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エアロスミス - Wikipedia

エアロスミス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

エアロスミス

2003年9月5日のワシントンD.C.公演より
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ボストン
活動期間 1970年~現在
ジャンル ハードロック
ブルースロック
レーベル コロムビア
ゲフィン
MCA
ソニーBMG・ミュージックエンタテインメント
メンバー スティーヴン・タイラー
ジョー・ペリー
トム・ハミルトン
ブラッド・ウィットフォード
ジョーイ・クレイマー
旧メンバー レイモンド・タバーノ
ジミー・クレスポ

エアロスミス (Aerosmith) は、マサチューセッツ州ボストン市を拠点に活動するハードロックバンド。

ヤードバーズをはじめ、1960年代のブリティッシュ・ロックというフィルターを通して、自国の音楽を表現しようとした。

1970年代に第1次黄金時代を築くが、その代償とも言えるドラッグや人間関係の問題で1980年代前半は低迷。

全員が麻薬中毒の治療のために厚生施設に入院。これは、落ちても這い上がろうとした彼らの執念の表れとして今も語り継がれている。

その後、ロック史にも珍しい復活(1985年)を果たし、商業的には70年代を上回る第2次黄金期を築くが、外部のソングライターによるバラードを歌うなどの行為に批判もある。

1998年映画「アルマゲドン」のメインテーマを手がけた。また同映画のヒロイン女優、リヴ・タイラーは、ボーカルのスティーヴンとベベ・ビュエルの間に産まれた実の娘。

日本でも大いに受け入れられ、70年代後半はキッス (KISS)、クイーン (QUEEN)、チープ・トリック (Cheap Trick)と並び、10代に人気があった。来日回数も多く、1998年には海外アーティスト初の4大ドーム・ツアーを敢行した。

バンド結成当初、ドラマーだったスティーブン・タイラーがヴォーカルとドラムスを兼任するはずだったが、目立たないので兼任をやめ、彼の悪友ジョーイがドラマーとして加入した経緯がある。 尚、バンド名はドラムスのジョーイによる造語。

2001年に『ロックの殿堂』入りを果たす。他にも今まで『ピープル・チョイス・アワード』2回、『ビルボード・ミュージック・アワード』6回、『アメリカンミュージック・アワード』8回、『ボストン・ミュージック・アワード』23回、『MTVビデオ・アワード』12回、『グラミー賞』4回など数々の賞を受賞している。また『ローリングストーン誌』、『ヒットパレード誌』でも最優秀ロックバンドに選ばれている。

『MTVアイコン』に選ばれた初のロックバンドでもある。

目次

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[編集] メンバー

[編集] 現メンバー

本名=スティーヴン・ヴィクター・タラリコ(Steven Victor Tallarico) =ボーカル、ブルースハープ、ピアノ
本名=アンソニー・ジョセフ・ペリー(Anthony Joseph Perry) =リードギター
  • ブラッド・ウィットフォード(Brad Whitford)
本名=ブラット・アーネスト・ウィットフォード(Brad Arnest Whitford) =リズムギター
  • トム・ハミルトン(Tom Hamilton)
本名=トーマス・ウィリアム・ハミルトン(Thomas William Hamilton) =エレクトリックベース・キーボード・ベース
  • ジョーイ・クレイマー(Joey Kramer)
本名=ジョセフ・マイケル・クレイマー(Joseph Michael Kramer) =ドラムス

[編集] 一時在籍メンバー

  • レイモンド・タバーノ(Raymond Tabano) =ギター ※デビュー前にウィットフォードと交代、バンドロゴ考案者
  • ジミー・クレスポ(Jimmy Crespo) =ギター ※「ナイト・イン・ザ・ラッツ」、「美獣乱舞」参加
  • リック・ダフェイ(Rick Dufay) =ギター ※「美獣乱舞」参加
  • デイヴィッド・ハル(David Hull ) =ベース ※2006年現在、癌治療中のトムに代わって全米ツアーに参加

[編集] メンバーの変遷

1970 ~ 1971
(デビュー前)
1971 ~ 1979
(デビュー当時)
1979 ~ 1980
(ジョー一時脱退後)
1980 ~ 1984
(ブラッド一時脱退後)
1984 ~ 現在

[編集] バイオグラフィ

1970年代夏、アメリカ、ニューハンプシャー州サナピー湖のザ・バーンというクラブで演奏していた、ジョー・ペリー (g) とトム・ハミルトン (b) のバンド、ザ・ジャムバンドを見たスティーヴン・タイラー (vo) は彼らと新たにバンド組む事を決意した。スティーブンによると彼らの演奏は最低だったが、彼らのエネルギッシュなプレイは最高だったという。

