勤路線・一生活路線という範囲を超え、東北新幹線とともに将に東京圏と栃木県間の鉄道旅客需要に応える大動脈であることが窺える。

東京圏と北関東各県間の鉄道旅客流動状況(2000年)は以下のとおり。

各都県間鉄道旅客流動状況(2000年)
出発地\目的地 栃木県 群馬県 茨城県 合計 -
埼玉県 642 471 187 1,300 -
東京都 3,075 1,869 1,903 6,847 -
神奈川県 765 243 468 1,476 -
千葉県 336 292 218 846 -
合計 4,818 2,875 2,776 - -
出発地\目的地 埼玉県 東京都 神奈川県 千葉県 合計
栃木県 1,252 2,963 939 595 5,749
群馬県 935 2,027 415 485 3,862
茨城県 172 1,695 477 255 2,599
合計 2,359 6,685 1,831 1,335 -
(単位:千人/年)

[編集] 将来の計画

東北新幹線の東京乗り入れに伴い秋葉原駅東京駅間で東北本線の列車線が事実上分断した形になっていたが、このほど2011年度(当初2009年末としていたが遅れる見込み)までを目標に、秋葉原駅~東京駅間が再度線路で結ばれる事となり、東北本線系の列車と東海道本線系の列車とが相互乗り入れする見通しである事が報道されている(東北縦貫線計画)。

[編集] 沿線風景

[編集] 上野~大宮

上野駅は東北方面のターミナル駅として賑わったが、近年では東北新幹線のターミナルが東京駅となり、また宇都宮線・高崎線の始発終着列車の1/3が湘南新宿ラインに振り分けられるなど、利用客数が減少傾向にあるが、駅周辺には上野動物園国立科学博物館国立西洋美術館東京文化会館などの大規模文化施設が集まり、休日になると家族連れで相変わらずの賑わいを見せている。

宇都宮線列車は上野駅を出て暫くの間、ポイント上を通過するなど徐行運転を続ける。低いホームと高いホームからの線路が同じ高さに集まり鶯谷駅日暮里駅を通過する辺りからスピードを上げ、西日暮里駅を通過する付近で並走していた山手線・京浜東北線および東北新幹線と分かれ、山手貨物線を跨いで新幹線操車場の東側を進み尾久駅に停まる。尾久駅は1面2線の東京都区内にあっては小さな駅であるが、西側は尾久車両センターとなっており、日中は寝台特急「北斗星」などの編成が留置される。尾久駅を出ると京浜東北線の線路をくぐってその西側を併走し始め、王子駅を通過する。王子駅西側の飛鳥山公園は春の桜が美しい名所となっている。東十条駅を通過すると京浜東北線以外の線路が高架に上がり、西から埼京線が寄り添うと同時に京浜東北線も高架に上がって間もなく赤羽駅に到着。赤羽駅は宇都宮線としては東京最北端の駅であり、埼京線、湘南新宿ラインなど都区内から埼玉県に伸びるJR在来線の結集地点になっている。駅の東側には繁華街が形成され、地下鉄南北線埼玉高速鉄道線赤羽岩淵駅も徒歩圏である。

赤羽を過ぎて間もなく新河岸川荒川の橋梁を3複線で渡って埼玉県に入る。赤羽駅から大宮駅にかけては、東側から電車線(京浜東北線)、列車線(上野発着の宇都宮線・高崎線)と並走し、その西側を東北貨物線(湘南新宿ライン)が走る。埼玉県に入るとまず川口駅を通過する。川口は、江戸期に隆盛化した舟運を利用し、鋳物を産して江戸に供給し発展を遂げた。近年はベッドタウンとして高層マンションが数多く建てられ街並みもより近代化している。埼玉県南部の住宅地を走り抜け西川口駅蕨駅と京浜東北線の駅を通過する。線路東側に浦和電車区を眺めると間もなく武蔵野線の高架をくぐり南浦和駅を通過する。西側を走る東北貨物線が高架に上がり再開発で建てられた高層マンションが見えてくると間もなく埼玉県庁・さいたま市役所の最寄り駅である浦和駅に着く。浦和駅西口には伊勢丹浦和店・コルソ・ユザワヤ浦和店などの店舗を中心とした繁華街が形成されその更に西側に県庁や裁判所、さいたま市役所が立地する。東口は現在再開発中で、パルコを中核店舗とする商業施設が建設中である。

