オランダ鉄道
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オランダ鉄道(オランダ語:NS, Nederlandse Spoorwegen)は、オランダの鉄道を運営する鉄道事業者である。
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[編集] 概要
旧オランダ国鉄(NS)は、欧州連合(EU)の施策により上下分離が行われ、現在は以下の組織に再編されている。
- プロレール(ProRail)
- オランダ鉄道(N.V. Nederlandse Spoorwegen)
- 旅客列車の運営を行う
- レイリオン・ベネルクス(Railion Benelux BV)
本社はいずれも、首都アムステルダムではなく、オランダ第4の都市で、鉄道網の中心と言われるユトレヒトにある。
[編集] 路線
オランダ鉄道は、日本の約1割に相当する40,000平方キロの国土に、約2800kmの鉄道網を有し、日本やドイツと並んで、鉄道密度が高い国である。また、旅客輸送密度はヨーロッパで群を抜いて高く、鉄道が国内交通で重要な役割を果たしている。 オランダ最初の鉄道は1839年、首都アムステルダムと、北海沿岸のハールレム(Haarlem)の間に開業した。以後、国内に路線網を築き上げた。1860年から鉄道の国有化が始まり、1917年にオランダ国鉄が発足している。 オランダの鉄道の特徴として、4大都市(アムステルダム・ロッテルダム・ハーグ・ユトレヒト)を相互に結ぶ路線を中心に、オランダ国内の各都市を縦横に結んでいることが挙げられる。特に、前述の4大都市がある「ランドスタット」と呼ばれる地域は、鉄道の密度が高い。国内各都市へはいずれも数百キロの範囲内にあり、そのため、古くから都市間の高頻度輸送が充実してきた。これは現在でも、オランダ鉄道の基礎を成している。 なお、電化方式は直流1500Vで、電化率は7割を超えている。複線区間の進行方向は、右側である。 オランダ鉄道が計画している鉄道網整備の主なものとして、以下の事業がある。
- ベテゥベルート(Betuwe Route)
- 高速新線南線(HSL-Zuid)
- 高速線東線(HSL-Oost)
[編集] 列車の種類
- 国際列車
- 首都アムステルダムが古くから交通の要衝であったこともあり、古くから、近隣諸国の都市を結ぶ国際列車の拠点となっていた。特にパリ・ブリュッセル・アムステルダムという、3つの国の首都を結ぶ路線は、3都市の頭文字を取って"PBA"と呼ばれており、ヨーロッパの鉄道の最重要幹線の一つである。1970年代までは、TEE「エトワール・デュ・ノール」や「ラインゴルト」のような列車が設定されていた。現在はTEEや、その後継のユーロシティ(EC)も、オランダでは見られなくなったが、代わってThalysやICEのような高速鉄道が乗り入れており、国際列車の重要拠点であることに変わりはない。
- 国内列車
- 国内列車は、都市間を相互に結ぶ列車が、30-60分間隔の完全パターンダイヤで多数設定されている。また、主要駅での相互接続や、優等列車と各駅停車との緩急接続も行っており、日本の大都市の鉄道と共通する点も多数ある。
なお、最近は、主要線区の混雑や過密ダイヤに起因するダイヤ乱れが常態化しているため、その対策として、2006年12月10日に、運転系統の大幅な再編を目的としたダイヤ改正が行われる。基本的には、種別を"Intercity"と"Sprinter""Stoptrein"に集約し、"Sneltrein"は大幅に削減される予定である。
[編集] 車両
[編集] その他
- 東京駅のデザインは、アムステルダム中央駅を基にしたと言われているが、形状がかなり異なるため、否定的な見解もある。
- TEEを提唱したのは、当時のオランダ国鉄の総裁である。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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