当時、既にバンド『Chain Reaction(チェーン・リアクション)』でプロとしてデビューしていたスティーブンは、同年、このまだ見ぬ架空のバンドのドラムに友人のジョーイ・クレイマーを、そしてもう1人のギタリストに同じく友人だったレイモンド・タバーノを迎えたが、翌年にはレイモンドが脱退し、変わりにバークリー音楽大学を卒業し、複数のバンドでの経験を持っていたブラッド・ウィットフォードを迎える事になる。そしてこの5人が、エアロスミスのオリジナルメンバーである。こうして、兄弟となった5人はボストンの小さなアパートの個室で共同生活をする事になった。また、エアロスミスというバンド名は、ジョーイが学生時代ノートの隅に書いてあったバンド名の1つであり、空気を意味するAeroと職人を意味するSmithを合わせた造語である。

その彼らは、自分達の音楽観でブリティッシュ・ロックをフィルタリングしてハードロックという形で、アメリカのロック界の発展に大きく寄与したバンドの1つである。70年代、当時は「ドラッグ、アルコール、セックス」といったイメージが非常に強かった彼らが、80年代前半の低迷期、その後の第2次黄金期を経て、ゴージャスなロックンロール・バンドへと変貌していった話は有名だ。だがしかし、そんな山あり谷ありのミュージシャン人生の中で今なお、彼らは自分達のスタイルを確立し続けている。

デビューから30年以上経った今なお、アメリカン・ハードロックの頂点に君臨するエアロスミスだが、彼らはデビューしていきなり大ヒットしたというタイプのバンドではない。むしろ、デビュー当時は評判はあまり良くなかった。マスコミからはローリング・ストーンズやヤードバーズのチープなコピーだと非難されていた。事実初期の2枚のアルバムは演奏も録音もアマチュアっぽく、とてもトップクラスのバンドとは比較できないものであった。1stアルバム『野獣生誕 (Aerosmith)』(1973年)は発売当時、ビルボードチャートにチャートインしたものの、数ヶ月掛けてようやく最高166位だった。2ndアルバム『飛べ!エアロスミス』 1974年を発表。根気強くライブをこなし、徐々にブレイクしていく。

ミュージシャンとして徐々に自分達のスタイルを築いてった彼らはついに、3rdアルバム『闇夜のへヴィ・ロック (Toys In The Attic)』(1975年)と4th『ロックス (Rocks)』(1976年)で人気爆発。スタジアム級のバンドとなる。完全にエアロスミスとしてスタイルを確立している。これが彼らにとって、初めての黄金期となった。その後のアルバム『ドロー・ザ・ライン (Draw The Line)』(1977年)、そして『ライヴ・ブートレッグ』(1978年)と快進撃は続いた。

しかし、中心メンバーであったジョー・ペリーが中途半端に参加(この後脱退)したアルバム『ナイト・イン・ザ・ラッツ』(1979年)は多くのファンを失望させる出来であった。人気も急落し、低迷期を迎える事になる。そして、2人のギタリストが完全に脱退して、後任のギタリストを迎えて作った『美獣乱舞 (Rock In A Hard Place)』(1982年)は、曲のクオリティは悪くないもののバンドとしてのマジックが全く感じられない失敗作だった。スティーブンの事故による休養もあってバンドの人気はどん底に落ちる。

いつ解散しても不思議ではなかった彼らだが、1984年、待望とされていたオリジナルメンバーでの復活は遂に成し遂げられた。そして、新たにゲフィン・レコードと契約した彼らは、MCデュオ、RUN D.M.Cによる『ウォーク・ディス・ウェイ (Walk This Way)』(邦題:お説教)のカバーの全米4位という大ヒットも手伝って、徐々に数年間のブランクを取り戻していったが、その代償として産業的な道を選ぶ事となった第2次黄金期を迎える。この時期に出した3枚のアルバムは、ヒット・メイカーとして知られるブルース・フェアバーンがプロデュースをした。『パーマネント・ヴァケーション (Permanent Vacation)』(1987年)、『パンプ (PUMP)』(1989年)といずれもセールス面において成功をおさめる。続く作品『ゲット・ア・グリップ (Get A Grip)』(1993年)は完成しかけたマスター・テープを一度全て廃棄して作り直すほど徹底してクオリティーにこだわった作品で、初の全米チャート1位、全米で700万枚、全世界では1200万枚を売り上げる大成功をおさめた。