浦和駅を出ると左手から旧浦和市役所庁舎跡地に建てられた浦和センチュリーシティが見下ろす。東北貨物線が再び地上に戻り、北浦和駅を通過する。北浦和駅の駅西口には埼玉大学の旧キャンパス跡地を利用した北浦和公園があり、噴水広場が市民の憩いの場になっている。与野駅を通過した辺りからさいたま新都心の高層ビル群が左手に見えてくる。次のさいたま新都心駅さいたまスーパーアリーナやさいたま合同庁舎の最寄り駅であるが貨物線を走る湘南新宿ラインはホームが無いため通過する。貨物の留置線が広がり西から東北新幹線・埼京線が接近すると間もなく大宮駅に到着する。大宮は式内社名神大社に列せられた氷川神社門前町であり、近代以降は宇都宮線・高崎線・京浜東北線・川越線東武野田線新幹線・埼京線など鉄道の結節点として発展を続けてきた埼玉県随一のターミナル駅である。駅の東側には旧中山道や氷川神社方面に繁華街が形成され大宮高島屋などの店舗が出店している他、西口も新幹線開業に合わせて再開発が行われ、大宮ソニックシティや大宮そごうなどが見える。

[編集] 大宮~小山

大宮駅を出ると、高崎線の線路を跨いで東にカーブし北北東に進路をとる。線路の東側には暫く東武野田線が並走する。東武野田線と分かれしばらく行くと土呂駅。土呂駅北方には東大宮操車場があり、大宮駅から併走している回送線がここまで伸びている。芝川を渡る地点からは東大宮操車場とその一端にあるJR東日本の乗務員訓練所が見える。台地に上がり左にカーブすると東大宮駅である。東大宮駅まではさいたま市の市域であり宅地が多くを占めるが、市域を出た辺りから住宅地の合間に続く田畑と、冬は防風林ともなる雑木林といった関東近郊の沿線風景となり、これが宇都宮駅付近まで続く。また、大宮~古河間では利根川・荒川流域の多くの流路を横断する為橋が多く、駅ごとに台地(市街地)と低地(耕作地・河川)を通過する(大宮台地を走る高崎線とは対照的である)。東大宮駅をでると国道16号の高架橋をくぐり綾瀬川を渡る。再び市街地に入ると蓮田駅である。蓮田駅を出ると間もなく元荒川の橋梁を渡る。江戸時代以前は元荒川が荒川であったが、利根川東遷事業と呼ばれる河川工事の結果、荒川は入間川に合流して隅田川(住田川)となる現在の流れに瀬替えされ、この川は元荒川となった。白岡駅を出て東北自動車道の高架をくぐり、新白岡駅を過ぎると西から東北新幹線の高架、東から東武伊勢崎線の線路が近づいて久喜駅に着く。

久喜付近からは車窓東側に筑波山が見えてくる。久喜を出て間もなく東武伊勢崎線が宇都宮線を跨ぎ西に分かれる。間もなく古利根川の源流部にあたる青毛堀川を渡って東鷲宮駅に着く。この駅はかつて貨物駅を跨いでいた名残りで下り線は地上ホーム、上り線は高架ホームとなっており、駅東側には新幹線保線機材等を積み込む操車場の向こうに駅前集合住宅街が広がる。東鷲宮駅を出て中川を渡り、築堤上に敷かれた東武日光線の線路が宇都宮線を跨ぐと程なく栗橋駅に着く。東武日光線直通特急は客扱いホームの無い連絡線を通り東武日光線に入る。栗橋駅を出るとすぐ右カーブを描きながら高度をかせぎ、日本最大級の大河で坂東太郎の異名を冠す利根川を渡って茨城県に入る。この付近から車窓北側に日光の山並みが見えてくる。この区間(利根川鉄橋)はしばしば強風による影響を受け、運転中止の原因となる(2007年3月現在防風柵設置工事中)。利根川は江戸時代中期以降、この地を経て鬼怒川と合流し銚子にて太平洋に注ぐ川となったが、それ以前は古利根川を経て東京湾に注いでいた。利根川の橋梁から続く築堤から高架を走り古河市大堤(元総和町)の距離の長い林を通り古河駅に着く。古河市域の路線には2箇所ほど急カーブが存在し、45Km/hの速度制限箇所では窓から15両編成の前後の車両を見ることができるほどである。林の途中には車窓から地元では誰もが知るトモエ乳業が見える。古河は宇都宮線沿線では唯一の茨城県内の駅であり、古くから渡良瀬川の渡し場があった場所で当時の交通の要衝であった。また室町時代には古河公方が座した土地としても知られ、その遺構は古河総合公園として整備されている。

古河駅を出て市街地が終わるところで栃木県に入る。野木駅から間々田駅にかけては栃木県南部の田園地帯を疾走する。この付近は延々と直線区間が続き、宇都宮線列車が最も加速する区間となっている。この区間はまた濃霧が発生しやすい区間でもある。間々田駅には昔、乙女河岸からの乙女人車軌道が連絡していたが、水運から鉄道運輸への転換により廃止された。小山駅手前で水戸線への短絡線跡が右に分かれていくと小山駅に着く。小山市は栃木県第2の都市であり、古くは俵藤太の別称で名高い藤原北家魚名流藤原秀郷の後裔である小山氏の居城・祇園城の元で栄え、江戸期には日光街道の宿場町として賑わった。

