秀明英光高等学校
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秀明英光高等学校(しゅうめいえいこう-)は、埼玉県上尾市に所在する私立の普通科全日制高等学校である。呼称は秀明もしくは英光・上尾秀明など。
埼玉県川越市的場に所在する全寮制中高一貫校の秀明中学校・高等学校(学校法人秀明学園)を創立した川島寛士が、1981年に通学制で男子校の秀明上尾高等学校と学校法人秀明上尾学園を設立し、1989年度に現校名に改称し、男女共学とした。2004年に運営法人の秀明英光学園を母体の秀明学園に吸収合併させ、現在は秀明学園が運営。
生徒数は1400人前後。イギリス英語教育に重点を置いている。
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[編集] 設置コース
- 特別進学コース -難関大学進学希望者を対象としたもの。放課後7・8限まで、また土曜日にも授業を実施。
- 国際英語コース -大学進学希望者を対象としたもの。英語の授業が週8時間ほど設定されている。
- 総合進学コース -秀明大学および一般大学・専門学校への進学希望者を対象としたもので、生徒の習熟度に応じて2年生まで学期毎にクラス替えがされる。生徒の大半はこのコースに属するが男子の数が多い為、実質男女別学である。
- 福祉生活コース -福祉系大学・専門学校への進学希望の女子を対象としたもので、専門科目が時間割に組み込まれている。卒業までにホームヘルパー3級を取得する。
[編集] 入試制度
高校入試では他校の滑り止めという認識が高いようで*1、例年併願推薦(埼玉県内ではB推薦と呼ばれる)の志願者が多い。
単願推薦(A推薦)では試験科目が一科目のみで、競争率も総合進学コースでは1.1倍程度*2であることから、埼玉県内では偏差値下位校の類となる*3が、例年卒業生の8割強~9割程度が進学していることから中堅校でもある。
特進か国際英語のA推薦で出願し、中学の成績が優れており入試も高得点で合格した者は奨学金として30万円か50万円が、2年次以降も成績上位であれば、授業料が奨学金のキックバックによって半減或いは無料となる。
以前は実用英語技能検定3級以上の保有者で、国際英語に単願推薦で申請することによって、入学した際に奨学金30万円が支給される制度だった。
- 特記事項
- 1川越市・狭山市などの県西部や本庄市など県北部の私立は比較的レベルの高い進学校が多い(具体的には西武学園文理高等学校・城北埼玉高等学校・本庄東高等学校・早稲田大学本庄高等学院など)。
- そのため、高校入試での滑り止めレベルの私立高校が上記地区ではあまり多く存在しない。
[編集] 学校生活
- 50分授業6時限の完全週5日制で3学期制である。
- 極力ノートや参考書を用いない、レジュメプリントによる学習である。
- 英語のオーラルコミュニケーション授業向けに、イギリス人講師が約8人所属している。
- 実用英語技能検定2級以上の取得を奨励している。
- 昼食は学校給食制で、クラス(学年)や曜日によって定員約800人の食堂か、教室に配給の弁当箱を持ち込む形式である。飲料以外の売店は無い。
- 部活はテニス・ラグビー・水球(温水プール施設有り)が盛んで、特に水球は2005千葉きらめき総体をはじめ、過去複数の全国高校総体で全国制覇している。文化部では吹奏楽部が上尾市内でコンサートを催すなどしている。
- 本校の向かいにある埼玉県立リハビリテーションセンターでのボランティア実習が任意参加で行われる。
- 既存の建物を建て替える形で2006年4月に新校舎が完成、2007年にはスポーツセンターが竣工する予定である。
- 校則が厳しく、携帯電話持ち込み・登校時に高校・指扇駅周辺のコンビニエンスストアや下校時に川越市や大宮区などの繁華街への寄り道、染髪が禁じられている。発覚次第指導を受ける事となる。
- 10月に催される「英光祭」(文化祭)は、保護者や地域住民以外の者(他校生徒や兄弟など)が入場するには事前に在校生から入場券の申請を受ける必要が有り、染髪者は入場券を所持していても入場できないとされる。
- これは、「英光祭」は「学習の成果を発表する場」であり、「お祭り」ではないからとされている。
