日本の漫画
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日本の漫画とは日本で制作された漫画作品の総称である。用語“manga”は世界各国の言語で使用されており、この用法では日本の漫画および日本風の漫画のみを指す。日本の漫画はアメリカのアメリカン・コミックスや、フランス語圏のバンド・デシネなどの各国の漫画と比べて、異なる特徴を持っている。
日本の漫画は世界的に高い地位を誇っており、様々な国で翻訳され出版されている。
目次 |
[編集] 漫画の形式
[編集] 表現の形式と手法
一般的な漫画の表現形式と手法を以下に挙げる。(未完。言葉だけで説明するのは難しいので、それぞれの例を画像で示す事を考えてます)
- 紙面はコマと呼ばれる枠によって分割されており、その各々が一つの場面を表す。いくつかのコマが連続する事で話が展開してゆく。読み手はあるコマを読んだ後、次のコマにあたるものはどれか判断しなければならないが、多くの場合、コマの順序は明示されず、暗黙の了解とされている場合が多い。主に日本における漫画のコマの読み進め方は下記のようなものであるが、例外もある。
- 一話が複数ページにわたるような漫画においては、基本的に右から左のページへと読み進める。
- ページ内においては、上段から下段へ向かって読み進める。
- 同じ段に複数のコマが存在する場合は、右から左へ向かって読み進める。
- 隣接するコマとの間の間隔(空白)に明らかな違いが設けられている場合、近いコマを次に読む。
- 上記の理由により、多くの4コマ漫画においては、上から下へと読み進める事となる。
- 次ページに跨っているコマは、そのページの最後に読む。
- コマに番号が振られている場合(一部の4コマ漫画や初期の漫画などに見られる)は、番号順に読み進める。
(この例はふきだしの文が縦書き・ページが右開きの場合。ふきだしの文が横書き・ページが左開きの場合左右が逆になる)
- 登場人物のセリフや思考はフキダシと呼ばれる枠の中に文字で書かれる。フキダシの形や文字の字体により語調を表す。(例えば、大声の場合はギザギザの、思考は雲形のフキダシの中に書かれる、衝撃的な内容であれば大きな文字で書かれる、恐怖感・疲労・呻き声などを表すときには「淡古印」の字体が使われる、など)
- 擬音語・擬態語(オノマトペ)が、手書きの書き文字として絵の中に書かれる。話の展開に直接関係のないセリフが書き文字で書かれる事もある。これを手書きにしたのは手塚治虫である。
- 漫符と呼ばれる一種の記号を使用して、人物の心理や動作、ものの動きなどを明示的に表現する。
- 読者の注意を惹きつけたいときに、その部分に向かって放射状に描かれる集中線(動画におけるカメラワークに相当すると考えられる)
- 人や物の動きを表現するために描かれる効果線
- 怒りを表す、額や頭部に重ねて描かれるデフォルメされた青筋(怒りマーク)
- 呆れや当惑を意味する、汗をデフォルメした肉まん型の水の粒(汗マーク)
- 泣いている時のとめどなく流れる涙を表す、眼から垂直に頬の下まで描かれる二本一組の縦線
- 比較的小さい物が動く・ぶつかるなどする時に勢いを示す、剣山型の模様。
- 幻滅やショック、体調不良などを表す、顔の上半分に重ねて沢山描かれる平行な縦線群
- 恥入りや照れなど顔が紅潮する事を示す、顔の上半分に多く描かれる平行な斜め線
- 時間的経過を示す、前のコマとほとんど変わらない内容のコマ
- (未完)
- (未完)
[編集] 漫画の特徴
小説など他のメディアと比べた際の漫画の特色として、次のようなものが挙げられる。
- (未完、ノートで議論。上で説明したような形式上の特徴ではなく、内容などの特徴)
又、特に日本の漫画の特徴としては、次のようなものがある。
- プロによる作品は漫画専門の雑誌で連載された後、単行本として刊行されるものが多い。
- 様々な方向性の漫画が揃っている。漫画は物語描写・情報提示等に用いられる、汎用的な表現媒体の一つとして確立されており、読者範囲が外国に比べ広い事から、その上で何を表現するかは非常に自由度が高い。
[編集] 歴史
[編集] 用語の起源
「漫画」という語の起源は定かではないが、中国語の「漫筆」からという説と、「漫画(まんかく)」という名のヘラサギの一種である鳥の名から「種々の事物を漁る」意になったという説がある。いずれも元は文章に対しての用語であり、それが絵の意味に転じたとされる。
