横浜高速鉄道Y500系電車
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Y500系電車(Y500けいでんしゃ)は、横浜高速鉄道の通勤形電車。
2004年(平成16年)2月1日のみなとみらい線の開業と同時に営業運転を開始した。
[編集] 概要
20m級4ドア、直流1500V架線集電方式、軽量ステンレス鋼製車体である。2003年9月9日から2004年1月にかけて、横浜市金沢区の東急車輛製造から搬入された。
車両番号は、横浜高速鉄道を表すアルファベット「Y」とそれに続く3桁の数字で表される。3桁の数字のうち、百位は系列を表す「5」、十位は形式を表し、渋谷方から1,4,5,6,7,8,9,0の順に付与されている。一位は編成番号を表す。十位の2,3が抜けているのは、東京急行電鉄田園都市線用の5000系と形式番号を合わせ、保守時の車両形式識別を容易にするためである(「鉄道ピクトリアル2003年12月号」参照)。
- 運用線区・所属:みなとみらい線・東急東横線(元住吉検車区)
- 東急東横線の車両との運用上の区別はなく、共通で運用されている。
- 営業運転開始日:2004年(平成16年)2月1日
- 在籍数:8両編成6本(48両)
- 編成図
スペック
- 起動加速度:3.3km/h/s
- 常用最大減速度:3.5km/h/s
- 非常ブレーキ時減速度:4.5km/h/s
- 最高速度:120km/h(営業運転時110km/h)
[編集] 特徴・外観
相互乗り入れ先との仕様の共通化及び設計コストの削減を目的として東急5000系・5080系を設計のベースとしている。直接のベースは田園都市線仕様の5000系2次車であるが、車椅子スペース横の客用ドアのドアレールの形状に違いがあるなど、マイナーチェンジ部分も見られる。車内の各客用ドアの上部には15インチの液晶ディスプレイ(LCD)を2基設置し、左側は主にCMなどを放映する「TOQビジョン」、右側は次駅・乗り換え案内などをそれぞれ表示している。
前面および側面の種別表示は幕式、行先表示はLED式である。空調装置は奇数編成は三菱電機製、偶数編成は日立製作所製を搭載する。主回路制御装置は日立製作所製のIGBT素子によるVVVFインバータである。 ちなみに、Y500系の種別表示には、通常使用する、特急・通勤特急(通特)・急行・各停の他、快速という種別が存在する。
扉の開閉時のドアチャイムは5000系列より半音高く、かつ開扉と閉扉とでも音色を変え、各ドアには号車とドアの位置を点字シールを貼付して表示し、黒地に白文字のゴシック文字表示もおこない、弱視者にも見やすくしている。また、点字の読めない視覚障害者への案内として編成やドア位置を絵ちなま的な表示と凸型の配置で表示した。
車椅子スペースは東急東横線とあわせ編成当たり2箇所(2号車と7号車)に設置した。ホームにも可動式車椅子乗降装置(スロープ板)を設置し、車両とホームの隙間と段差を解消した。
座席モケットの柄には横浜の伝統産業である「横浜スカーフ」のイメージを採用した。直交する2本のロープとロープ線上に船の操舵輪とランプが白く浮かび上がり、昔の帆船で使用された滑車2つをロープで結んだデザインである。
座席は5000系初期車等と同様にクッション材の関係から硬く、不満を感じる乗客もいる。
車体のカラースキームは東急5000系列では、東急のコーポレートカラーである赤と運用される各路線のラインカラーを用いたシンプルなものであるのに対し、本系列では「ヨコハマの海」をイメージした鮮やかな青と「躍動感のある都市」をイメージした黄色のグラデーションで、「みなとみらい線」を象徴する「M」をモチーフとしたジグザグ模様を2両分の車端部に描き、FRP製の前頭部は「伸び行く都市」をイメージしたメタリックブルーに彩色されている。
なお、東横線用の5000系列にはY500系登場から2ヶ月後の2004年4月に5050系が増備された。
[編集] 参考文献
- 上口英一 「横浜高速鉄道Y500系」『鉄道ピクトリアル』740号、鉄道図書刊行会、2003年12月。
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