- 3年生(卒業式前)に卒業記念昼食会が東京の有楽町にある帝国ホテルで行われる。昼食会は秀明高校と秀明大学八千代高校の3校合同で行い、食事マナーを学ぶ。
- 月1回の頭髪検査と、不定期に行われる持ち物検査がある。不満を持つ生徒も存在する。
- 不用品持ち込みや、遅刻・居眠り、あるいは何らかの学校の校則を破った者には「5時まで学習」というのがある。内容は漢字の書き取りや英単語の書き取りを監督の教員がいる教室で5時まで行う、というものである。
- 頭髪検査は、1、前髪が眉に掛からない。 2、耳に髪が被らない。 3、襟足が長くない。が鉄則。
- 生徒が守るべき5つの約束という物がある。1、飲酒をしない。 2、喫煙をしない。 3、盗みをしない。 4、暴力をしない。 5、不純異性交遊をしない。 の他に、バイクの運転をしない・アルバイトをしないがある
この様な点から閉鎖的なイメージが先行するなど、地域によってはあまり有名ではない。
[編集] 英国語学研修旅行
1年生後半にイギリスへ約4週間の留学研修旅行が有る。国際英語コース在籍者は強制で、それの生徒は任意で参加する。費用は45万円ほどであるが、無利子の奨学金制度を用いての分割払いが可能。
これは秀明学園が所有するケント州のカレッジで語学勉強など行い、2週間ずつカレッジ内の寮とホームスティで過ごす。埼玉県の学校法人でイギリスに施設を複数所有するのは大変珍しいとされる。
[編集] 進路状況
例年500人前後の卒業生がいるが、近年は6割超が4年制大学に、残りの3割が短期大学や専門学校に進学し、さらに残りの1割弱は就職や浪人となっている。埼玉県と東京都の大学を中心に指定校推薦の求人があり、マスコミ向けには非公表ながら募集人数の合計は3年生徒の半数近く有る模様。
水球などでのスポーツ功労者には早稲田大学スポーツ科学部などへ推薦進学する年も有る。
高校入試では「偏差値下位校」ながらも、一般入試では2006年度卒業生で慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・中央大学など難関校への進学者がいる。ただし、国立や埼玉県立大学などの公立大学の合格者は未だ少数である。 一般・推薦合わせると、大東亜帝国や東洋大学・城西大学など埼玉県内の大学の進学者が大半である。
[編集] 内部進学制度
千葉県八千代市の秀明大学へ無試験・入学金免除で入学出来る内部進学制度があり、3年生1学期の時点で進学希望を出すと、その2学期から本校で大学の出張講義が受けられ大学単位の対象にもなる。これを用いると大学3年生までに学士取得に必要な単位を満たせると云われる。
以前は4大進学者の1割程度が内部進学であったが、高校所在地周辺地域からは遠く、学費が文系私大平均と比べると留学費が含まれているため非常に高価な事などから最近は少数である。
[編集] 所在地・交通アクセス
- 埼玉県上尾市上野1012番地
指扇駅・上尾駅からスクールバスが通学時に運行。指扇駅東隣に学園所有のスクールバス乗り場が有る。 スクールバスは自転車通学者や定期券未契約者は都度利用できない。
路線バスは東武バスウエスト上尾平方線などで、大宮駅・上尾駅・指扇駅方向からリハビリセンター(入口)バス停が最寄り。指扇駅から本校まで3キロメートル以上離れており、バスに乗らない場合は徒歩40分・タクシー1060円程度かかる。
川越線指扇駅は他に埼玉栄高等学校・埼玉県立大宮武蔵野高等学校の多くの生徒(少数ながら埼玉県立上尾橘高等学校・埼玉県立大宮光陵高等学校など)も利用するため、平日8時台の改札口は非常に混雑するが、栄高校最寄りの西大宮駅が開業すれば、指扇駅の混雑は多少緩和されると思われる。
位置的には上尾市西南部であるが、半径300メートル以内に西区が隣接し、近くを流れる荒川の対岸は川越市北東部(川島町隣接)であり、その地域からの自転車通学者も多い。
[編集] 系列校
- 英国語学研修用施設
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- キングスゲートカレッジ
- エバーズレーカレッジ
- 学校法人秀明大学による運営
- 八千代市
- ChaucerCollegeCanterbury 秀明カンタベリー大学
- カンタベリー市の国立ケント大学内に設置されている。秀明大学付属施設。