『北斎漫画』における「漫画」という語には「戯画的な絵」「絵による随筆」という意味が強かった。明治になり、今泉一瓢(いっぴょう)によって caricature の訳語として「漫画」をあてたのが現代に通じる呼び名の始まりである。なお、cartoonとcomicの訳語として「漫画」を使用したのは、北澤楽天が最初である。
漫画という単語は中国にも逆輸出され、また manga のつづりでヨーロッパ語圏でも通じる日本語の一つになった。ヨーロッパ語圏では、用語 manga は日本の漫画のみを指す言葉である。
[編集] 日本の漫画の歴史
[編集] 中世
滑稽な絵という意味での日本最古の漫画は、平安時代に鳥羽僧正覚猷が著したとされる『鳥獣人物戯画(鳥獣戯画)』であると言われている。
他にも絵巻物には漫画的な表現がみられる。『福富草子』という主人公が屁芸で成功する話では、噴出しの先祖とも言うべき、直接台詞が人物の横に書かれていたり、『信貴山縁起絵巻』では一枚絵で場面転換をしており、絵巻物の文化自体が現代の漫画に繋がる要素を含んでいる。
その後18世紀初頭には商品としての戯画が流通するようになり、19世紀には戯画的な浮世絵も生まれた。背景には印刷技術の発達と町人文化の興隆がある。
ヨーロッパにも影響を与えた葛飾北斎の『北斎漫画』は特に有名である。この中には鼻息を表す線が描かれるなど、現代で言う「漫符」の古い形が既に見られる。だがこれ自体は葛飾派の弟子達の絵手本として描かれた物の為、江戸の漫画というのには誤解がある。
又、歌川広重、幕末の歌川国芳ら多くの浮世絵師たちが戯画を描いた。それらの戯画の中に風刺的なものがあるが、その絵を役人に誉められて、喜んだという話もあり、本格的な風刺ではなくあくまで娯楽の部分が強い。
絵に文が添えられた滑稽な読み物としては、江戸時代の草双紙の内「黄表紙」と呼ばれたものがある。例えば『金々先生栄花夢』には夢を見るシーンでいわゆる「フキダシ」が使われるなど、現代の漫画に通じる技法が既にあった。
それだけでなく、十返舎一九は当初一人で絵と話を作っていたが、次第に原作者に専念するなど、現代漫画における原作者と作画家においての関係に近いものがある。
当時の漫画は鳥羽僧正の名にちなんで「鳥羽絵」(主に手足の細長いデフォルメされた人物を描く)、又は「大津絵」「狂画」などと呼ばれており、それらの呼称は近代に入っても引き続き使われた。
[編集] 明治-昭和戦前期
江戸時代末期の1862年には、日本初の外字雑誌にして漫画雑誌の『ジャパン・パンチ』がイギリス人チャールズ・ワーグマンによって横浜居留地で発行された。彫師・摺師は日本人で、和紙に印刷された和綴じの本であった。イギリスの風刺漫画雑誌『パンチ』が語源であるという別の説もあるが、どちらにしろこれにより「ポンチ絵」という風刺または寓話的漫画を意味する語が生まれた。現代では漫画一般をさす語ともなっている。1874年には河鍋暁斎と仮名垣魯文がこれを参考に『絵新聞日本地』という雑誌を刊行。後に続き『寄笑新聞』が、さらに1877年には明治時代を代表する漫画誌『團團珍聞(まるまるちんぶん)』が生まれた。日本で最初の連載漫画は、『團團珍聞』に連載された田口米作の『江の島鎌倉長短旅行』(1896年)である。「長」と「短」と名付けられた主人公二人組による観光旅行を描いたこの作品は、特定のキャラクターによる一貫したストーリーを描いた最初の漫画であった。上の河鍋暁斎や田口米作、そして小林清親などの明治初期の主要な漫画家は、浮世絵師から転身した作家達であった。
明治末期から昭和戦前期にかけての特筆すべき漫画家としては、北澤楽天と岡本一平がいる。
週刊英字新聞で活躍していたオーストラリア出身の漫画家フランク・A・ナンキベルに師事した北澤楽天は、福沢諭吉の紹介により1899年に時事新報に入社し、『田吾作と杢兵衛』や『灰殻木戸郎』などの風刺漫画の傑作を次々と生み出した。更に1905年には『東京パック』を創刊するなど、日本における風刺漫画の発展に大きく貢献した。又、1921年には日本最初の新聞日曜版漫画である『時事新報日曜付録・時事漫画』を創刊した。楽天が1928年から『時事漫画』で連載した『とんだはね子』は、日本で最初の少女を主人公とした連載漫画であり、少女漫画の先駆的作品である。