[編集] 小山~宇都宮

小山から宇都宮までの区間では、ほぼ完全に国道4号日光街道)および東北新幹線が併走する。小山を出ると両毛線を西に分岐し、東北新幹線と併走しながら下野市に入り小金井駅に着く。下野市内の走行距離は10kmに満たないが、この短い区間に駅が3つ存在し、快速も全駅に停車する。小金井駅は最も東京方の駅であり、旧国分寺町に存在していた駅である。この小金井駅の北方・宇都宮線線路の東側には、宇都宮線・高崎線・日光線・湘南新宿ライン(宇都宮線系統)の各線および東武直通特急で使用する車両が所属する小山車両センターが立地し、上り列車は入れ替え線を跨ぐ築堤上を走るため、東側車窓から車両センター全体を望むことができる。一方の下り列車はこの築堤の西側を走行するため、築堤が目隠しとなってその存在すら気がつかない。

小金井を出ると下野市の新興住宅街を遠景に見ながら下野市で2番目の停車駅であり、旧南河内町の玄関駅的位置付けであった自治医大駅に着く。当駅の北東側には自治医科大学の白亜の建物と広大なキャンパスが広がり、さらにその奥には下毛野氏の氏寺で奈良時代には奈良東大寺筑紫観世音寺と並んで三戒壇に指定され当時の関東の文化的中心地であった下野薬師寺跡が立地する。自治医大駅の次は下野市最後の停車駅であり、旧石橋町の玄関駅であった石橋駅に着く。石橋駅は日産自動車の街として知られる上三川真岡木綿SLのまちで知られる真岡、そして獨協医科大学病院バンダイタカラトミーエポックなどの玩具メーカーを抱えるおもちゃのまち壬生)への玄関駅でもあり、下野市内3駅で最も乗降客が多い駅でもある。なお上三川・真岡方面へは便数こそ少ないものの路線バスが出ているが、おもちゃのまち方面へはタクシー利用となる。石橋駅を出て暫く走ると宇都宮線の東側に広大な貨物操車場が見えてくる。そして下り線と上り線が分かれ宇都宮貨物ターミナル駅の構内線路群を挟む形で通過する。高架の上り線を跨ぐために新幹線の高架橋はかなり高い位置にあるが、さらにその上を北関東自動車道が跨いでいく。当駅名には宇都宮が冠されているが、所在地は下野市と上三川町にまたがっており宇都宮市域ではない。宇都宮貨物ターミナルを過ぎると間もなく宇都宮市に入り雀宮駅に着く。雀宮駅は宇都宮市の南部に位置し、陸上自衛隊北宇都宮駐屯地や宇都宮市営スケートセンター、そして栃木県総合運動公園への最寄駅であり、駅東地区には現在市内京町にある宇都宮工業高校が移転することが決まっている。宇都宮市内の走行距離は約20kmに及ぶが、この区間に駅は3つのみ(雀宮・宇都宮・岡本)である。

雀宮駅を過ぎて日光線が左から合流し、宇都宮有数の由緒あるホテルである宇都宮グランドホテルが佇む緑の丘を左手に見ながら田川橋梁を渡ると、北関東屈指の商工業都市で栃木県の県都でもあり、平安時代以来の歴史を有す宇都宮市の中心駅・宇都宮駅に到着する。田川橋梁付近からは、西側車窓に宇都宮の象徴である二荒の杜(八幡山公園)と中心街ビル群、そしてその後方遠方に(左から)男体山日光白根山女峰山を望むことが出来る。宇都宮駅は東北新幹線の速達系列車を除く全列車が停車する駅であり、また県内各地(日光鹿沼佐野白沢・玉生芳賀・茂木・真岡・益子高根沢喜連川方面)に向かう路線バスが発着することから、栃木県内第一のターミナル駅でもある。宇都宮の繁華街は宇都宮駅の西側約1~2km、宇都宮二荒山神社を中心として広がり、繁華街を挟むように北側に栃木県庁、南側に宇都宮市役所が立地し、市役所の東側は宇都宮城址公園となっている。宇都宮城は二荒山神社の神官としてこの地に赴任し、平安時代後期から22代500年に亘って鬼怒川流域一帯を統治した藤原北家道兼流宇都宮氏の居館であった。なお東武宇都宮線東武宇都宮駅は繁華街の西端に位置する。

