鉱山鉄道
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鉱山鉄道とは、鉱山の鉱石搬出のために作られた鉄道のことを指す。
鉄道が最初に発明されたのは、鉱山においての搬出用として敷設されたと言われている。 (鉄道の歴史の項を参照) 鉱石は比重が極めて重く、一度に大量の鉱石を消費地(工業地帯等)や、消費地への中間地点の港まで運ばなければならないため、鉄道が輸送手段として向いていると言われている。
また、鉱山内部で、鉱石搬出に使われる鉄道も鉱山鉄道と言われることが多い。
近年では、鉱山規模によってはベルトコンベアの発達により、鉄道からベルトコンベアに置き換えられる事がある。また、ダンプカー等を使用した自動車輸送に置き換えられることもある。 その他の鉱石輸送手段としては索道がある。
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[編集] 日本の鉱山鉄道
日本においては、かつて鉱石の搬出を目的とした鉄道が多数存在していたが、エネルギー革命による国内炭鉱・鉱山の衰退により、現在でも鉱石搬出を行っている鉄道はきわめて少なくなっている。
石炭以外の鉱山でも、採算性等の問題から国内鉱山の閉山が相次ぎ、鉱石搬出を現在でも行っている鉄道は極めて少ない。
石炭においては太平洋石炭販売輸送が現存している。その他、鉄鉱石等においては、鉱山構内で使われる、トロッコ等を使用した小規模な鉄道が国内数箇所で現存している模様。
[編集] 日本国内にて、現在でも鉱石輸送を行っている鉄道
旅客輸送を行う私鉄も含む。
[編集] 日本に現存するかつて鉱石輸送を行っていた鉄道
元々は鉱山鉄道であったが、現在でも旅客輸送を行っている路線が多数存在している。
鉄道敷設目的の鉱山が廃鉱となった場合、人口もそれとともに流出し過疎化して赤字に苦しむ路線も多い。また、鉱山は現存しているものの、輸送手段がトラックやベルトコンベアに置き換えられたため、鉱石輸送を辞めた鉄道もある。
また、大手私鉄においても、沿線、または終点近くに鉱山があり、一部路線が鉱山鉄道的な役割を果たす例もあった。
以下に各路線を記述する。 なお、直接の鉱石ではなく、鉱山近くのプラントで生産されていたセメントを輸送していた鉄道も含めて以下の項に記載した。
- JR北海道の各路線
- 小坂製錬小坂線
- 西武鉄道
- 東武鉄道
- 東武東上本線(石灰石搬出)
- わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線(銅鉱石搬出)
- 伊豆箱根鉄道駿豆線(大仁鉱山の金精鉱運搬)
- 天竜浜名湖鉄道(旧国鉄二俣線)(セメント運搬)
- JR東海飯田線(久根鉱山より銅鉱・硫化鉱搬出)
- 樽見鉄道樽見線(本巣駅からのセメント搬出)
- JR西日本
- JR九州の各路線
- 平成筑豊鉄道伊田線(セメント搬出)
[編集] 専用鉄道としての鉱山鉄道
以前は専用鉄道として敷設された鉱山鉄道も数多く存在した。現在は日本には存在しない。 戦後、大規模な路線を持っていたものとしては以下の例がある。
- 明神電車
- 住友別子鉱山鉄道
- 三池炭鉱専用鉄道 - 路線の一部は三井化学の専用鉄道として現存。
- 三菱鉱業芦別鉱業所専用鉄道
- 三菱鉱業茶志内炭礦専用鉄道
- 三井鉱山奈井江専用鉄道
- 日曹炭鉱天塩砿業所専用鉄道
- 日本セメント上磯鉄道
- 国見山石灰鉱業専用線
- 大分鉱業徳浦運搬線
[編集] 海外の鉱山鉄道
海外においては大規模な露天掘り鉱山や通常の鉱山が多数存在し、そこの鉱石搬出のための鉄道が未だ多数存在している。
[編集] 使用される機関車と貨車
- 機関車
- 重量物の大量輸送という目的があるため、通常の機関車だけでなく、鉱石輸送専用の大出力機関車が使用される事も多い。
- 貨車
[編集] 鉱山鉄道が出てくる主な作品
- 天空の城ラピュタ
- 東京ディズニーランドのビッグサンダー・マウンテン (厳密には作品で無いが、鉱山鉄道を模した遊具として認知されているため記載した)
- 汽車のえほん - こうざんてつどう(スカーローイ鉄道)を参照。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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