岡本一平は、1915年に日本初の漫画家団体である東京漫画会(後の日本漫画会)を設立した。翌年に創刊された同会の同人誌『トバエ』により、ドイツの漫画誌『シンプリチシムス』などに触発された簡素な描線やデフォルメされた画風が日本漫画に取り入れられた。また、岡本は東京朝日新聞において『人の一生』(1921年)などの漫画漫文を連載し、後の日本におけるストーリー漫画の原型を作り上げた。それまでは専ら風刺の手段と見なされていた漫画が、大衆娯楽として認識されていく過程において、岡本の活動は大きな役割を果たした。
1923年に執筆された織田小星作・樺島勝一画の『正チャンの冒険』や、麻生豊の『ノンキナトウサン』以降から、現代の漫画に通じるコマ割りやフキダシといった表現手法が定着し始める。
1932年には、近藤日出造、横山隆一、杉浦幸雄ら二十代の若手漫画家により、新漫画派集団が結成された。新漫画派集団の作家達は毛筆ではなくペンによる描画をその特徴とし、欧米のナンセンス漫画に触発された日本独自のナンセンス漫画を主要な作風としていた。新漫画派集団は楽天や一平、その弟子達を凌駕する人気を獲得し、新漫画派集団の作家達は、後に第二次世界大戦後の漫画界の中核を成す存在となっていった。
1930年代には、講談社の『少年倶楽部』他の子供雑誌で連載された『のらくろ』『タンクタンクロー』『冒険ダン吉』などの子供向けの人気漫画が単行本化され、ベストセラーとなった。
これらの新聞や雑誌で連載された主流漫画とは別に、駄菓子屋やおもちゃ屋の店頭で販売される2~3色刷りの薄い漫画本が存在した。これらの安価で粗雑な漫画本は赤インクの多用から、赤本と呼ばれた。これらの赤本では、初期の芳賀まさをや阪本牙城といった作家が原稿を描いていた。
日本が第二次世界大戦に参戦すると、情報局による規制や用紙不足により、日本の漫画産業は一時期衰退を余儀なくされた。第二次世界大戦後には、ディズニーやフライシャー兄弟の影響を受けた手塚治虫が映画的な構図と漫画固有の記号性を合わせ持った表現技法を「新宝島」で定着させ、手塚の手法は日本漫画のデファクト・スタンダードとなった。
[編集] 評論
漫画作品自体の発展に比べ、評論は比較的未発達の分野である。日本では1960年初頭から漫画を評論の対象とする事が行われ始めた。それは一部の貸本漫画への大きな社会的な批判に始まる(白土三平の忍者武芸帳を筆頭に有害図書問題として新聞・PTAなどに取り上げられた)。その批判に対するファンによる反発・異論の多さから徐々に寸評が増え始める。1970年頃からは梶井純、石子順造、鶴見俊輔らによって詳細な評論が出始める。一時はブームの観さえあった。しかし専門の評論家や批評の場もまだ少なく、文学や音楽、映画に比べると大きく見劣りし、評論の手法も確立されているとは言い難い状況が続いた。1990年代に夏目房之介が、漫画のコマや描線と「漫符」と名付けられた漫画特有の記号的表現に注目して分析する独自の分析手法を開拓し、漫画学の模索が始まった。現在では夏目の他、石子順(石子順造とは別人)や村上知彦、呉智英、長谷邦夫、藤本由香里ら数名の活動の他に、大塚英志、いしかわじゅんらサブカルチャー畑の研究者や実作者によって批評が行われる事もある。その一つの背景として、これまで読み捨て状態にされてきたため、データベースの不備が著しく、作品を目にする事自体に困難が伴う場合が少なくないという状況がある。日本マンガ学会は2001年に設立され、現在データベースの整備など、評論の土台を固める作業に取り組んでいる。別項漫画評論も参照。
[編集] 漫画の分類
漫画に限らず、物事をすべての人が納得するような仕方で分類することは、おそらく不可能である。しかし、多くの人が納得するような一般的な漫画の分類は可能であろう。ここでは、できるだけ多くの人が納得できるように、様々な観点から漫画を分類する。
[編集] 対象読者による分類
作品の主な対象となる読者の年齢や性別という観点では、漫画は次のように分類されることが多い。
- 幼年向け漫画(幼児向け漫画)
- 児童漫画(小学生向け漫画)
- 少年漫画(小学生〜高校生中心の漫画)
- 少女漫画 (小学生〜高校生、一部大人の女性向けの漫画を含む)
- 青年漫画(高校生以上)