[編集] 宇都宮~黒磯

宇都宮線は宇都宮駅を境に運行がほぼ分断されており、また烏山線列車や日光線列車も発着するため始発・終着列車が非常に多く、駅構内には列車の留置線が数多く存在する。宇都宮駅を出発するとこの留置線の東側にある宇都宮運転所を見ながら構内を抜け、北東に進路を取ると宇都宮の市域を通過する。沿線は主に住宅街であり、この風景が岡本駅の先まで続く。岡本の手前の一部区間では宇都宮工業団地(平出工業団地)の工場群の中を進む。岡本駅は旧河内町の玄関駅であったが、自治体合併によって宇都宮市内3番目の宇都宮線の駅となった。岡本を出ると間もなく住宅地が途切れ、河岸台地を下って田園地帯を走りぬけ、間もなく栃木県の水源である鬼怒川を渡る。当橋梁上からは車窓北側に日光連山(男体山、日光白根山、女峰山など)、南側には直ぐ下流側に国道4号の鬼怒川橋(下り線)・新鬼怒川橋(上り線)と遠景に筑波山を見晴るかせる。鬼怒川東岸に到達して直ぐ左に大きくカーブを切ると間もなく烏山線の分岐駅であり、高根沢工業団地の最寄り駅でもある宝積寺駅に着く。宝積寺駅を出ると烏山線は東に下り、宇都宮線は暫く鬼怒川東岸の河岸台地上の田園地帯を走る。この付近では東側車窓に八溝の山並みが、そして西側には日光の山々が見渡せる。間もなくさくら市の中心地で喜連川温泉の入口でもある氏家駅に着く。氏家駅を出ると直ぐに国道4号が宇都宮線を跨ぎ、蒲須坂駅を過ぎた付近で荒川を渡り関東平野那須野が原を分ける塩那丘陵の起伏地に入り、片岡駅を経て矢板駅に着く。この付近は長閑な田園の中に時折りんご等の果樹園畑を望める。矢板駅を出ると直ぐに上野以北の宇都宮線では初めてとなるトンネルを抜け、箒川(ほうきがわ)を渡り国道4号が宇都宮線を跨ぐと間もなく野崎駅で、この付近から那須野が原の田園風景が広がる。那須野が原は箒川と那珂川に挟まれた木の葉状に広がる広さ4万haに及ぶ日本最大級の複合扇状地で[1]、高原山火山などの火砕流などで基礎が形成され、その後の河川などの砂礫の堆積により形成された。那須野が原の地質は水を通しやすく、両河川の間を流れる熊川と蛇尾川(さびがわ)は水無川で伏流水となっており、熊川・蛇尾川の両橋梁からは多雨期を除き河原に水流を見ることは出来ない。開墾に当たっては那須野が原北端の那珂川より取水(岩崎取水堰)して灌漑用水を地表に引き客土することでようやく農地とし、現在では栃木県一の米及び生乳の生産地となっている。現在でも開拓・開墾の歴史を那須疏水の清流に偲ぶことができる。また、関東の名族は戦国時代~江戸時代初め頃までに歴史の表舞台から姿を消すが、この那須地方は中央政権による改革を間逃れ、室町時代には関東八屋形の一角をなした那須氏一門が江戸時代以降も脈々とその歴史を刻み続けており、その影響で当時からの歴史的建造物も比較的良好に現存し(黒羽の雲巌寺など)、松尾芭蕉奥の細道紀行にも登場する。西那須野駅那須塩原駅、黒磯駅にかけては、那須の茶臼岳朝日岳三本槍岳を望みながら走る。西那須野駅と那須塩原駅は栃木県内有数の温泉郷である塩原温泉郷那須温泉郷の、そして宇都宮線列車の終点・黒磯駅は、関東地方の一大避暑地である那須高原の玄関駅である。那須高原は北に勇壮な那須連山、南に広大な関東平野の絶景を楽しめる絶好のビュースポットでもあり、休日は春の新緑シーズンから秋の紅葉シーズンまで行楽客で賑わう。黒磯駅は宇都宮線の終着駅であるが、東北本線仙台方面の始発駅でもある。黒磯駅で直流電化から交流電化に切り替わる。現在、両区間を直通する定期旅客列車が殆ど無い(北海道方面の寝台夜行特急のみ)当駅では、仙台方面の列車に乗り換えることとなる(黒磯駅以北の東北本線の沿線風景はこちらを参照)。

[編集] 運行形態

上野発着の宇都宮線列車と、池袋駅・新宿駅を経由して東海道本線横浜駅大船駅及び横須賀線鎌倉駅逗子駅まで直通する湘南新宿ラインを中心としたダイヤ編成である。日中は上野発着が毎時4往復、湘南新宿ラインが毎時2往復(うち1往復は快速)のパターンダイヤを組んでいる。朝夕には上野発着の快速ラビット・通勤快速や池袋・新宿発着の近距離特急「おはようとちぎ」・「ホームタウンとちぎ」が、また日中には池袋・新宿発着で栗橋から栃木東武日光鬼怒川温泉方面などの東武日光線に直通する特急「日光」・「きぬがわ」・「スペーシアきぬがわ」が設定されている。これらの列車の合間に、北海道方面への長距離寝台特急カシオペア」や「北斗星が毎日2~3往復運転される。また、小山駅黒磯駅間には両毛線小金井駅宇都宮駅間には日光線、宇都宮駅~宝積寺駅間には烏山線への直通列車が僅かだが設定されている。

