水谷豊
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水谷 豊(みずたに ゆたか、1952年7月14日-)は、北海道芦別市出身 の日本の俳優・歌手。血液型はA型。トライサム所属。
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[編集] 来歴・人物
1965年、13歳のとき演劇に興味を持ち、「劇団ひまわり」に入団する。1968年、フジテレビの『バンパイヤ』で見事主役に抜擢され、華々しく芸能界デビューを果たす。受験(東京商船大学、現東京海洋大学海洋工学部)に失敗するも、1970年には『その人は女教師』(共演岩下志麻)で映画デビューも果たし、1976年には『青春の殺人者』でキネマ旬報賞主演男優賞を最年少で受賞するなど、早くから演技力の高さが評価されていた。
1977年には、『はーばーらいと』(作詞:松本隆、作曲:井上陽水)で歌手デビュー。『表参道軟派ストリート』(作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童)や『カリフォルニア・コネクション』(作詞:阿木燿子、作曲:平尾昌晃)をヒットさせる。『相棒』ではピアノ演奏も披露するなど、多彩な才能ぶりを発揮している。
水谷の今の俳優の地位を不動のものにした作品として『傷だらけの天使』と『熱中時代』が挙げられる。現在でも数多くの根強いファンが存在し、DVD化もされ好評を博した。後に共演する寺脇康文は『熱中時代』の時の水谷のモノマネが得意なほどの水谷ファン。なお『傷だらけの天使』では、木暮役のショーケンを「兄貴ぃー!」と頻繁に呼び、その時のいでたち・風貌と台詞のインパクトは、当時の若者に強い影響を与え、水谷のイメージを「ショーケンの子分のチンピラ」と印象づけた。その後、水谷はこのイメージを払拭することに、多くの努力と長い時間を必要とすることになる。
最近の『刑事貴族』や『相棒』などのドラマや2時間ドラマ(『地方記者立花陽介』、『探偵左文字進』など)もシリーズ化されるなど、今なお、幅広い層から支持を受けている。
演じるキャラクターには庶民的な設定が多い。また、記者役においては地方が舞台などの形が多く、刑事役においては、ロンドン在住経験やイギリス車を重用、さらにはロンドン警視庁での研修勤務経験があることなど、何らかの形でイギリスと関わりのある設定が多い。「相棒」での演技をきっかけに紅茶を嗜むようにもなった。
『熱中時代・刑事編』で共演したミッキー・マッケンジーと結婚をするも、離婚。1989年には、『あんちゃん』『事件記者チャボ!』等で共演した元キャンディーズの伊藤蘭と再婚した。再婚時、インタビューで「奥さんの事を何と呼んでますか?」との質問に恥ずかしがりながらも「ランちゃんさん」と答えて笑いを誘った。その後、一女を儲けるなど、プライベートでも話題に事欠かなかった。
故・松田優作とは親友で(水谷は松田を「優作ちゃん」と呼んでいる)、互いの主演番組にゲスト出演するほどであった。共通の友人である桃井かおりは、まだ三人が若かりし頃に、「若い俳優達がたくさん出てきているが、その中でも優作と豊が一番俳優には向いていないと思う。二人には華がないし、短気すぎる。」と言ったことがあった(2006年8月19日SmaSTATION-5 水谷談)。 ちなみに松田に言わせれば、彼より水谷の方が短気だそうである。
少々ドジな性格で、寝ながらくしゃみをして肋骨を痛めたことがある。怒るとふくれっつらになる癖があるらしい。
[編集] 出演作品
[編集] テレビドラマ
- 1968年 - バンパイヤ(フジテレビ)
- 1969年 - 炎の青春(日本テレビ)
- 1972年 - 太陽にほえろ!(日本テレビ・東宝・国際放映)数回ゲスト出演
- 1972年 - 泣くな青春(フジテレビ・東宝)
- 1973年 - 荒野の用心棒(三船プロダクション、NET)
- 1973年 - 剣客商売(フジテレビ・俳優座・東宝)第20話「男まさり」メインゲスト出演
- 1974年 - 高校教師(東京12チャンネル・東宝)第12話「裸の愛を受けとめて」(メインゲスト)
- 1974年 - 傷だらけの天使(日本テレビ・東宝・渡辺企画)
- 1975年 - 夜明けの刑事(TBS・大映)#43~#67に出演
- 1975年 - 俺たちの勲章(日本テレビ・東宝)第8話「愛を撃つ」第15話「孤独な殺し屋」(メインゲスト)