- 女性漫画 - 大人の女性を対象とする漫画。 ヤング・レディースを含む。
- 家族漫画‐子供、もしくは子供がいる家族を対象とした漫画。
以上の分類は、あくまで一般的と思われる便宜上の分類に過ぎない。例えば青年漫画を女性が読むこともあるし、少年漫画を大人が読むこともある。
[編集] 題材による分類
作品の題材という観点では、次のように分類することができる。 映画や小説に見られるような題材は、すべて漫画の題材にもなりうると言える。
- ギャグ漫画 - 荒唐無稽で、笑いを目的とする漫画。4コマ漫画は、本来コマ割りそのものの事を指すが、その内容については殆どがギャグ漫画に分類される。また90年代以降は、ギャグ漫画から派展した不条理漫画も一つのジャンルとして確立している。
- 萌え漫画 - 萌えを重点とした漫画。ただし定義ははっきりとしていない。近年は四コマによく見られる。
- 風刺漫画 - 現実の社会や政治を風刺することを目的とする漫画。主に新聞や週刊誌などの情報発信源にて、著名な人物(政治家、芸能人、スポーツ選手など)を作者がデフォルメして描いているものが多い。
- 学習漫画 - 何らかの知識を学習することを目的とする漫画。学校の教材などにも使われる。
- コメディ漫画 - 笑いを大きな目的とはするものの、ギャグ漫画に比べてストーリー性を持ち、実世界に近い物語であるものを指す。
- 恋愛漫画 - 恋愛を題材とした漫画。少女漫画の大半がこれにあたるとも言える。
- スポーツ漫画 - スポーツを題材とする漫画。根性を物語の核に据えるものはスポ根漫画と呼ばれ、1970年代に一世を風靡した。現実的なスポーツ理論を題材にした作品、漫画として現実をやや誇張した作品、現実からは大きく逸脱した作品など様々。
- アクション漫画 - 独自のアクションや戦いを題材にした漫画。バトルアクション、妖怪アクション、ガンアクションなど様々なジャンルが存在する。人間以外(妖怪、宇宙人、サイボーグなど)を相手にする作品も多い。
- 格闘漫画 - 戦いや格闘技を題材とする漫画。少年誌や青年誌向け。
- 学園漫画 - 学校を舞台とし、学生・生徒を中心とした漫画。
- ヤクザ漫画 - アンダーグラウンドな世界やハードボイルドな世界を描き、ヤクザ同士の抗争などを題材とする漫画。
- 政治漫画 -政界(政治家)を題材とする漫画。
- 経済漫画 - 経済を題材とした漫画。
- 金融漫画 - 経済の中でも特に、銀行や証券会社、街金業などの金融業者を題材とした漫画。サラリーマン漫画の一種でもあり、大人向けの学習漫画でもある。
- サラリーマン漫画 - サラリーマンの仕事や生活を描いた漫画。
- ネオンもの - ホステス・風俗嬢・キャバクラ嬢・ホストなど、いわゆる夜の世界の人間模様を描いた漫画で、性描写そのものは少ない。倉科遼によって確立されたジャンル。
- 医者・医療漫画 - 医者・コメディカルを主人公とした、医療を題材とする漫画。
- 料理・グルメ漫画 - 料理、料理人、食材など食に関することを題材とする漫画。多くの場合は料理人同士が料理の腕前を勝負するストーリーに展開し、現実の世界に影響を与え、料理の鉄人やビストロSMAPなどの料理テレビ番組の原点にもなっている。また、実際の料理に活用できるようにレシピとしての役割を果たしている漫画もある。
- ホラー漫画 - 恐怖感をあおることを目的としている漫画。グロテスクな描写で視覚的に恐怖感を表現する場合が多いが、スト-リー展開のみで表現される事もある
- SF漫画 - SFを題材とする漫画。昔は科学冒険漫画と呼ばれていた。
- ファンタジー漫画 - 現実とは異なった世界を舞台とする漫画。剣と魔法の冒険物が特に多い。
- 推理漫画 - ミステリーを題材とする漫画。
- 音楽漫画 - 音楽・楽器を題材とした漫画。当然ながら漫画からは音が聴こえないのでセリフや擬音だけでは表現に欠けるため一般的になり難いジャンルであったが、近年はメジャーなジャンルの一つとして確立しつつある。
- 冒険漫画 - 冒険を題材とした漫画。少年漫画の王道である。
- 歴史漫画 - 歴史を題材とした漫画。史実に完全に忠実に描かれた場合は学習漫画の域を越えない為、娯楽の為の漫画表現として、史実とは別のフィクションが加わる事が多い。
- 忍者漫画 - 忍者を題材とした漫画。
