根津甚八 (俳優)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
根津甚八(ねづ じんぱち、1947年12月1日 - )は、山梨県都留市出身の日本の俳優。本名は、根津透(ねづ とおる)。ユマニテ所属。血液型B型。芸名の由来は真田十勇士の一人、根津甚八を舞台で演じたことから。
目次 |
[編集] 人物
歯科医師の家の三男として生まれる。日大三高-獨協大学中退。演出家・芥川賞作家の唐十郎主催の状況劇場に入団し、唐の夫人(当時)で女優の李麗仙と並ぶ一座の看板スターとして、新宿・花園神社境内に於ける伝説の仮設テント公演を行う。同劇団の一時代をつくっただけでなく、60年代から70年代のいわゆる日本のアングラ演劇シーン全体を牽引した立役者となる。
退団後はNHK制作の大河ドラマ『黄金の日日』に準主役級の石川五右衛門役で出演、ドラマ自体の評判と共に全国区の人気を獲得してゆく。翌年には同局制作の『失楽園'79』、映画『その後の仁義なき戦い』など主演作品がつくられ、80年には黒澤明の『影武者』に起用されるなど、トップ俳優の仲間入りを果たす。以降は順調にキャリアを重ねてゆく。同世代の多くの俳優がそうであるように、アメリカの男優ジェームス・ディーンに多大な影響を受けている。近年はベテラン演技派俳優として若手俳優の脇を固めることが多くなっているが、萩原健一、松田優作といった同世代のスターの中でも、独自の渋さを持った存在感ある個性は稀有のものである。バイクや釣りなど多趣味であることも知られる。
コメディーからシリアスまで一通りの演技をこなせるベテラン俳優なので、近年ではコミカルな中年男の役柄で多くのドラマに出演している。 いっぽうで顔立ちが水谷豊に似ており今現在でもかなりの二枚目役者として認知されている為、正統派二枚目な役柄も多く演じており、シリアスな演技にも長けている。また、時代劇俳優としては立ち居振る舞いや殺陣の実力で一定の評価を得ている。
[編集] 逸話
- 現在の夫人でもある当時の事務所社長との関係が報じられた時、家にまで押しかけてくるレポーター達に激怒。突然ドアを開けると、一番前にいたテレビ朝日佐々木正洋の顔に向かってコックローチを吹きかけ 「君達にはこれがお似合いだよ」と言い放った。
[編集] 出演作
[編集] テレビドラマ
- 『娘たちの四季』(1975年、フジテレビ)
- 人間の歌シリーズ『冬の運動会』(1977年、TBS)
- 土曜ドラマ『男たちの旅路』(1977年、NHK)
- 大河ドラマ『黄金の日日』(1978年、NHK)
- 『失楽園'79』(1979年、NHK)
- 木曜座『恋人たち』(1980年、TBS)
- 大河ドラマ『獅子の時代』(1980年、NHK)
- 木曜ゴールデン『チャップリン暗殺計画』(1980年、日本テレビ)
- 東芝日曜劇場『春のささやき』(1980年、TBS)
- 向田邦子小劇場シリーズ『隣の女』(1981年、TBS)
- 金曜ドラマ『あまく危険な香り』(1982年、TBS)
- 木曜劇場『親戚たち』(1985年、フジテレビ)
- 誇りの報酬(1985年、日本テレビ)
- 大河ドラマ『太平記』(1991年、NHK)新田義貞役
- 『世にも奇妙な物語「長い一日」』(1991年、フジテレビ)
- 『サザンスコール』(1994年、NHK)
- 『テロリストのパラソル』(1996年、フジテレビ)
- 『若葉のころ』(1996年、TBS)
- 『恋の奇跡』(1999年、テレビ朝日)
- 『恋愛詐欺師』(1999年、テレビ朝日)
- 『シンデレラは眠らない』(2000年、讀賣テレビ)
- ドラマDモード『ゲームの達人』(2000年、NHK)
- 土曜グランド劇場『向井荒太の動物日記~愛犬ロシナンテの災難~』(2001年、日本テレビ)
- 連続テレビ小説『ほんまもん』(2001年 - 2002年、NHK)山中一路役
- 木曜ドラマ『婚外恋愛』(2002年、テレビ朝日)
- NHK夜の連続ドラマ『精霊流し~あなたを忘れない~』(2002年、NHK)
- 『成り上がり』(2002年、フジテレビ)
[編集] 映画
- 『濡れた賽の目』(1975年)
- 『影武者』(1980年、東宝)
- 『任侠外伝・玄界灘』(1976年)
- 『その後の仁義なき戦い』(1979年、東映)
- 『駅 STATION』(1981年、東宝)
- 『さらば愛しき大地』(1982年)
- 『だいじょうぶマイ・フレンド』(1983年、ピーター・フォンダと共演)
- 『乱』(1985年、東宝)
- 『竜馬を斬った男』(1987年、アルマンス、萩原健一と共演)
- 『月下の蘭』(1991年、にっかつビデオ)
- 『ヌードの夜』(1993年、ヘラルド・エース)
- 『夜がまた来る』(1994年、アルゴ・ピクチャーズ)
- 『GONIN』(1995年、松竹)
- 『不機嫌な果実』(1997年、東北新社クリエイツ)
- 『たどんとちくわ』(1998年、ギャガ・コミュニケーション)
- 『梟の城』(1999年、東宝)
- 『借王 ナニワ相場師伝説』(1999年、日活)
- 『さらば極道 dead BEAT』(1999年、ギャガ・コミュニケーションズ)
- 『死者の学園祭』(2000年、東映)
- 『許されざる者』(2003年、シネマパラダイス)
- 『ドラゴンヘッド』(2003年、東宝)
[編集] アニメ
- 『天使のたまご』(1985年、一度絶版されるが2001年にジェネオンにより再DVD化)※声優として。他に声優は一人しか出演しない。
- 「機動警察パトレイバー 2 the Movie」(1993年、大規模テロ事件の首謀者、柘植行人役)
二本とも押井守監督作品
[編集] 舞台
- 『太陽が死んだ日』
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- HUMANITEによる公式プロフィール
- 根津甚八ダイアリー - 根津甚八によるブログ