ブルース・フェアバーン3部作で商業的に大成功した彼らは、古巣コロンビア・レコード(ソニー)復帰し、復帰第1作となる『ナイン・ライブス (Nine Lives)』(1997年)では全米1位を獲得し、映画『アルマゲドン』のメインテーマとなった『ミス・ア・シング(I Don't Want To Miss A Thing)』は全米シングルチャートで1位を獲得している。2001年3月には通算13枚目で全米2位のアルバム『ジャスト・プッシュ・プレイ (Just Push Play)』をリリース、2004年にはブルース・カバーアルバム『ホンキン・オン・ボーボゥ (Honkin' On Bobo)』をリリースした。これに合わせたツアーを境にバンドは無期限休業宣言をするものの、2005年にはライブ・アルバム『ロッキン・ザ・ジョイント (Rockin' The Joint)』、そして2007年現在、全米でツアーを行っている彼ら(ベースのトム・ハミルトンは喉の癌のため治療に専念中)だが、来年からニューアルバムの製作に取り掛かる予定だ。

また、彼らはこの長い経歴の中で2001年のロックの殿堂入りや1998年の洋楽アーティストで初となる4大ドーム制覇などに代表されるような偉業を成し遂げている。また、今現在のアルバムのトータルセールスは1億枚以上とも言われている。


[編集] 代表曲

『ウォーク・ディス・ウェイ (WALK THIS WAY)』
1975年発表の第3作目『トイズ・イン・ジ・アティック (Toys in the Attic)』(邦題:闇夜のへヴィ・ロック)収録。1977年には全米最高位10位を記録している第1次黄金期を代表する名曲である。当時から現在に至るまでライヴ・パフォーマンスにおいて外す事はできない定番であり、一度そのリフが掻き鳴らされると常にオーディエンスは熱狂に包まれるほどのインパクトを持っている。
1986年にはアメリカのMCデュオ、RUN D.M.Cによってカヴァーされ(全米最高位4位)、ゲストとしてスティーヴンとジョーが参加している。この出来事は当時としては相当センセーショナルな事件であり、1979~84年のセールス的低迷からの脱却を印象付けるとともにバンドとしての復活を決定的なものとし、第2次黄金期の完全なる幕開けを飾る結果となった。尚、この曲はラップとしてカヴァーされているが、原曲においてスティーヴンが用いている手法は「語り」と呼ばれるものである。その例として『イート・ザ・リッチ (Eat the Rich)』(1993年発表の第16作目『ゲット・ア・グリップ (Get a Grip)』収録)においても同様の手法が見られる。
CMソングやテレビ番組の主題歌への起用も多く、2006年10月現在日本ではソフトバンクモバイルのCMソングに使われている。また『踊る!さんま御殿』(日本テレビ放送網)のエンディングテーマにも長らく起用されている。
『ドリーム・オン(DREAM ON)』
1973年のデビューアルバム『野獣生誕』からのシングル・カット作。『野獣生誕』は売れなかったもののDream Onのみボストン周辺では高い支持を得ていた。その後再販により発売され1976年に全米チャート6位まで上昇した。スティーヴンの声が現在と全然違うため、驚く人は多い。
『トレイン・ケプト・ア・ローリン(Train Kept A Rollin)』 
飛べ!エアロスミス収録。彼らが若い頃から憧れ尊敬している『ヤードバーズ』のカバー曲。カバー曲でありながらエアロスミスの代表曲でもある。ちなみにこの曲でB'zと共演している
『ドロー・ザ・ライン(Draw the Line)』
1977年発表のアルバムタイトル曲。バンドの正に絶頂期の頃の作品。ジョーのスライド・ギターが全面に渡りさえ渡る、ライブでの定番曲。曲の中間部のインプロ後にスティーヴンのかなり高音で、なおかつ長いシャウトが聴ける。ライブでこれを再現しても潰れない事から、あまり太いとは思えないスティーヴンの声帯は実はかなりタフなものであると推察できる。
『エンジェル(Angel)』
1987年発表の『パーマネント・ヴァケーション』収録。エアロスミス復活の一役買った曲でもある。1988年に全米3位を獲得した。
『ジェイニーズ・ゴット・ア・ガン(Janie's Got A Gun)』
1989年発表の『パンプ』収録。エアロスミス初のグラミー賞受賞曲で、ライブの定番の曲である。全米4位を記録。
『ワット・イット・テイクス(WHAT IT TAKES)』
『パンプ』の収録曲。全米チャート9位。[1]
『エレヴェーター・ラブ(LOVE IN AN ELEVATOR)』 
10thアルバムパンプからのシングル作。全米チャート5位を記録。
『フォーリング・イン・ラヴ(Falling In Love)』
1997年発表『ナイン・ライヴス』からの先行シングル(全米チャート35位)。収録アルバムの『ナイン・ライヴス』は全米チャート1位を記録。
『ミス・ア・シング (I DON'T WANT TO MISS A THING)』
映画『アルマゲドン』の主題歌。1998年に全米4週連続1位を獲得した。初の全米一位を獲得した曲であるが、彼らのオリジナルの曲ではないため残念に思うファンは多い。作品を手がけたのは、セリーヌ・ディオンなどを手がけているダイアン・ウォーレン。[2]
『ジェイディッド(Jaded)』
2001年発表の『ジャスト・プッシュ・プレイ』収録。全米7位。キャッチャーなサビが大好評。2004年にはコカ・コーラのCMにも起用されている。映画並みにつくられたプロモーションビデオも、話題を呼んだ。

