阪神5500系電車
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5500系電車(5500けいでんしゃ)は、阪神電気鉄道の通勤形電車。主に普通列車で使用される、いわゆる「青胴車」。
阪神5500系電車 | |
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阪神5500系電車 | |
両数 | 4両 |
起動加速度 | 4.0km/h/s |
営業最高速度 | 91km/h |
設計最高速度 | 110km/h |
減速度 | 4.5km/h/s(常用最大)
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車両定員 | 座席48・立席84(先頭車) 座席50・立席82(中間車) |
全長 | 18980mm |
全幅 | 2800mm |
全高 | 4060mm |
編成重量 | 34.0 |
軌間 | 1435mm |
電気方式 | 直流1500V |
モーター出力 | 110kW |
歯車比 | 1:7.07 |
駆動装置 | カルダン駆動方式 |
制御装置 | VVVFインバータ制御 |
ブレーキ方式 | 回生制動併用全電気指令式電磁直通制動 |
保安装置 | 阪神・山陽・阪急形ATS |
メーカ | 武庫川車両と川崎重工業 |
目次 |
[編集] 概要
1995年(平成7年)1月17日の阪神・淡路大震災により青胴車(ジェットカー)に8両の廃車が出た事を受けて製造。同年11月に営業運転を開始した。本来は翌年登場の予定であったが、震災で予定を前倒しされたという経緯がある。製造は自社の武庫川車両と川崎重工業。
8000系最終型とほぼ同一の鋼鉄製(屋根や床下等腐食しやすい箇所はステンレス製)18m片側3扉車体を有する。
車内も8000系を踏襲するが、座席モケットは車体塗色に合わせた青色となっている。現在は9300系と同じデザインのモケットに張り替えられたが、青色基調は変わっていない。更に、扉開閉予告ブザー(扉開閉時に「プー」という音を発する)と路線図と電光掲示板を一体化した旅客案内表示器、車椅子スペースを設置し、サービス向上に努めている。
また、前面窓周りが黒色に塗られた点、尾灯、標識灯がLEDの使用によって片側1灯ずつにまとめられた点、冷房装置が集約分散式インバータクーラー(CU703)を2基搭載となった点も8000系との相違点である。余談だが、CU703はJR西日本が223系などに採用している物と形状が酷似している。 増備中の変化として、5501F・5503Fの側扉窓が8000系同様金具枠付きなのに対し、5505F以降は複層ガラスに変更されている。
走行機器は他の青胴車と同じく全電動車方式であるが、阪神の車両で初めてVVVFインバータ制御(三菱電機製GTO方式)を採用。中高速域の加速の伸びが向上した事により加速度4.0km/h/s、減速度4.5km/h/sと、従来の普通系車両より0.5km/h/sずつ落とされている(運用上問題は無い)。高く長い加速音が特徴。この5500系は従来のジェットカーにおける弱点だった高速域での性能も確保しており、起動から80km/hまで21秒という性能を有している。
運転台は阪神車両で初めてデスク型を採用。ただしブレーキハンドルはそれまでの車両と同様、水平式。
塗色は登場当時に「震災を乗り越えて新たに出発する」という気持ちを込めて従来の青胴車のイメージを一新し、上部をアレグロブルー(空色)、下部をシルキーグレイ(淡灰)とした。36年ぶりの新色である。
1997年(平成9年)以降製造の5505Fから車両間に転落防止幌を設置。2006年に5501Fにも同装置が追加で設置されている。
また連結器がバンドン式から密着連結器に換装された車両が登場している。
※一部の阪神ファンの間では、9300系が「ジャビットカー」と呼ばれているのに対し、5500系はシャオロン電車もしくはシャオロンカーと呼ばれている。
[編集] 形式
- 5500型
- 5600型
- 5500型とユニットを組む中間電動車。制御器と簡易運転台を有する。
- 実際には5500型-5600型のユニットを2組繋げて4両で運用される。2005年現在、4両編成9本(36両)が在籍。
[編集] 運用
[編集] 余禄
1998年に阪神電気鉄道社員で鉄道ファンの河渕則彦氏が、「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)に「日本一速い電車」として書き込みをした事から、同番組の「リレー対決!○○ VS TOKIOシリーズ」の企画で5500系とTOKIOの5人が深江駅で250m競争(TOKIOは50m×5人のリレー)をした事がある。
勝負は二回行われ、共に5500系が勝ったので(通常、一回目で電車が勝利し、二回目でTOKIOがリベンジを果たすという番組構成になっている)、リベンジは後の放送に持ち越されるという異例の結果に終わった。
再戦は打出駅で行われ、この時はTOKIO側が勝ったものの、これには不正が行われたのではないかとの批判もある参考。
尚、河渕氏は実際にこの収録に2回共立ち会い、阪神だけに阪神タイガースの六甲おろしのBGM付きで出演していた。
阪神電気鉄道の車両 |
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現用車両 |
赤胴車: 1000系, 9300系, 9000系, 8000系, 2000系, 7890形・7990形, 8701・8801・8901形, 7801・7901形 青胴車: 5500系, 5131・5331形, 5001形(2代), 5311形 |
過去の車両 |
赤胴車: 3000系, 3801・3901形, 3521形, 7601・7701形, 3301・3501形, 3561・3061形 青胴車: 5261形, 5231形, 5151形, 5101・5201形, 5001形(初代) 小型旧性能車(鋼製): 1001形・1101形・1111形・1121形・1141形, 851形・861形・881形, 801形・831形, 601形, 701形 小型旧性能車(木製):301形・311形・321形・331形・291形, 51形, 1形 事業用車・電動貨車: 101形, 111形・112形・121形 (貨車), 67・69形, 151形, 155形 併用軌道線車両:201形, 91形, 71形, 121形,31形,1形, 51形・61形, 501形 |
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