過去の最速列車(優等列車)は上野~宇都宮間を1時間10分で結んでいたが、2006年現在、同区間の最速列車は快速ラビットの1時間26分である。今後、新形式車両E231系近郊形ATOSシステムATSシステム導入により機動性が向上したことと、東北縦貫線計画による東海道線との相互乗り入れに伴い、運転時間の合理化を含めたダイヤの総見直しが行われると見られている。

宇都宮線の需要は埼玉県北東部及び栃木県中南部沿線から東京都内や埼玉県南部への通勤・通学・その他ビジネス輸送等と、埼玉県及び栃木県内沿線から小山宇都宮周辺への通勤・通学・その他ビジネス輸送等が主体となっており、運転系統は宇都宮を節として南北で分離されつつある中、2006年7月のダイヤ改正では、削減傾向の上野~黒磯間の直通列車が増回され、また車両運用に絡んで小金井~黒磯間区間列車が新設(宇都宮乗換え→小金井乗り換え)された。

首都圏では年末年始終夜運転を実施しており、宇都宮線では『終夜臨時列車』の扱いで湘南新宿ライン(宇都宮~逗子間)が毎時上下各1本運転されている。2005年2006年の終夜運転では上野発着列車は高崎線のみであった。

[編集] 列車種別

快速ラビット(上野~宇都宮・黒磯)
  • 停車駅:上野 - 赤羽 - 浦和 - 大宮 - 蓮田 - 久喜 - 古河 - 小山~宇都宮(~黒磯)各駅
  • 使用車両E231系小山車両センター)および、土曜・休日の下り1本のみ211系15両(高崎車両センター)で運行。
  • 運転本数:平日は上野発下り朝8時台と9時台の2本のみ。土曜・休日はこの下り2本に加え、平日の通勤快速に代わって夕方以降の上下線で5往復が運行される。
  • 所要時間:上野~宇都宮の所要時間は1時間26~40分(列車によって約15分もの開きがある)。
  • その他:途中駅を通過する普通列車として国鉄時代に運転を開始。その後無名の快速列車を経て「ラビット」と銘名され、「新特急なすの」の需要を「近距離新幹線なすの(当初はあおば)」と分ける形で増発、最盛期は全日に亘り毎時1~2往復で運行された。1995年12月のダイヤ改正までは上記停車駅のうち小金井駅・自治医大駅・雀宮駅には停車せず、最速列車の上野~宇都宮の所要時間は1時間23分、概ね1時間25分前後であった。


通勤快速(上野~宇都宮・黒磯)
  • 停車駅:上野 - 尾久 - 赤羽 - 浦和 - 大宮 - 久喜 - 古河 - 小山~宇都宮(~黒磯)各駅
  • 使用車両:E231系10~15両(小山車両センター)および、下り最終便のみ211系15両(高崎車両センター)で運行。
  • 運転本数:平日のみ、上野発下り18~22時台と宇都宮発上り17~21時台に毎時1往復、計5往復の運行。うち1往復は黒磯発着便。
  • 所要時間:上野~宇都宮の所要時間は1時間30~39分。
  • その他:JR化後の1988年より1991年まで「スイフト」の愛称を与えられた。当初より停車駅は変更されておらず、上野~宇都宮の所要時間は当初(1時間40分前後)より若干短縮化している。


普通列車(上野~小金井・宇都宮)
  • 停車駅:上野~宇都宮の各駅
  • 使用車両:E231系10~15両(小山車両センター、平日の3往復と土曜・休日の2往復は小金井~宇都宮駅間5両)および、平日下り7本と上り9本・土休日下り8本と上り9本のみ211系10~15両(高崎車両センター)で運行。
  • 運転本数:日中は毎時4往復。うち1~2往復は小金井駅折り返し。
  • 所要時間:上野~久喜は概ね35~40分、上野~宇都宮は概ね1時間45~50分程度(最速:1時間41分、最も遅い便は2時間5分)。