- 1975年 - ほおずきの唄(日本テレビ)
- 1975年 - 影同心II(TBS・東映)
- 1976年 - 男たちの旅路(NHK総合)
- 1977年 - 赤い激流(TBS)、オレの愛妻物語(日本テレビ)
- 1978年 - 熱中時代(日本テレビ)
- 1979年 - 熱中時代・刑事編(日本テレビ)
- 1979年 - 探偵物語(日本テレビ・東映芸能ビデオ)第5話「夜汽車で来たあいつ」(メインゲスト)
- 1980年 - 熱中時代(教師編II)(日本テレビ)
- 1982年 - あんちゃん(日本テレビ・ユニオン映画)
- 1983年 - 事件記者チャボ!(日本テレビ・ユニオン映画)
- 1984年~1985年 - 気分は名探偵(日本テレビ・ユニオン映画)
- 1987年~1990年 - 火曜サスペンス劇場・浅見光彦シリーズ(日本テレビ、全8作)浅見光彦役
- 1989年4月 - 乱歩賞作家サスペンス「遮断機の下りる時」(関西テレビ放送系・ユニオン映画)
- 1989年 - ハロー!グッバイ(日本テレビ)伊達晋作警部補役
- 1990年 - ザ・刑事(テレビ朝日・東宝)矢島慎吾刑事役
- 1991年~1992年 - 火曜サスペンス劇場「朝比奈周平ミステリーシリーズ」(日本テレビ、全4作)朝比奈周平役
- 1991年 - 刑事貴族2(日本テレビ・東宝)
- 1992年 - 刑事貴族3(日本テレビ・東宝)
- 1993年 - 湘南女子寮物語(テレビ朝日)
- 1993年 - サスペンス明日の13章「衝動殺人・赤いランドセル」(関西テレビ放送系)
- 1993年~2003年 火曜サスペンス劇場「地方記者・立花陽介シリーズ」(日本テレビ、全20作)
- 1994年~1999年 - 土曜ワイド劇場「探偵事務所」(テレビ朝日、全5作)
- 1996年 - ドラマ新銀河「時の王様」(NHK総合)
- 1997年 - 流れ板七人(テレビ朝日)
- 1999年~ - 月曜ドラマスペシャル→月曜ミステリー劇場→月曜ゴールデン「探偵左文字進」(TBS)
- 2000年~2001年 - 土曜ワイド劇場「相棒 警視庁ふたりだけの特命係」(テレビ朝日、全3作)杉下右京役
- 2002年~ - 相棒シリーズ(テレビ朝日・東映)
- 2003年~2004年 - 金曜エンタテイメント「しあわせギフトお届け人青野大洋」(フジテレビ、全2作)
- 2004年~2005年 - 火曜サスペンス劇場「事件記者・三上雄太」(日本テレビ、全3作)
- 「事件記者・三上雄太3」で永く続いた「火曜サスペンス劇場」の最終回を飾った。
- 2004年~2005年 - 土曜ワイド劇場「神父草場一平の推理」(テレビ朝日、全2作)
- 2006年~ - 土曜ワイド劇場「法律事務所」シリーズ(テレビ朝日)
[編集] 映画
()内は公開日
- 新・高校生ブルース(1970年12月25日・大映東京)
- ひとつぶの涙(1973年11月3日・松竹)
- 鬼輪番(1974年2月9日・東宝)
- 想い出のかたすみに(1975年4月26日・松竹)
- 東京湾炎上(1975年7月12日・東宝)
- 青春の殺人者(1976年10月23日・ATG)
- 太陽を盗んだ男(1979年10月6日・東宝)
- 幸福(1981年10月10日・東宝)
- 逃れの街(1983年10月15日・日本テレビ)
- 甦る優作「探偵物語」特別篇 夜汽車で来たあいつ(1998年2月14日)
[編集] CM
[編集] ディスコグラフィ
()内は発売日
[編集] シングル
- 『オレの愛妻物語』主題歌。
- 『熱中時代・刑事編』主題歌。65万枚を超すセールスを記録。
- 『熱中時代(教師編II)』主題歌。
- 『熱中時代(教師編II)』挿入歌。
- 『あんちゃん』主題歌。
- 『事件記者チャボ!』主題歌。
- 『気分は名探偵』主題歌。
- 『探偵左文字進』主題歌。
[編集] アルバム
- 水谷豊(1977年8月25日)
- 青春番外地(1978年4月10日)
- ベリー・ベスト(1978年10月21日)
- 水谷豊 ザ・ベスト(1979年)
- WAY(1980年)
- Indigo Blue(1981年)
- 普通のラブ・ソング(1982年)
- SIMPLE MAN(1986年7月5日)
- ザ・水谷豊(1990年3月21日)
- ベストコレクション(1992年9月18日)
- ザ・水谷豊(1996年9月20日)
- 「カリフォルニア・コネクション」のカラオケを収録し再販。