(※文中の最高位はビルボード(Billboard)誌によるもの)

[編集] 主なアルバム作品

『ROCKS/ロックス』
1976年発表のアルバム。歴史的名盤といわれている一枚。
『PUMP/パンプ』
1989年発表のアルバム。再結成後の彼らがようやく自分たちを取り戻したような傑作。『エレヴェーター・ラブ(LOVE IN AN ELEVATOR)』が大ヒットする。
『GET A GRIP/ゲット・ア・グリップ』
1993年にリリースされたアルバム。一度完成したマスターテープを棄ててまで再完成させたアルバム。それだけのクオリティに拘っただけのことはあり全世界で1600万枚以上のモンスター・ヒットを記録し、エアロスミスでは初となる全米1位を獲得した。

[編集] スタジオ・アルバム

  • 1973å¹´ 野獣生誕 - Aerosmith
  • 1974å¹´ 飛べ!エアロスミス - Get Your Wings
  • 1975å¹´ 闇夜のヘヴィ・ロック - Toys in the Attic
  • 1976å¹´ ロックス - Rocks
  • 1977å¹´ ドロー・ザ・ライン - Draw the Line
  • 1979å¹´ ナイト・イン・ザ・ラッツ - Night in the Ruts
  • 1982å¹´ 美獣乱舞 - Rock in a Hard Place
  • 1985å¹´ ダン・ウィズ・ミラーズ - Done with Mirrors
  • 1987å¹´ パーマネント・ヴァケーション - Permanent Vacation
  • 1989å¹´ パンプ- Pump
  • 1993å¹´ ゲット・ア・グリップ - Get a Grip       
  • 1997å¹´ ナイン・ライヴス - Nine Lives
  • 2001å¹´ ジャスト・プッシュ・プレイ - Just Push Play
  • 2004å¹´ ホンキン・オン・ボーボゥ - Honkin' on Bobo

[編集] コンピレーション・アルバム

[編集] ライブ・アルバム

  • 1978å¹´ ライヴ・ブートレッグ - Live! Bootleg
  • 1986å¹´ ライブ・クラシックス - Classics Live I
  • 1987å¹´ ライブクラシックス2 - Classics Live II
  • 1998å¹´ サウス・オブ・サニティ - A Little South of Sanity
  • 2005å¹´ ロッキン・ザ・ジョイント - Rockin' the Joint

[編集] 日本公演

[編集] その他

  • ルックスからしばしばローリング・ストーンズと比較されるが、ビートルズの影響が強いことは本人たちも認めている。「カム・トゥゲザー」を始め数曲をカバーしている。また「リヴィング・オン・ジ・エッジ」を作曲している時に部屋にジョン・レノンが降りてきたとスティーブンが語っている。
  • ナイン・ライヴスの初期ジャケットは、一部ヒンズー教徒の反感を買うデザインだったため、現在のデザインに変更された。元は猫の頭をした女性が多頭の蛇ヒュドラの中央で踊る物であった。(→参照 Nine Lives(英語)変更前後のデザインが確認できる。)なおNine Livesは"a cat has nine lives"(猫には九つの命がある)の故事から来ている。
  • アメリカのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内のディズニー・MGM・スタジオに彼らをモチーフとしたアトラクション、ロックンローラー・コースターがある。
  • エアロスミスはレッドソックスの応援団を自任しているほどのボストン・レッドソックスファン。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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