湘南新宿ライン快速(新宿経由横須賀線直通)
  • 停車駅(他線区含む):宇都宮~小山の各駅 - 古河 - 久喜 - 蓮田 - 大宮 - 赤羽 - 池袋 - 新宿 - 渋谷 - 恵比寿 - 大崎 - 西大井 - 新川崎 - 横浜 - 保土ヶ谷 - 東戸塚 - 戸塚 - 大船 - 北鎌倉 - 鎌倉 - 逗子
  • 使用車両:E231系基本編成(10両)に付属編成(5両)を連結した15両編成で運行。但し、一部は基本編成のみ10両編成で運行。
  • 運転本数:新宿発宇都宮方面行き9~17時台の毎時1本(計9本)、宇都宮発新宿・逗子方面行き9~15時台(土曜・休日は8~15時台)の毎時1本(計7本、土曜・休日は計8本)。平日下り3本、土曜・休日下り2本(何れも午前便)は大船始発。
  • 所要時間:新宿~宇都宮は概ね1時間35分、池袋~宇都宮は概ね1時間30分、大宮~宇都宮は概ね1時間5~10分。


湘南新宿ライン普通(新宿経由横須賀線直通)
  • 停車駅(他線区含む):宇都宮~大宮の各駅 - 赤羽 - 池袋 - 新宿 - 渋谷 - 恵比寿 - 大崎 - 西大井 - 新川崎 - 横浜 - 保土ヶ谷 - 東戸塚 - 戸塚 - 大船 - 北鎌倉 - 鎌倉 - 逗子
  • 使用車両:E231系基本編成(10両)に付属編成(5両)を連結した15両編成で運行。但し、一部は基本編成のみ10両編成で運行。
  • 運転本数:平日の朝は毎時3本、土曜・休日の朝は毎時2本、日中は毎時1本、夕方は概ね毎時2本の運行。
  • 所要時間:新宿~久喜は概ね50分、池袋~久喜は概ね45分。


普通列車(宇都宮~黒磯)
  • 停車駅:宇都宮~黒磯の各駅
  • 使用車両:E231系5~10両(小山車両センター)および、211系5両(高崎車両センター)で運行。
  • 運転本数:宇都宮~黒磯は概ね毎時3往復。
  • 所要時間:宇都宮~黒磯は概ね50分。
  • その他:この区間の特徴は以下の通り。
    • この区間の普通列車は概ね211系5両編成中心で宇都宮折り返しであるが、上野~黒磯便(下り3本、上り5本)をはじめ、小山~黒磯便(下り1本)、小金井~黒磯便(2往復)、上野~氏家便(上り1本)、快速ラビット/通勤快速(1往復)や高崎線直通列車(1往復)など、石橋・小山方面に直通する便も設定され、うち4往復はグリーン車を連結したE231系10両編成で運行される。
    • 宇都宮~黒磯間は車内温度維持を目的に全列車が通年に亘ってドア開閉を半自動化している。


日光線直通列車
  • 停車駅(他線区含む):小金井~日光の各駅
  • 使用車両107系0番台6両(小山車両センター)で運行。
  • 運転本数:朝下り1本のみ。


両毛線直通列車
  • 停車駅(他線区含む):黒磯・宇都宮~高崎の各駅
  • 使用車両107系100番台4両、115系4両(いずれも高崎車両センター)で運行。
  • 運転本数:朝夕各1往復、計2往復。
  • その他高崎駅から上越両毛線経由で黒磯駅まで乗り入れる。


烏山線直通列車
  • 停車駅(他線区含む):宇都宮~烏山の各駅
  • 使用車両キハ40系宇都宮運転所)で運行。
  • 運転本数:朝夕を中心に5往復が乗り入れる。
  • その他:かつてはほぼ全列車が宇都宮駅の発着だったが、宇都宮駅~黒磯駅間宇都宮線普通列車の増発・パターンダイヤ化に伴い当時1日1~2往復を残して宇都宮駅~宝積寺駅間が区間廃止された。近年、乗り入れ列車は1日5往復にまで復旧され、利用者の利便性が回復した。


特急「おはようとちぎ」・「ホームタウンとちぎ」
  • 停車駅:新宿 - 池袋 - 赤羽 - 大宮 - 蓮田 - 久喜 - 古河 - 小山 - 石橋 - 宇都宮 - 宝積寺 - 氏家 - 矢板 - 西那須野 - 黒磯
  • 朝上り2本(おはようとちぎ)と夕下り1本(ホームタウンとちぎ)の計1.5往復が新宿黒磯に運行されている(朝上り1本は宇都宮始発)。使用車両は185系200番台7両(田町車両センター)で運行。


特急「日光」・「スペーシア日光」・「きぬがわ」・「スペーシアきぬがわ」
  • 停車駅:新宿 - 池袋 - 大宮 - 栃木 - 新鹿沼 - 下今市(- 東武日光)- 鬼怒川温泉
  • 運転本数は「日光」(新宿~東武日光)が毎日1往復、「きぬがわ」と「スペーシアきぬがわ」(新宿~鬼怒川温泉)が毎日3往復運行されている。使用車両は、「日光」・「きぬがわ」が485系6両、「スペーシアきぬがわ」が東武100系「スペーシア」6両。「日光」が東武100系で運行される時は「スペーシア日光」となる。