- 育児漫画 - 育児を題材とした漫画。
- 動物漫画 - 動物を題材とした漫画。動物の生態を忠実に表現した漫画は少なく、擬人化させたギャグ漫画の場合が多い。
- 釣り漫画 - 釣りを題材とした漫画。
- 世紀末漫画 - 世界の崩壊もしくは崩壊後の荒廃した世界を描く漫画。
- 戦争・戦記漫画 - 主に兵器を利用した(戦車や銃など)本格戦闘シーンや軍事戦略を中心に据えた漫画。
- 実験漫画 - 漫画の手法そのものを主な題材とし、実験的表現を追求するために描かれたもの。
- その他 - 、エッセイ漫画、麻雀漫画、パチンコ漫画など。
なんらかのキャラクター性を確立することができれば、どのようなテーマでも漫画の題材とすることは可能であるから、このような分類に意味があるかは疑問である。また、上に挙げた分類のうち複数にまたがるような漫画も当然ながら存在する(スポーツ+ギャグ、スポーツ+ラブコメ、恋愛+スポーツ、恋愛+ギャグ等)。しかし、漠然としてはいるものの、一般的にこのような分類ができるといえ、ひとつのジャンルに特化した専門誌もみられる。
[編集] 表現形式による分類
外見上の表現形式による分類は比較的明快である。いくつのコマをセットとして話題を展開するかによって、多くの漫画は次のように分類される。
- コミック(1ページが数個のコマで分割され、そのようなページ数枚で話題が展開されるもの)
- 1ページ漫画(ミニストーリーが1ページ内で完結するもの)
- 4コマ漫画(4コマが1セットとなって話題が展開されるもの)
- 一コマ漫画(1コマの中で話題が展開されるもの)
単行本や雑誌など出版形式によらない配布形式による分類
作品がいくつの「話」で構成されるかによって分類することもできる。
- 続きもの(作品が数話に渡って展開されるもの)
- 読み切り(1話だけで作品が完結するもの)
[編集] 漫画の画材
紙と鉛筆さえあれば漫画を描くことは可能であるが、一般的に読まれるものは様々な画材を用いて描かれている。最近ではパソコンが用いられるために物理的な原稿が存在しない場合もある。
- 原稿用紙
- 鉛筆
- 消しゴム
- ペン
- インク 水彩絵の具・アクリル絵の具・エアーブラシ
- ホワイト
- 筆
- スクリーントーン カラートーン
- 定規 雲形定規・テンプレート
- カッター
- トレス台
- 羽ぼうき
- デッサン人形
- パソコン(Macintosh、Adobe Photoshop、ComicStudioなど)
[編集] 漫画賞
漫画を対象とした賞は、文学を対象とした文学賞に比較すると驚く程少数である。作品に対しての評価を賞という形で表現したもの、漫画家の業績を評価するためのもの、新人の発掘を目的にしたものなどがある。
※以下各雑誌による公募新人賞
- 手塚賞(少年ジャンプ)
- 赤塚賞(少年ジャンプ)
- 小学館新人コミック大賞(小学館。児童部門/少年部門/少女・女性部門/青年部門)
- ちゃお漫画家スクール
- なかよし新人まんが賞
- りぼん漫画賞 りぼん漫画スクール(集英社)
- 白泉社アテナ新人大賞(花とゆめ・別冊花とゆめ・LaLa・MELODYの4誌合同)
- ちばてつや賞(モーニング)
- 四季賞(アフタヌーン)
- イキマン(月刊IKKI)- 賞金は出ないが、トップの作品は必ず掲載される
その他多くの漫画雑誌が新人賞を実施している。
[編集] 用語
- タチキリ
- ネーム
- ベタ
- 白抜き
- 黒い背景に白で何かを描く事。心情の表現や印象を強めるために使われる。
- 成年向けマンガではモザイクの代わりに使われる
- ブチヌキ
- コマ割りを無視して人物を描く事。空間的・時間的な広がりを表したり、印象を強めるために使われる。
- めくり
- ページをめくる際の短い時間を利用して、読者に印象を与える手法。つまり、最後のコマで場面を一旦切り、ページをめくった次のページの一コマ目に重要なシーンを入れる事で、そのコマを強調する。
- 見開き
- 左右2ページを広げる事。マンガの手法としては、その2ページにコマを一つだけ描く事で、そのコマを非常に強調する。
[編集] 関連項目
[編集] 関連書
- 『テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ』伊藤剛 NTT出版 ISBN 4757141297