ホームライナー古河
  • 停車駅:上野 - 浦和(新宿 - 池袋)- 大宮 - 東大宮 - 蓮田 - 久喜 - 古河
  • 平日夕方の通勤時間帯に下り3本のみが運行される。1, 3号は上野発、5号は新宿発。使用車両は1号が185系0番台10両(田町車両センター)、3号が489系9両(金沢総合車両所)、5号が185系200番台7両(田町車両センター)。


フェアーウェイ
  • 停車駅:新宿 - 池袋 - 赤羽 - 大宮 - 久喜 - 栗橋 - 古河 - 小山 - 宇都宮 - 宝積寺 - 氏家 - 矢板 - 西那須野 - 那須塩原 - 黒磯
  • 土曜・休日の朝下りと夕方上り各1本の計1往復が運行される。使用車両は485系6両(新潟車両センター)で、上越線夜行快速列車「ムーンライトえちご」の間合い運用として運行される。全車座席指定制で、土曜・休日に新宿・池袋方面から宇都宮線沿線へのゴルフ客用列車である。

[編集] 使用車両

  • E231系(4ドア車)
    小山車両センターの所属で、基本編成(10両)と付属編成(5両)があり、何れもU編成。10両編成(基本編成のみ)もしくは基本編成の黒磯方に付属編成を連結した15両編成により運用される。小金井-黒磯間では5両編成(付属編成のみ)の運用もある。過去には国府津車両センター所属のE231系車両が小山車両センターに貸し出され、小山車として運用されたこともあったが、2006年に実施された小山車両センターへの車両増備(従来の小山車のアコモデーションを一部変更した110両が新車投入され550両体制から660両体制となった)に伴って解消され、現在は小山車両センター所属の車両のみで運行されている。宇都宮線の中でも一番多く走っている車両である。
    基本編成:10両編成で1・2号車がセミクロスシート車、4・5号車が2階建てグリーン車
    付属編成:5両編成で黒磯方2両がセミクロスシート車。
  • 211系(3ドア車)
    高崎車両センターの所属で、基本編成(10両)と付属編成(5両)があり、基本編成はC編成で、E231系同様、4・5号車にグリーン車を組み込んでいるが、4号車は全編成で2階建て車両であるが、5号車には平屋構造の車両が組み込まれている編成が多い。付属編成は、全車ロングシート車のA編成、全車セミクロスシート車のB編成がある。湘南色。2006年7月8日のダイヤ改正で上野~宇都宮間の運用(基本編成・付属編成)が減り、宇都宮~黒磯間の運用(付属編成)が増えた。
  • 115系(3ドア車)
    両毛線直通列車は高崎車両センターの所属で、1編成4両。全車セミクロスシート車。小山~宇都宮間で運用されている。湘南色(代走は211系)。
    日光線直通列車に代走として使用される編成は小山車両センターの所属で、1編成4両。全車セミクロスシート車。小金井~宇都宮間で運用されることがある。湘南色。
  • 107系(3ドア車)
    小山車両センター車:0番台。1編成2両単位。日光線用の車両。宇都宮線では小金井~宇都宮間で運用され日光線に直通する。全車ロングシート。日光色(クリーム色の車体に緑色で日光の頭ローマ字「N」字を模ったデザイン。アクセントで日光神橋をイメージした赤色のラインが入れられている)。
    高崎車両センター車:100番台。1編成2両単位。両毛線から乗り入れて来て、宇都宮線では小山~黒磯間で運用されている。全車ロングシート。両毛色(クリーム色の車体に緑色とピンク色のラインが入れられている)。
  • 185系(2ドア車)
    田町車両センターの所属で、1編成7両または10両で、7両編成は4号車また10両編成は4・5号車がグリーン車。新宿発着の特急「おはようとちぎ」と「ホームタウンとちぎ」および上野発の「ホームライナー古河1号」、新宿発の「ホームライナー古河5号」で運用されている(うち、「ホームライナー古河1号」のみ10両編成)。田町色(クリーム色の車体の中ほどに緑色とオレンジ色の縦帯状アクセントが入れられている)。
  • 485系(東武直通特急用)(1ドア車)
    小山車両センターの所属で、新宿発着東武日光線・鬼怒川線経由で東武日光や鬼怒川温泉駅とを結ぶ特急「日光」・「きぬがわ」で運用されている。1編成6両で全車普通車。3号車には授乳・休憩のためのベビーベッド付き多目的室を、4号車には車いす対応席1席を備える。トイレは偶数号車の東武日光・鬼怒川温泉方にある。東武カラー(白色に朱色と茶色の帯状塗装)。なお検査時には189系大宮総合車両センター所属)が代走する。
  • 東武100系(1ドア車)
    東武鉄道の車両で、1編成6両で6号車(新宿寄り)が個室グリーン車。3号車には販売カウンターと自動販売機を備える。トイレは1号車の新宿方と4・6号車の鬼怒川温泉方にある。特急「スペーシアきぬがわ」(485系の検査時には「スペーシア日光」も)で運用されている。
  • 485系(フェアーウェイ用)(1ドア車)
    新潟車両センターの所属で、新宿発着土曜・休日のみ定期運行される快速「フェアーウェイ」で運用されている。K編成。1編成6両で全車普通車。国鉄色(クリーム色に赤色の国鉄特急塗装)。
  • 489系(1ドア車)
    金沢総合車両所の所属で、1編成9両、4号車がグリーン車。上野発の「ホームライナー古河3号」で運用されている。金沢色(白色の車体に朱色と薄青色帯)または国鉄色。
  • キハ40系(2ドア車)
    宇都宮運転所の所属で、烏山線用のディーゼル気動車。烏山色(クリーム色の車体に緑色のラインが入れられている)。トイレなし、オールロングシート。片開きドア。

※黒磯以北へ直通する列車の説明は、この記事ではなく東北本線などを参照。

[編集] 駅一覧

  • 普通は宇都宮貨物ターミナル駅を除き各駅に停車(湘南新宿ライン直通の普通を除く)。
駅名 営業
キロ
湘南
新宿
ライン
快速ラビット 通勤快速 ホーム
ライナー
古河
接続路線 所在地
普通 快速
上野駅 0.0 横浜駅
新宿駅
池袋駅
方面直通
東日本旅客鉄道:東北新幹線山形新幹線秋田新幹線)・山手線京浜東北線常磐線常磐快速線
東京地下鉄:銀座線(G-16)・日比谷線(H-17)
京成電鉄:本線京成上野駅)(連絡運輸なし)
東京都 台東区
尾久駅 4.8   北区
赤羽駅 9.8 東日本旅客鉄道:京浜東北線・埼京線・湘南新宿ライン
浦和駅 20.8 東日本旅客鉄道:京浜東北線 埼玉県 さいたま市浦和区
さいたま新都心駅 25.3 東日本旅客鉄道:京浜東北線 さいたま市大宮区
大宮駅 26.9 東日本旅客鉄道:東北新幹線・上越新幹線長野新幹線)・京浜東北線・埼京線・川越線高崎線
東武鉄道:野田線
埼玉新都市交通:伊奈線
土呂駅 29.9   さいたま市北区
東大宮駅 32.0   さいたま市見沼区
蓮田駅 35.8   蓮田市
白岡駅 40.1   南埼玉郡白岡町
新白岡駅 42.5  
久喜駅 45.5 東武鉄道:伊勢崎線 久喜市
東鷲宮駅 48.2   北葛飾郡鷲宮町
栗橋駅 53.8 東武鉄道:日光線 北葛飾郡栗橋町
古河駅 61.3   茨城県古河市
野木駅 66.0 新宿駅
始発は
池袋駅
停車
  栃木県 下都賀郡野木町
間々田駅 69.9   小山市
小山駅 77.2 東日本旅客鉄道:東北新幹線・両毛線水戸線
小金井駅 84.7   下野市
自治医大駅 87.3  
石橋駅 92.0  
(貨)宇都宮貨物ターミナル駅 93.2   河内郡上三川町
雀宮駅 98.4   宇都宮市
宇都宮駅 106.1 東日本旅客鉄道:東北新幹線・日光線
岡本駅 112.3    
宝積寺駅 117.8 東日本旅客鉄道:烏山線(宇都宮駅まで直通あり) 塩谷郡高根沢町
氏家駅 123.7   さくら市
蒲須坂駅 128.2  
片岡駅 132.1   矢板市
矢板駅 138.4  
野崎駅 143.2   大田原市
西那須野駅 148.4   那須塩原市
那須塩原駅 154.4 東日本旅客鉄道:東北新幹線
黒磯駅 159.9 東日本旅客鉄道:東北本線郡山駅福島駅方面)
凡例
●:すべての列車が停車 ▲:上野駅発着の「ホームライナー古河」は停車 ▼:降車扱いのみ |:通過
  • 東京駅からの営業キロは、表記の営業キロに3.6キロを加算する。
  • 営業キロは尾久駅経由。日暮里駅(宇都宮線は通過するが分岐駅である)以遠(上野駅・常磐線北千住駅方面)と赤羽駅以遠(大宮駅方面)の区間を乗車する場合は、(京浜東北線)王子駅経由の営業キロで計算し、表記の営業キロから0.2キロを差し引く。

[編集] 過去の接続路線

いずれも、「宇都宮線」愛称設定以前に廃止。東京都内(都電など)については省略

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

他の言語
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